年間ゲーム大賞ノミネート分析
Posted at 06/05/30 PermaLink» Comment(4)» Trackback(0)»
ボードゲームのアワードとして世界で最も影響力のあるドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)のノミネートが、予告通り28日に発表された。私の予想はほぼ全敗。11の予想のうち、ノミネート入りが郵便馬車のみ、それは俺のサカナだぜが推薦リスト、ケイラスが特別賞。ノミネート+推薦リスト+特別賞の16タイトル中、プレイ済みも6タイトルに留まっている。
例年以上に多くの作品がノーマークだったことは、ノミネート5タイトル中、現時点で一般発売されているのが郵便馬車のみだったこと*1、ドイツの大賞予想トトで票が集まらないゲームが選ばれたことからも分かる*2。
ノーマークだった原因は、今回ノミネートや推薦リストに多くのゲームを出したメーカーが、リリース情報を事前に流していなかったことが大きい。アミーゴとファランクスを除き、コスモス(ノミネート2、推薦リスト1)、クイーンゲームズ(ノミネート2、推薦リスト2)、ラベンスバーガー(推薦1)など、ゲームの内容が明らかになったのはエッセンやニュルンベルクの事後である。もっとも、コスモスはエラズント、クイーンゲームズは将軍、ラベンスバーガーはセルティカなど看板ゲームがこけて、3番手、4番手くらいが選ばれているので、メーカーが一番驚いているのかもしれない。
さて、どの作品が栄えある大賞に輝くだろうか。シュピールボックスのフォーラムでは今、盛んに議論されている(ドイツ人、好きだなぁ?)。ノミネート作品の中では小箱の海の盗賊に驚きの声が大きい。このことは、大賞予想トトで予想していた人が1人もいなかったということからも分かる。納得できないという声が聞かれるのがジャスト4ファン、ローマ水道。フリークとしては、郵便馬車がダントツに期待されており、それが無理ならブルームーンシティにということのようだ。その一方で、子どもも一緒に遊べる家族ゲームならば郵便馬車はありえないのでは?という声もあることにはある。
ノミネート5タイトルの対象年令は8才からか10才から、プレイ人数もだいたい2?4人と大差ない。プレイ時間で2タイトルが30分程度、残りが60分程度と二分される。難易度は1が海の盗賊とジャスト4ファン(この2作品がプレイ時間30分程度)、難易度2がローマ水道と郵便馬車、難易度3がブルームーンシティ。この難易度評価は、大賞を予想する上で重要な手掛かりとなる。
かつてからノミネート作品は、大賞受賞はまずあり得ないようなジャンル(2人用やアブストラクト)からも選んでバランスを取ってきたが、それは5タイトルのノミネートになってからも続いているように思われる。今回で言うと、初心者的な位置づけ(難易度1)の海の盗賊、アブストラクト系のジャスト4ファン、フリーク寄り(難易度3)のブルームーンシティは受賞可能性が低いだろう*3。とすると残りはローマ水道と郵便馬車ということになる。
ここで、フリークに熱狂的に支持されるゲームは大賞を受賞しにくいという法則がある。一昨年のサンクトペテルブルクがそうであり、4年前のプエルトリコがそうだ。これらの作品は、ドイツゲーム賞で1位を獲得している。郵便馬車の作者は奇しくもプエルトリコと同じザイファルト。難易度2とはされているがフリーク向けという声もあり、残念ながら消えてしまいそうだ。郵便馬車が受賞するとすれば、1990年代後半のフリーク路線回帰を審査員が打ち出すことになるだろうが、一般層を広げるという昨今の方針から考えても、その可能性は薄いといわざるを得ない。
となると、残るのがローマ水道だ。難易度は中庸、フリークからもさほど目を付けられていない*4。今までの傾向を見ると、これが一番可能性が高いのではないか。受賞すれば、クイーンゲームズは2003年のアルハンブラ以来、2年ぶり2回目の受賞となる。発表は7月17日。
*1:メビウス頒布会ではローマ水道が3月に発売され、今月末にブルームーンシティとジャスト4ファンが発売される予定となっている。あとは海の盗賊を残すのみ。すごいヒット率だ。
*2:この予想の参加者はフリーク層だが、自分の好みではなくあくまで審査員が何を選びそうかという主旨で行われている。その予想の中ではマウアーバウアー、ラムと名誉、クレオパトラと建築士、魔法の掃除機、ハチエンダが上位ながら推薦リストにも入らなかった。
*3:これによってまたもや、クニツィアの無冠の帝王伝説がささやかれることになるだろう。
*4:H@LL9000の評価は中の上くらい、ギークでも6.6、play:gameの評価平均は6.2という良くも悪くもない評価がついている。
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"年間ゲーム大賞ノミネート分析"へのコメント
CommentData » Posted by メビウスのおやじ at 06/05/30
すばやい情報ありがとうございます。
いつも、このページでチェックさせていただいています。以前は、メーカーから「ノミネートになったぞ?」というメールがありましたが、最近はそれもありません。自分でチェックするのが当たり前になったのでしょうか。
本題ですが、私の大賞予想は「ブルームーンシティ」です。難易度的にも、郵便馬車と同じかそれ以下だと思いますし、楽しめるシステムです。
その上、TCG用に作ったカードイラストが魅力的です。ついにクニッツィア獲得するときが来たのではないでしょうか。頒布会ゲームとして発送しましたので、プレイしてみてください。
CommentData » Posted by おの at 06/05/31
メーカーのホームページをこまめに見ている人なんて、そうはいないでしょうにね。取り扱いアイテム数が多すぎて、連絡もできないのでしょうか?
ブルームーンシティ予想! 審査員は難易度3をつけていますが、ルールが郵便馬車よりも易しいとあれば可能性は十分ですね。ぜひ遊んでみます。
CommentData » Posted by 筒井 at 06/05/31
こんにちは、情報ありがとうございます。
わたしもクニツィアの無冠返上を予想しています。
しかしタイトルからすると、受賞後にはたくさん拡張セットが出てきそうですね。
ちなみにわたしはマウアーバウアーが相応しいと思っていました。コロヴィーニがああいう形で大衆化(?)を図ったのは嬉しい誤算だったのです。深い考察よりひらめきと運を重視した内容は、日本やアメリカでは評価されないかもしれませんが、ドイツでは歓迎してあげてほしいですね(わたしはまだ、ゲームに国境はあると考えていますので特に)。
CommentData » Posted by おの at 06/06/01
マウアーバウアーは、シュピールボックスの予想トトでも郵便馬車に次いで2番目にはいっていましたが、残念なことです。審査員も人間ですから、どこが琴線に触れるか分からないものです。
ブルームーンの受賞が難しいと思ったのは審査員が最高の難易度をつけているからというのが一番の理由ですが、カード版から移植された世界観に、カードを遊んでいる人しか分からない内輪な感じを受けたからです。でも、遊んでみないと分かりませんね。