2009年2月アーカイブ

つまらないというゲームでも面白い

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ゲームがつまらないと書くことに対して、遠慮がなくてもよい。

以前、ゲームの評価について提言を行ったことがあり、その中で、国内のゲーム市場を保護する観点から極端に低い評価をしないことを書いた。このスタンスは今でも持ち続けている。当サイトでは、「面白い!」マークはあってもその反対は言わない。正直面白くないと思っても、ものは書きようで気をつけている。もっとも、その婉曲表現が仇になる場合もあるが。

その一方で、今これだけたくさんのゲームが発売されているといくら愛好者といえども全部買うほどのお金はないから、他人の評価は購入の指針になるという意見も一理ある。知らずに買って面白くなかったら趣味をやめてしまう人もいるだろうという意見は肯定しがたいが(失敗する楽しさもある)、少なくとも参考レベルならば必要であろう。ただし、親切心か義務感からなのか、面白くないから買うなというのは余計なお世話である。

このふたつの態度は矛盾するものではなく、2ちゃんねるで時折見られるようなマナーがないのと、不買運動をけしかけるようなおせっかいを除けば、つまらないという意見もあったほうがよい。多くの人が面白いといっても、反対の意見も気軽に出せるような環境が健全である。

メビウスおやじさんが、前にインタビューで「面白いって言われようが、面白くないって言われようが、大歓迎です。」と仰っていた。一番怖いのはつまらないという評価より無関心だろう。ネガティブ評価を書く人は、そのゲームに対して何らかの期待があったわけで、その期待が何だったのかを推察することで建設的な方向に発展できると思う。

そして他人の評価を鵜呑みにしないということが非常に重要である。それが全てではないにしても、つまらなかった一因にはプレイヤーの責任もあるだろう。なので自分自身がどういうタイプのゲームが好きか嫌いかを考え、要素を分析しておくのがよい。そうすれば、他人の評価の中に自分と共通するものがあるかを見出すことができるだろう。

また、よくフリークほど平気でネガティブ評価を唱えると思われがちだが、単純なネガティブ評価を言えるのは意外とゲーム始めたての人かもしれない。というのも、ゲームをたくさん遊ぶほど、面白い・面白くないという単純な二分法では割り切れないことがだんだん分かってくるからだ。

ここまで自覚しておくと、ほかの人の評価を見ながら興味アンテナが立つか立たないか考えられる。アンテナが立つならば、その人が面白くないと書いていても、自分には面白そうだと思えるかもしれない。

私はブラフのあるゲーム、競りのあるゲーム、コミュニケーションゲーム、アクションゲームが好きで、一方アブストラクトゲーム、ダイスゲーム、記憶ゲーム、パズルゲームなどはあまり好まない。これはつまり、プレイヤーがゆっくり会話でき、その会話がゲームの行方を左右し、また個人個人の性格が会話を通してじわじわ分かってくるのがいいということだろう。そういう要素があるゲームは、レビュアー評価のいかんを問わず遊びたくなる。

日本ボードゲーム大賞所感

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『魔法にかかったみたい』のペリカンさんは、タイにバカンス中でコメント無理とか。ほんとに実在の人物なのだろうか?

今回はかなりのゲーム愛好者でないと投票できない仕組みになっているが、今回の総投票者数は317名で、規模は小さいといわざるを得ない。そのため以下のような投票戦略が有効になって、純粋な人気投票でなくなってしまう恐れがある。

ひとつは、本当のお気に入りを投票して死票になるよりは、上位に入りそうなゲームを推したほうがいいという投票行動が促されやすいということ。もうひとつは、自分が推したいゲームを1位に、それ以外を空欄にするというような極端な投票で、そのゲームに大きなアドバンテージを与えられるということである。

前者はすでにドイツゲーム賞から起こっている。6月に発表されるドイツ年間ゲーム大賞のノミネート作品・推薦リストのゲームがクローズアップされ、自然に投票されやすくなる。2000年以来、SdJにおけるDSPと重複したタイトルの割合が、DSPにおけるSdJと重複したタイトルの割合より常に高い(「年間ゲーム大賞とドイツゲーム賞の関係について」)

そういう行動を取る人が増えると、競馬の予想みたいな感じになる。候補になるのはすでに受賞した作品ばかり。あるいは自分が本当に好きな作品を投票するのが馬鹿らしくなる。死票になりやすいからだ。それでは日本人の好みという傾向を探ったり、未知のゲームを掘り出したりするのが難しくなる。

1位と3位の差は47点。1位をつける人が10人いればひっくり返せるくらいの僅差である。ここで極端な投票をして、そこそこ面白いと思うゲームがあってもちゃんと書き入れないと、1位と2位、2位と3位の得点差が人気度を表すものではなくなる。

こういう戦略的な投票でなく、純粋に好きなゲームを投票してもらうためには、規模をもっと大きくしなくてはならない。日本のゲーム好きはもっと多いはずだ。もっと多くの人に投票してもらえるよう、方策を考えたい。

どういうゲームかより、どうやって遊んだか

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ゲーム紹介にはいろいろな書き方がありそうだが、私の場合は、どういうゲームかということより、どうやって遊んだかということ(プレイレポートやリプレイ)に注目して読んでいる。

私が好きなレビューサイトはいくつかあるが、それらに共通することは、ゲーム中に実際起こった「笑い」が伝わってくるという点である。「笑い」が起こるポイントをしっかり書いてもらえれば、ゲームの内容は説明しなくても何となく分かる。当サイトでは思考の軌跡やシステムへの感心がメインになりがちなので「笑い」をもっと取り入れたいと思う。

ボードゲームの大きな特徴として、遊ぶ人によって楽しさが全く変わるということがある。それゆえに個別のプレイで評価を書くのは、誤解や違和感のもとになるかもしれない。でも、だからこそ、楽しかったというサンプルがよそから手に入るのは大事なことであるともいえるだろう。

1度遊んで面白くなかったゲームが、よそのレポートを見ているうちに「ははぁ、こうやって遊べば楽しいのか」と分かることは、結局それが誤解だったとしても狭い視野を広げるのに役立つ。というわけで、「笑い」を中心に据えたプレイレポート求む。

日本ボードゲーム大賞に『魔法にかかったみたい』

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日本ボードゲーム大賞今年からノミネートなしの投票制になった日本ボードゲーム大賞の結果が昨夜、ゆうもあのホームページで発表された。幅広い人気を集めて1位になったのは『魔法にかかったみたい(Wie verhext!)』。

『魔法にかかったみたい』は、さまざまな職業を使い、材料を集めて魔法の薬を作るカードゲーム。ほかの人と同じ職業選択をすると損をするため、狙いを読んで裏をかくところに心理戦の楽しみがある。昨年のユーロ高において3500円と安価なのも魅力だ。

2位には『ストーンエイジ』、3位には『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』が僅差でつけた。いずれも海外でも高い評価を得ている作品だ。『アグリコラ』は4位で、日本語版の発売が投票期間に間に合わなかったのが響いた。

今回の投票の集計方法はドイツゲーム賞と同じで、10位以内に入ったタイトルのうち半分がドイツゲーム賞と共通している。残りの半分はカードゲームや小箱のボードゲームで、日本では、輸入品のため価格帯が高く、その分安価なゲームに人気が集まっているといえよう。

ゆうもあ:日本ボードゲーム大賞2008発表!
メビウスゲームズ:魔法にかかったみたい

フランス年間ゲーム大賞に『ディクシー』

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アスドール2009年のアスドール・フランス年間ゲーム大賞は『ディクシー』が選ばれた。映画祭でも有名なカンヌで開かれる国際ボードゲーム祭で授与される。

このゲーム賞は1988年から始まる伝統ある賞で、ファミリー向けの易しいゲームを選ぶ傾向にある。大賞を受賞した『ディクシー』は、フランス産のコミュニケーションゲーム。親が絵を見て言葉や文を話し、子が手札から親の話に合うと思うカードを出す。当たっていれば親も子も得点になる。絵はどれも絵本の挿絵のような不思議なものばかりで、説明が難しいのが特徴だ。

これと同時に発表されるキッズゲーム賞には『チーズのお城』が選ばれたほか、異例の審査員特別賞が発表され、『アグリコラ』が選ばれている。ファミリー向けを標榜するフランス年間ゲーム大賞だが、審査員にはフリークが含まれており、強い推薦があったという。

このほかにファイナリストとしてノミネートされたゲームは以下の7タイトル。評価の高いゲームが数多く含まれているだけに、大賞作がサプライズとなっている。

【アスドール・フランス年間ゲーム大賞2009】
大賞:ディクシー(Dixit / J.-L.ルービラ)
キッズゲーム賞:チーズのお城(Chateau Roquefort)
審査員特別賞:アグリコラ(Agricola)
ファイナリスト:ベッポ(Beppo)、ドミニオン(Dominion)、カレイド(Kaleidos)、ジャマイカ(Jamaica)、モー(Mow)、パンデミック(Pandmie)、ツァール(Tzaar)

Tric Trac:Et l'As d'Or Jeu de l'Annee est...
Boardgame Geek:Dixit

ニュルンベルクおもちゃ見本市、閉幕

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今年で第60回を迎えるニュルンベルクおもちゃ見本市が11日に閉幕し、10日までに115カ国から76000人が訪れた。

ニュルンベルクおもちゃ見本市は、製造者・販売者などの玩具業界関係者が集う専門メッセ。ボードゲームも多数出展され、今年のトレンドを占う重要な催しとなっている。

どの国も不況にあえぐ中、おもちゃ産業は健闘しており、また経済力をつけた東欧諸国などへの国際展開の需要も高まっている模様だ。ポーランドからのバイヤーは前年比17パーセント増、ブルガリアからは28.8パーセント増だったという。

会期中、革新的な玩具に贈られる「トイアワード」が7部門について発表された。このうちボードゲームは「ゲーム+アクション」部門で選ばれた『ラムセスのピラミッド』。レゴ社が初めて手がけたレゴブロックのボードゲームのひとつで、ゲームデザインはR.クニツィアが担当した。

このほか、「トレンド+ライフスタイル」部門ではアクション・カードゲームの『爆丸・スターターパック』が選ばれている。

レゴについては不明だが、ボードゲームについては各メーカーが発表した新作が今月から順次、日本でも取り扱われる。

Spielwarenmesse International Toy Fair Nürnberg公式ページ
ラムセスのピラミッド

ボードゲーム交流会、満員盛況

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去る2月7日、秋葉原の東京フードシアターにて第4回ボードゲーム交流会が開かれ、予約定員の140名がいっぱいとなる盛況で終わった。

この交流会は、デジタルゲーム制作に携わる専門家を中心に、ボードゲームを通して新しいアイデアを考えたり、業界内の交流を深めるのが狙い。第1部の講演、第2部のゲーム大会、第3部の懇親会に分かれ、参加者はめいめいに知見を広めつつ遊びを楽しんだ。

講演ではゲームマーケット主宰で『ゲーム探検隊』などの著書もある草場純氏がゲームの構造を理論的に分析。続いて『シャドウハンターズ』などのゲームがアメリカ版も発売されているデザイナーの池田康隆氏がアナログゲームの制作から海外への売込みまでデザイナーの仕事を語った。

ゲーム大会では参加者が持ち込んだ主に海外輸入ゲームが最新作からレアな旧作まで並び、またボードゲームが遊べるメイド喫茶「シャッツキステ」のメイドさんが出張。チーム戦では『カタン』、『ブラフ』、『ニムト』について会社別に行われるなど、普段からボードゲームを遊びこんでいる人から、ほとんど触れたことがない人まで幅広く楽しめるプログラムだった。

懇親会でも食事をそこそこにボードゲームを遊ぶ姿もあった。ボードゲームのもつポテンシャルの高さを参加者が再認識できる会になったようだ。この成功を受けて、第5回も予定されているという。

4Gamer.net:デジタルゲームの最先端に立つ人々が集合した,「第4回ボードゲーム交流会」レポート
日々是遊戯:デジタルでもアナログでも、楽しいものは楽しい――ボードゲーム交流会ってなに?
TGW:ボードゲームサークル交流会

年間キッズゲーム賞が年間ゲーム大賞を上回る売上

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ラベンスバーガー社がニュルンベルグ国際玩具見本市にちなんで報告したところによると、同社の『誰だったでしょう?』の売上がコスモス社の『ケルト』を上回ったことが分かった。ドイツ年間キッズゲーム大賞の受賞作が、年間ゲーム大賞の受賞作の売上を上回るのは史上初。

『誰だったでしょう?』はAIを内蔵した機械がしゃべってゲームの進行を司るというボードゲーム。ドイツ語でしゃべるため、ドイツ語圏以外では遊ぶことができないが、それでも22万セットの売上を記録したという。作者は『誰だったでしょう?』も『ケルト』もR.クニツィア氏。

これまで年間ゲーム大賞の付録的な扱いを受けてきた年間キッズゲーム大賞。選考はすでに独立して行われているが、子供向けゲームの市場が伸びている近年、注目度がさらに高まっていきそうだ。

Spielbox-Online:Kinderspiel des Jahres überholt Spiel des Jahres

食い荒らしではなく食い合い

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2002年のゲームマーケット向けに制作した『トイプラス』という同人誌で、メビウスの能勢店長さんがこんなことを仰っている。

「ただこれから先、何となくでわからないですけど、たかだか私のような個人が食べていけるくらいの小さい市場な訳ですが、よそから見るとおいしく見えるのか、エポックさんとか、カプコンさんとかが参入するという話があって、それが市場の活性化につながればいいんですけど、食い荒らしにならないきゃいいなという気はしますね。」

結局、エポック(NDSGの5タイトル)もカプコン(『カタン』)も参入は一時的で、大きな影響を与えるには至らなかった。バンダイ(『チケットトゥライド』)もそうである。毎月のように新作が出ては消えるという情勢では、少ないタイトルを大々的に扱う大企業よりも、フットワークの軽い中小ショップのほうに利があるのは目に見えている。

だが昨年あたりから、大企業による食い荒らしではなくて、中小ショップ同士の食い合いの様相が散見されるようになってきた。

同じタイトルを複数のショップが輸入し、それぞれ別々に訳を作って売り出す。発売は1日でも早いことを競う。結局同じくらいの時期に売り出すが、ユーザーが分散するため、どこもあまり多くは売れない。さらに、ユーザーの評価が今ひとつだったりすると目も当てられないような状況に……そんな事態が起こっている。

例えばフランスのイスタリ社が昨秋に発売した『シラ(スッラ)』はバネスト、アークライト、広島の3社が別々に扱っており、売れ行きはあまりよろしくないようである。これが1社だけの取り扱いだったら、売れ切れになってもおかしくない出来なのに。

搬送にも翻訳にもコストがかかるから、同時並行で同じことをやるのは全体で見れば大きな損失である。競争原理がはたらいて価格が下がったり、翻訳の質が上がったりするならばよいのだが、実際は売れなくて価格を上げることになったり、翻訳に手間をかけられなくて質が落ちたりする恐れのほうが大きい。

韓国ではコリアン・ボードゲームズがどんどん権利を買って韓国語版を出してしまい、市場を独占しようとしているが、そういうスタイルがいつまでももつはずもないし、国内は占められたとしても、数多ある外国の輸入先を独占するのは難しい。

こういうことは当然、当のショップも考えているようで、B2Fゲームズのブログでは、国内の流通や販売に関して、建設的で前向きな枠組み作りを儲け抜きで考えていることを知った(リンク)。具体的にどういうことかまでは触れられていないが、緊急の課題なのではないだろうか。

ユーザーとして協力できることはないのかもしれないが、現在の状況はとても見ちゃいられない。このままでは一店、また一店とつぶれるかボードゲームから撤退しかねないというところまで来ている気がする(気のせいならばよいが)。もっとお互い手を握る道を模索してほしい。

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