2009年9月アーカイブ

国際ゲーマーズ賞に『ルアーブル』

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8月10日にノミネートが発表されていた国際ゲーマーズ賞(IGA)の大賞作が選ばれ、9月26日に発表された。欧米9カ国の審査員が選んだ大賞作は『ルアーブル』。作者のU.ローゼンベルクとメーカーのルックアウトゲームズは、昨年の『アグリコラ』に続き、2年連続の栄誉に輝いた。

IGAの最終選考は、審査員が1人1票で投票し、過半数になるまで下位を落としては再投票を繰り返す仕組み。『ルアーブル』は1回目の投票から1位となり、2位の『オートモービル』と『ドミニオン』を終始圧倒した。

『ルアーブル』はフランスの港町を舞台に、建物や船を建設し、品物を交易して財産を増やす建設ゲーム。たくさんの建物が出てくるタイミングや組み合わせ、さらに毎回少しずつ出てくる特別の建物の使い方によってゲームの展開が毎回異なるゲームで人気を博している。日本ではすでに国内発売されているが、ホビージャパンが日本語版を発売する予定だ。

2人用カテゴリーでは、太鼓を舞台にした陣取りゲーム『デイ&ナイト(Day & Night)』が選ばれた。

International Gamers Awards:Recipients Announced for 2009 International Gamers Awards - General Stragety Category

ミドルアース・クエスト日本語版

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ホビージャパンは今月、アメリカのボードゲーム『ミドルアース・クエスト』の日本語版を英仏独語版と同時発売した。2〜4人用、13歳以上、180分、8,925円。ファンタジー小説の名作『指輪物語』をテーマにしたボードゲームで、指輪をめぐって、闇の勢力と英雄たちが戦う。

ゲームの舞台はビルボが姿を消した日から、主人公フロドと指輪が住み処のホビット庄を旅立つ日までの17年間の中つ国西部。4人のプレイヤーで、1人は指輪を狙う闇の王サウロンとして恐ろしいモンスターを各地に配置し、あと3人のプレイヤーは英雄となって魔法使いガンダルフたちの助力を得ながら中つ国を守る旅を続ける。中つ国の運命やいかに?

500枚近いカード、200体を超えるコマ、そして大判のボードで壮大なゲームが待っている。

ホビージャパンは設立40周年を記念して、次々と新作ボードゲームの日本語版に着手している。これまで『タリスマン』『アグリコラ』『ドミニオン』『パンデミック』『ドミニオン:陰謀』『パンデミック:絶体絶命』『スモールワールド』といった新作が日本語版で発売されている。

ホビージャパン:ミドルアース・クエスト

ベオウルフ・ザ・ムービー(Beowulf the Movie)

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第3ステージに向けて高まる緊張感

タイルとコマを配置して、自分のコマを置いた縦横の列から得点するボードゲーム。『市場のお店』(1994)が元ゲームで、このゲームの作者であるリメイク王・クニツィアがアメリカ版の『キングダム』(2003)を作り、さらに改良を加えてこのゲームが出来上がった。

自分の番にはボードの空いているところに手札からタイルを置くか、コマを置く。タイルはプラスポイントのもの、マイナスポイントのもの、特殊効果があるものがあり、コマは×1〜×4まである。碁盤の目になっているボードが全部埋まったら得点計算で、各コマごとに縦と横の二列にあるタイルの点数を合計し、コマの数字をかけて得点にする。ボードを替えて3ステージ行い、合計点の高い人が勝ち。

×2以上のコマは、合計がプラスになれば嬉しいが、マイナスになれば目も当てられない。当然、ほかの人が×2以上のコマを置いた列には、マイナスタイルがどんどん置かれることになる。タイルを置くにも、コマを置くにも、位置とタイミングが悩ましい。

元になった『市場のお店』はたいへん優れたゲームだが、同じボードで3ゲーム行うので、どんどんシビアになっていく傾向があった。大量得点をさせないようにお互い牽制するためである。攻撃はしやすいが、守るのは難しい。その点『ベオウルフ』は、毎ステージの地形が変わり、またタイル構成も変わることで変化をもたせ、シビアな印象を薄めている。ほかの人の置き方と、引いてくるタイルによって進め方は臨機応変。

縦横の列のプラスタイルを全部消してしまう「欺瞞」や、タイルの位置を交換できる「黄金の像」といった強力なタイルもあるが、その数はほんのわずかで、山札に埋もれたまま出てこないこともある。むしろ、そういうタイルが出てくることを警戒してゲームを進めるところが面白い。

今回は×2以上のコマを第3ステージまで全部温存しておく作戦。はたして第2ステージで大量得点を加えたくさのまさんにマークが集まる。第3ステージではほかの人と相乗りしたり、偶然できた美味しいスポットを押さえたりして追い上げ1位。

遊ぶたび、メンバーが変わるたびにつぶし合う展開と伸ばし合う展開の両方があり、それぞれ考え方が違う。ベオウルフというテーマのイラストはグロテスクで好みでないが、映画が忘れ去られても、このゲームは遊び継がれてほしい。

Beowulf the Movie
R.クニツィア/ファンタジーフライト(2007)
2〜4人用/10歳以上/30分
国内販売;アークライト

ギャンブラーEX(gambler EX)

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ダイス1個で流れ変え

クレメントーニのポケッタブルゲームシリーズ。カードの中に3つの窓があり、中からダイス目が見えるようになっている。窓の覆いはダイス1個分(1D)とダイス2個分(2D)がある。

はじめに誰かが30〜50の数字を言ってスタート。順番にカードを振り、どちらかの窓を開いてカウントアップする。決められた数字以上になったらバーストで負け。チップを支払う。3つのチップがなくなったら負け。

序盤は2Dでどんどん行くが、残り10くらいになると1Dの窓で踏ん張る。人数が少なければ、1Dだと絶体絶命の状況でもう1回あるかもしれない。それならばあえて2Dでプレッシャーを与えるのもよい。

単純だが、カードのギミックが優秀なことも手伝って盛り上がるゲームである。『カタン』などダイスを使ういろんなゲームにも使えそう。

gambler EX
作者不明/クレメントーニ
2〜4人程度

マジックアイ(Das magische Auge I)

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目の体操

カードを目に近づけて、焦点を変えないように少しずつ離していくと立体の図像が見えてくる絵で遊ぶカードゲーム。立体の絵は恐竜や家畜などのシリーズがあり、1シリーズ4枚を探すのが目的である。何枚かずつカードを配り、一斉に絵を見る。いらないと思ったカードを1枚、左どなりに渡す。これを繰り返してシリーズを完成させた人の勝ち。正解は、ルールブックに書いてある。

制限時間はないが、一度見たものを覚えておくことも必要だ。立体画像が何かを見えてくるまで時間がかかるが、何枚も見てくるとだんだんスピードが上がってくる。でも10枚くらい見たら目が疲れ果てたので中止。

みんなでカードを目に近づけている様子がおかしい。目がよくなるって、本当なのだろうか? Psy+さんはこれまで見えたことがなかったが、初めて見えてよかったとのこと。

Das magische Auge I
作者不明/アミーゴ
2〜5人程度

グラグラナッツ、ミニカド、ミニドミノ

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小さい箱に面白さ

エッセン国際ゲーム祭で見つけた小箱のゲーム。1箱1ユーロか2ユーロくらいで販売されていた。

『グラグラナッツ』は、半球形の台に棒をのせて、落としたら引き取り、手持ちの棒を全部なくすゲーム。棒も台も小さいので、細心の注意が要求される。大人なのでわざと厳しい置き方をして、次の人が落とすのを誘うつもりが、自分が落としてしまったりして笑える。

『ミニカド』は、棒を崩さないように抜く『ミカド』の極小版。お菓子のポッキーが「ミカド」と呼ばれていることから、この名がついたらしい。小さいがルールは変わらない。ほかの棒が動いたらアウトで、できるだけ得点の高い棒を引き抜く。これを取ったら、次の人が得点の高い棒を取ってしまうという状況で、引き抜く棒に大いに迷う。

『ミニドミノ』は、0〜6の色が合うようにタイルを並べて手札をいち早くなくすゲーム。出せないときはパスするので、また自分の番に回ってきたときに続けて出せるよう、手札を出す順番を考えなければならない。ぞろ目のタイルを横に置くルールはない簡易版だが、駆け引きは十分ある。

1ゲーム5分程度。コマが小さいのがかわいらしい。

Wackelnuss、Minikado、Minidomino
作者不明/barti
プレイ人数適宜(2〜4人程度)

『ドミニオンレシピ』

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優れたボードゲーム評論サイト「遊星からのフリーキック」が、ゲームマーケット2009で頒布した同人誌。A5版、42ページ、400円。残部の通信販売もある(なくなり次第終了)。

ドイツ年間ゲーム大賞、ドイツゲーム賞を受賞し、まもなく発表されるドイツカードゲーム賞も有力候補となっている『ドミニオン』。否定的な意見もあるが、10年に1度あるかどうかの傑作であることは間違いがないだろう。

『ドミニオン』を遊ぶと、何やら定石がありそうなことはすぐ分かる。ありがちなのは「○○最強説」(『プエルトリコ』の宿屋とか、『サンクトペテルブルグ』の18貴族とか)だが、ドミニオンはカードのコンボとバランスの両方があるため、そう単純ではない。そんなときに、ハンドブックとして重宝するのがこの『ドミニオンレシピ』だ。

本書の構成はまず戦略の基本と各カードを概説した上で、いくつかの作戦を紹介している。一時期ネットで物議をかもした「お金プレイ」(本書では「ステロイド」)、巷で流れる「村最強説」を支える鍛冶屋とのコンボ(本書では「鍛治村」)は基本中の基本。このほかに「地下書庫」「高圧縮」「庭園ビートダウン」「魔女コントロール」「軽圧縮」「古本市」「属州枯渇」とどれも試したくなるような作戦ばかり。

それぞれの作戦では概要を説明した後、必要なカード構成、理論、ほかの作戦との相性、バリエーションなどを解説する。検証用プログラムまで使ったそうで説得力があり、なるほどと思うことばかり。それでいて、「はじめに」で本書に書いてあることは絶対ではないと述べ、この本を論拠に他人のプレイングを批判することを諌めている。

この本の目的は経験の差が大きく出がちな『ドミニオン』において、その経験の差を埋めることであるという。メンバーが誰もやりこんでいないならば、みんなで遊びながらこうした作戦を発見していくのも楽しみのひとつである。でも数多く遊んでいない人が、やりこんでいるメンバーに入るならば、一読していくことをオススメしたい。

ハウラ(Hau La)

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上へ上へ押すな押すな

マングローブ』と並んで、今年のゲームマーケットの目玉となった賽苑の作品。スポンジ製のピースを自由に取り付けて、自分の色のタグが一番上になるようにするという、ほかに類を見ない異色の作品だ。

手持ちのピースは長さが3種類あり、全員同じものをもっているが使い順番は自由。長いピースはここぞというときに使いたい。地面やほかのピースにある穴から、新しいピースを差し込んで、できるだけ高いところに自分の色のタグを付ける。次の手番には、タグがあったところからさらに上を目指す。

毎ラウンドトップを取った人は、ボーナスピースを取り付けることができるが、高いところはすぐ狙われて下になることになるだろう。スポンジ製であるため、重力やほかのピースとの絡みですぐ垂れ下がってしまう。

勝敗は最後の最後のピースが入るまでわからない。短いピースで最後のひとあがきをするさまは、思わず笑いを禁じえない。ゲームマーケットの評価アンケートでは、ゲームとしての出来を疑う声も寄せられたが、先手番でもよい場所を見つけられれば決して不利ではないように感じた。

アブストラクト風なのに厳密に計算できないアナログ感、みんなの予想を裏切るピースの差し込み方で形勢が逆転する創造性、そして現代芸術のような見栄えのよさと申し分ない。『マングローブ』と同様、これまた国内でも海外でも、どこかのメーカーが権利を買い取って工場で量産してほしいほどだ。

Hau La
作者不明/賽苑
2〜4人用/8歳以上/15分

コロッサル・アリーナ日本語版

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ホビージャパン(東京・代々木)は今月、カードゲーム『コロッサル・アリーナ』の日本語版をリリースした。2~5人用、8歳以上、40~60分、2940円。

『コロッサル・アリーナ』は、ファンタジー世界のモンスターたちが闘士となって戦い、プレイヤーは戦いに勝ちそうなモンスターへ賭けて配当金を獲得するゲーム。モンスターたちはそれぞれ独自の能力を持っており、能力に応じて戦闘カードをうまく使いこなさなければならない。モンスターが1体ずつ脱落する中で、お気に入りのモンスターが勝ち残れるか、スリル溢れるゲームが楽しめる。

デザイナーはR.クニツィア。『グランドナショナル・ダービー』(ピアトニク、1996年)から始まり、『タイタン・アリーナ』、『ギャラクシー』と改良とリメイクが続けられてきた。総発売元であるファンタジーフライト社(アメリカ)では定番名作シリーズ「シルバーライン」にラインナップされており、またドイツ、フランス、イタリア、フィンランドなどで各国語版が発売されている。

ホビージャパン:コロッサル・アリーナ
moon Gamer:コロッサルアリーナ
play:game評価コメントリスト:コロッサルアリーナ

チケットトゥライド世界大会

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『チケットトゥライド』の総発売元であるデイズ・オブ・ワンダー社(フランス)は、『チケットトゥライド』の発売5周年を記念して、初めての世界大会を開く。2010年はじめから北米、フランス、ドイツ、イギリス、ベネルクス、スペイン、ポーランドで予選が開かれ、各国の代表が決められる。代表は2010年6月にパリで開かれる世界大会に集い、世界一を決める。

大会の賞品は総額50000米ドル(450万円)が用意され、特に世界チャンピオンはロンドンからフランス、オーストリア、ドイツを経てイタリアのヴェネツィアまで2日間で旅行するオリエント急行の旅がプレゼントされる。

『チケットトゥライド』は2004年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作品。同じ色のカードを集めてアメリカ大陸の鉄道を乗り、目的地をつなぐ。ドイツ、ヨーロッパ、スイス、北欧マップや、カードゲーム、ダイスゲーム、拡張セットなどシリーズが数多く発売されている。日本語版はバンダイから発売されていたが絶版になっており、ボードゲーム専門店で英語版のみ入手可能(アークライトプレイスペース広島など)。

Days of Wonder:Ticket to Ride World Championship

Yahoo!今週のおすすめで紹介されました

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Yahoo!の今週のオススメ(2009年9月21日号)は、9月24日から始まる「東京ゲームショウ」にちなんで、「ゲーム」がテーマです。東京ゲームショウは、99.9%デジタルゲームのイベントですが、このリンク集に、ボードゲームのサイトとして当サイトが紹介されました。

「ゲーム」と聞くと、コンピューターゲームを思い浮かべがちですが、テーブルゲームを忘れちゃいけません。ドイツは特にボードゲームの本場だそうで、こちらのファンサイトにはドイツの最新情報が満載! 見本市のレポートやゲーム市場の分析など、興味深いコンテンツが充実です。

ほかにはテレビゲームの動画や、クレーンゲームやピンボールのテクニック集、ファミコン前後のクラシックゲームなど、ゲーム全般について幅広いサイトが紹介されています。

Yahoo!カテゴリ-今週のオススメ 2009年9月21日号

パンデミック拡張セット『絶体絶命』(On the Brink)

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凶悪なウィルスに強力な助っ人

今年、本体と同時に日本語版が発売された拡張セット。3つのルールが入っていて、選択的に導入できるのと、ウィルスのコマを入れられるシャーレが入っているのが売りだ。今回は5人。3つのうち「バイオテロリスト」は3〜4人プレイで入れることが推奨されているので、「猛毒株」と「変異種発見」を加えた。

これだけならば、ただでさえ人類の敗北に終わりやすいのが一層厳しくなるわけだが、対抗するほうも強力な特殊能力カードが加えられている。強力なウィルスVS強力な特殊能力、世界を制するのは誰か。

猛毒株のルールは、エピデミックカードを差し替える。最初にエピデミックカードが出たとき、盤面に最も多いウィルスが猛毒株となり、薬を作るのに必要な都市カードが1枚増えたり、移動する都市の除去が必須になったりとかなりてこずるようになっている。効果は1回きりではなくてずっと続き、しかもそれが重なっていくのがつらい。

変異種発見では、変異種出現のカードを加え、このカードをめくると紫のウィルスが登場する。以降、変異種のイベントでじわじわと増えていく。コマの数がたった12個しかなく、盤面に全部出たら負けであるから、プレッシャーが大きい。治療薬は、どの色の組み合わせでも5枚あればよいが、そのうち1枚は紫のウィルスがある都市でなければいけないというのも、地味にきつい。

今回大活躍だった特殊能力は「トラブルシューター」。自分の手番の最初に山札から何枚かとって自由に並べ替えられるのと、直行便で使ったカードが捨て札にならないという能力はどちらも超強力で、人類の勝利に大きく貢献した。

もっとも個人の力で勝てるものではなく、全員が細かいところで無駄のない行動を行い、治療薬のために都市カードを効率よく受け渡ししなければならない。知恵を出し合ったうえで、カードのめくり運にできるだけ左右されないように行動する。『パンデミック』は拡張なしでも何度も遊べる十分に面白い作品だが、この拡張が新しい次元を開いたことは間違いなさそうだ。

Pandemic: On the Brink
M.リーコック、T.リーマン/ズィーマンゲームズ―ホビージャパン(2009)
2〜5人用/10歳以上/45分

ボードゲームの遊べるペンション

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ペンションとボードゲームは、相性がいい。家族や仲間で泊まる夜のひととき。家事や仕事に追われることもないし、同じ部屋にみんなが集まっている。のんびりと食事を終えたところで、まだ寝るには時間がある。何をしようかというときに、ふとそこにボードゲームを見つけたら……。

ボードゲームを常備しており、自由に遊べるペンションは実は結構ある。2004年の調査では2件しか見つからなかったが、どのペンションでもホームページを用意したり、宿泊客のレポートが上がったりすることで、たくさんあることが分かってきた。

ホームページにボードゲームの専用ページを設けているペンションは、現在確認されているところで以下の4件。それぞれ、非常に充実したラインナップで、1晩では遊びきれないほど。オーナーが自ら説明してくれるところもある。ボードゲーム愛好者なら、一度は利用してみたいところだ。

福島・裏磐梯
ペンションバディゲームのページ
ペンションともゲームのページ

長野・黒姫高原
アルマナックゲームのページ

静岡・伊豆高原
グリーンディッシュゲームのページ

ボードゲームのページはないが、紹介の中にボードゲームが遊べることを謳っているものはたくさんある。80年代に、ラベンスバーガー社の製品を展開した富士商が、いろいろなペンションに営業に回ったのがもとで置くことになったところも多いらしい。

ホームページやレポートでボードゲームを置いてあることが確認できたのは以下の22件。もっとも、「ボードゲーム」としか書いていないから、オセロ、将棋、囲碁、ジェンガくらいかもしれない。ほかにもあったら情報をお寄せ下さい。

(ペンションのオーナーの皆様へ:もしこのリンクをご覧になった方は、上記の4ペンションを参考に、ボードゲームを増やして、ホームページにゲームのページを掲載してもらえたら幸いです。)

ドイツゲーム賞と日本語版

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ドイツゲーム賞が昨日発表された。国内の取り扱い状況を見ると、10位以内で日本語版が発売されているものが4タイトル(ただし『ルアーブル』は未発売)、しかも上位3位が全て含まれている。

ドイツゲーム賞を受賞したからといって売り上げが伸びるわけではないと、ハンスのブルンホファー社長は言っていたが、それはドイツでの話。コアなフリークによって小さい市場が成り立っている日本では、ドイツゲーム賞は売れ筋の大きい目安となる。わずか1年以内で人気を先取りしたホビージャパンの先見の明は素晴らしい。

現在、日本語版がブームを迎えている。ホビージャパン、アークライト、ニューゲームズオーダー、メビウスがこぞって日本語版や日本語箱を手がけ、普段あまりボードゲームを遊ばない層にも手に取りやすくなっている。一方のメーカーとしては、日本語版によって流通を押さえられるというメリットがある。

韓国のコリアゲームズが、『キューバ』とか『プエルトリコ』とか、大きなセールスが見込めないものまで韓国語版を制作したのは、流通を押さえる目的があったからだと言われている。英語版やドイツ語版ならばどのショップも仕入れられるが、一旦韓国語版を作ってしまえば流通を一本化でき、その元締めとなって事実上の独占ができる。

ただし相当なロット数を作るのは売れ残るリスクを伴う。事実コリアゲームズはボードゲームブームの下火と韓国経済の不況で韓国語版化をストップさせている。

しかし、日本語版が出るようなゲームが、ドイツでも人気だったというと少し語弊がある。非ドイツ圏のメーカー、リオグランデ、ファンタジーフライト、ズィーマン、デイズオブワンダー、アスモデ、イスタリ、チェコゲームズなどが勃興し、それに伴ってドイツ圏のメーカーの凋落しているという状況を見なければなるまい。

ドイツ圏のメーカーは、90年代の栄光にまだ浸っているのか、同工異曲の作品が少なくない。ヒットした作品は、フランスゲームの『ケイラス』がもたらしたワーカープレイスメントを取り入れたものばかり。ドイツゲームデザイナーのカサソラ氏が「デカダンス(頽廃)」と述べ、ドイツ年間ゲーム大賞審査員のバルチ氏が「ドイツに新しさは全くない」と嘆いていたように、ゲーム好きは非ドイツゲームにどんどん目を向け始めている。

ホビージャパンが日本語版を手がけたのは、実はこうした非ドイツ圏のゲームであった。それがドイツの状況とマッチしていたため、こうして上位独占となるに至ったと言える。同時に日本でも、非ドイツ圏のゲームの魅力が幅広く知られ始めているということだろう。

ホビージャパンはこれからも毎月か隔月に1タイトルくらいずつ、日本語版を検討しているという。そのメーカー選定に狂いがなければ(非ドイツ圏のメーカーは当たり外れが大きい)、上記のような情勢が手伝って、また来年のドイツゲーム賞も、ホビージャパンのゲームが上位を占めることになるのではないかと予想している。そのためにも、翻訳の質の向上は急務だ。

書けた?(Haste Worte)

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知識量よりも勢いだ!

ゲーム内容はこちら。もともとは1997年にF.X.シュミットから発売されたが、その後2003年にシュピールツァイトから、2009年にフッフ&フレンズから再販されているという隠れたロングセラー。大賞作家のクラマーとキースリングが作ったコミュニケーションゲームということでも注目度が高い。

今回遊んだのはゲームストアバネストがテーブルゲームフェスティバルやゲームマーケットで販売したもので、問題カードやハンディキャップカードも全て日本語化されているスグレもの。通販サイトでは見つからないので、今も取り扱っているかどうかは不明(9月18日現在)。

正解不正解はみんなで決めるというのと、言葉が部分的にでもかぶったらダメというルールで盛り上がった。「ベネチアに関するもの」というお題で、ジョジョを出してきた秋水さん。ギアッチョはセーフだったが、後続は知っている人がいなくてNG。ほかに「野菜」でスイカはOKだがキノコ類は全部アウトだったり。かぶったらダメというルールでは、ひとつ発表されるたび「言われた!」「もうダメだ」という声が次々に上がる。もう明け方だったことも手伝って変な空気が渦巻いていた。

強気で飛ばした私が、ハンディキャップでもちょっとずつ加点して逃げ切り。頭が冴えていた(というか、このゲームが始まってから冴えてきた)。

ムード』などと同様、直訳でなく、ローカライズしたお題で日本語版が発売されたらいいのにと思う。都道府県名で、余裕と思っていたら「山」で全部消されてしまうとか。

Haste Worte
W.クラマー、M.キースリング作/シュピールツァイト
3〜8人用/12歳以上/45〜60分

ドイツゲーム賞2009に『ドミニオン』

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ドイツゲーム賞2009エッセン国際ゲーム祭を主催するフリードヘルム・メルツ社は、今年のドイツゲーム賞を発表した。ドイツ語圏を中心とする一般愛好者の人気投票で選ばれた今年に一番人気は『ドミニオン』。『カルカソンヌ』以来8年ぶり6度目となるドイツ年間ゲーム大賞との二冠に輝いた。

ドイツゲーム賞は愛好者が5タイトルまでを投票し、上から5〜1点で集計する。1位の『ドミニオン』は2位の『ル・アーブル』に2000点の差をつける堂々の1位。昨年の『アグリコラ』(4497点)を上回り、1000点ほどの差だった2位(『ストーンエイジ』)との差も倍に広がっている。この数字は『ドミニオン』の圧倒的な人気を物語っている。

ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた5タイトルは、『フィット』以外全て入賞している。一方、ノミネートにも推薦リストにも特別賞にも入っていないにも関わらず入賞したのは『ル・アーブル』『スモールワールド』『スルーザエイジ』『シャーウッドの森』の4タイトル。いずれもプレイ時間の長い重量級ゲームである。

10位までの入賞作は全て日本でも発売されている。まだ遊んでいないのはどれ?

【ドイツゲーム賞2009】
1位:ドミニオン(Dominion / D.ヴァッカリーノ / ハンス)4735pt.
2位:ル・アーブル(Le Havre / U.ローゼンベルク / ルックアウト)2559pt.
3位:パンデミック(Pandemie / M.リーコック / ペガサス)2504pt.
4位:フィンカ(Finca / R.ツアリンデ、W.ゼントカー / ハンス)1695pt.
5位:スモールワールド(Small World / P.ケヤーツ / デイズ)1155pt.
6位:ヴァルドラ(Valdora / M.シャハト / アバクス)1002pt.
7位:ダイヤモンドクラブ(Diamonds Club / R.ドーン / ラベンス)911pt.
8位:スルーザエイジ(Im Wandel der Zeiten / V.フヴァキル / ペガサス)718pt.
9位:シャーウッドの森(Sherwood Forest / N.フィンケマイヤー / エッガート)679pt.
10位:ファウナ(Fauna / F.フリーゼ / フッフ・フレンズ)657pt.
キッズゲーム賞:千鏡の城(Burg der 1000 Spiegel / I.ブラント、M.ブラント / コスモス)
模範ルール賞:ダイヤモンドクラブ(Diamonds Club / R.ドーン / ラベンスバーガー)

Deutscher Spiele Preis:Das Jahresergebnis 2009

私の世界の見方(Wie ich die Welt sehe...)

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同じお題でもこんなに違うもの

実は私が年間で最も多く遊ぶゲームである。拡張セットが出てほしいと思っているくらい、このゲームが好きだ。

親がお題カードを読んで、ほかの全員がそれに合うと思われるカードを1枚ずつ出す。山札からダミーを1枚引いて混ぜ、親が読み上げる。もっとも気に入ったカードを出していた人にポイント。ダミーを選んだら親の失点。規定ポイントを集めたら勝ち。

ダミーがあるため、突飛な答えを選ぶことができないのだが、予想を上回る見事な答えがダミーから偶然出てくることがある。以下は今回の例。天然ボケの妙というべきか、ダミーを選んでしまったときはすごく盛り上がる。
「トライアスロンの選手は人知れず○○で妨害する」―「筋肉」
「私の心のふるさと○○」―「再春館製薬」

親の性格を読んだカード選びは、『アップルトゥアップル』にも共通するが、下ネタから哲学ネタまで対応できる幅広さは『私の世界の見方』が何枚も上手。「ガチャピン」「SEX」「サランラップ」「ヒヨコ豆」など、汎用性の高いカードが仲間内では強力とされている。

とはいえ、一見ぱっとしないカードでも、組み合わせによって大化けすることもあるし、何がツボに入るかは開けてみなければ分からない。ネタの方向性がバッティングすれば、地味なネタが選ばれることもある。いちいち突っ込んだり、笑ったりすることで一層盛り上がるだろう。

Wie ich die Welt sehe...
U.ホシュテトラー作/アバクスシュピーレ
2〜10人用/8歳以上/30〜90分
テンデイズゲームズで販売中
私の世界の見方

『スモールワールド』デザインコンテスト

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今夏に日本語版も発売された『スモールワールド』、総発売元であるデイズ・オブ・ワンダー社は6月から2ヶ月にわたって、新しい種族と能力を募集するデザインコンテストを開催した。

29カ国から251名が参加し、702ものアイデアが寄せられた。アメリカとヨーロッパのエントリー数がほぼ同じで、オーストラリア、中国、チリなどからの応募もあったという。デイズ・オブ・ワンダー社によると優れたアイデアが多かったため、1つに絞ることができず、大賞3作と、2位9作が選ばれた。そして、これらのアイデアをもとに、4つの拡張が制作されることになった。

このうちエッセンで発売されるのは『スモールワールドの貴婦人(Grand Dames of Small World)』と『呪われた!(Cursed!)』の2つ。前者は新しい種族として女神官、白い婦人、ジプシーの3種族と、特殊能力として「歴史家の」と「平和を愛する」が入っている。後者は新しい種族としてコボルドとゴブリン、特殊能力として「呪われた」「群れになった」「略奪する」「ひっかきまわす」「男の」が入っている。

3つ目の拡張である『スモールワールドのリーダー(Leaders of Small World)』は種族を選ぶときに使うチップのセットで、コンテストの参加賞として送られたほか、一般ユーザーにはボードゲームギークを通して11月に頒布される。4つ目の拡張『スモールワールドの伝説(Tales & Legends of Small World)』は来年に発売される予定。

なお、大賞を受賞し、アイデアが実現化された3人(ドイツ、イタリア、オーストラリア)にはエッセン国際ゲーム祭の往復旅費が、2位の9人には100〜150ドルが賞金として贈られる。

Days of Wonder News Center:The Envelope Please…

ドイツ人も普通ボードゲームを遊ばない

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毎年数百の新作ボードゲームが発売されているドイツ。ドイツ年間ゲーム大賞の知名度は高いし、新作レビューが新聞に載ることも珍しくない。普通の家族でも結構頻繁に遊んでいるだろうと思うと、実はそうでもないらしい。

家族でボードゲーム・カードゲーム(トランプも含む)をどれくらい遊ぶかという調査をネットで見つけた。ALLBUS(Die Allgemeine Bevölkerungsumfrage der Sozialwissenschaften、全ドイツ社会学アンケート)である。頻度を1=全く遊ばない、2=めったに遊ばない、3=月1回程度、4=週1回程度、5=毎日で回答してもらい、平均を取っている。合計3000家族ほどの回答。1998年。

その結果は以下である。

40歳以下・独身 1.9
40歳以下・夫婦・子供なし 2.3
40歳以下・夫婦・子供あり 2.5
41〜59歳・夫婦・子供あり 2.4
41歳以上・夫婦・子供なし 2.0
41〜59歳・独身 1.7
60歳以上・独身 1.7
全平均 2.1

平均すると、めったに遊ばない〜月1回程度の間に収まっている。小さい子供のいる家庭でも年に数回、子供がいなければ年に1回あるかどうかというくらい。だとすればせいぜいお正月に遊ぶくらいの日本と大差ない。ドイツ人だからといって、ボードゲームの話題を振っても全然知らなかったということが多いのも頷ける。

ただ、そのお正月に遊ぶものが、トランプと人生ゲームなのか、その年の年間ゲーム大賞受賞作なのかという違いで、日本との違いが際立つのかもしれない。年間ゲーム大賞の知名度を維持しているマスコミの力は大きい。

それにしてもどうしてあれだけたくさんのメーカーが次々と新作を出せるくらいのマーケットがあるのかといえば、少数ではあるがコアなファミリー層がいることと、輸出(特にアメリカ向け)が成長していることがあるのではないかと思う。

ゲームをたくさん買って毎日のように遊んでいる人が、1000人に1人なら平均には数字が出ないが、その1人が年に10個も20個もコンスタントに買っているならばマーケットは成り立つ。昨年のエッセンで何人かの子連れの家族にインタビューしてそう感じた。エッセン国際ゲーム祭の入場者数は、ゲームマーケットの100倍である。

近年、アメリカ市場がドイツゲームの受け皿になっている。英語版でも印刷はヨーロッパであることが多く、リオグランデなどの名前で輸出する数は、ドイツ国内で売る分よりもはるかに多いという。

この2点の原因については、さらに調査を進めてみたい。

テーブルゲームフェスティバル、出展受付

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国内のボードゲームイベントとしてはゲームマーケットに次ぐ規模のテーブルゲームフェスティバルが今年も開かれる。6回目となる今年は11月29日(日)10〜17時、東京都立産業貿易センター(台東館・ゲームマーケットと同じ会場)にて。

テーブルゲームフェスティバルは、愛好者が新作ゲームを購入したり、創作ゲームを体験したりするイベント。600人以上が参加する。国内の主要ショップが最新作を販売するほか、創作ゲームの公開テストプレイでは、国内ゲームの最前線に触れられる。

現在出展者を募集中(10月16日〆切・先着順)。体験スペースつきで物販もできる大型スペースと、創作ゲーム発表向けの一般スペースがある。申込用紙はホームページからダウンロード可能。

TGF2009公式ページ

洛陽の門にて(Vor den Toren von Loyang)

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『アグリコラ』(2007)、『ルアーブル』(2008)と続けざまにヒット作を生み出し、一躍時代の寵児となったローゼンベルクが、また今秋、新しいボードゲーム『洛陽の門にて』を発表する。前作の影響もあってたいへんな注目を浴びており、早速ホビージャパンが日本語版を発売する予定になっている。

ローゼンベルクは、この3タイトルを「収穫三部作」と位置づけているが、制作されたのは『アグリコラ』より前の2005年だという。『アグリコラ』が影響を受けたとされる『ケイラス』よりも前の話だ。したがって『洛陽の門で』は、『ケイラス』の影響を受けていない。著者は、オランダの『アンティクイティ』(スプロッター・スペレン)にインスピレーションを受けて作ったと述べている。そして4年のブランクを経て、新規メーカーであるハルゲームズから発売される。

畑に野菜を植えて収穫し、売った利益で勝利点を買うゲームである。野菜は小麦、カボチャ、カブ、白菜、豆、ニラの6種類があり、後者ほど作りづらく、そして高い。これらのコマを畑に植えると『アグリコラ』のように増え、1ラウンドに1個ずつ収穫できるようになる。

一番のポイントは、収穫した野菜を計画的に高く売るにはどうしたらよいかというところだろう。そこで5種類のカードが登場し、自分の計画にあわせて毎ラウンド2枚ずつ取る。

そのうち収入になるカードは2種類。「顧客」は、毎ラウンド2種類の野菜を配達することで代金をもらえる。代金は高いが、配達できないと満足度が落ち、2回目で罰金を支払わなくてはならないという諸刃の剣。一方、「通行客」は1回だけ3種類配達すれば代金をもらえる。便利だが、顧客より通行客のほうが多いと、「何、楽な商売やってんじゃ」と怒られて代金が減る。顧客と通行客は、いろいろな組み合わせで野菜を買い取るので、自分が植えている野菜のラインナップに近くなるよう、よく吟味して手に入れたい。

収穫で足りない野菜を補うのが「市場」。ここではほしい野菜を交換で手に入れられる。また、作物の種類を増やしたいならば「共同の畑」。『ボーナンザ』の3枚目の畑のような役割をもっている。

そして、最後に20種類ある「助手」。この特殊能力をタイミングよく上手に使いこなせるかが勝敗を分けそうだ。『アグリコラ』と比べると枚数が少ないが、2つの能力の択一など、緻密な使い方ができるようになっている。中にはコンボを決められるものもあって、奥深さは変わっていない。

手番には、これらのカードを使って何アクションでもできる。そしてお金を貯め、ラウンドの最後に勝利点を買う。進めば進むほど高い。それに、全額を勝利点につぎ込んでしまえば、足りない野菜やカードを買うお金が不足する。バランスのよい経営手腕が試されることになる。

ほかにもローゼンベルクらしいカード処理がある。2枚のカードを取るときは、手札から場札に1枚ずつ出していき、場札と手札から1枚ずつ取って降りるという「カード配分」は駆け引きを生む。また、1ラウンドに1回、カードを2枚1組で買って重ねておく「パック買い」は、コンボが組みやすくなる。直感的には分かりにくいところもあるが、それはありきたりでないということだ。

収穫三部作を通して分かることは、ローゼンベルクがカードゲームデザイナーだということ。『アグリコラ』は職業や進歩カード、『ルアーブル』は建物や船カードが、実はゲームの中心であることに気がつく。『洛陽の門にて』は、ワーカープレイスメントのない旧来のシステムだが、カードの組み合わせが毎回新しい展開を生んでいくだろう。乞うご期待。

Vor den Toren von Loyang(At the Gates of Loyang)
U.ローゼンベルク/ハルゲームズ
1〜4人用/10歳以上/100分
日本語版がホビージャパンから発売予定(発売日は未定)

Boardgame Geek:At the Gates of Loyang
H@LL Games:Vor den Toren von Loyang

呪いのミイラ(Fluch der Mumie)

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背後をすり抜けるスリル

『スコットランドヤード』はみんなで1人を追いかけるゲームだった。犯人を追い詰めるため、みんなで推理して相談するが楽しい。これを逆にして、1人でみんなを追いかけるゲームがこの『呪いのミイラ』。原題の「ミイラの呪い」も、邦題では逆になっている。作者はカサソラ。この人のゲームは興奮曲線の上がり方が尋常でない。

ピラミッドが描かれたボードを立てて、片側にミイラ役が1名、反対側に残りの探検家たちが座る。コマには磁石が付いており、立てたボードの上を移動する。ミイラのコマだけ、ボードを磁石ではさむようになっていて、探検家はミイラの動きが手に取るように分かる。これがスリルのもとだ。

一方のミイラは、ピラミッド中をうろつく探険家の動きは分からない。ただ、宝を取ったときだけ、どの宝を取ったか分かるので位置が特定できる。それをもとに推理して追いかけるというわけだ。孤独なものだが、一方ごく旅に恐れおののく探検家の顔色を見るのも悪くない。

ミイラが探検家のマスに入ると、ビヨヨーンという音がしてコマが重なり合う。これがいかにもミイラにとっ捕まった感じでものすごくいい。捕まったコマはライフを減らされて振り出しに戻る。

こうしてミイラが全員から一定数のライフを奪うか、その前に誰かが予め指示された宝を全部集めたらゲーム終了。今回は経験者stさんが裏の裏まで見透かしたように追いかけてきて、私はあれよあれよという間に瀕死。ちくたさんがリーチしたが、あと一歩及ばなかった。

探検家の動き方にも裏の裏をかいたトリッキーなものがあり、また協力プレイでおとりになるという方法もある。ミイラのすぐそばを通り抜けていくスリルは最高だ。一方、ミイラにしてみれば、リーチしている探険家をよく覚えておくほか、探検家たちの目線や手の動きの観察力も問われる。単なるおにごっこかと思ったら、意外と奥が深い。ボードゲームなのに、意外に安いのも魅力だ。

Fluch der Mumie
M.-A.カサソラ/ラベンスバーガー(2008年)
2〜5人用/8歳以上/30〜45分

魔法のラビリンス(Das magische Labyrinth)

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同じところに何度ぶつかれば

魔法の壁にぶつからないようにルートを覚えて、宝を集める記憶ゲーム。今年のドイツ年間キッズゲーム大賞受賞作。磁石はキッズゲームの定番で、過去の年間キッズゲーム大賞では9タイトル中5タイトルに用いられている。

はじめに誰かが適当に壁をはめ込んで迷路を作り、その上にボードをかぶせる。迷路を作った人はルートを覚えていそうなものだが、適当に回転させるとあっという間に分からなくなるものだ。四隅にコマを置いたらスタート。

コマには強力な磁石がついていて、ボードをはさんだ下側にパチンコ玉をつける。移動中、ボードの下に隠された壁にパチンコ玉がぶつかると下に落ちて(魂を取られた!)、振り出しに戻らなければならない。壁があったところをよく覚えておこう。

磁石はフェルトで覆われており、壁にぶつからない限り、コマの動きは実にスムーズだ。その動き心地は、魔法使いの弟子たちが宙に浮いて移動しているかのよう。それが突然、壁で動きを止められる。パチンコ玉がボトリと落ちてスタートへ。ボードの下は坂になっていて、落ちたパチンコ玉もスタートまで転がってくる。

このように見事なギミックを使ったゲームだが、ルールはきわめてシンプルだ。袋からチップを引いて、そのチップのマークに最初に着いた人がチップをもらう。何枚か先に集めた人の勝ち。移動はダイスなので、ルートを覚えていても1歩しか進めないこともある。妙に悔しい。

覚えていられるのはせいぜい最初の数マスだけ。壁があると思い込んでいたところになかったり、ないと思っていたところにあったり。それでもみんなリーチになって、緊迫した終盤となった。最後の1枚をぎりぎりで制したタカハシさんの勝利。

壁の枚数で難易度を変えられるようになっており、大人でもかなり歯ごたえのあるプレイが楽しめる。

Das magische Labyrinth
D.バウマン/ドライマギア(2009)
2〜4人用、6歳以上、15分

『コズミックエンカウンター』日本語版

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コズミックエンカウンター日本語版アークライトは9月4日、SFボードゲーム『コズミックエンカウンター』の日本語版を発売した。3〜5人用、13歳以上、60〜120分、5300円。

『コズミックエンカウンター』はアメリカで1977年に発売されたボードゲームの古典的名作。各プレイヤーはエイリアンの種族となって、5つの世界の支配を争う。エイリアンはそれぞれユニークな特殊能力を持っており、特殊能力を生かすも殺すも、プレイヤーの腕次第。能力や特殊技術の組み合わせによって、バラエティあふれる展開が待っている。

受賞歴は1991年にオリジンズ賞、1992年と1993年にゲームズ100にノミネートされたほか、2001年にはオーストリアゲーム大賞でフレンドゲーム賞に選ばれている。

発売以来32年にわたって、メイフェア、アバロンヒル、ASS、デカルトなど各国で数多くのメーカーがリメイクを行ってきたが、今回の日本語版のもとになったのはアメリカのファンタジーフライト社によるもの。エイリアンの種族数は50種類にも及び、旧版を遊んだことがある人にとっても新しい楽しみがある。

また、アークライトは2人用の『クトゥルフ神話カードゲーム』の日本語版も同時発売している。こちらもアメリカのファンタジーフライト社から昨年発売されたばかりの新作。TCGから改良を加えたスタンドアローンタイプのカードゲームで、8種類のカードセットでデッキを作り、クトゥルフ神話の物語に挑戦する。2人専用、13歳以上、30〜40分、4600円。

アークライト:コズミックエンカウンター
play:game:コズミックエンカウンター評価コメントリスト
アークライト:クトゥルフ神話カードゲーム

『カルカソンヌ』日本語箱に

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東京・水道橋のボードゲームショップ・メビウスゲームズは9月3日、『カルカソンヌ』を日本語箱で発売した。価格は据え置きで3200円。

『カルカソンヌ』は、フランス南部の城塞都市をタイルを並べて作り、都市の広さや道の長さなどで得点するタイル配置ゲーム。2001年のドイツ年間ゲーム大賞・ドイツゲーム賞をダブル受賞し、発売して10年近くなる現在も人気が衰えず、数多くの拡張セットが発売されている。

日本への輸入を行っているメビウスゲームズでも、7年連続売れ筋5位以内という人気のゲームで、ついに箱の日本語化に踏み切った。タイルやボードには文字がなく、ゲーム自体は言語依存がない。ルールブックはもちろん日本語。

メビウスゲームズは、これまでも『ごきぶりポーカー』や『お邪魔者』の日本語箱化を行っており、ほかにもコンポーネントまで日本語化した『サンファン』、またデザインを大幅に作り変えた『キュージェット』『お先に失礼しまーす』がある。

メビウスゲームズ:カルカソンヌ

ゲーマーの属性

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ボードゲーム通信で「ゲーマーの属性」というのがあって興味深く読んだ。

ゲーマーの目立った傾向として、都市部に居住、高学歴、高収入でない、未婚、パソコンの使用歴長い、オタク系の趣味、テレビゲーム経験、理系、第2次ベビーブーム世代、読書好きなどが挙げられている。私にも、またほかのゲーム仲間にも、結構当てはまるなぁ。

それ以外に何かあるだろうか。まず先日の合宿で思ったのは、参加者が1人以外全員メガネだったこと。前に知り合いが初めてゲーム会にいらしたとき、参加者の顔ぶれを見て「メガネしてないんですが、いいですか」と聞いたことがあったのを思い出す。

あと、太りぎみの人が多いかもしれない。インドア志向で運動不足ということか。私も太ってはいないが、ラジオ体操で息切れするくらい運動不足だ。

そして会話能力はどちらかといえば高いほうではない。口下手だから、ゲームを通しておしゃべりをしたいのかも。寡黙で、不器用で、口下手な人は、相手の話を聞かないでしゃべり続ける人よりずっと親しみがもてる。

一言でいえば、好奇心が旺盛で、ものをじっくり考えることが好きということになるかな。この傾向が強いほどアブストラクトゲーム志向、弱いほどカードゲーム志向になる。程度の差はあれ、同じ傾向をもった仲間が見つかるので、よい趣味だと思う。

ゲーム棚を整理する理由

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来週末に久しぶりに親戚が集まるので、その前にせっせとボードゲームを整理。ヤフオクやミクシィを通して、40タイトルほど減らした。

我が家では、棚に入るだけしかゲームを所持できないという決まりがある。ボードゲームはかさばるので、棚からはみ出すのはとても早い。それがボードゲームを定期的に整理する一番の理由だが、ほかにも理由がある。まず1つ目は「悪貨は良貨を駆逐する」。

どんなゲームであれ一般発売されている以上、面白さや価値は必ずある。しかしその一方で好き嫌いがあるのも確かだ。中には、箱を見ただけで萎えるくらいのゲームもなくはない。そういうゲームを棚に納めていると、不思議とほかのゲームまでつまらなさそうに見えてくる。

私のゲーム仲間にも、たくさんボードゲームを持っているけれども時々全部まとめて捨ててしまいたくなるという人がいる。これももしかしたら、私と同じく「悪貨は良貨を駆逐する」という心理かもしれない。そこで定期的に所有ゲームを全部眺め、「これはもう遊ばないな」というゲームを放出することで、ゲーム棚全体のワクワク感を維持している。

これに関連するが、2つ目の理由は、所有量を自分が管理できるくらいにしておくためでもある。たくさんありすぎると、インデックスをつけておかない限り(メーカー別とかアルファベット順とか)、どこに何があったか分からなくなる。ましてや棚が二重になると、奥に何があるか分からなくなるものだ。こうして記憶からなくなることを、死蔵という。死蔵するくらいなら、まだほかの誰かに遊んでもらったほうがよい。

そして最後は、自分が亡くなったとき、遺された者が困らないようにするということも考えなければならないという理由。子供たちに遊んでもらうにしても、ゲーム仲間に引き取ってもらうにしても、はたまた捨てるにしても、量の限界というものはある。

ゲーム棚全体のカスタマイズ、管理できる量に抑えること、そして死後の備え。でも本当は、放出するゲームが惜しいがゆえのただの言い訳だったりして。

いいじゃない(Saugut)

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カーカーブーブーうるさい

鳴き声でパートナーを見つけるパーティーゲーム。

まず手札から1枚、動物が書かれたカードを伏せて出す。そして全員同時に、その動物の鳴き声を出す。ブーブーブー、ヒヒーン、ワンワン、シュルシュル・・・同じ動物を出しているパートナーだと思ったら握手。同じ動物だったら捨てられる。手札を早くなくした人の勝ち。

これだけならありきたりだが、中に猟師カードが隠れていることでゲームが突然面白くなる。猟師を出している人は、ブラフでほかの動物の真似をして握手してくる。間違って握手すれば、猟師だけにカードを捨てさせることになってしまう。

そして、猟師が出るたび2枚ある動物のペアが1枚しかなくなる。残った1枚を出しても、パートナーはもう見つからない。そこで、毎回手札の1枚を左どなりの人に送るというルールがある。ババ抜きみたいになるところが面白い。

鳥に何種類かあったり、馬とロバがいたりして混乱。ぽちょむきんすたーさんがオウムで、パートナーが現れなくてオハヨーオハヨーと空しく鳴き続けていたのが笑えた。

お互いに鳴き声が分からなくなるくらい賑やかで、まるで動物園みたい。ルールでは、42人までできるとある。そんな人数でパートナー探しをしたら、いったいどうなることやら。

Saugut
J.-M.ポーティ/インタールード(2008)
3〜42人用/6歳以上/20分

淡路屋おもちゃ箱

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神戸市内のクレープと駄菓子の店で、毎月ボードゲームを楽しむ会が開かれている。駄菓子とボードゲームの面白い取り合わせだ。

「淡路屋おもちゃ箱」というこのゲーム会を開いているのは、高橋勝巳氏。カタン世界大会で日本人過去最高の3位に入ったという経歴のほか、ゆうもあゲーム会にも参加するなど、普及に努めている。ゲーム会は高橋氏のコレクションから、20種類ほどが用意され、自由に遊ぶことができる。

高橋氏によれば、2年前に都内で開かれた「世界のボードゲーム・アート展」を見に行ったのがきっかけ。お洒落な渋谷の町にあるギャラリーで、箱から出されたボードゲームのコンポーネントが展示されているのを窓の外から見て、通りすがりの何の興味もなかった人が入っていって楽しめるようにしているというのが印象に残って、 「ボードゲームってお洒落な趣味なんだ!!」 と気付いたという。誰でもすぐに、ちょっと空いた時間に遊びに来れるようなゲーム会を目指す。

会場は淡路屋(和田岬駅徒歩6分)。毎月第4週の平日に開かれることになっているという。参加費は1ドリンク付きで800円。予約、問い合わせは淡路屋まで。

レストランやカフェを会場にボードゲーム会を開く例はあるが、個人主催というところが新しい。全国に同様の試みが広まってほしいところである。あなたも、近所のレストランで始めてみてはいかが?

神戸新聞:ボードゲームで遊ぶ会 神戸・兵庫区
淡路屋ホームページ

君はロボットだ!(You Robot)

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言われたとおりにやる

種類の少ない命令で規定のポーズを取らせるアクションゲーム。『キャシュ&ガンズ』や『ゴーストストーリー』で知られたフランスノメーカー、レポスプロダクションの小さなカードゲームである。

2人1組(奇数の場合、1人が審判)になり、1人が博士、もう1人がロボットの役になる。博士がみんなでポーズを確認したら、それぞれ自分のロボットの前に立ってスタート。

博士が持っているコマンドカードは、「体」、「手」、「矢印」、「回転」、「つかむ」、「頭」しかない。これらを順番に見せてロボットを操る。しゃべっていいのは「ストップ」だけ。ジェスチャーも禁止。体、下、手、右、手、左・・・。ロボットは、黙々と指示に従う。ちなみに「頭」というのは「自分で考えろ」という指示で、これまでの指示や、ほかのロボットの動き、さらに創意工夫でポーズを取れということである。

最初に規定のポーズに達したチームが得点。奇数の場合、チームを組み直して次のラウンドを始める。

神尾さんがロボットとして優秀な活躍。かゆかゆさんの擦り込み作戦に素直に応じたり、最初からポーズの半分ができあがっていたり。クラウチングスタートのポーズでは4人が四つん這いに並んで何か屈辱的な感じ。夜の12時過ぎ、大の大人が何をやっているんだか。

でも、言葉はほとんど交わさず、ただただ言われた通りにやるだけなので、そんなに恥ずかしくない。マッドサイエンティストの研究室のような異様な雰囲気が楽しめた。ずっと同じ姿勢でいるのは疲れたけど、ロボットになるのもたまにはいいな。

You Robot
A.リボレ/レポスプロダクション(2009)
4〜10人用/6歳以上/20分

プラネットスチーム(Planet Steam)

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ひとつの資源すら無駄にできぬ

ゲーム内容はこちら。経験者の利を生かそうと序盤から財産証明書を手に入れたり、工場を連結して大量生産をもくろんだりしたが、3ラウンド目で痛恨の資金ショート。一番安いエネルギー拡張すら買えなくなり、何も生産できない工場が出てしまった。ほかの人も生産力が上がらず、中央の在庫は一気に枯渇。お金もないし資源もないしで、細々とした経営を余儀なくされた。

連結で大量生産体制を作った神尾さんがリードしたかに見えたが、資源が高騰したときに売りすぎたのと、次に生産するエネルギーが足りなくなったのとで後退。コンプレッサーを2つも作って着実で効率的な生産を続けていたぽちょむきんすたーさんが1位。

1つの資源でも無駄にできず、次のラウンド、次の次のラウンドまで見据えて使っていかなければならない。ちょっとした歯車のかけ違いで勝敗が分かれる、高度に戦略的なゲームである。

Planet Steam
H-G.ティーマン作/ルドアート(2008)
2〜5人用、12歳以上、120分

ウントチュース!(...und Tshuss!)

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手札運も駆け引き次第

今年水曜日の会で再販したカードゲーム。ゲーム内容はこちら。黄色いキャラクターが印象的だが何という名前なのだろう?

ゴルトジーバー版よりも、全体的に明るいデザインになったが、最後まで残るか、途中で降りるかという選択にぎりぎりまで迷わされるスリルは健在。手札が悪くても、ほかの人の出し方をよく見て駆け引きを上手くすれば十分カバーできる。単に数字が大きい順に出していくゲームではない。

絶えず変わる戦況に、今降りるべきか、次を狙えるか、もう最後まで突っ走るか? それぞれの思惑が絡み合って、カードをめくったときの意外な展開が楽しい。このゲーム感覚は『ニムト』にも通じる。

時間は15分ほどの短時間で、考えるもよし、運と勘に任せるもよし、手軽に盛り上がれるカードゲームである。

... und Tschüss!
M.ワレス/アトラゲームズ(2009)
4〜6人用、10歳以上、20〜40分
ウントチュース

リズム&ボール(Rythme & Boulet)

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パンパンドンでポーズ

ピース、拳銃、考える人、吸血鬼(の手)、親指立ててグー、0点、胸に手を当ててキャー……各自カードでサインやポーズが指示される。これをリズムに合わせ、間違わないで行うリアルタイムアクションゲーム。

2回ひざをたたいて、まず自分のポーズ、また2回ひざをたたいて、ほかの誰かのポーズ。今度はそのポーズの人が2回ひざをたたいて、自分のポーズ、そして2回ひざをたたいてまた誰かのポーズ。こんな風にプレイヤー間をぐるぐる回る。

自分の番でない人は、手をたたく。パンパンピース、パンパン0点、パンパン0点、パンパン胸に手を当ててキャー、パンパン胸に手を当ててキャー……テンポは自然にアップし、それとともに緊張感が高まる。さて間違うのは誰か?

担当のポーズが変わるので、もう以前のポーズを取ってしまったり、中途半端なポーズを取ってしまったりと大笑い。でも笑いながら、ほっとしていたりして。

カードを1枚だけ配ればいいので、多人数で飲みながら遊ぶのもよさそうだ。

Rythme & Boulet
G.エクタン作/カクテルゲームズ(2008年)
4〜12人用/8歳以上/30分
リズム&ボール>

JGC当日参加のボードゲーム

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明日から3日間、新横浜プリンスホテル(新横浜駅徒歩5分)にて、JGC(日本ゲームコンベンション)が開かれる。宿泊参加はすでに締め切られているが、当日参加で9月5日(土)の9:00〜18:00と、9月6日(日)の09:00〜17:00に参加できる。入場無料。

JGCは、TRPG、ボードゲーム、トレーディングカードゲームなど、あらゆるアナログ・ゲームのファンの祭典。宿泊型のイベントで24時間フリープレイや、各メーカーのイベント、トークショーなどがある。メインはTRPGだが、ボードゲームも3社が出展している。いずれも当日参加でOKなので、1日たっぷり遊んでこよう。

アークライト:ボードゲーム体験コーナー(5日(土) 10:00〜18:00、6日(日) 10:00〜16:00)

注目の新作からマイナーな変り種まで、幅広く輸入しているアークライト。気になっていたゲームを試すにはよい機会だ。

ボードゲームキングダム2009(5日(土) 10:00〜18:00、6日(日) 10:00〜17:00)

オフィス新大陸がエンターブレインと共同でボードゲームの大会などを開く。賞品あり?

ホビージャパン特選ボードゲーム即売

次々と日本語版を発売しているホビージャパンからは、『ミドルアースクエスト』と、『コロッサルアリーナ』の日本語版が先行試験販売がある。また『スモールワールド』、『コロッサルアリーナ』、『パンデミック』、『ドミニオン:陰謀』の試遊できる。

JGC公式サイト
JGC 2009 ホビージャパン出展情報

オートモービル(Automobile)

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アメリカの栄光を再び

アメリカ自動車産業が勃興した1930年代を描いたワレスのボードゲーム。血を吐くような開発競争と、先の読めない需要、頭の痛い資金不足が待っている。

はじめは人物マスに駒を置いてプレイ順を決める。プレイ順が早ければ自動車を先に売れるが、後だとより新しい工場を建てられるから、状況によって良し悪しがある。さらに置く人物によって開発キューブをもらえたり、追加で工場を建てられたり、先に自動車を売れたりする特典がつくので、いきなり頭を使う。

次に、工場を建てる、販売員を雇う、自動車を作る、古い工場をたたむなどのアクションを3つ行う。工場は、先に進むほど最新のモデルが製造できるが、開発キューブも支払わないといけない。でも最新の工場ができるたびに、古いモデルを作っている工場は損失が増える。ここに血を吐くような開発競争が待っているのだ。

販売員は、需要に関係なく自動車を売ってくれるが、定数を超えたり、自動車が足りなかったりすると損失になる。多ければよいというわけではない。

そして自動車を何台作るかが、このゲームでもっとも悩むところだ。いくら売れるかは、工場の新しさ、販売員の数、ほかのプレイヤーが作った台数、そして最初に全員に分けて配られている需要マーカーによって変動する。作りすぎて余れば大損害だ。需要マーカーは運もあるし、ほかのプレイヤーの動向は先手番だと分からない。100%は分からないところで、だいたい何台と決め打ちしなければいけない難しさ。経営手腕に裏打ちされた勘が試される。

そして、工場の投資や自動車の製造のたびにお金がみるみる減っていく。ラウンドの最後に、自動車が売れれば利益が上がるが、それもすぐに次の工場に消えてしまう。借金は2回までで、しかもトイチという高利貸し。金がねぇ〜〜。

こうした資金不足の中で、重要なのが古い工場をいつたたむかである。工場を建てたままだと、最新の工場が建つたびに損失が膨らんでしまうし、車も売れなくなる。そこで工場をたたむと、損失を防げるだけでなく、建設資金がいくらか返ってくる。でもろくに自動車を作らずにたたんでしまうのはもったいない。古いモデルでも、営業努力でカバーできることもあるだろう。妙にリアルである。

さて3つのアクションが終わったら、いよいよ販売である。まず販売員が売って、残りを需要マーカーの合計だけ売る。供給が上回ったら、最新モデルから売れていき、売れ残ったのは損失。優先販売の権利もあるが、定価で売るには開発キューブが必要で、そうでなければダンピングしなければならない。工場の建設資金、自動車の製造資金、売れないリスクから考えると、利益はほんのわずかしか出ない。しかし勝つためには、そのわずかの利益を積み重ねるしかないのだ。

康さんと私が最新モデル競争を繰り広げてジリ貧。タカハシさんはリスクの高い高級車路線を行くが、需要がいつも最低ラインで売れない。1位は、大きな需要がきたときに古めの工場で大量生産したぽちょむきんすたーさん。いつもぎりぎりの資金繰りはワレスのゲームの特徴だが、今回もみんなずっと悶えていた。

Automobile
M.ワレス作/ツリーフロッグ(2009年) ※ファランクスから一般発売予定
3〜5人用/12歳以上/120分
オートモービル

バネスト10周年

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8月30日(日)、ゲームスペース柏木(新宿)にてゲームストア・バネストの10周年記念イベントが開かれた。定員の25名はいっぱいとなり、中野店長も名古屋から参加。アジアの最新ゲームを紹介したり、全員で『リンク』の大会を行ったりと、盛り上がるお祭りとなった。

イベントの様子はこちら。
新米パパの「ボードゲームはじめました」 :バネストの10周年記念イベントに参加した(上)
新米パパの「ボードゲームはじめました」 :バネストの10周年記念イベントに参加した(下)

このイベントの直後、ゲームストアバネストは、ゲームスペース柏木での受け取りサービスを試験的に開始している。バネストに注文した品が毎週金曜日に発送され、無料で受け取ることができる。小箱のゲームを気軽に注文できるようになり、いつも柏木で遊んでいる人だけでなく、新宿近辺に通勤・通学している人には朗報だ。

Gamestore Banesto Telegraph:ゲームスペース柏木さんでの受け取り

ゲームストア・バネストは、豊富な品揃えのほかに、未知の中小メーカーから珠玉のゲームを見つけ出すことを得意としており、中野店長の人柄も含めて熱烈なファンがいる。今回は、そうしたファンの声がけで実現したもので、現在のバネストを象徴するイベントだったと言えよう。10周年記念イベントは、ご当地の名古屋でも行われる(10月11日10時から、東別院「葵」の間にて)。

ゲームストアバネスト・ボードゲームの通販

クイズいいセン行きまSHOW!

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自分で問題を作りたくなる

ゲーム内容はこちら。ルール説明は1分以内でできるし、10人まで遊べるし、途中から入っても遊べるし、いつでもやめられるしと、人が集まってくる時間帯に重宝する。

いつも遊んでいるメンバーだと、オリジナルの問題を出題するのも楽しい。先日、都内の電車で「ずいぶんDSを出している人が多いな」と思ったので、「満員電車1両の中に、DSを所持している人は何人?」という問題を出してみた。真ん中は20人くらい。ほかにメンバーを題材にした問題も出る。「おのさんが8月にお経を読んでいた時間は何時間?」「単位は時間でなくて分でお願いします」って言ったら笑われた。真ん中は、私が答えた「270分」。真実かどうかは、このゲームでは関係ない。

「じっくり煮込んだカレーとは何時間煮込んだカレーのことでしょう?」「優等生と呼ばれる子供が小学校6年間で怒られる回数は何回?」といった付録の問題も楽しい。前に答えたことがある問題でも、前回の記憶(覚えていればだが)をもとにして答えを考えられるからまた別の楽しさがある。

輸入ゲームの翻訳では決してできない、日本のコミュニケーションゲーム。この種のゲームがもっともっと出てくることを臨む。

クイズいいセン行きまSHOW!
川崎晋/カワサキファクトリー(2008年)
3〜10人用/10歳以上/10〜30分
クイズいいセン行きまSHOW!

アグリコラ―泥沼からの出発(Agricola: Die Moorbauern)

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今春に日本語版が発売された『アグリコラ』に、拡張セット『泥沼からの出発』が発売される。日本語版もホビージャパンから同時発売の予定。10月のエッセン国際ゲーム祭でリリースされるが、メーカーから前情報が上がっているので、レビューしてみよう。

ボードゲームの最初にはカードが配られ、指示された通りに自分の農場に泥地タイルと森タイルを並べる。家・牧場・畑を広げるには、まずこのタイルを取り除かなくてはならない。タイルは合計8枚もあり、最初から空いているスペースのほうが少ない。何をするにも、まずタイルを取り除くところから。

特別アクションカードタイルを取り除くのが、特別アクションだ。「泥炭を掘る」、「焼畑」、「木を切り倒す」のアクションでタイルを取り除くことができる。ただ取り除くだけでなく、「焼畑」では森タイルがあった場所に畑ができ、「木を切り倒す」では木材が手に入る。通常のアクションと違って、家族コマは使わないが、いずれにせよ早い者勝ちなのでいつ取りに行くか悩ましい。

「泥炭を掘る」のほか、木材を交換して手に入るのが新たなアイテム「燃料」だ。収穫のたび、通常通り家族に食料を与えるほかに、部屋の数に応じて燃料を支払わなければならない。燃料が足りないと家族は病院行きになってしまい、次のラウンドのアクションが減ってしまう。食料も燃料も心配しなければならなくなって、農業経営はいよいよたいへんだ。

馬特別アクションで、新たな家畜である馬が手に入る。飼い方はほかの家畜と同じだが、1頭につき1点とたいへんお得だ。進歩カードで馬肉にすることもできるが、できるだけ食べないでとっておきたい。

泥地タイル、森タイル、燃料、馬。こうした新アイテムを使いこなすための進歩カードが入ってくる。小さい進歩カードが初心者用と上級者用の2デッキで118枚、大きい進歩カードが14枚あり、また遊ぶたびに新しい展開が待っているだろう。基本セットの職業カードを入れて遊ぶこともできるし、ソリテアルールもある。

泥沼からの出発アグリコラ拡張『泥沼からの出発』、来月発売予定(日本語版は遅れる可能性あり)。

Agricola: Die Moorbauern
U.ローゼンベルク/ルックアウトゲームズ
1〜5人用/12歳以上/プレイヤー人数×30〜45分

Lookout Games:Die Moorbauern

マングローブ(mangrove)

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美しさの裏に細かい工夫

2009年のゲームマーケットで最も注目を集めたブースといえば、賽苑であろう。その人気は、メビウスママさんも驚きの様子で伝えている(メビウスママのひとりごと:ゲームマーケット 2009 その1)。瞬殺で売り切れてしまったので、お目にかかれなかった人もいるだろう。また来年、同じ作品をもってきても十分売れると思われる。(ちなみに私も所有していない。)

とはいえ、この作品を見ると、手作業でいくつも作るのはたいへんだなと思う。色分けされた棒には、穴を開けてファイバーが通してある。台は彩色した何枚かの木を重ねている。見とれてしまうほど見事なコンポーネントで、どこかのメーカーが権利を買い取って工場で量産してほしいくらいだ。

ゲームは、『スティッキー』のように、一本ずつ抜いていって崩した人が負けというシンプルなもの。でもコンポーネントは見掛け倒しではない。棒を抜くと、下に色がついていて、次の人はその色の棒を抜かなければならない。その色の棒を抜くと、また別の色が現れる。くじ引きのような、しりとりのような楽しみ。ちょっと太い赤い棒は、指定された色がないときに抜くので、後半に出てくる。これに比べると、『スティッキー』で抜く色をダイスで決めるのはちょっとスマートでないかもしれない。

1本抜くたびに全体が動く。崩れるか、崩れないか? このドキドキ感がたまらない。

mangrove
?/賽苑
2〜4人用/6歳以上/5分
2009年8月22日山形ゲームコンベンションにてプレイ
マングローブ

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