2008年10月アーカイブ

『アグリコラ』日本語版によせて

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先日ホビージャパンから発売発表された『アグリコラ』の翻訳は、私が担当した。〆切までの短い期間、作業かかりっきり。新幹線の中ではノートパソコンの充電が切れるまで、家に帰れば泣き叫ぶ子どもも妻もそっちのけ、家事もすっぽかして没頭。鬼である。

『アグリコラ』とは17世紀ドイツの農業を描いたドイツのボードゲーム。畑を耕し、牧場を作って動物を飼い、家を増築し、家族を増やし、生活を豊かにしていく。世界的に人気の作品で、現在ドイツ語、フランス語、英語、オランダ語、ポーランド語、チェコ語、スペイン語、韓国語の8ヶ国語版が発売されており、さらに今回、イタリア語・ハンガリー語・スウェーデン語版と共に日本語版が作られる。 発売個数は年内に総計60000セットに達するという。

そのきっかけはミクシィのコミュニティ「アグリコラ」。コミュニティ発足記念に、メーカーのルックアウトゲームズ(ドイツ)に問い合わせたところ、忘れた頃にベルギーのカルタムンディから返事が来たのだった。個人では到底資金など出せないので、ホビージャパンにメールを送ったところ、とんとん拍子に話が進み、年内にも発売されるという話だ(同時発売されるイタリア語版のせいで遅れている模様。働け!イタリア人)。

カードは発売当初、知人から頼まれて自力で翻訳していたが(こちらで公開)、このたびルールを別の知人から譲り受け、それを元に練り直した。それにボードから箱裏から、テキストが書いてあるものは全部翻訳である。カードのほうも誤訳や不明瞭な箇所がたくさんあったのでドイツ語の原文と対照しながら全部チェックし直し。何しろ300枚もあるので、1枚2分でも10時間かかる。

ちょうど『翻訳はいかにすべきか』とか『ドイツ語翻訳教室』なんて本を読んでいたので、正確を期しつつ読みやすいような工夫(特に主語と代名詞の省略)をできる限り取り入れたが、結果として出来上がったものを自分で読んでみるとあまり満足の出来とはいえない。ただ、ドイツ語のルールを読む力はずいぶんついた気がする。恩師が以前、語学は毎日怠らないことだと仰っていたのを思い出す。

昨年の『ドイツゲームでしょう!』に匹敵するくらいのエネルギーを費やした『アグリコラ』、発売された暁にはぜひ手にとってみて下さい。

ホビージャパン:特報!! ホビージャパンより「タリスマン」と「アグリコラ」の日本語版が今冬発売!!

エッセンの人気は『ドミニオン』

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10月23日から4日間にわたって、エッセン国際ゲーム祭が開かれた。ボードゲーム専門誌のフェアプレイが毎年行っている人気調査の最終結果によると、『ドミニオン』が一番人気となった。

この人気調査では、フェアプレイ誌のブースで新作リストが配布され、来場者が遊んだゲームを5段階評価する。これをリアルタイムで集計して適宜ランキングが発表される。中間集計で上位のゲームには、試したい愛好者が殺到するほど。

集計では45票以上獲得したものだけがランクインしているが、票数が満たなかったものの高い評価を得たゲームもたくさんある。アメリカのズィーマンゲームズが発売したカワサキ氏のボードゲーム『カルタゴの貿易商』は2.27と、『パンデミック』より高い評価だった。

【フェアプレイ・スカウトアクション2008】
1位:ドミニオン(Dominion / D.X.ヴァッカリーノ / ハンス・イム・グリュック)1.75
2位:マチュピチュの王子(Die Prinzen von Machu Picchu / W.マックゲルツ / PD出版)2.15
3位:コムニ(Comuni / アッキトッカ / テンキゲームズ)2.17
4位:ダイヤモンドクラブ(Diamand Club / R.ドーン / ラベンスバーガー)2.2
5位:スノーテイルズ(Snow Tails / ラモント兄弟 / フラゴール)2.22
6位:パンデミック(Pandemie / M.リーコック / ペガサス)2.33
7位:アイスフロー(Ice Flow / D.コンラート、J.ストリーツ / LG)2.4
8位:エイジ・オブ・エンパイアIII(Age of Empires III / G.ドローバー / プロルド)2.45
9位:城の守り(Im Schutze der Burg / I.ブラント、M.ブラント / エッガートシュピーレ)2.38
10位:ウルク(Uruk / H.クーン、W.クーン / DDD)2.48

Fairplay:Die beliebtesten Spiele der Spiel ’08 – die Top Ten der Scouts
TGW:SPIEL'07閉幕(昨年の人気結果)

エッセン最終日

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いつも通りに8時に朝食を食べて出発。駅に9時に着くと地下鉄が20分以上も待たせる。これでは開場ぎりぎりかと、いぶかしみつつ時計をふと見るとまだ8時すぎ。そういえば朝食のとき時計を見たらまだ7時だった。昨日でサマータイムが終わり、時計が1時間早められたのである。日本との時差は7時間から8時間になる。同じ場所にいながらにして時刻が戻る不思議。

エッセン3日目

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いまだに時差ぼけが直らないのか、早朝に目が覚めてしまったので神尾さんと軽く『乗車券北欧マップ』を遊ぶ。機関車カードの使い勝手が悪くなり(通常路線では使えない)、その分色を揃えにくくなったものの、ルートは比較的多いので2人だとあまり苦しくない。地名の読み方がよく分からないところを除けば、十分楽しめるゲームである。

会場に行くともう入り口から人がひしめいていた。土曜日になると人出はすごいことになる。通路は混雑してなかなか前に進めない。床で遊ぶ人が増え、人気ゲームに人が殺到し、そういうゲームに限ってプレイ時間が長いためなかなか空かない。広いホールの空気も薄くなる。そんなわけで早めに退出することにした。

エッセン2日目

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入場前に能勢さんのパソコンをお借りして前日までの日記をアップロード。懸案が解決してほっとした。会場にはホットスポットがあり、無線LANを持っていればネットにつなげる。今度は無線LAN対応にしたい。今日はヴァイスさんとストーンRさんも加わり、賑やかなボードゲーム道中である。

エッセン1日目

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いよいよ初日。8時に起きて、同じホテルに泊まっている能勢さんと朝食を取り、早めに会場に向かう。8時半から開くというネットカフェは9時頃になっても、しっかり閉まっていた。今日は新作の面白そうなところをピックアップしてしっかり遊んだ。

エッセン0日目

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今回のエッセン行きは、仕事の都合で夜の出発便となった。21:55、成田発パリ行き。成田空港の最終便である。空港で特大スーツケースを新調して、携帯電話をレンタルしてから神尾さんと待ち合わせ。実は今回の参加をどうしようか迷っていたとき、神尾さんが行きたいと仰ったのがもとなのである。

夕食を済ませ、『ハリーポッター』を見ていたら午前1時。それから8時間ほど眠っているうちに時差が変わって午前2時に起きた。午前4時、パリ、シャルル・ドゴール空港着。気温は8度とかなり寒い。待合所のネット端末でクレジットカードを使ったら、6ユーロ引き落とされた直後に切れて1000円も損する。

パリからデュッセルドルフ行きに乗り換えて8時半着。空港駅からエッセン中央駅までは40分くらいだった。紅葉が進む車窓の景色が美しい。エッセンも10度くらいと寒く、凍えながらホテルに向かう。チェックインを済ませてプレス会議へ。会議が始まる11時ちょうどに会場に着いた。

会議の後で新作レビューを見ながら、説明を聞いているうちにもう15時。神尾さんと入念にチェックした結果、注目されたのは以下の作品である。このうち、いくつがフェアプレイの人気投票で上位になり、来年のドイツゲーム賞に入賞するだろうか。(中小メーカーや外国メーカーの中にはプレビュー出展作品していないところもある。)

1. 城の守り(Im Schatz der Burg / エガートシュピーレ)
2. ルアーブル(Le Havre / ルックアウトゲームズ)
3. マスタービルダー(Master Builder / ヴァレーゲームズ)
4. 洪水の後に(After the Flood / トリーフロッグ)
5. マチュピチュ(Machu Picchu / PD出版)
6. パレス・ロイヤル(Palace Royal / ハンス・イム・グリュック)
7. ダイヤモンドクラブ(Diamond Club / ラベンスバーガー)
8. スペースアラート(Space Alert / チェコゲームズ)
9. ウォルスング(Wolsung / クジュニャギエル)
10. コミュニ(Comni / テンキゲームズ)

アラカルトカードゲーム賞に『レースフォーザギャラクシー』

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アラカルトカードゲーム賞ドイツのボードゲーム専門誌『フェアプレイ』は最新号(85号)で今年のアラカルト・カードゲーム賞を発表した。ジャーナリスト、コレクター、熟練プレイヤーなど50名ほどの投票で選ばれた今年の1位は『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』。アメリカを発端に大人気を博しているカードゲームが順当に選ばれた。

『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』は宇宙を舞台に建設や入植や生産で勝利点を増やすゲーム。『サンファン』と同じバリアブルフェイズのシステムをもちながら、カードの多様性とフェイズ同時プレイのスピード性で多くのゲーマーを虜にしている。昨年の発売以来ずっと品切れが続き、今夏にようやく再発売されるほどの人気だ。

今年はネット投票も行われ、投票に反映された。ネット投票の1位は『魔法にかかったみたい』で、総合では2位。ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム賞9位と、『ジャンボ』(2005)以来のトリプル入賞を果たした。

【アラカルトカードゲーム賞2008】
1位:レース・フォー・ザ・ギャラクシー(Race for the Galaxy / T.レーマン / アバクス)114pt.
2位:魔法にかかったみたい(Wie verhext! / A.ペリカン / アレア)103pt.
3位:フィロー(Filou / F.フリーゼ / 2Fシュピーレ)57pt.
4位:ごきぶりサラダ(Kakerlakensalat / J.ゼメ / ドライマギア)53pt.
5位:乗車券カードゲーム(Zug um Zug Kartenspiel / A.R.ムーン / デイズ・オブ・ワンダー)
6位:王宮のささやき(Palastgeflüster / M.リーネック / アドルング)
7位:交易王(Handelsfürsten / R.クニツィア / ペガサス)
8位:ヤギ戦争(Ziegen Kriegen / G.ブルクハルト / アミーゴ)

Fairplay Online:Bestes Kartenspiel 2008

オランダゲーム賞に『キューバ』

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オランダゲーム賞2008先月発表されたオランダゲーム賞のノミネート作品から、一般投票による最終結果が判明した。大賞の座には『キューバ』が輝いた。オランダ語版はザ・ゲームマスター社が手がける。

オランダゲーム賞は選考委員会によるノミネートの後、一般愛好者が投票するという仕組みになっている。今年は565名が投票した。3タイトルまで投票でき、上位から4点、2点、1点として集計する。『キューバ』を1位に挙げた人は186人で、3人に1人の計算になる。

各国で旋風を起こしている『アグリコラ』は、選考対象となる期間から遅れて発売されたため、来年の候補になる。

【オランダゲーム賞2008ノミネート作品】
1位:キューバ(Cuba / M.リーネック、S.シュタドラー)910pt.
2位:イスファハン(Yspahan / S.ポーション)850pt.
3位:ズーロレット(Burgers’ Zoo / M.シャハト)623pt.
4位:リーグ・オブ・シックス(League of Six / V.ズキー)494pt.
5位:順風満帆(Voor de Wind / T.ランズヴォークト)367pt.
6位:テーベの東(Thebes / P.プリンツ)227pt.
7位:ツァール(Tzaar / K.ブルム)217pt.

Nederlandse Spellenprijs:Cuba wint de Nederlandse Spellenprijs 2008

チョコレート会社(Schoko & Co.)

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チョコレートが食べたくなる

チョコレート会社の経営を描いたボードゲーム。1988年のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品。入札あり、競りありの通好みなゲームだ。

はじめは社員の雇用から始まる。カカオからチョコレートを生産する労働者、契約を取ってくるセールスマン、契約を実行する秘書、収入を受け取る簿記の4種類を、好きなように雇って給料を支払う。私は最小人員でスタートしたが、おとなりのストーンRさんは思い切った人材投資を行った。

「社長、カカオの在庫がありません!」 さて次はカカオの仕入れ。5つの都市から入札で購入する。何マルクで何十トン買うかを用紙に記入。ここで思いっきりケチった私とストーンRさんは全然カカオを手に入れられなかった一方、米出さんとかゆかゆさんはスタートプレイヤーの権利と高値で買い占めた。

カカオを仕入れると、社員が1人につき30トンまでチョコレートにしてくれる。そして契約。次々と出てくるチョコレートの注文を競りで手に入れる。最安値からスタートして、少しずつ値をあげていき、最初に落とした人が受注するという仕組みだ。ここでカカオと買い占めた米出さんとかゆかゆさんが談合。「この契約は降りますから、次お願いします。」競る相手がいなくなると、自動的に最高値で受注できる。大儲けする2人を、指を加えて見ているストーンRさんと私。

この儲けで、次の月はカカオの値段も上がる。ストーンRさんは一か八かの借金をして大きく出たが、差を縮めることはできず、私は人件費が支払えず全員解雇してしまった。そんなわけで明治と森永に大きく差を広げられたまま4月で協議終了。カカオが来ないばかりに開店休業で、社員も自宅待機である。

プレイヤーにゲームバランスが委ねられるとはいえ、慣れないがゆえのミスもあった。1月のカカオ仕入れは、せめて1箇所くらいは高値をつけておくと安全である。2月以降は、負けている人がカカオをたくさん市場供給して、自分の取り分を確保する必要があった。また、相手を妨害する凶悪なカードがあるので、それを使うという手もある。慣れないがゆえにこんな結果になってしまったが、今度はもう少しうまくやれそうな気がする。

Schoko & Co.
G.モネ、Y.ヒルシュフェルト / シュミット(1987年)
2~4人用/12歳以上/120分
絶版・入手難

テーブルゲームフェスティバル2008

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毎年恒例となったテーブルゲームフェスティバル(TGF)が今年も11月30日、浅草の東京都立産業貿易センター(ゲームマーケットと同じ会場)で開かれる。

テーブルゲームフェスティバル(TGF)は新作&創作ゲームの体験会と購入の機会を提供できるイベントで、今年5回目。昨年の出展者はメビウス、バネスト、すごろくや、ホビージャパン、アークライトなどの輸入販売店から、カワサキファクトリー、Hammer Works、操られ人形館などゲームマーケットでも人気の同人まで34団体で、参加者総数は650名だった。

TGFの特色はテストプレイで、デザイナーが調整中のゲームをいち早く遊ぶことができる。ここでのフィードバックを元に、来年のゲームマーケットに向けて製品化していくことが多い。また時期的にエッセン国際ゲーム祭の1ヵ月後になるため、最新のフリークゲームがお目見えする可能性もある。

このように見どころの多いTGFでは、現在出展者を募集中だ。一次〆切は10月17日。体験卓つきの大型ブースと、安価な一般ブースがある。詳しくは公式サイトを参照のこと。

テーブルゲームフェスティバル2008公式サイト
TGW:テーブルゲームフェスティバル、650名参加

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