JBP検討(3)部門分け
Posted at 04/04/11 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
医者が患者を診察して薬を処方するように、集まっている人たちの性格や今の気分、その場の雰囲気を見極めて最適のゲームを出せるならば一番よい。多少刺激の強い薬を出すこともできるだろう。
それに比べれば日本ボードゲーム大賞はよく売れた市販の売薬のようなもので、誰でもたいてい楽しめる分だけ、当たり障りないという欠点もありうる。そこでカスタマイズするために、現在4つの部門が設定されている。
- 海外ゲーム・入門者部門
- ルールが比較的易しく、初心者でもすぐに楽しめるゲーム。家族向け。トランスアメリカ、コロレット。「入門者」でなくとも、フリークが重いゲームの合間に遊んだり、軽いゲームを好む人がよく遊んだりするので、とにかく広い層に受け入れられているということ。
- 海外ゲーム・フリーク部門
- より発展的な内容で、ゲームに慣れた人が楽しめるゲーム。 プエルトリコ、宝石商。フリークが集うウェブ(国内・海外問わず)やサークルではこの賞が一番注目され、話題にもなるが、実世界ではこれらのゲームをやりこんでいる人はむしろ少数派であることに注意しておきたい。
- 国産ゲーム部門
- 日本語パッケージで一般発売されたもので面白いゲーム。ブロックス、アップル・トゥ・アップル。国産オリジナルだけでなく、日本のメーカーがローカライズした海外ものでもよい。但し日本語のルールが添付されているだけのものは除外。当初想定していなかったが、サンファンのように海外産日本語パッケージゲームも入るので「国産」という名称は検討しなければならない。
- 子どもゲーム部門
- 8歳くらいまでの子どもが理解でき、かつ親などの大人も一緒に楽しめるゲーム。穴掘りモグラ、ねことねずみの大レース。大人も一緒に楽しめるというのは、子供だましと感じることがなく、大人だけで遊んでも盛り上がれるという意味。子供ゲームの新作はそれほど多くないことから、入手できるものであれば発売年は問わない。
この部門分けは、必要最小限の構成を意識して作られたが問題がないわけではない。
- 入門者とフリーク部門の境界に基準がないこと。今年はアルハンブラが両部門でノミネートされ、どちらにおいても3位に終わった。どちらの部門に挙げるべきか迷うようなゲームはたくさんあるので、大いに悩むことになるだろう。
- 同じく入門者と子ども部門の境界も曖昧である。現時点ではドイツに倣って最低対象年齢によって機械的に(8才までなら子ども、9才からは入門者)分けているが、この境界線上にあるゲームも多い。
- フリーク部門の孤立。フリーク部門にノミネートされるようなゲームは値段が高く、時間もかかるため頻繁に遊ばれていない。その結果、投票数自体が少なく、また投票があったとしてもウェブなどでの評価が投票時の先入観となったり、入門者寄りの相対的に軽めなゲームに比重が移ったりしがちになる。遊ぶ人が増えて票数が増えるのが一番だが、フリーク部門については選考委員会制など、別な選考方法が相応しいのかもしれない。
- 国産ゲームと海外ゲームを分ける必然性。現時点において国産ゲームは発展途上で、海外ゲームと一緒にすると負けてしまうという見方から、国産ゲームをもっと注目してもらうためと、外国語が苦手な方が安心して遊べるために別立てされているが、将来的に国産ゲームにどんどん傑作が出てきて、国際的にも評価が高まってくるならば分ける必要が薄れるだろう。
- 大賞が4つもあるということによるインパクトの薄れ。今はさまざまな層からボードゲームに着目してもらうという実利を取って別々にしているが、海外の賞のようにひとつを決めたいという気持ちも当然ある。さらに大賞は国産ゲームにとってもらいたいというのも日本人としての人情。4つの部門を全て平等に扱うのか、どれかひとつをクローズアップしていくのかはこれからの課題となる。
このように見ていくと、各部門がずいぶん異なった方向性をもっていることに気づく。一方で選考方法はいずれも投票なのだから、方向性とマッチしていないところがあるかもしれない。とはいえ部門別に選考方法を変えるなどといった煩瑣なことはできないので、方向性を投票者に十分周知しつつ選んでもらうということになるだろう。
年間ゲーム大賞も何年かに一度選考方法を変えている(最終ノミネートや今年から始まる5タイトルオンリーノミネート)ようだし、部門分けも何年か後に構成しなおしたい。
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