ドイツ人にとっての陣取りゲーム

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ドイツのボードゲームには、陣取りものが多い。フランスを舞台にした「カルカソンヌ」、スペインを舞台にした「エルグランデ」、ドイツを舞台にした「ラインレンダー」「ヴァレンシュタイン」、イタリアの「サンマルコ」、アメリカの「マンハッタン」、イラク(現在)の「チグリス・ユーフラテス」、エジプトの「アメンラー」、インドの「タージマハル」、中国の「チャイナ」、日本の「サムライ」、今年はヴェルサイユ宮殿の貴族を「陣取り」する「ルイ14世」がヒットしている。架空の世界だが「カタン」もそうだ。限られた土地を限られた人やお金で占領する。占領した人だけが利益を得ることができるから、やすやすと人に渡してはならない。


ドイツでは離婚の理由として「生活圏の侵害」というのがよくあるという(asahi.comドイツ年特集:「生活圏」侵したら、離婚の危機)。日本だったらおそらく「家庭内の不和」が離婚の主要な理由になるだろうことを考えると、自分自身の立ち位置にずいぶん違いがあることに気づかされる。配偶者であっても侵害されたくない、自分だけのテリトリー。日本でも近年はそういう生活スタイルが増えているが、夫婦では特にテリトリーはできるだけ重なり合うことが理想視される。



この言葉に、さすが、周りの国と陸続きの狩猟民族の発想だなあと感心しているのは、私だけでしょうか。狭い島国の日本の場合、一緒に暮らす二人は、考え方や感性、価値観、そして性格までも一致している方がいいと、一般的には考えられていますよね。



ここから考えると、陣取りゲームにおいてもドイツ人は日本人と比べ物にならないほど、自分のテリトリーに対する思い入れが強いのではないだろうか。だからこそ陣取りゲームが白熱するのではないだろうか。ギブアンドテイクでみんな仲良く共存しましょうというような島国感覚では、自分のテリトリーを奪われても奪ってもそのこと自体はさほど悔しくも嬉しくもない。ただその結果として利益が増減することの方が精神的に大きい。極端な話、あるテリトリーを取っても取らなくても利益は全く同じという状況なら、日本人はきっと取らない方を選び、ドイツ人は取る方を選ぶ傾向があると考えられる。


ここに、ドイツの陣取りゲームの楽しみ方のヒントが隠されている。もっとテリトリーに執着すること。損得計算はさておいて、自分のテリトリーを死守し他人のテリトリーは全力で落とす。取られても諦めず、たえず挽回を期す。そんなゲームとは直接関係のない精神的な攻防が楽しめるようになってきたら、新しい境地が生まれるかもしれない。さらには、仕事や人生に変化が現れることだって、考えられなくはないのである。


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