2009年7月アーカイブ

ドイツゲーム賞、投票〆切迫る

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ボードゲームファンの一般投票で決められるドイツゲーム賞の投票〆切が、今月末日と間近に迫っている。日本からも投票できるので、お気に入りのゲームを投票してみよう。

インターネット投票は、まずこちらのページを開く。
Deutscher Spiele Preis投票ページ

上から大人用ゲームを上位5位まで、タイトル(原題)とメーカー名を入力する。全て半角英数字にすること。その下には子供ゲームとして1タイトル、同様にタイトルとメーカー名を入れる。なお、全て埋めなくてもよい。1位だけ投票というのもアリだ。

その下の項目は以下の通り。
Vorname…名前
Nachname…名字
Straße…番地と一番最後の地名
PLZ…郵便番号
Ort…市町村名か都道府県名
Land …国名(JAPAN)
Telefon…電話番号(+81-の後に市外局番の0を取り除いたもの)
E-Mail-Adresse…メールアドレス
E-Mail wiederholen…メールアドレスの再入力

入力が終わったら、"absenden"(送信)というボタンを押す。 投票はこれで終わりではないので注意。入力したアドレスに確認のメールが届く。そこにあるURIをクリックして投票完了となる。

世界中のゲームフリークが注目する世界最大のファン投票、ぜひ参加してみよう。何に投票したいか、または投票したかをゲーム仲間と話するのも面白い。発表は9月で、授賞式は10月のエッセン国際ゲーム祭りにて行われる。

ワレス氏『スチーム』で訴えられる

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アメリカのメーカー、フレッド・ディストリビューションは、ゲームデザイナーのM.ワレス氏が契約違反を犯したとして損害賠償の訴えを起こした。

ワレス氏が公開した訴状によると、イーグルゲームズ(フレッド社が買収)は、ワレス氏から『蒸気の時代』の権利を1万ポンド(約150万円)で購入した。この契約には、ワレス氏が将来にわたって『蒸気の時代』を別の形で出版することを禁じており、今年メイフェア社から出版された『スチーム』が契約違反に問われることになった。メイフェア社は『スチーム』の出版でワレス氏に1万ドル(95万円)を支払っている。

このほか、イーグルゲームズはワレスから未出版ゲームのアイデアを5000ポンド(75万円)で購入したが、期日の2006年末まで履行されていないという。

この訴えに対してワレス氏は「フレッド社から契約違反で訴えられていることが分かり、驚くと同時に悲しんでいる。これから家族で6週間の休暇に向かうところだったので、このタイミングでの訴えには困る。適切な弁解ができるよう、フレッド社のK.ブルーム氏にはヒアリングを1ヶ月遅らせられないか頼んでいる。」とコメントしている。またボードゲームギークの掲示板では、ワレス氏は契約書を引越しで紛失したが、フレッド社の訴状にあるような内容は契約にないと反論している。

Boardgame News:Martin Wallace Being Sued by FRED Distribution

ラミィキューブ地方大会間近

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この夏、全国でラミィキューブの地方大会が開かれる。優勝者は8月30日に東京で開かれる全国大会に招待され、さらにその優勝者は世界大会に派遣される。

ラミィキューブの世界選手権は3年に1度開かれ、第1回(1991)と第5回(2003)は日本人の桑原正人氏が優勝している。第7回となる今年は11月6〜9日にスペインのマルベーリャのホテルで開催され、優勝者には副賞としてペア世界一周旅行が送られることになっている。

地方大会の日程は以下の通り。参加方法など詳細はそれぞれのリンクを参照のこと。

・北海道大会:8月1日18:00〜札幌西区民センター(Cool&Heat
・東北大会:8月1日13:00〜盛岡・いわて県民情報交流センター・アイーナ(くぼた屋
・茨城大会:8月1日13:00〜県北生涯学習センター(日立GAMEコンベンション
・東京大会:8月2日13:00〜世田谷区烏山区民センター(mixi
・東京大会:8月15日13:00〜高田馬場ブリッジセンター(なかよし村とゲームの木
・近畿大会:8月15日12:20〜旅カフェWA★shu(mixi
・名古屋大会:8月2日10:30〜愛知県スポーツ会館(ゲームストア・バネスト
・山陰大会:7月26日17:00〜松江市竪町映像図書館(松江アナログゲームナイト
・九州大会:8月1日13:30〜熊本市民会館(熊本ドイツゲームの会

※このほかの地区大会開催をご存知の方がいらっしゃいましたらコメントにてお知らせください。

バックギャモン世界大会で日本人優勝

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7月13日〜19日に、モナコのモンテカルロで行われていた第34回バックギャモン世界選手権で、望月正行氏が優勝した。昨年の世界チャンピオンであるデンマークの選手を決勝で退けた。アジアからの優勝は初。賞金は62000ユーロ(現在のレートで約832万円)を獲得した。

望月氏は79年東京生れ。大学浪人中にバックギャモンに出会い、早稲田大学に入学するがプロになるために中退。現在は日本バックギャモン協会に在籍し、日本で2人しかいないプロプレイヤーの1人として世界的に活躍している。世界ランキング6位。

日本バックギャモン協会公式ページ
読売新聞:バックギャモン世界選手権、日本人男性が優勝
J-CASTニュース:「バックギャモン」日本初世界王者 プロ選手「モッチー」異色の経歴
All About:ラスベガスで頂点に立った男(バックギャモン編 望月正行)
あしかの書く新聞asica times:バックギャモンの世界選手権World Backgammon Championship Finalで日本人プレイヤーが優勝

いつも遊んでいるゲームの呼称

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日本で「ゲーム」といえばテレビゲームだが、ドイツでも近年"Game"はテレビゲームを指すようになり、エッセン国際ゲーム祭で出展されるようなボードやカードを使うゲームはドイツ語で"Spiel"(シュピール)と呼んで区別しているという。それならボードやカードを使うゲームは日本語でどう呼ばれているか。どう呼ぶべきか?

「テーブルゲーム」
私がホームページ「Table Games in the World」を立ち上げたのは96年。「テーブルゲーム」という言葉を使ったのは、ボードを使わないカードゲームを含めたかったからだが、英語で"Table Game"といえばポーカーやブラックジャックなどのギャンブルゲームを指すらしい。日本語で「テーブルゲーム」というとSLG、TRPG、TCGが含まれ、さらに最近はオセロ、チェス、麻雀などのオンラインゲーム、コンシューマゲームも色濃い。その分、ドイツやヨーロッパの輸入ゲームの影は薄くなっている。、「テーブルゲームフェスティバル」は続いているが、「テーブルゲーム」という言葉は時代遅れになりつつあるのかもしれない。

「ボードゲーム」
現在は「ボードゲーム」という呼称が一般的になってきた。英語の"Board Game"、ドイツ語の"Brettspiel"も一般的なので、国際的にも通じやすい。かつて「ボードゲーム」といえば、ボードを使わないカードゲームやダイスゲームなどを含まなかったが、一般化に伴ってこれらも含めた総称になりつつある。そして、比較的新しい言葉であるがゆえにSLG・TRPG・TCG色が薄く、ドイツ市場を中心とするバラエティ豊かなゲームのジャンルを指すことができる。サークル名やサイト名に「ボードゲーム」を入れるケースも多い。

「アナログゲーム」「非電源ゲーム」
日本で「ゲーム」がテレビゲーム中心であることに対抗して作られた言葉であるが、英語で"Analog Game"という表現はせず、また"Unplugged Game"も一般的ではない。デジタルゲーム以外なら何でも入るので、SLG、TRPG、TCG、ドイツゲームを含む広い概念だが、TRPG、同人ゲームで使われることが多いようで、その分、ヨーロッパからの輸入ゲーム色が薄い。

「ドイツゲーム」
90年代にドイツはボードゲームやカードゲームの傑作を立て続けに発信して最先進国となり、その後もドイツ市場を中心に新作が発表されている。英語でも"German Game"、"German-style Game"という呼称がある。狭義の「ドイツゲーム」はドイツ産であるが、広義ではドイツ市場で発表されるゲーム、さらにデザイナー名が前面に打ち出されているゲーム("Autorenspiele")を指す。「ドイツゲーム」はほかにも戦術性、運の要素、インタラクション、プレイ時間、コンポーネント、ルールの長さ、テーマなどで特徴があるが、多様化も進んでおり決まったものはない。日本で「ドイツゲーム」という言葉が広まったのは、ゲーム情報誌『ノイエ』によるところが大きい。デザイナーズゲームであっても、アメリカのゲームならドイツとの同時発売があるので含められるかもしれないが、日本や韓国のゲームまでは含みにくいという難点がある。しかしメディアでも登場する機会が増え、今最も勢いがある。

「マルチプレイゲーム」
複数の人で遊ぶゲームという観点での呼称。『榊涼介/林正之のマルチプレイ三昧』が有名。ドイツ語の"Gesellschaftsspiel"、フランス語の"Jeux de Societe"も意味は同じである。テレビゲーム、オンラインゲームも含まれる。「マルチ」がマルチ商法を喚起するせいかどうか分からないが、一般的ではない。

「ヨーロピアンゲーム」
D3パブリッシャーが『ヨーロピアンゲームコレクション』を発売した折に、「ユーロスタイルゲーム」「ヨーロピアンスタイルゲーム」などとともに提唱された呼称だったが、残念ながらほとんど定着していない。英語では"Eurogame"という呼称もあるが、通貨名称の"Euro"と紛らわしい。またテレビゲーム、オンラインゲームも含まれる。

こうして比べてみると、「ドイツ市場を中心に毎年新作が発表されており、その影響でアメリカや日本など他国でもデザイナー主導で制作されたゲーム。ボードやカードを使って複数の人で遊ぶが、SLG、TRPG、TCGは除く」というゲームは現時点で「ボードゲーム」と呼ぶのがベストのようだ。ホームページの名前を"Board Games in the World"にするつもりはないけれども。

あるいは、ほかによい呼び方はあるだろうか?

秋葉原でボードゲームプレイワークショップ

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国際ゲーム開発者協会日本は8月9日(日)14時から、秋葉原のUDXマルチスペースにて「ボードゲームプレイワークショップ」を開催する。

この集まりは、同会の5回目となる交流会で、ボードゲームの開発に携わる人がプロ・アマ問わず参加して行われている。参加者の交流とともに、ボードゲームやカードゲームのシンプルで奥深いゲーム性を通して「面白さ」や「駆け引き」のデザインやテクニックを学ぶのがねらい。

今回は会場主となる秋葉原UDXの協力によって、「UDXオープンカレッジ」というシリーズの1つに位置づけられる。そのためテーブルゲームに関心があれば誰でも参加できる(事前申込は必要)。定員は100名。

スケジュールは全体ゲームとゲスト紹介の後、自由にボードゲームを遊ぶ。「ドミニオン大会」も行われる。たっぷり遊んで19:30に第一部終了、20:00から懇親会。懇親会では、G.バースのコレクターとしても知られるずーあー氏が、自身のコレクションを実演を交えて説明するというイベントも予定されている。

参加費は1500円(第一部のみ)/5000円(第2部まで)。問い合わせや申込方法など詳細は以下のページにて。

IGDA日本:UDXオープンカレッジ「ボードゲームプレイワークショップ」

オリジナルのアイデアを製作販売

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アメリカのメーカー「ザ・ゲーム・クラフター(The Game Crafter)」は、世界初のボードゲームのオンデマンド出版をスタートした。発注は全てウェブ上で行うことができる。

発注の手順はまず、カードやボードとボックスカバーの画像をアップロードし(テンプレートあり)、必要なダイスやコマの数を指定する。発注部数にしたがって見積もりが出るので、価格を設定すると製造に入る。製品は作者買取で送ってもらうこともできるが、売上の50%を支払う約束で同社のサイトで販売してもらうこともできる。詳細な手順はホームページの動画にて。

同社では趣味のゲームデザイナーだけでなく、プロのデザイナーの試作品として、また学校教材や親が子供と遊ぶアイテムとして制作することを勧めている。

現在まで販売されている作品はすでに10タイトル以上になり、意欲的な作品も集まりつつある。評判が高まれば、デザイナーだけでなく愛好者にとっても、注目のショップとなるだろう。

日本からも発注できるが、送料が安くない。同じようなサービスを、日本の印刷会社が立ち上げてくれないものだろうか。

The Game Crafter
TechCrunch:ユーザ考案のオリジナル卓上ゲームを作って/売ってくれるサイトThe Game Crafterはおもしろそう

夏休みに国産の新作ゲーム続々

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学校の夏休み入りに合わせるかのように、国産の新作が続々と発売されている。いまどきの子供たちは塾や習い事で夏休みのほうが忙しいくらいだが、せっかくの休みだから、友達や家族とゆっくり遊ぶ機会を作ってもらいたい。

はじめに紹介するのは新感覚スポーツカードゲーム『カルタッチョ・サッカー』。エイベックスが手がけ、ハナヤマから発売されたお手軽な2人用のカードゲームだ。ピッチを4つのエリアに分け、そのエリアに対応するカードを出してボールを運び、ゴールを狙う。子供だけでなく、高校生、大学生で遊んでも盛り上がりそう。カルタッチョシリーズには、ほかにベースボールとゴルフもあり、こちらも注目だ。対象年齢6歳以上、各1,050円。
エイベックス:「Karutacio」カルタッチョ オフィシャルサイト
ニコニコ動画:カルタッチョ・サッカー
Amazon:カルタッチョ ベースボール
Amazon:カルタッチョ ゴルフ

続いて紹介するのは、国産ならではの言葉遊びゲーム『馬場雄二先生のひらがなサイコロゲーム』(メガハウス)。ひらがながプリントされた32面体のさいころを3つ順番に振り、出目の中で、ことばを作りいち早く答えて、最初にラインを作った人の勝ちというビンゴゲーム。監修は『ことば博士』(学研)も手がけた馬場雄二先生だ。姉妹作品として『馬場雄二先生の漢字サイコロゲーム』がある。各1,659円。
YouTube:ひらがなさいころゲーム
Amazon:馬場雄二先生の漢字サイコロゲーム

そして3つ目は、電動アクションの『焼肉王 お肉バンバン取り合いゲーム』(メガハウス)。大人気の「焼肉」をモチーフにしたゲームで、網の上の肉、ウィンナー、ピーマン、コーン、たまねぎなどをトングを使ってすばやく取る。具材は生のままではすべるが、焼けるとひっくり返って取りやすくなるので、ひっくり返ったところを見計らってたくさん取ろう。具材には点数がついており、合計点数の一番高い人が勝ちとなる。7月23日発売予定、3,990円。
マイコミジャーナル:メガハウス、焼肉で競争する『〜お肉バンバン取り合いゲーム〜焼肉王』発売

4つ目は、懐かしのすごろくゲーム『スーパー特急大集合!鉄道旅行ゲーム』(エポック社)。新幹線や特急に乗って、日本各地のご当地情報が載った名物カードを集める。遊ぶ年齢に合わせて、初級・中級・上級の3つの難易度が設定できる。また、旅先でも楽しめるよう、サイズを小さくして手軽にした。コマは新幹線のかたちで本格的。7月18日発売。998円。
日経プレスリリース:エポック社、ボードゲーム「スーパー特急大集合!鉄道旅行ゲーム」を発売

最後に既発売のタイトルを1品紹介。ジェンガの新しい仲間『よしもとギャグジェンガ』。タワーを崩さないようにブロックを抜いていくバランスゲームだが、ブロックのひとつひとつによしもと所属芸人51人の芸名とギャグがついている。ブロックを抜いて上に乗せるとき、「メガネ!メガネ!」「まことにすいまメ〜ン!」「オモロー!」「欧米か!」など、そこに書かれたギャグを言わなければならない。笑ってしまえば難易度急上昇だ。2,625円。
Exciteニュース:吉本芸人のギャグを披露しなきゃいけないジェンガ

輸入ゲームとしては今月に『ドミニオン:陰謀』が発売されたほか、来月には、『パンデミック』、パンデミック拡張セット『絶体絶命』、『スモールワールド』など海外の人気ゲームの日本語版が目白押し。これで夏休みのボードゲームライフは充実間違いなしだ。

『ドミニオン』パッケージ変更のワケ

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ドイツ年間ゲーム大賞を受賞した直後、拡張第1弾『陰謀』が各国で発売されてさらに盛り上がりを見せている『ドミニオン』。ドイツ語版のパッケージだけが、第3版から変更になったのをご存知だろうか。

英語版と同時発売されたドイツ語初版のパッケージは、日本語版と同じ。馬に乗った兵士たちが高台から、煙の上がった街を眺めている構図だ。

このパッケージは、日本語版だけでなくオランダ語版、スペイン語版、ポーランド語版など、全ての外国語版で採用されている。英語版は、第2版で色が少しだけ明るくなったが、絵は変わっていない。

ところがドイツ語版だけ、第3版からパッケージが変わったのである。大賞にノミネートされる以前のことであった。今度は街の中を白馬に乗った王子様が闊歩し、それを周囲の人物が取り囲んでいる風景。陰謀渦巻くという感じだが、一見平和そう。マティアス・キャトレインだったイラストレーターはミヒャエル・メンツェルに。

この変更について、ドイツのゲームサイト「クリッケンアーベント」はハンス社の説明として以下のように伝えている。

「キャトレイン氏には、以前に伝えた内容から誤った印象を与えてしまったことを申し訳なく思っています。カバーの変更をしたのは、前のカバーにあった戦争の表現が、ドイツ語圏で猛烈な批判を浴びて、売りにくくなってしまったという事情だけです。キャトレイン氏にイラスト力の競争をさせるつもりはありませんでした。」

日本ではほとんど気にも留められないことで、箱絵の変更までしてしまうドイツメーカー。その理由は戦争のイメージをなくすというものであった。年間ゲーム大賞を狙うか否かにかかわらず、常日頃からそれだけファミリーを意識しているということでもあろう。このような意識が、『ドミニオン』の大賞受賞に結びついたのではないだろうか。

"Ausführlicher" Spieltest: Dominion (Hans im Glück) / SPIEL DES JAHRES 2009

『ドミニオン』は賞の権威を証明する

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 ファミリー層をターゲットに照準を定めているドイツ年間ゲーム大賞審査委員会が、今年『ドミニオン』を大賞に選んだことについて、違和感を唱える意見が見られる。いわく、『ドミニオン』は初心者にウケがよくないとか、直感的に分かりにくいとか、中には確率計算勝負のアブストラクトゲームだとまでいう人もいる。

 年間大賞は11名という少数の審査員で選んでいるから、たとえ審査員がボードゲームジャーナリズムのエキスパートだからといって、異議を唱える愛好者はいなくならない。しかし去年の『ケルト』、一昨年の『ズーロレット』が「こんな物足りないゲームを大賞に選ぶなんて」という論調だったのに対して、今年は逆で「ファミリーには難しすぎる」である。何を選んでも文句をいう人はいるものだが、大賞の方針から考えて審査員の中にも同様の意見をもつ人はいたに違いない。それではどうして彼らは『ドミニオン』を選んだのか。

 まず、『ドミニオン』の大賞史上における位置づけを見てみよう。

 一つ目は、前年にエッセン国際ゲーム祭で発売されていること。これは『ナイアガラ』以来3年ぶり11回目である。ドイツのゲーム年度では、前年のエッセン国際ゲーム祭と新年のニュルンベルク玩具見本市に発売された新作を選考対象にしているが、一般にニュルンベルク玩具見本市で発売されたほうが新しさをアピールできて審査員の心象に有利だとされる。一方、前年に発売されたゲームには、半年以上持続するインパクトが求められ、受賞のハードルが高い。『ドミニオン』は昨秋の発売以来、年内に11ヶ国語版が企画され、また国内でも加速度的に人気を広めた。

 二つ目は、オリジナルが外国のデザイナーかつメーカーであること。これは『チケットトゥライド』以来4年ぶり8回目である。ドイツ語版を出していても、主にマーケティングの理由で外国のデザイナー・メーカーは不利である。受賞後に30万セットを一気に生産・流通できるくらいの規模・力がなければ受賞できない。『ドミニオン』はニューヨークのD.ヴァッカリーノ氏のデザインでアメリカのリオグランデ社から発売されたが、ドイツのメーカーで販売網も強いハンス・イム・グリュック社と同時発売だったのが幸いだった。ちなみにハンス社としては『郵便馬車』以来2年ぶり6回目の受賞で、(発売時の)メーカー別の受賞数ではラベンスバーガーを抜いて1位になった。

 三つ目はドイツゲーム賞1位。少し気が早いが、この人気ぶりを考えれば1位を取る可能性が高い。年間ゲーム大賞とドイツゲーム賞の二冠に輝くとすれば、『カルカソンヌ』以来7年ぶり6回目となる。2001年以降、ドイツ年間ゲーム大賞がファミリー向けを前面に打ち出してから、フリークが主に投票するドイツゲーム賞との乖離が進んでおり、二冠はもうないだろうと言われていた。それだけに今世紀になってからの二冠は貴重である。なお、前年に発売されたゲームでドイツゲーム賞1位になったのは、『エル・グランデ』と『カルカソンヌ』しかない。

 そして四つ目はカードゲームであること。ボードを使わないカードゲームとしては初の受賞である。ただこれはさほど驚くことではない。というのも、ドミニオンは通常のカードゲームと違い、500枚もカードが入った大箱ゲームだからである。これまで最も大賞に近かったのは『操り人形』(2000年最終ノミネート)だが、小箱で単価も安かった。年間ゲーム大賞審査委員会は、定価の数パーセントというライセンス料で運営されているから、ほかにも優れた候補がある中でわざわざ安価なゲームを選ぶことはない。

 こうして過去の受賞作と比べてみると、『カルカソンヌ』に近い位置づけであることが分かる。『カルカソンヌ』がそうだったように、大衆の爆発的な人気に押された面が否めない。さらに言えば、審査委員会は、大賞というレーベルを大衆の人気に乗じてアピールしようとしているのではないか。

 年間ゲーム大賞がドイツのゲーム市場を発展させてきたことは間違いない。何百と発売される新作の中から、年間ゲーム大賞がたった1つの作品を選ぶ。受賞作は新聞などで大々的に報じられ、デパートのおもちゃ売り場にずらりと並べられ、普段はボードゲームを遊ばない人でも、この一作だけを手にとって遊ぶ。これが1万以上売れれば御の字という世界で、受賞するといきなり30万セットは確実という影響力になる。メーカーも競って面白いゲームを作る。競争によってシステムだけでなく、イラストやチップや木製のコマのクオリティーも上がり、ドイツは他国の追随を許さなくなった。

 こうしてボードゲームの面白さを保証するレーベルとなっている年間ゲーム大賞だが、年間ゲーム大賞自体の権威は何によって保証されているかというと、循環論法になるようだが結局ボードゲームの面白さなのである。受賞作をみんなが遊んでつまらなかったといえば、権威は損なわれてしまう。そこで、何年かに一度は、年間ゲーム大賞自体の権威が証明されなければいけない。

 というわけで『ドミニオン』は『カルカソンヌ』と同様、年間ゲーム大賞の権威の証明として持ち出されたというのが私の見方である。審査員は決して奇をてらっているのではありません。みんなが楽しめるゲームを真摯に選んでいますから、これからも安心してお手に取って下さいというメッセージが込められているように見える。

 それだけ『ドミニオン』が受賞に左右されず、人気が確固たるモンスタータイトルということでもある。このようなゲームは10年に1度くらいしか現れない。ファミリー向けか否かなど言っていられない。これに乗らずして年間ゲーム大賞を名乗れようか。

 ドイツゲーム黄金期と言われた90年代、ファミリー向けを模索した00年代に続き、今度の10年間は何が起こるだろうか。『ドミニオン』は非ドイツ圏ゲームの隆盛につながるのか。これからの年間ゲーム大賞の方針と傾向に注目していきたい。

フェデュッティゲーム賞は『スモールワールド』

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フェデュッティゲーム賞フランスのボードゲームデザイナー、B.フェデュッティ氏は毎年恒例の「私の年間大賞(Mon jeu de l'année)」を発表した。今年一番の作品として選ばれたのは同じフランス発のファンタジーボードゲーム『スモールワールド(Small World)』。

フェデュッティ氏によると、『スモールワールド』はダイスやカードを使わないシンプルな戦闘システムと各民族のもつ特殊能力によって、戦況や勢力が激変したり、同盟関係が移り変わるほか、戦略的な深みや展開の多様性が魅力的であり、リメイク元の『ヴィンチ(Vinci)』よりはるかに優れているという。ドイツ年間ゲーム大賞には推薦リスト入りもしなかった理由については、ドイツ人はウォーゲームがいまだタブーであることと、リメイクに新しさがなかったことを推測している。

このほかに6つの特別賞が挙げられ、重量歴史ゲームに『孔夫子(Confucius)』、重量得点ゲームに『プラネットスチーム(Planet Steam)』、2〜3人ゲームに『カルタゴの貿易商(Traders of Carthage)』、トリビアゲームに『ファウナ(Fauna)』、カードゲームに『魔法にかかったみたい(Malédiction)』、キッズゲームに『魔法のラビリンス(Le Labyrinthe magique)』を選んでいる。『カルタゴの貿易商』は日本人ゲームデザイナー、川崎晋氏の作品で、アメリカのズィーマンゲームズから発売された。フェデュッティ氏は、「『シャドウハンターズ』と『カルタゴの貿易商』はズィーマンが英語版を出すまで日本語でしか遊べなかった。ゼヴ(ズィーマンの社長)が日本からもっとゲームを見出すのを期待しよう」と日本のゲームに期待を寄せている。

ドイツ年間ゲーム大賞も受賞した『ドミニオン』については、確率計算のゲームで展開の多様性・運の要素・直接攻撃性が欠けており面白くないと切り捨てた。これからの情勢については、経済不況の影響で各メーカーが安価な小箱のパーティーゲームを作るだろうと予想。またテーマとしてはファンタジー、システムとして競りゲームの復権があるのではないかと述べている。

Bruno Faidutti:Mon jeu de l'année 2009

春の新作は『スルーザエイジ』人気

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ドイツのボードゲーム評価サイト「ボードゲームアンケート(Spieleumfrage)」は、2009年春の新作評価アンケート結果を発表した。今年度は昨秋に発売された『ドミニオン』と『パンデミック』が圧倒しているため、2月のニュルンベルク玩具見本市の前後に発表された新作の状況は貴重な情報である。

「ボードゲームアンケート」は、半期に一度、ネット上で新作の評価アンケートを行っている。6段階評価で得点をつけ、ベイズ判定と平均を取る仕組み。今回は277人の有効回答があった。

1位は『スルーザエイジ』のドイツ語版。チェコゲームズから発売された重量級ボードゲームである。2位にはクニツィアの『チグリス・ユーフラテス』第2版、3位は『蒸気の時代』をオランダのファランクス社がリメイクした『蒸気』と続く。上位にはリメイクや拡張が目立ち、純粋な新作としてはイギリス・ツリーフロッグ社の『オートモービル』とセレクタ社の『いかだ動物園』しかない。

評価数が多かったのは『フィンカ』、『賽は投げられた』、『ヴァルドラ』の順だが、それぞれ19位、46位、31位と不振だった。

【ボードゲームアンケート2009春】(評価ベイズ判定・評価数)
1位:スルー・ザ・エイジ(Im Wandel der Zeiten)1.75/111
2位:チグリス・ユーフラテス第2版(Euphrat & Tigris 2. Edition)1.91/73
3位:蒸気(Steam)1.91/39
4位:スモールワールド(Small World)2.02/128
5位:アレアの宝箱(Schatzkiste)2.03/56
6位:レースフォーザギャラクシー拡張2(Race for the Galaxy Rebellen vs. Imperium)2.06/58
7位:オートモービル(Automobile)2.07/29
8位:キューバ拡張(Cuba El Presidente)2.18/63
9位:モダンアート(Modern Art)2.18/60
10位:いかだ動物園(Zoowaboo)2.22/21

Spieleumfrage:Spieleneuheiten Frühjahr 2009

ボードゲームとタイ料理の宴

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7月10日(金)午後7時から、京都北山のタイ料理店CHANG NOIにて、「ボードゲームとタイ料理の宴」が開かれる。入場料1500円。

企画は京都のフリーペーパー『SCRAP(スクラップ)』。これまでも「ボードゲームと ドイツビールの宴」など、レストランとのコラボレーションで面白いイベントを開催している。最新号では「なんか最近面白いことない?って思ってる人のための あそび特集」として、輸入おもちゃやTRPGとともにこのイベントが紹介されている。チラシの文句は以下の通り。

最近まわりで「ボードゲームが熱いよね!」っていう声を、まあまったく聞かないんですが、極局地的に大変に盛り上がっているボードゲーム。このすばらしき「あそび」をぜひ一人でもたくさんの方に体験していただきたく、こじゃれたイベントを企画いたしました。しかも激烈に美味しいタイ料理も一緒に楽しめるというこの桃源郷システム!最先端のゲームにちょっとだけ疲れちゃったファミコン世代のみなさま。ぜひ仕事帰りにおしゃれしてこのイベントに足をお運びくださいませ。 たぶん、新しい遊び体験が出来ますよ。

予約はメールにて。詳しくは以下のページを参照のこと。

フリーペーパーSCRAP:ボードゲームとタイ料理の宴

ゲームデザインとメイキング研究会

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国際ゲーム開発者協会日本の同人・インディーゲーム部会は、7月11日(土)13:30から東京の文京学院大学にて「ゲームデザインとメイキング」について研究会を開く。参加費1500円(懇親会+3000円)。

商業ゲーム関係者にとって、インディーズゲームは「ゲームデザイン・技術・表現形態などでクリエイターのアイデアが表に出てきやすい」ものとして注目される。そこでインディーズゲーム開発者が「アイデアや技術的チャレンジをゲームでどう表現し実現するか」について講演し、「クリエイターの個性とゲームバランスと製作工程をいかに調和させるか」についてのディスカッションを行うのが狙い。

講演はそれぞれ30分程度の内容で小山友介氏(芝浦工業大学)「商業ゲームの保守化とインディーズゲームへの期待」、muracha氏(Easy Game Station) 「画面作りから見るゲームメイキング」、isao氏(神奈川電子技術研究所)「あかんゲーム と ええゲーム」 、小川幸作氏(チームグリグリ)「メンバーの個性を生かすゲーム作り」、OMEGA氏(OMEGA)「ゲームルールをデザインするね」 、おにたま氏(オニオンソフトウェア) 「HSPプログラムコンテストの紹介と取り組みについて」 など。その後で講演者によるディスカッションが行われる。

デジタルゲームがメインの会合だが、アナログゲーム関係者にとっても参考になるところが大きそうだ。チケットの入手方法など詳細は下記のページを参照のこと。

IGDA Japan: 同人・インディーゲーム部会 第2回研究会「ゲームデザインとメイキング」

アメリカの賞も『ドミニオン』を選ぶ

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ドイツ年間ゲーム大賞を受賞した『ドミニオン』の人気は、アメリカにも広まっている。

6月19日、インターネット上のボードゲーム愛好者団体「シュピールフリークス(Spielfrieks)」が「ミープルチョイス賞(Meeples' Choice Award)」を発表し、1位に『ドミニオン』が選ばれた。2位に『パンデミック』、3位は『ルアーブル』。この賞は前年に発表された新作の中から、5〜6月にかけて行われるメンバーの投票によって決められる。

また、6月24日から5日間にわたってアメリカ・オハイオ州のコロンバスで開かれた第35回オリジンズ・ゲームフェア。27日は恒例のオリジンズ賞が発表され、『ドミニオン』がカードゲーム部門を制した。ボードゲーム部門では『パンデミック』が、『アグリコラ』や『国富論』を抑えて1位になっている。選定はゲーム制作に携わる専門家で構成されるアカデミー・オブ・アドベンチャー・ゲーミング・アーツデザイン(Academy of Adventure Gaming Arts and Design)で、最終投票には一般愛好者も加わっている。

なお昨年の受賞作はミープルチョイス賞が『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』、オリジンズ賞が『スタークラフト』。いずれもたくさんのゲームを遊びこんでいるコアな愛好者の投票によるもので、ドイツ年間ゲーム大賞の発表前に行われている。『ドミニオン』の、ターゲット層を選ばず、ドイツの評価にも左右されない人気の広がりが伺えるだろう。

『ドミニオン』は各国語版ですでに発売されており、フランス、オランダ、日本など、これから発表される各国のゲーム賞にも名を連ねるのは間違いない情勢だ。

Boardgame News:2008 Meeples Choice Award Results
Critical-Hits:Origins Awards 2009

ゲームマーケット2009新作評価アンケート結果

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2009/6/1-30実施 有効回答総数58名
評価平均
(5/とても面白い-1/全く面白くないまでの五段階評価平均と評価数、10票以上、上位20位まで)
1.ハウラ(賽苑) 4.22/23
2.Mine Out(クロックワイズ) 4.06/18
3.よくばりキングダム(ワンドロー) 4.00/20
3.リターン・トゥ・サバンナ(骨折ゲームズ) 4.00/10
5.どうぶつしょうぎ(ゲームマーケット柏木) 3.92/12
6.ひも電(Hammer Works) 3.83/18
7.バボーン(Josee Design) 3.72/25
8.いろこいす(もみあゲームズ) 3.71/14
9.マングローブ(賽苑) 3.63/16
10.ダイスクライマー(ダイスクライマー) 3.50/10
11.賭博英雄伝セブン(カワサキファクトリー) 3.40/25
12.フッテセッテ(Yゲームズ) 3.30/10
13.ワンダフル映画祭(King's Court) 3.21/14
13.No!Smoking!(KeyRoom) 3.21/14
15.ネオス(賽苑) 3.17/18
16.ナナホシ(Hammer Works) 3.17/12
17.Ocean Trade(Hammer Works) 3.10/11
18.堺の名商(高天原) 2.90/11
19.Chronicle(カナイ製作所) 2.83/12
20.しろくまシェフ(チームきりたんぽ(仮)) 2.36/14

アンケートにご回答頂いた方々、ご協力ありがとうございました。

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