ゲームサイトを考える集い(5)普及について
Posted at 05/05/30 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
インターネットを通してボードゲームを普及させるといったとき、何か違和感を感じることがある。まずボードゲームは普及すべきものなのかという根本的な問題、次に普及がインターネットでできるのかという問題、そして趣味程度の労力で普及になるのかという問題、ほかにあるかもしれないが大きく分けてこの3つの問題を考え、違和感の解消を目指す。なお下記の考察は普及が楽しいものだという前提で書かれているので、苦痛にしか思えない人には当てはまらないかもしれない。
- ボードゲームは普及すべきものなのか
- 普及させるというからには、現在はまだ知られていなくても、それを導入することが世の中の役に立つものでなくてはなるまい。水洗トイレの普及、携帯電話の普及とは言っても、インド哲学の普及なんて話には(おそらく)ならないのである。ボードゲームはその点どうか。愛好者にとっては素晴らしいものにちがいないが、誰にとっても役に立つものとまで言うのは難しい。無数にある趣味のひとつといってしまえばそれまでで、人為的に普及させなくても好きになる人は自然に好きになるだろうという考え方もある。「考える会」では普及を考えなければいけない趣味という時点で終わっているのではないかという意見も出された。
ボードゲームをひとつの趣味と捉える限り、確かに普及すべきものとは言い難い。しかし、ここで楽しいという以外のボードゲームの効用を考えてみると、普及する価値が見えてくるのではないか。例えば親子・友達のコミュニケーションの向上、社会性の育成、思考力・発想力・交渉力の強化など(熊本ドイツゲームの会「ドイツ製ゲームの効能」、ゆうもあ「ボードゲームとは?」)。
こう列挙してしまうと堅苦しいが、結果としての効用であってはじめから意識しておく必要はない。楽しく遊んでいるうちにためにもなるといった寸法だ。ただ楽しめばよいものに無理に理論付けするのは好きではないが、知らない人に試してもらいたいと思わせる魅力や価値があることは疑いがない。
「このゲームは最高!」「テンサーイ!(意味不明)」 - 普及がインターネットでできるのか
- 家族や友達に教える、サークルを開く、地元の文化祭に出展する、学校・保育園・老人施設などのレクリエーションに紹介するなどのリアル世界での普及活動は間違いなく実効性が高い。翻ってインターネットは顔が見えず、実際に遊ぶわけでもない(BSWなどオンライン対戦もあるがドイツゲームに関してはまだまだ一般的ではない)。ネットサーフィンでゲームサイトにたどり着くことなど稀だろうし、そこにいくら面白い面白いと書かれていたところで、実際に遊んでみなければわからない。このためオンラインで普及することなど無理だろうという考えもある。
確かに、全くボードゲームのことを知らず、また知りたくもない人をオンラインだけでボードゲームの世界に誘うことはまずできない(オフラインならば不可能ではない)。しかし、ちょっとでも興味があれば、その興味をさらに増やすことはできるのではないだろうか。0.1を1に、1を2に。私のサイトは一足飛びに9を10にしようとしてしまっているが、どんな興味の段階であれ、情報に接して興味が増すならばそれこそが普及と言えるだろう。
インターネットの最大の強みは時間や距離の制約がないことだ。全く知らない人にも細やかに影響を与えられる。
「♪ああ日本のどこかに私を待ってる人がいる……」 - 趣味程度の労力で普及になるのか
- ひとにぎりの関係者を除き、たいていの人にとってボードゲームは道楽である。「考える会」では本気で普及するならば職業になってしまうのではないかという話にもなった。例えば日本ではボードゲームを手に入れる手段が少ないのが第一の問題だが、じゃあ札幌なり、仙台なり、大阪なり、博多なりに新しく店を開くのかと言われれば片手間には決してできまい。マスメディアで取り上げてもらうほどの金もコネもない。
しかし、それは愛好者に普及する道がないことを意味しない。千人や一万人にボードゲームを知ってもらうことが普及とは限らないからだ。むしろ利益の有無に影響されない愛好者だからこそできる普及のあり方があると、私は思う。ゲームを買う、そして身近な仲間で遊ぶ、ブログにちょっと感想を書いてみる、ゲームマーケットに参加する……そんな普通のゲーマー生活だって、意識するしないに関わらず普及の一端を担っていることになる。彼女1人でも普及は普及。肩肘を張らなくても、普及という看板を大々的に上げなくても自分が楽しいと思える範囲内で普及はできる。
だがさらに、職業とまではいかなくとも、もっと労力を惜しまなければ惜しまないほど、その途中は苦しいとしてもその結果得られる喜びや満足感はそれだけ大きなものとなるだろう。
「わたし、普及するつもりなんてこれっぽっちもなかったんです、でもいつの間にか……」
それではどういうスタンスで普及するか? オンラインにせよオフラインにせよ、おせっかいや押し売りで嫌がられないように気をつけながら、潜在的なニーズをどうやって掘り起こしていくかは、別に考えていかなければならない。
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