2011年3月アーカイブ

日本ボードゲーム大賞2010に『キャット&チョコレート』

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NPO法人ゆうもあは本日、2010年の日本ボードゲーム大賞を発表した。全国412名の愛好者による投票で1位に選ばれたのは『キャット&チョコレート』。国産・海外産に限定しない投票になって3年目、初めて国産ゲームが選ばれたほか、上位を日本語版が独占した。

『キャット&チョコレート』は、幽霊屋敷に迷い込んだプレイヤーが、手札のアイテムカードを駆使してアクシデントを回避するカードゲーム。タイトルのように「ネコ」や「チョコレート」で絶体絶命のピンチを脱出するには、自由な発想とプレゼンテーション力が試される。というのも、回避できたかどうかを判断するのはほかのプレイヤーだからだ。会話と笑いが盛り上がるコミュニケーションゲームである。

TGW:キャット&チョコレート
Amazon.co.jp:キャット&チョコレート

2位の『電力会社』とは80ポイント以上の大差がついた。これまでの国産ゲームでは2009年が『どうぶつしょうぎ』の5位、2008年が『お先に失礼しま〜す』(オリジナルはフランス)の8位が最高。

2位以下は『電力会社』『レースフォーザギャラクシー』『ル・アーブル』『サンダーストーン』『ギフトトラップ』と海外ゲームの日本語版が並んだ。これによって、日本語訳付き海外ゲームは『フレスコ』の7位が最高となっている。

投票部門と並んで発表された選考部門の「ゆうもあ賞」は、『インジーニアス』『ギフトトラップ』『ドラゴンディエゴ』の3タイトルがノミネートされたが、今年は該当なしになっている。

【日本ボードゲーム大賞2010】
1位:キャット&チョコレート(川上亮 / Qvinta Essentia)350pt.
2位:電力会社※(F.フリーゼ / アークライト)269pt.
3位:レース・フォー・ザ・ギャラクシー※(T.リーマン / ホビージャパン)260pt.
4位:ル・アーブル※(U.ローゼンベルク / ホビージャパン)193pt.
5位:サンダーストーン※(M.エリオット / アークライト)169pt.
6位:ギフトトラップ※(N.ケレット / アークライト)
7位:フレスコ(Fresco / M.ルスコウスキ、M.ズーセルベック / クイーンゲームズ)
8位:ウボンゴ3D(Ubongo 3D / G.レヒトマン / コスモス)
9位:倉庫の街(Die Speicherstadt / S.フェルト / エガートシュピーレ)
10位:ばるば★ろっさ(吉澤淳郎 / アークライト)

【同ゆうもあ賞】
ノミネート:インジーニアス※(R.クニツィア / ホビージャパン)
  〃  :ギフトトラップ※(N.ケレット / アークライト)
  〃  :ドラゴンディエゴ(Diego Drachenzahn / M.ルートヴィヒ / ハバ)
※日本語版

世界のボードゲームを広める会ゆうもあ:日本ボードゲーム大賞2010結果発表!
〃:日本ボードゲーム大賞2010 ゆうもあ賞

ゲップ(Burp)

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崩れない橋を作る工夫

崩れない橋を作って、より奥にある果物を取るリアル建設ゲーム。もう20年近く前の作品で、同じ時期に同じメーカーから発売された『石器時代』とともに、本物の石が入っているゲームとして記憶される。

はじめに各自、手持ちの板と石で橋を組み立てる。制限時間は2分。橋の先端にコマを置いて、崩れないくらいの強度が必要となるが、コマを置くのは後から。重心のバランスを工夫して、できるだけ頑丈に作っておきたい。

橋が出来上がったら、お互いの出来栄えを見てコマを置く。コマは棍棒と釣竿と手があり、崩れなさそうな橋や、石切場、伐採所に裏にしておく。置く場所と組み合わせによって、新しい石や板を取ったり、釣った魚や橋の石を横取りしたり、横取りを防いだりできる。バッティングしないように裏をかいていく。

コマをオープンして、いよいよメインイベントの釣りが始まる。その前に、ボードのアームを回転して盤上の果物を一列にまとめる。回せば回すほど奥にいくが、中には手前でひっかかかるものもあるアナログ感がいい。

橋の先端にそろりとコマを置く。崩れなければ、そのコマより手前にある果物をゲット。湖は3段階に分かれていて、奥に行くほど果物がたくさんある。でもそこまで橋を伸ばすのは、石と板がたくさんあっても至難の業だ。

手に入れた果物は、決まった組み合わせで進化タイルに交換でき、ちょっとした特殊能力も得られる。進化タイルに交換した果物の数が最初に10枚に達した人の勝ち。

一番奥まで届く橋がなかなか作れず、何ラウンドか停滞したが私は諦めなかった。毎回崩れるので果物が手に入らない。そしてついに崩れない橋が完成!(写真)でもこれが最終ラウンドで、手堅く果物を集め、特殊能力を身につけた鴉さんが1位。負けたけれども達成感のあるゲームとなった。

2枚横に並べたり、斜めにおいたりと、いろんなパターンを作る姿は真剣そのもの。「ミュウ理論で摩擦係数を高めました」とか言っていた橋があっさり崩れたりして笑えた。

Burp
H.ビルツ、P.グートブロート、R.クレーン/ハイデルベルガー出版(1995年)
2〜4人用/10歳以上/60分
絶版・入手難

学研『算数ゲーム チェント』発売

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学研出版は11日、『算数ゲーム チェント』を発売した。1~100までの数字を使った100枚のカードで、3つのゲームが遊べる。作者は学研の雑誌やムックでパズルを発表している稲葉直貴氏。2〜10人用、6歳以上、1575円。全国書店・デパートでも取り扱われる。

「受験脳を作る」というコピーで、シンプルで簡単なルールで楽しみながら算数基礎力や論理的思考力を養う。

チュント1はババ抜きの要領でカードを引き、自分のカードを出す。引いたカードと出したカードの間の数があれば、そのカードを押し付けることができる。手札を先になくした人が勝ちというルール。手札は数字の小さい順に並べ替えることになっており、カードを引くときに場所から数字の大きさが推理できるようになっている。

チュント2は7ならべの要領でカードを置き、先にカードを置けなくなったら負けとなる2人対戦ゲーム。お互い相手にカードを渡して置くため、数字を見て相手の陣地を効果的になくしていくところがポイント。

チュント3は、場にあるカードと手札を交換して、先に交換できなくなったら負けとなる2人対戦ゲーム。自分のカードより小さいカードとしか交換できない上に、お互いの手札は公開なので、先の先を読まなければならない。

学研広報部は、ゲームを分かりやすく紹介する動画を製作している。東京大学ペンシルパズル同好会に、小学校3年生の2人が挑む。

学研出版:算数ゲーム チュント
学研教育出版広報ブログ:算数ゲーム「チェント」の動画を、YouTubeにアップ!

メガハウス『つくって!たいやき屋さんゲーム』発売

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メガハウスは10日、『つくって!たいやき屋さんゲーム』を発売した。2〜4人用、3歳以上、10分、2625円。

たいやき機を使ったアクションゲーム。お店ボックスからタイヤキパーツをとり、皮パーツ、あんこパーツ、たいやきパーツがそろったら、たいやき機をプレス。できあがったたいやきの合計点数を競う。ラッキーカードを加えて有利にたい焼き作りをすることもできる。

皮パーツはおなじみのものから、いちご、しろ、チョコ、こげこげとあり、あんこパーツもつぶあん、チョコクリーム、いちごクリームがあって、遊んでいるうちに、間違いなくたい焼きが食べたくなりそうだ。

メガハウス:つくって!たいやき屋さんゲーム

春の九州ボードゲームフェスティバル

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4月の週末は、九州地方にて3つの「春の九州ボードゲームフェスティバル」が開催される。

4月3日(日)は「北九州ボードゲーム交流会」で、ボードゲーム愛好者が家族や友人を連れてお互い持ち込んだボードゲームを楽しむ。門司赤煉瓦プレイス(福岡県北九州市)にて10:30〜20:00、大人500円(高校生以下200円)。予約不要、途中入退場自由。参加費は全て東北関東大震災の義援金にあてられる。詳細はこちら

4月16日(土)は宿泊型ボードゲームイベント「お茶のこさいさい」で、コテージに泊ってボードゲームやバーベキューを楽しむ。大池公園ふれあいの里(福岡県上毛町)ログハウスにて15:00〜明朝9:00、完全予約制で参加費3000円。詳細はこちら

4月17日(日)は大分の中津ボードゲーム交流会で、ボードゲーム愛好者が家族や友人を連れてお互い持ち込んだボードゲームを楽しむ。中津文化会館(大分県中津市)にて10:30〜19:30、300円(ゲーム持ち込み者は200円)。予約不要、途中入退場自由。詳細はこちら

サークルの垣根を超えて共同で行われるオープンイベントを、北九州市のゲームショップ「ファミリーゲームズ」が協賛する。交流を深めるよい機会になりそう。

ファミリーゲームズ:イベント:「春の九州ボードゲームフェスティバル」のお知らせ

自宅ゲーム会

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年度末の日曜日、自宅ゲーム会を開いた。仙台、福島方面からの参加は、交通手段がなかったり、復旧のお仕事でお忙しかったりしてまだ叶わなかったが、春はもう遠くなさそう。ガソリン不足の中、庄内から乗り合わせでお越しいただいたnagaさん、鴉さんと3人で遊んだ。

プレイしたゲームは以下の通り。詳細は後日紹介予定。

インガ(Inga / Grapac Japan, 2003)
人間とバンパイアのパーティで戦う国産ボードゲーム。人間とバンパイアは活動時間帯が異なり、重なる時間帯、片方しか活動できない時間帯によって、戦える仲間が変わる。仲間をあまり増やさずに体力をセーブした私が、全体攻撃で一気に勝負をつけて勝利。

どうぞどうぞ(Douzo Douzo / 中村玩具製作所, 2011)
フリーダウンロードで提供された震災支援カードゲーム。スートのないトリックテイクで、水、米、牛乳、トイレットペーパーは2枚以上取ると失点になってしまう。数字が0の「どうぞどうぞ」カードを使うタイミングがポイント。私は買い溜めというより買い占め状態でダントツ最下位。

アリアラ(Arriala: Canal de Garonne / Ludocom, 2010)
フランスの街で運河を建設するボードゲーム。アクションポイント制でコマを配置し、エリアマジョリティで得点する。石を置いてエリアを分割できるところが緊張感を生む。1ゲーム目はnagaさんが大勝。2ゲーム目はシビアな展開になったが私が辛勝。

マヤ・マッドネス(Maya Madness / Gamewright, 2003)
プラスマイナスのカードを出して、自分のシークレットナンバーにするカウントアップ系カードゲーム。カードは±5しかないのに、親切にも早見表がついている。鴉さんが5枚のシークレットナンバーを達成してあっさり勝利。

ホテル・アムステルダム(Hotel Amsterdam / The Game Master, 2009)
アムステルダムを訪れる観光客を市長と夜警で誘導して、自分のホテルの周辺に集めるゲーム。タイルは昼と夜の面があり、昼は学校だったのが夜になると売春街になったりする。鴉さんが最後に大量の観光客を移動して勝利。

ギャラクティコ(Galaktico / Pfifficus Spiele, 2009)
能力の異なる宇宙船で繰り広げる3人チェス。宇宙船は予めチューンナップでき、同じタイプでも相手によって強弱が異なる。また、多く倒している宇宙船に勝てば得点も大きいので逆転も容易。序盤はメッタ打ちにしたものの、鴉さんの大型宇宙船に勝つ宇宙船が私にはないことが分かり、宇宙ステーションが陥落して鴉さんの勝利。nagaさんの大型宇宙船なら相討ちになることが分かったが、間に合わなかった。

ぼくらの火星(Mars is Ours!)

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火星の砂は赤かった

東京・立川のゲームショップ、B2Fゲームズが昨年のエッセン国際ゲーム祭に出展した火星開拓ゲーム。ミニチュアゲーム扱う同店が総力を結集して製作した様子は、ブログの連載で窺い知ることができる。火星の地面を模したボードは、情景用の砂やビーズ、草が植えてあり、子供の頃に憧れた精巧なジオラマになる。どっしり重い限定のメタルフィギュアは彩色済み。このフィギュアを草の上に置いたときのしゃりっという手触りがたまらない。

ゲームはエリアマジョリティで、5種類にロボットを置いて、資源の獲得を目指す。ロボットは火星のほかに6つのラボに置くことができ、ここでは臨時収入や戦闘のアドバンテージなど特殊能力が得られる。火星でもラボでもお金を払えば戦闘を仕掛けることができ、勝てば相手の場所を奪える。戦闘は一発勝負の1ダイスロール。

手持ちのロボットがなくなるか、パスをしてラウンドから先に抜けると、自分の番が来るたびにほかのロボットにダメージを与えて収入が入るというイスタリ的な処理。だから戦闘をしかけて手番を長引かせるのも考えものである。

ラウンドが終わったら、地形ごとに1位と2位の人に資源が入る。資源はパラメータ化されていて、使わずに貯めると得点や収入が増える。また、ラボの特殊能力や土地の資源として手に入る「インゴットダイス」は、ゲーム終了時に振って出た目だけ得点。各所にオリジナリルアイデアがちりばめられている。

1ラウンド目、火星の中央を陣取って得点した私は、トップで税金を取られてしまった。そこからはお金がないので戦闘せず、防御の特殊能力を取ってひたすら得点になる資源集めへ。一方、tomokさんは次々と戦闘を仕掛けたがリロールの特殊効果も虚しく1勝3敗という散々な結果。nagaさんはインゴットダイス集めに走るが、予告通り期待値を大幅に下回った。tomokさんの挑戦を退けた鴉さんが、余剰なお金を得点にできる特殊能力で力をつけ、インゴットダイスも好調で1位。

3ラウンドしかないが、第3ラウンドでロボットが一掃されてリセットになり、前ラウンドからの布石がなくなったので短く感じない。原則1ラウンド1ラウンド別々の勝負である。ダイスロールの戦闘はリスクが喬く(攻撃を仕掛けたほうがお金を払い、負ければロボットを失い、勝っても相手はコマが戻るし、お金も入る)、あまり起こらなかった。一度配置したロボットはもう移動できないので、効率よく、トップのマークをされないようにして堅実にチャンスを狙う配置ゲームである。

Mars is Ours!
小林大樹/B2Fゲームズ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/60〜90分
初版品切れ中
ヤポンブランド:ぼくらの火星

アークライト、『くにとりっ! 天下は萌えているか』を発売

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アークライトは本日、デッキ構築ゲーム『戦国大名カードゲーム 〜くにとりっ! 天下は萌えているか〜』を発売した。鈴木銀一郎作、2〜5人用、12歳以上、30〜60分、3990円。

昨年5月に発売された『くにとりっ!』のシリーズ第2弾。単独で遊ぶことも、前作と混ぜて遊ぶこともできる。ほかの大名と組んだり、敵の軍団カードを無力化したりできる新たに戦略カードが加わって、より合戦を意識したゲームになる。

『くにとりっ!』は、アクションフェイズと購入フェイズの間に合戦フェイズがあるのが特徴。軍団カードと武将カードでほかのプレイヤーと戦い、勝てば勝利点が入る。内政と軍事のどちらを伸ばすかが悩ましい戦国ゲームだ。

発売を記念した体験会が、埼玉、横浜、名古屋などで開かれる。詳しくは下記の公式ホームページおよびゲームストアバネストのイベントページを参照。

4月9日には第3弾『くにとりっ!外伝』も発売される予定。「萌ヶ原」を舞台に、東軍と西軍のチームに分かれて競い合う「陣取り合戦」の要素がプラスされる。

アークライトゲームズ:くにとりっ!

ホビージャパン『東方祀爭録』を発売

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ホビージャパンは3月23日、デッキ構築ゲーム『東方祀爭録(とうほうしそうろく)〜東方紅魔郷編〜』を発売した。2〜4人用、5500円。プロモーションカードが入ったガイドブック『The Invitation to SHISOROKU』(1429円)も同時発売された。アマゾンなど一般の取り扱いはなく、ホビーショップでのみ入手できる。

PCシューティングゲームシリーズ「東方Project」をテーマにして、世界的な人気を集めているカードゲーム『ドミニオン』を移植した作品。プレイヤーは「幻想郷」に流れ着いた神となって、妖精や妖怪などの住人や、護符の力を借りて、失われた信仰を取り戻す。

カードの効果は全て『ドミニオン』に準じ、基本セットのほかに、「陰謀」「海辺」から抜擢されたものもある。『ドミニオン』で大人気の「礼拝堂」のカードがないなど、新たな戦略を迫られることになりそう。アメリカのリオグランデ社の公式ライセンス商品であり、ドミニオンのロゴも入っている。

通販は各ショップとも軒並み品切れとなっているが、ホビージャパンのオンラインショップでは4月初旬の再入荷が予定されている。

また、入手された方には、枚数の不足による追加発送を行っている。こちらから連絡のこと。

発売記念イベントとして本日16時から、「東方波天宮サーパラショップ秋葉原店」にて無料講習会も行われる。各回30分で8名まで、無料。

ホビージャパン:東方祀爭録 〜東方紅魔郷編〜

トレーダー(Trader)

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簡単には買わせてもらえず

1枚ずつカードを購入し、掛け算で売って儲けるカードゲーム。2001年にウィニングムーヴズ社から出された『コンビット(Combit)』を、3〜4人でも遊べるようにリメイクして、フランスのカクテルゲームズから缶ペンケースみたいなパッケージで発売された。20分という短いプレイ時間が信じられないくらいの遊びごたえがある。

場に並んだ5列のカードは、パリやニューヨークの証券取引所を表している。自分の手番には買うか売るかのどちらか。買うならば、どの列でもよいので一番下にあるカードを買い、売るならば、同じ色のカードを2枚売る。

利益は2枚の掛け算である。カードの数字は2〜6があるので、一番効率がよいのは5×6=30ユーロ。5は5ユーロ、6は6ユーロで買うので、19ユーロの儲けになる。これが2×3=6ユーロになると、儲けは1ユーロにしかならない。

3人で遊ぶ場合、勝った後に1列に「市場封鎖カード」を置いてブロックできる。当然、同じ色が集めにくいように邪魔するわけで、同じ色の5と6なんていうのは簡単に手に入らない。カードの列は全部見えているので、計画的に買っていこう。

絶妙なことに、最初の資金は何枚か買うとなくなるくらいしかない。したがって集めまくって揃ったら売却という方法ができず、序盤で1回は売っておく必要がある。当座の資金を手に入れる序盤の攻防と、大金を狙う終盤の攻防があるのが面白い。

3列が売り切れたら最終ラウンドで、所持金の多い人が勝ち。

くさのまさんが中盤に大金を手に入れ、そのまま安定した収支で勝利。私は最後の最後に5×6を売却できたが及ばなかった。相手はどの列を封鎖するか、そうすると次に自分はどのカードが買えそうか、そもそもお金は足りているかなど、先の先を考えて選ぶのは本当に悩ましく、遊びごたえ十分だった。

Trader
K.パレーシュ、H.-R.レーズナー/カクテルゲームズ(2009年)
2〜4人用/10歳以上/20分
テンデイズゲームズ:トレーダー

日本のボードゲーム人口

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よく話題になるけれども、結局つかめないものとしてボードゲームのプレイ人口がある。実際のところクラスタなどというものは幻想で、コアなゲーマーから、付き合いでたまに遊ぶ人、何年かに1回人生ゲームやウノを遊ぶ人と、グラデーション状に広がり、その中をマントル状に流動しているのだと思う。

したがってどこに境界線を置くかで、プレイ人口は大きく変わるわけだが、mutronixさんが興味深い分類を行っている(焚書官の日常)。

1.遊ぶけど買わない人
2.評価の定まったものを決め打ちで買う人
3.評価がよくわかんなくてもとりあえず買う人

mutronixさんの論はそれぞれのターゲットに合わせたマーケティングだったが、この分類によって、ボードゲーム人口の推定を行ってみたい。

まず3.評価がよくわかんなくてもとりあえず買う人は、メビウス頒布会の加入者数を中心として考える。頒布会の趣旨の中に、まさにぴったりの内容がある。

頒布会の性格上、お送りするゲームはまだ評価の定まったものではありません。いろいろと情報を得て選んではおりますが、リスクがあることは確かです。そのため、頒布会での価格は、通常一般販売価格より2割程度安くなっております。

頒布会の加入者数は現在80人。このほかにバネストファンや個人輸入する人もいるだろうが、多くは重なるはずなので、約2倍と見積もって150人と推定する。

2.評価の定まったものを決め打ちで買う人は、『アグリコラ』と『スモールワールド』の日本語版の購入者ぐらいとすると大きくぶれがないように思う。この2タイトルは、どちらも高価な上に、相当なプレイ時間とルール理解力が必要なので、うっかり買ってしまったということは考えにくい。 『アグリコラ』と『スモールワールド』の販売数は、どちらも約3000セットなので、3000人と推定する。

1.遊ぶけど買わない人は、単純に計算すれば2の3〜4倍(多くのゲームが3〜4人用なので、1つ買えば3〜4人が遊べる計算で)になるわけだが、そんなには多くないように思う。というのも、ボードゲームを趣味にしている人は買うことや所有することも趣味の一部であり、誰かが買えば買わなくていいと割り切れる人はそれほどいないためである。いつも遊ぶメンバーで、それぞれ違うゲームを買って持ち寄るということもよく見る。

2009年、草場さんの主宰で行われた最後のゲームマーケットの入場者数は1500人だった。この年、TGWで「今年のゲームマーケットには行きましたか?」というアンケートを行ったところ、41%がYESと回答した。ここからゲームマーケットを知っていた人を1500÷0.41と計算すると3700人になる。2010年のゲームマーケットの入場者数は2200名と約1.5倍に増えたから、3700×1.5で5500人。だいたい6000人くらいと推定する。

仮説に仮説を重ねた数字だが、2の3000人から2倍というところを見ても妥当な線ではないかと思う。

さらにこの外側に、0.カジュアルな流動層というのもいると思う。テレビや雑誌で取り上げられたとかで、1タイトルくらいやってみて、あとはそれっきりという人たち。これもプレイ人口に含めていいのかどうか分からないが、流動層であるがゆえに推定は難しい。

朝日新聞アスパラクラブのアンケートでは、回答者2495名のうち「よく遊ぶ」と答えた人は3%、「たまに遊ぶ」が25%で、合計28%の人が遊んでいることになる。この計算で行くと、日本の生産年齢人口8000万人の28%で2240万人となるが、アンケートで挙げられたタイトルを見ると、『オセロ』や『人生ゲーム』を知っている人の数字くらいと捉えたほうがよいだろう(人生ゲームの累計販売数は40年間で1200万セットであり、『オセロ』の競技人口は6000万人という説もある)。新聞の定期購読者かつ、このようなアンケートに答える層ということで、実際は28%よりだいぶ下回るだろうが、潜在的なボードゲーム人口としてはありうる数字かもしれない。

伝統ゲーム・古典ゲームを含めず、現代ボードゲームに限定すると、数はぐっと下がる。mixiのボードゲームコミュのメンバーは現在4431人。総加入者数は2000万とされるので0.2%に過ぎない。この比率ならば日本の生産年齢人口8000万人では約18000人となる。また『ドミニオン』日本語版の販売数が約15000セット、2010年にTGWを訪れたユニークユーザー数は33000人というところから、15000〜30000人くらいと推定する。

まとめると、日本のボードゲーム人口は次のような同心円で広がっているものと推定される。日本人の6人に1人がボードゲームを知っているが、『ドミニオン』や『カタン』まで知っている人は4000人に1人、よく遊んでいる人は2万人に1人、買ってまで遊んでいる人は4万人に1人、何でも買っている人は80万人に1人ということになる。

0.カジュアルな流動層 15000〜30000人
1.遊ぶけど買わない人 6000人
2.評価の定まったものを決め打ちで買う人 3000人
3.評価がよくわかんなくてもとりあえず買う人 150人

『エアラインズ・ヨーロッパ』トリビアコンテスト

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アバクスシュピーレ(ドイツ)は、航空路線ゲーム『エアラインズ・ヨーロッパ』の発売にあたり、ウェブサイト「ボードゲームギーク」との共同により、トリビアコンテストを行っている。クイズに答えた中から、抽選で10名に『エアラインズ・ヨーロッパ』が当たる。4月3日まで。

『エアラインズ・ヨーロッパ』は、A.R.ムーンが前作の『ユニオンパシフィック』『エアライン』を3年かけて改良した作品。飛行機会社を作り、ヨーロッパ航空界で数少ない路線と収益を競う。

応募には、まずボードゲームギークのアカウント登録が必要。ログインした状態で、下記のページから、一番下にある「I accept(同意する)」を押すとクイズ画面が開かれる。第1問から「前作『エアラインズ』の発売年」「作者ムーンのドイツ年間ゲーム大賞受賞回数」「『エアラインズ・ヨーロッパ』に登場しない航空会社名」「『エアラインズ・ヨーロッパ』の総勝利点数」「同数の場合の得点(a)上位に合わせる、b)もらえない、c)割って切り捨て、d)割って切り上げ)」。

回答すると1エントリーで、1問正解するごとに2エントリーが加算される。5問あるので最大11エントリー。エントリーが多いほど、当選確率が上がる仕組みとなっている。

Airlines Europe:Trivia Contest

中世の商人(Die Händler)

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足元を見て一発大儲け

1999年にクイーンゲームズから発売され(『ディハンドラー』)、ドイツゲーム賞5位に入賞した交易ゲームが昨年リメイクされた。作者はクラマー。同じ年、キースリングと組んで発表した『ティカル』と『トーレス』はどちらも年間ゲーム大賞に選ばれている。そのせいもあって、この作品はあまり注目されず絶版になってしまったが、ここ数年は中古価格が急上昇するなどレアゲーム化していたところのリメイクである。砂漠のように黄土色だったボードは鮮やかな緑となり、ルールも若干の変更が加えられた。

ゲームの目的は設けたお金で社会的な地位を上げること。そのために商品を仕入れて、荷馬車で運んで、到着したら売るというのを繰り返す。商品の値段はたえず変動しているので、安く仕入れて高く売ろう。

毎ラウンド、まず商品を各都市に仕入れる。商品は布・鉄・ワイン・食料・絹・塩の6種類。価格と、他の人の仕入れ状況をよく見て、仕入れる品と数を選びたい。

全員の仕入れが終わったら、荷馬車(写真右)に積み込む。荷馬車にはそれぞれの部屋があり、誰の商品か分かるようになっている。

「積荷責任者」を競りで決め、その人は優先的に多く積み込める上に、ほかの人が積み込むときに料金を取ることができる。料金は交渉次第だが足元を見すぎれば信用を失う。近年、こういう交渉が含まれたゲームは少なくなっているだけに新鮮な感じがする。

次に荷馬車の移動。各自1〜4の移動ポイントで、好きな荷馬車を進める。もちろん、自分の荷物が積んである荷馬車を進めたいところだが、行き先によって売上が変わるので、便乗で大儲けされないように注意しなければならない。そんな駆け引きの中で、何ラウンド経っても移動しない荷馬車も出てくる。

そして価格変動がここで行われる。各自、価格盤(写真左)をもっており、価格を上げたい商品に針をさして一斉に公開する。価格は最高値より上がると最安値に暴落するので、みんなで注ぎ込むのも考えもの。でも遠慮し合った結果、全く上がらなかったりもする。価格変動は収入に直結するため、一番ドキドキする瞬間だ。

都市に到着した荷馬車があると、この価格で商品を販売して収入を得る。その都市の市場にない商品はボーナスが付き、しかも荷馬車が長い間到着していない都市ほどボーナスが上がる。そんな都市は一攫千金のチャンス。

投資カードという、特殊能力の競りをここで行って(クイーンゲームズ版はゲームの最初に行なってしまうが、エッガート版は毎ラウンド少しずつ競る)、最後に残ったお金で地位を買う。地位は上げるだけではなく、維持するのにもお金がかかるので、無闇に上げると後で苦しい。しかし毎ラウンド2段階までしか上げられない上に、地位を上げるために必要なお金はどんどん高くなっていくので、ほどほどに上げておいたほうがよい。

これで1ラウンド。荷馬車が規定回数、都市に到着したラウンドでゲーム終了となり、地位の一番高い人(同じなら所持金の多いほう)が勝つ。

序盤、tomokさんが積荷責任者となったところでnagaさんにそれまでの2倍の料金を請求したことからヒートアップ。料金が高止まりしてシビアな展開となった。私は荷馬車が使者というコマと同じマスに入るたびにもらえる影響力カードを集めていたが、肝心の商売が疎かになってしまった。ここぞというところで価格が暴落する不運にも見舞われ、地位を維持するのも精一杯。そんな中から、最高値+ボーナス+在庫整理で10000ギルダ−近い大金を手に入れた鴉さんが圧倒的な勝利。ゲーム中に1〜2度しか回ってこない商機をうまく活かした。

1ラウンドに競りが2回あり、しかも競りの後には交渉があるという、90年代後半の作品らしい重量級の作り。2時間を超えるプレイ時間で満足できた。イラストだけでなく、荷馬車や使者のコンポーネントも見事で、完璧なリメイクだと思う。

Die Händler
W.クラマー、R.ウルリヒ/エガートシュピーレ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/60〜90分

インフォメーション(i9n)

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石油出ろと念じて棒を差す

"i"の後に9文字、そして"n"で終わる言葉、つまりインフォメーション(information)を表すイキなタイトルのドイツゲームは、どんどん石油が取れなくなる世界で、推理をはたらかせて掘り当てるゲーム。パンチボードに棒を差し込んで、下まで通れば成功というギミックが、石油採掘というテーマと見事にマッチしている。

石油が出るところは北半球/南半球、東部/西部、海/陸など6つに分かれており、それぞれ片方ずつのパンチボード(対応する箇所にだけ穴が開いている)がゲームに用いられる。ラウンドが進むにつれて、北半球、北半球かつ東部、北半球かつ東部かつ陸というように、石油の出るところが絞り込まれていく。今度はどのエリアが出なくなっているのか、そしてどこに絞り込まれるのかを推理しなければならない。

ゲームに用いられる6枚のパンチボードのうち、あらかじめ各自ランダムに1枚だけ見ることができる。これがインフォメーション。でも、その1枚が何ラウンド目に出てくるかは分からない。

手番にはダイスを振って、出た目の数だけコマの移動、採掘カードの入手、採掘を組み合わせて行う。ダイスの目は3までしかないが、連続で1しか出ないとガッカリ。

採掘では、このプロセッサーを使う。この下にパンチボードが入っており、コマがいる番号のところに棒を差し込む。そろりそろり。見事底まで通れば油田にあたったことになって得点。途中で止まれば失敗でショボーン。規定数成功すると、新しいパンチボードが加えられ、底まで通る穴がどんどん減っていく。その分、成功したときの得点も嬉しさも大きい。

ちなみにパンチボードをちらっと見てもどのエリアか分からないように、地図の番号がランダムに振られている。こうしたアナログゲームならではの工夫はさすが。

最初のインフォメーションで手に入れたエリア情報がなかなか出てこなくて、ここだと思った勘が外れまくる。推理で絞り込んだエリアは、自分のコマがいる場所からずいぶん遠かった。東西は反対側から出てこれるが、南北は(当然のことながら)反対側から出てこれない。ドラクエじゃないんである。移動に手間取っている間に、karokuさんが最後の採掘を成功させてダントツの1位。

プレイ時間60分と書いてあるが、絞り込みがどんどん進むので実プレイ時間は30分程度と軽い。ほかの人の手番にも推理が進められるので、自分の番にすることもあまり迷わない。サクサク進んで軽快なゲームである。

ふうかのボードゲーム日記:i9n

i9n
D.シュトロートマン/シュトロートマンシュピーレ
2〜5人用/10歳以上/30分
ゲームストアバネスト:i9n

ゲームマーケット出展申込、〆切間近

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6月12日(日)に浅草で開かれる国内最大のボードゲームイベント、ゲームマーケットの出展申込が、今週の金曜日の18時で締め切られる。出展を考えている方でまだ申し込まれていない方はお忘れなく。

コースは一般ブース(1/2卓、4200円)または大型ブース(1卓+イベント1卓で21,000円〜)の2種類。一般ブースのオプションとなっているイベント卓は残りあと僅かとのこと。

申込は下記リンクに用意されている応募フォームから。返信メールに基づいて4月8日まで入金し、4月11日までカタログ原稿を送ることで受理される。

Game Market 2011:ご出展のみなさまへ

発明の時代(Era of Inventions)

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自分の発明が世界を変える

ベルの電話機(1876)、ベンツの自動車(1886)、ライト兄弟の飛行機(1903)――これらの発明品は世の中をがらりと変えた。タイプライターから飛行機まで、さまざまなものを発明し、みんなに作ってもらって特許料を手に入れるオランダの経営ゲーム。ワーカープレイスメントとデッキ構築を取り入れ、新しい境地を開いている。

手番には自分のマーカーを6つのアクションスペースに置いて、このラウンドのアクションを決める。それぞれのアクションスペースは先着2名までしか置けないというワーカープレイスメントである。さらに同じアクションスペースに置いた2人の間でも早い者勝ちとなっている。全員が置いてから、手番順に1つずつアクションを行うので、どれを優先させるかよく考えなければならない。また、このほかに取っておきの手番で使う追加アクションマーカーの使いどころも重要。

アクションは工場の建設、工場の稼働、資源の購入、開発歯車(発明に必要なインスピレーション?)の入手、発明品の開発、発明品の生産の6つがある。基本的には、工場を作って資源を生産し、その資源で発明品を生産する路線と、開発歯車を集めて発明品をどんどん開発し、その特許で稼ぐ路線がある。

工場は場札から選び、必要な資源を支払うことで建設できる。中にはお金や開発歯車を生産できる工場も。建設に必要な資源の入手はたいへんだが、ひとたび稼働すれば手持ちの工場全部が動くので、なるべくたくさん建てておきたい。

発明品は9つあり、どれを開発してもよい。ただし開発歯車の多いものは発明が難しい上に、資源もたくさん必要で序盤は生産してもらえない。一方、発明が容易なものは利幅も小さく、ゲームが進むと見向きもされなくなる。展開にあわせて皆がほしがる発明を心がけよう。また、開発するだけでなく特許も取っておくとよい。

面白いのは、発明品が開発されると対応する発明品カードが山札に加わるところだ。生産できる発明品は、この山札をシャッフルして出てくる。自分が発明したものが出てきて、誰かに生産してもらうとウハウハの特許収入。生産してもらえなければ捨て札になって後から再利用となる。デッキ構築を用いた発明品の登場が非常に楽しい。

といったわけで生産は手持ちの資源と相談しながら、どれにするかよく考えなければならない。生産すればお金や得点が入るが、同時にその発明品を開発した人に利益が入るからだ。発明品カードの中には「模造品」というのがあって、これならば特許をとっていないと利益が入らない。「オレが発明したのに!」と言いたくなる憎いルール。

規定ラウンドでゲーム終了。ゲーム中の発明や生産で得られる影響点とボーナスを足して一番多い人が勝ち。

序盤には工場で力をつけ、開発歯車を生産して終盤に難しい発明を次々と成功させた鴉さんが1位。私は工場も発明も中途半端で最下位となった。スタートプレイヤーは最初に木材を購入して工場を建設できるので強いのではないかという感想があったが、BGGのフォーラムを見ると、工場をブロックしたり、開発歯車を取って発明を急いだりといった対抗策で、工場が少なくても勝てるという。追加アクションマーカーも戦略を広げるので、もっと遊んでみたい。そう思うのは、戦略云々よりも、発明品を開発して特許で儲けるのが楽しいというのもあるからだけれども。

Era of Inventions
A.ダーメン/クワインドゲームズ(2010年)
3〜5人用/12歳以上/90分
テンデイズゲームズ:発明の時代

ヒッポダイス・デザイナーコンテストにプフィスター氏

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ドイツのゲームサークル「ヒッポダイス」が主催するデザイナーコンテスト(Hippodice-Autorenwettbewerb)の結果が発表され、『ザヴァンドールの鉱山』の作者A.プフィスター氏(オーストリア)が1位に選ばれた。

第23回を迎えるデザイナーコンテストは、新人デザイナーの登竜門として知られる。S.ドラ、M.シュレーゲル、M.シャフト、ブラント夫妻など、このコンテストで名前を知られるようになったデザイナーも多い。近年はドイツ年間ゲーム大賞が後援し、最終審査はアレア、ペガサス、アミーゴ、ハンス・イム・グリュック、コスモス、アバクス、シュミットといったメジャーメーカーから編集者が選考している。

今年は200弱の応募があり、その中から46作品が試作品のテストプレイにかけられた。1位に選ばれたプフィスター氏の『アフリカ1830』は、19世紀の商人となってアフリカにプランテーションや鉱山を建設し、お金を儲けるゲーム。未発売の作品が対象のため、製品化を待っている状態である。

外国からの応募も多いが、今年はアメリカ人の作品が最終選考に残っただけで、入賞は全てドイツ語圏のデザイナーで占められた。

【ヒッポダイス・デザイナーコンテスト2011】
1位:A.プフィスター『アフリカ1830(Afrika 1830)』
2位:R.シュッペ『ヘクサ・マキシマ(Hexa Maxima)』
3位:V.ゼンガー『家来(Vasall)』
キッズゲーム賞:C.シャウフ『小さい蜂のお友達(Bienchen Bande)』
長時間ゲーム賞:T.シュピッツァー『ルール地方の船運(uhrschifffahrt)』

Hippodice Spieleclub e.V.:Endrunde 2011

『カタンの開拓者たち』スタンダード版4/18発売

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ジーピーは4月18日、『カタンの開拓者たち(Die Siedler von Catan)』スタンダード版を発表する。3〜4人用、60〜90分、3990円。

すでに昨年11月に同社から携帯キャリーケース版(2100円)が発売されているが、今度はドイツ語版と同じサイズで、これまで国内販売されていたアメリカ版(6000円)から価格が3分の2に下げられた。オリジナルサイズの日本語版としては2004年にカプコンとハナヤマが発売した『スタンダードカタン』以来7年ぶりとなる。

イラストのデザインは2010年のドイツ・オリジナル版に準拠。パッケージはバンダイの『チケットトゥライド』のように見開きにでき、店頭でゲームの内容を確認することができるようになっている。見開きの中の写真でゲームをしているのは、ゲームアイドルの杏野はるなさん。コマはドイツのオリジナル版と同じプラスチック駒が用いられ、カードは携帯キャリーケース版より厚くなる。ルールブックは初めての人でも分かりやすいように全面改訂された。

『カタンの開拓者たち』は1995年にドイツで発売され、世界中で1500万セットを販売したビッグタイトル。ダイスを振って資源を手に入れ、ほかの人と交換し道や街を建設して領地を広げる開拓ゲームで、運・戦略・交渉といったボードゲームの粋をトータルに楽しめることから人気を集めた。安価で安定供給されるようになることで、日本でも愛好者がさらに増えることが期待される。

TGW:カタンの開拓者たち

カルカソンヌ日本選手権

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ボードゲーム専門店のメビウスゲームズ(東京・水道橋)は、カルカソンヌ日本選手権を開催する予定であることを、店長のツイートで明らかにした。優勝者は10月にエッセン国際ゲーム祭で開かれる世界選手権に航空券・宿泊費付きで招待される。

メビウスゲームズはタイル配置ゲームの『カルカソンヌ』日本語版を販売しており、毎年売れ筋トップ5に入っている。2006年に始まったカルカソンヌ世界選手権を主催するヘルネ・ボードゲームセンターから要請があり、開催を決定した模様。

昨年の世界選手権は23カ国が参加し、アジアからは中国・台湾・シンガポールが参加している。2008年からドイツ代表のR.クエルフェルト氏が3年連続優勝という驚異的な成績を収めている中、日本人の挑戦が待たれる。

『ゲームリンク』4号の最新ゲーム事情でも紹介したが、世界選手権の大会ルールは次の通り。世界を目指すプレイヤーは、このルールで練習しておこう。

・1 対1 で予選6 ゲームを行う。対戦相手は最初がくじ引き、2 回目からは全体の1 位対2 位、3 位対4位…という組み合わせ。
・チェスクロックを使用し、1 ゲームの持ち時間は1人15 分。時間切れになったら負け。クロックのボタンは、スコアリングが終わってから押す。
・タイルから手を離したらもう変更できない。
・勝ち数の多い順に4 名が準決勝進出。勝ち数が同じ場合は、対戦相手の勝ち数の多いほう、それも同じなら勝利点の合計で決める。
・準決勝は1 位対4 位、2 位対3 位で戦い、それぞれの勝者同士で決勝を行う。
・タイル2 枚の都市は4 点。

日本選手権の大会会場や日程など、詳細は未定。

Spielzentrum Herne:Carcassonne Meisterschaft

2月のメビウス便

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(写真と文:石川 久)

 今年2月のニュルンベルク・トイフェアで発表された新作ゲームが、早くもメビウス便のラインナップである。いずれもプレイ時間が短く、ルールも簡単で手軽に遊べるゲームが揃っている。
 仕事で札幌に滞在中に東北地方太平洋沖地震が起こり、飛行機が欠航になって帰京が遅れた。3月15日には荷物を受け取れたので、3月17日にゲームスペース柏木に有志を集ってプレイ。途中何度か余震で揺れた。
 ボードゲームに興じられるのも平和な日常があってこそ。被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復興を願うばかりである。

ペルガモン(エガート)10歳以上/2〜4人/45分(7点)

 昨年11月のメビウス便の「ランキング」と同じ、シュテファン・ドラとラルフ・ツァ・リンデのコンビによるデザイン。
 1878年、ベルリン博物館はペルガモンの発掘に着手した。ペルガモンとは、トルコのミュシア地方にある、紀元前200年頃の古代ローマの都市遺跡のことで、プレイヤーは考古学者として、より多くの発掘物を確保することがゲームの目的だ。


真っ二つに割れた古代ローマのマスクが印象的


ボードは判りやすく整理されている

 このゲームは全部で12ラウンドを行う。ラウンドの最初に発掘物タイル5枚を表向けて年代順にボードに並べる。このタイルによって、ゲームの展開が大きく変わる。
 2枚の資金カードが選ばれ、大凡の資金がカード裏から想像できるようになっている。スタートプレイヤーから順番に、自分のコマを空いている任意の資金スペースに置いて、コインが何枚欲しいか、どの階層まで発掘したいかを主張する。その後で資金カードが公開され、資金スペースの一番右側にコマを置いたプレイヤーからコインを受け取る。要求するコインが少ない方から分配されるため、あまり左側に置いてしまうと、全くコインを貰えないこともあるから要注意。
 再び資金スペースの一番右側にコマを置いたプレイヤーから、今度はコストを支払って、同じ階層にある全ての発掘物タイルを獲得する。より深い階層のタイルほど価値が高いことが多いが、それだけにコストもかかる。
 発掘物タイルが繋がれば博物館に展示できる。年代が古いほど価値も高まり、得点計算時に貰える勝利ポイントも高くなる。さらにコインを追加で支払えば、発掘物を磨いてその価値を上げることもできる。ターン終了時に展示しなかった発掘物タイルは3枚まで無料で保管できるが、それ以上の発掘物タイルは3枚ごとに1コインのコストがかかる。
 5,7,9,12ラウンドの終了時には得点計算が行われ、博物館に展示した発掘物タイルによって、1ポイントから最大6ポイントまでの勝利ポイントを受け取る。資金スペースの一番左側のコマを置いたプレイヤーが、次のスタートプレイヤーとなる。その後のプレイ順については、ヴァリエーション1のルールを採用した。より戦略的になるというよりも不公平感がなくなるように感じた。
 12ラウンドが終ったらゲームも終了する。博物館に展示された最も古い発掘物タイルを展示しているプレイヤーには、ボーナスとして3ポイント、2番目には2ポイント、3番目には1ポイントが与えられる。こうして、獲得した勝利ポイントの合計が最も多いプレイヤーの勝利。


破片のタイルを集めては繋げる


ラウンド毎に5枚のタイルの山にしておく

 コインを溜め込むプレイヤーが何人かいると、すぐに足らなくなりそうな枚数しか用意されていないのがちょっと気になった。それでも、貯蓄型が必ずしも有利というわけではないし、戦略性もしっかり感じられた。それでいて、プレイ感はライトなのでそこも評価できる。実プレイ時間は1時間ちょっとだった。

◎スコア ※敬称略
草場純 19,やすやす 17,石川 20,きとう 24

◎メビウスおやじ「ペルガモン」の紹介
http://mobiusoyaji.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-3167.html

◎Pergamon for BoardGameGeek
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/90040/pergamon

ドラコ(シュミット)8歳以上/2〜5人/30分(2点)

 故アレックス・ランドルフを師事したイタリア人ゲーム作家のレオ・コロヴィニによるデザイン。
 プレイヤーたちはドラゴンライダーとなって、山頂の火口を目指してレースを繰り広げる。
 ボードはプレイヤー人数によって使用面が異なる。スタート地点に10頭のドラゴンのコマを置き、各プレイヤーごとに異なる色のカードを配って、自分が最初に乗っているドラゴンを決める。手札を6枚ずつ配ったら、いよいよレースがスタートだ。


スタートマスに10頭のドラゴンが集結!


アートワークも雰囲気満点

 手番には、手札から1枚のカードをプレイして、同じ色のドラゴンのコマをカードに書かれた数だけ山頂に向かって進める。このゲームにおいて、ドラゴンは特定のプレイヤーのものではなく、どのドラゴンでも移動させることが可能なのだ。
 プレイしたカードの色が、他のプレイヤーの前に出されたカードと同色ならば、カードは自分の前のカード山の下に入れる。他のプレイヤーの前にない色のカードをプレイしたら、自分のカード山の一番上に置いて、そのドラゴンに乗り継いだことになる。1頭のドラゴンには1人のプレイヤーしか乗れない。


10色のドラゴンのカードも凝っている
カード構成:各色 1,2,4,5×2枚,3×3枚


ボックスアートも渋っ!

 ドラゴンが青色か緑色のマスで移動を終えたらポイント計算が発生する。青色マスの場合、3以下のマスにいる全てのドラゴンに乗るプレイヤーは、マスに書かれた数字のポイントを獲得する。緑色マスに止まった場合、全てのドラゴンがそれぞれのマスに応じてポイントを得る。新たなドラゴンが山頂の溶岩に囲まれた4つのマスのいずれかに到着した場合にもポイント計算が発生し、全てのドラゴンがポイントを得る。
 ポイント計算を発生させるとカードの補充ができない。そうでなければ、手番終了時に手札を6枚になるまで補充する。手札の最後のカードをプレイした場合は、例外としてポイント計算の有無に拘らず補充できるルールになっている。
 3頭のドラゴンが山頂に移動してポイント計算を行ったら、そのラウンドを最後までプレイしてゲームは終了する。最もポイントを獲得したプレイヤーの勝利だ。
 ハンドマネジメントの要素の強い内容。ポイントマーカーは全てナチュラルウッドなので、どのプレイヤーの物かが識別しづらいし、ドラゴンのコマも水色、青、紫と色が似通っていて、間違いやすいところが難点だ。
 自分だけ有利なタイミングでポイント計算を発生できれば理想的だが、そう簡単ではない。しかし、あまりにもコントロールできなすぎても、ゲームの面白さが理解できなくなる。コロヴィニがデザインしたゲームには、そのスパイラルに陥りやすいという欠点がある。


コントロールのできなさ加減が魅力?

◎スコア ※敬称略
石川 93,きとう 113,Fool 91,やすやす 90

◎Draco for BoardGameGeek
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/89918/draco

トップ アンド ダウン(シュミット)8歳以上/2〜4人/20分(5点)

 これまで「エルグランデ」など、ヴォルフガング・クラマーとの共作が多かったリチャード・ウルリッヒがニルスの協力を得て発表したシュミットのイージープレイ・シリーズ。


早くゴールしても勝てない?


たくさんのコマがスタックした時がチャンス!

 6面特殊ダイス1個を振って、その目の数だけ自分のコマをコースに沿って進めるスゴロク・タイプのゲーム。プレイヤー人数によって使用するコマ数が変わるものの、自分のコマが複数あるので、どのコマを動かすかが悩ましい。「フォーカス」や「ジャスト4ファン」に似たプラスティック製のコマは、重ねてスタックできるようになっており、ひとつのマスに対しても複数のコマが置ける。
 自分のコマの上に重ねられても、ブロックされるわけではないので、手番には任意の自分のコマを選択して移動できる。ただし、上にあるコマは一緒に移動しなければならない。
 コースは橋と通路に分かれ、合間にハードルが配置されている。その色のコマが初めてハードルを超えたら得点計算が起こる。全てのスタックをチェックして、橋の上にあれば、一番上のコマがそのスタックのコマ数だけポイントを獲得する。逆に通路にあるコマは、一番下のコマがポイントを獲得するルールになっている。コマが1個だけのもの、1色だけで構成するスタックは、得点できないルールだ。
 さらにこのゲームのポイントは、ダイスを振る前にポイントを1点支払うことで、自分のコマをスタックの一番上か下に移動できることだ。
 ゴールラインを3つのコマが越えた時点でゲーム終了だ。3位まではボーナス・ポイントが与えられ、合計ポイントが最も多いプレイヤーが勝利する。タイブレイクしたら、ゴールした順番の早い方が勝利となる。


EASY PLAY もすっかり定番化

 得点計算を引き起こした際に他のプレイヤーにも得点が入る点では、「ドラコ」によく似ている。長考ななりやすいゲームでもあるので「ちっとも、イージーじゃない!」との感想も出た。

◎スコア ※敬称略
石川 18,きとう 26,草場純 14,やすやす 44

◎Top & Dow for BoardGameGeek
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/89915/top-down

ゴールド!(アバクス)8歳以上/2〜3人/20分(7点)

 グリム童話「金のロバ」をモチーフにしたカードゲームで、3人用ゲームを得意とするミヒャエル・シャフトのデザイン。「ズーロレット」で2007年のドイツ年間ゲーム大賞(SDJ)を受賞したデザイナーでもある。


「日本の皆さん、シャハトじゃく、シャフトですよ〜」


カード構成
各色 −2×3枚,3×2枚,4,5,6,7,8×1枚

 各プレイヤーには異なる色のカードが1枚ずつ配られ、それを自分の場札として表向きにする。残りのカードをシャッフルして、2枚をゲームから除外したら、共通の場札として5枚を表向ける。これで準備完了。
 手番には、共通の場札から最も数字の低いカードを受け取るか、自分の場札にある1枚を共通の場札にある1枚と交換するかの、どちらかを行う。「コロレット」のように手番にできることは2択と、シンプルだ。
 ロバカードを出せば、どの金貨カードとも交換できるが、金貨カードを出した場合には、それよりも価値の低い金貨カードと交換する。この条件で交換できないければ、場札から最も数字の低いカードを受け取るしかない。
 このようにして、自分の場札に同じ色のカードが3枚揃ったら、そのセットを得点にしなければならない。その際にボーナスとして、自分の場札にない色のカードが他のプレイヤーの場札にあれば、それを1枚貰って自分の場札に加える。得点化したカードは場札から除外していくので奪われることはない。
 全体の場札がなくなれば、山札から5枚のカードをめくって補充する。これを繰り返して、山札がなくなり、共通の場札が全て取られたらゲーム終了。
 得点にできたカードの価値を合計して、最も多いプレイヤーの勝利。タイブレイク時は、カードの獲得枚数の多いプレイヤーが優位となり、それも同じ場合には引き分けだ。
 ロバカードはマイナス2点だが、これを使うことで価値の高いカードと交換できる。カードが公開されているだけに、パズルチックでアブストラクト風味もあったりする。


ボックスサイズはアミーゴの小箱と一緒

 ルールを読んだだけでは想像できなかった面白さが、実際にプレイしてみると楽しめる。ちょっと変わったプレイ感も新鮮だ。
 グリム童話では、「ブリックル・ブリット」と唱えると、ロバは金貨を吐き出した。そんな夢のようなロバが私も欲しいものである。

◎スコア ※敬称略
やすやす 36,石川 48,きとう 79

◎メビウスおやじ「ゴールド」の紹介
http://mobiusoyaji.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-49b3.html

◎Gold! for BoardGameGeek
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/90474/gold

なげなわ名人・ラリー(Larry Lasso)

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西部劇のようにカッコよく

ダイスで出た目の泥棒を投げ縄でつかまえ、手元に引っ張ってくるアクションゲーム。ボードゲームおっぱいでは酒に酔って盛り上がったようだが、シラフでも十分熱くなれた。

ダイスは2個で、コマの色・コマに描かれた泥棒の絵の色と対応している。ダイスを振ったら、対応する色の泥棒に縄を投げてひっかけ、手元まで引き寄せたら得点。2色とも合っていれば2点、1色だけなら1点。捕まえるべき泥棒はたくさんいるので、1人捕まえても安心せず、どんどん捕まえてこよう。

投げ縄は西部劇によく出てくるものだが、泥棒にひっかけるにはコツがいる。上からかぶせるようにするのではなく、サイドスロー気味に投げたほうがいいみたいだ。投げ方が悪くて出遅れてしまったが、後半は健闘できたと思う。だがそれ以上に調子を上げてきたtomokさんが、全員リーチという状態から頭ひとつ抜け出て優勝。

泥棒を捕まえるたびに歪む輪のかたちをいちいち手直したり、ほかの人が捕まえて引っ張り中の泥棒に縄をひっかけて転ばせたり(故意にすることは許されていないが、「誤って」引っかかるのである)、みんな童心に帰って熱中していた。

4歳の長男とも遊んだが、縄を持つ位置でハンデをつけると対等に遊ぶことができる。大人げなくなっている親の姿を見せるのも、ときには必要かも。

Larry Lasso
L.ボス/セレクタ玩具(2009年)
2〜4人用/5歳以上/15分

ナビゲーター(Navegador)

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長崎は遠かった

15世紀に航海者を支援し、「航海王子(Infante de Navegador)」と呼ばれたポルトガルのエンリケ。大航海時代の先陣を切って長崎を目指すボードゲーム。昨秋のエッセン国際ゲーム祭で発表され、ドイツの人気調査スカウトアクションとウムフラーゲでいずれも3位につけている高評価タイトルである。日本では先月からようやくテンデイズゲームズなどで一般発売され始めた。

船を作り、ヨーロッパからアフリカ、インド、東アジアに植民地を作りながら長崎を目指すというのが大まかな流れだが、一番先に長崎に着いた人が勝ちというわけではない。勝利点のパターンがいろいろ用意されており、建物・船・植民地・人材などの総合得点で競う。

ゲームの心臓となるのは作者ゲルツの得意なロンデルシステム。手番が来るたびに円形のアクションスペースを回って、各アクションを満遍なく行う。アクションは7種類あるが、無料で選べるのは毎回そのうち3つだけなのであまり迷わない。そのため手番が早く回り、「もうオレの番?」と思うくらいサクサク進む。これぞドイツゲームの粋。

7種類のアクションとは、労働者を増やす、船を作る、船を進める、植民地を作る、建物(工場・造船所・教会)を建てる、商品を売る、得点力を上げる。このうち労働者・船・建物はお金が相当かかり、収入が入ったそばから消えていくカツカツぶり。商品は相場が常に変動しているので、高い利益が見込める植民地や工場を作っていかなくてはならない。商品は砂糖・金・香辛料の3種類があって、それぞれ売るたびに相場が下がるので、ほかの人とかぶらないことが大事だ。

労働者を雇えば植民地や建物を作りやすくなり、造船所を作れば船が安く、教会を作れば労働者が雇いやすくなる。このようにお互いに密接している効果で、好循環を作る手腕も試される。船をどんどん作って先へ先へと航海するか、後を追いかけながら植民地と工場を作ってまず貯金に専念するか?

先へ先へと航海するか後を追いかけるかが問題になるのは、船が最先端の海域に入ると、船が1艘なくなってしまうからである。最先端の海域では、後で得点になる探検家コマをもらえるし、真っ先に植民地を作ることもできるが犠牲も大きい。2艘なければその先の海域に進めないので、後方から船をどんどん投入しなければ行き詰まってしまう。

終盤は、それぞれ伸ばしてきた長所で得点力が上がるように調整していくことになる。長崎は諦めて建設に専念してもよいし、長崎を目指して探検家コマを集めるのもよい。ただ、誰かが長崎に到達すると1周でゲームが終わるので、詰めを誤らないようにしたい。

神尾さんと私が同じ植民地を選んでしまって共倒れしているところで、その植民地に対応する工場をどんどん作って大金を手に入れた鴉さんが1位。内容は重量級なのにテンポは軽快という、面白楽しいゲームだった。

Navegador
M.ゲルツ/PD出版(2010年)
2〜5人用/12歳以上/90分
テンデイズゲームズ:ナビゲーター

ゲーマーが見ているボードゲームサイト

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先日行った「ボードゲーマーに100の質問」で、私が一番注目していた設問がQ41とQ42である。ボードゲームサイトの管理人として、皆がどんなサイトを見ているのかはとても興味があった。

そこで全部の回答を開いて集計してみた。結果は以下の通り。

Q41:よく見ているボードゲーム関連サイトはどこですか?(いくつでも)

1.Table Games in the World 57
2.Boardgamegeek 36
3.play:game 24
4.gioco del mondo 17
5.ふうかのボードゲーム日記 11
6.高円寺0分 10
7.遊星からのフリーキック 9
8.海長とオビ湾のカジノロワイヤル 7
9.ボードゲーム CU部 6
10.メビウスゲームズ 5

Q42:購入の参考にしているゲーム紹介サイトはどこですか?(いくつでも)

1.Boardgamegeek 30
2.Table Games in the World 23
3.gioco del mondo 22
4.play:game 15
5.高円寺0分 12
6.ふうかのボードゲーム日記 9
7.遊星からのフリーキック 6
8.ボードゲーム CU部 4
9.浅く潜れ! 3
9.俺ビュー 3
9.海長とオビ湾のカジノロワイヤル 3
9.ゲームストアバネスト 3

100の質問自体がTGWで行われたものだから、TGWを挙げる人は実際より多くなるのかもしれないけれども、100の質問を回答下さるくらい熱心なボードゲーム愛好者の方々に多くご覧頂いて嬉しい。毎度ご贔屓いただき、誠にありがとうございます。

Q41からQ42になると数がぐっと減るのは、サイトは見ても購入の参考にはしていないと答えた人のためである。確かに実際遊んでから購入できる環境にある人はそれができるわけで、買わないと遊べない(中には買っても遊べない)ものが多い身としてはうらやましい。

あと私のサイトの正式な略号は何かという方もいた。URLではTGIWだが、私はTGWと略している。開いたときには、Table Games in the WorldとGamesが複数形で、単数形Gameではない。カタカナならば「テーブルゲームズ・イン・ザ・ワールド」です。

新しいブログが次々と生まれている昨今、すぐれたサイトにはもっとスポットが当たればよいと思う。当サイトでも、私のお気に入りを時々紹介していきたい。

東日本大震災:各ショップの状況

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大地震から3日目となる本日、各地で被害の状況が明らかになっている。都内のゲームショップの様子はどうなっているだろうか。

秋葉原のR&Rステーションは店舗内が散乱している写真をブログで伝えた。店舗の柱に亀裂が入り、立入禁止となっているため営業再開のめどは立っていない。

R&Rステーション店長ブログ:店舗、柱の亀裂です

高円寺のすごろくやも、店舗内が散乱したが、揺れが静まったときに陳列を元通りにし、昨日から営業を再開している。ただし近郊の交通機関が麻痺しているため、来店の際は注意とのこと。

高円寺0分:大地震の影響報告 (明日は通常通り営業します)

Twitterによると中野のドロッセルマイヤーズは臨時休業で、明日以降の営業も未定。三鷹のテンデイズゲームズは棚も崩れず通常営業している。水道橋のメビウスゲームズは営業できない状況だが、本日・明日の定休日で復旧を目指す。

ショップやサークルなど、新たな情報がありましたらコメントかメール(フッター参照)でお寄せください。

無事です

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無事のご報告。昨日の地震が起きたとき、ブログの記事を書いていました。だいぶ揺れましたが、縦置きのパソコンが倒れないかな?と手で押さえていた程度です。でも停電になってしまい、1時間くらいかけて書いた記事が消滅。がっかりしながら、余震に酔いながらノートPCで作業を続けていました。

当サイトは、本日の6時から17時までアクセスできなくなっていましたが、地元のプロバイダにあるサーバで停電によりダウンしたものと思われます。ご心配をおかけしました。

子供たちは学校や保育園から無事に帰ってきましたが、新幹線で移動中だった妻は足止め。小山の体育館で一泊したことを携帯メールで知りました。水道もガスも使えたので、夕食はロウソクの下でとることができました。

今日はテレビも見られないのでラジオを付けて、読書をしたり、子供たちとボードゲームをしたりして過ごしました。こういうときにボードゲームは重宝します。

結局、停電は27時間続き、さきほどようやく復旧したところです。ボードゲーム棚を含め被害はありませんが、ガソリンや食料品が品薄のようで、これから1週間は大人しく過ごさないといけないようです。それよりも、被災した太平洋側各県の方々にお見舞い申し上げ、ご無事と一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

チャビリンス(Chabyrinthe)

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ネコラビリンス

ラベンスバーガー社のロングセラー『ラビリンス』を、後に『世界の七不思議』で知られることになるフランスのデザイナー、A.ボザが手軽に遊べるようにした作品。パイプをつなげて、ネコさんをお家に返してあげよう。タイトルはフランス語の"chat(シャ、猫)"とラビリンスを合わせたもの。ラベンスバーガー社も2000年に『カードラビリンス』を発売しているが、『ラビリンス』により近い。

4×4にパイプカードを並べ、その周囲にネコカードとネコのおうちカードを置く。手番には、パイプカードを1枚回転させ、手札からパイプカードを1枚入れてスライド。これでネコとおうちがつながればネコカードをゲットできる。

ネコカードをゲットできたら、おうちカードを1つずらし、ネコカードも1つ隣に置いて、次の人の番。こうして誰かが15点分のネコカードを集めたところで、ネコカードに書かれた得点の多い人が勝つ。

手軽だが『ラビリンス』のパズル感覚は損なわれていない。うまくいけば高得点のネコカードをつなげたり、あわよくば2匹同時につないで両取りをしたり、さらに次に出てくるネコを置いた瞬間にゲットしたりと、欲をいえばキリがないが、本当のところは、1匹でもつなげられれば御の字。手番の人はうんうん唸っているのに、ほかの人はあっさり岡目八目だったり。

終盤は道が整ってくるので、両取りや連鎖を狙いやすい気もしたが、1匹つなぐのがやっと。その間に、ふうかさんとkarokuさんは高得点のネコを確実に集め続け、karokuさんが1位。見かけとは裏腹に、相当頭を使うゲームである。

Chabyrinthe
A.ボザ/カクテルゲームズ(2007年)
2〜4人用/8歳以上/20分
テンデイズゲームズ:チャビリンス

トラベルブログ(Travel Blog)

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貧乏ブロガーはロシアを通る

旅行ブロガーとなって、ヨーロッパやアメリカを安く回るゲーム。作者のフヴァキルには、『スルージエイジズ』や『ダンジョンロード』などの重量級ゲームと、『ギャラクシートラッカー』や『バニーバニームースムース』などのライトゲームの両面があるが、このゲームは後者。うろ覚えな地理感覚を楽しむ。

東欧の建国が著しいヨーロッパ各国と、東も西も分からないアメリカのを選べるが、まだましじゃないかと今回はヨーロッパでプレイ。イギリスやフランスやドイツがどこにあるかくらいなら分かる。でもマルタ、アンドラ、モナコあたりになるとどうか?

中央に出発地の国カードを置いて、回りにも国カードを並べたらスタート。早い者勝ちで、行きたい国を選ぶ。全員が選び終わったら、おもむろにマップを出してルート確認。

出発地から目的地までを最短経路でたどり、超えた国境の数だけお金を支払う。ただし隣国だったらペナルティ。遠くてもとなりでもダメ。ヨーロッパの国々のどこが隣同士かなんて覚えていないから悩ましい。

ラウンドが進むに連れて、経由地が増える。今度はルートも考えて選ばないといけない。近くても、東欧の入り組んだところにある国を通れば、経費もかかる。広大なロシアが貴重なルートになった。メドベージェフさんありがとう。

最終の第7ラウンドだけは、国境を越えれば超えるほど収入になるので思い切ってロングトリップを楽しもう。でも遠いと思っていた国が意外に近くてショボーンとか。距離ではなく国境数というところがミソだ。最後にお金の多い人が勝ち。

地理に詳しい人が有利なのは間違いないが、実際そこまで地理に詳しい人はいないのも事実である。ロシアのおかげもあって、失敗したと思ってもあまり差はつかない。うろ覚えと勘、そして思い切りのよさが試されるゲーム。本気で臨んだが、意外と隣だったり、考えているうちに先を越されたりして勝てなかった。

Travel Blog
V.フヴァキル/チェコゲームズ出版(2010年)
2〜6人用/8歳以上/30分

モンド(Mondo)

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もんどり打ってタイル揃わず

制限時間内に同時プレイでタイルを配置し、世界(mondo)の出来栄えを競うパズルゲーム。昨年1年間、新作を発表していなかったシャフトの久々の作品で、今年のニュルンベルクで発表され、日本でもまもなく発売となる。

地球型のタイマーが付属しており、7分(初級ルール)にセットしてスタート。地球が回転して残り時間を知らせる。時間内はずっとカチカチいっていて、時間が終わるとベルと鳴るので心臓に悪い。

順番はなく、全員同時に手早く行う。中央に山になっているタイルから、よさそうなものを取って、各自のマイボードに並べる。使っていいのは片手だけで、前に置いたタイルにつないで置かなければならない。

タイルには水面・森林・ステップ・砂漠の4つの地形がいろんなパターンで描かれており、動物や火山のあるタイルもある。地形が合っていなくてもよいが、地形を揃えて完成させれば得点になり、合わない箇所は失点になってしまう。動物はいるだけ得点。火山は一番多い人が火山の数だけ失点。空きマスも失点になるが、空きマスを残したままラウンドを降りるともらえるチップの得点もある。

ジリリリリ!と制限時間が来たら得点計算。動物、地形、チップ、火山、空きマス、ミスマッチと順番に確認しながら計算用紙に記入する。またタイルを戻して第2ラウンドへ。3ラウンドの合計が多い人が勝ち。

タイルはあちら揃えばこちら揃わずで悩ましい。周囲のタイルが増えると、合うタイルも限られてきて探すのに時間がかかる。むしろそこは後回しにして、別のエリアからやったほうがよいかもしれない。制限時間があるゲームならではの瞬時の判断が求められる。

さらに、毎回ボーナスタイルがめくられ、決められた地形が一番よいと得点、一番悪いと失点という中級ルール(制限時間6分)、ゲーム中にタイルを取って課題に取り組み、達成できれば得点、できなければ失点という上級ルール(制限時間5分)とあり、タイルの構成が分からない初プレイではほとんど太刀打ちできない。

こういうゲームは得意不得意がはっきり出るもので、くさのまさんが市松模様の必勝パターンでダントツ1位。中級ルールでは「湖が一番広い」が出て、tomokさんと私が水面を広げすぎて湾になってしまったり。写真は上級ルールで、パンダボーナスだけは何とか取ったものの、そのほかの得点が犠牲になってしまったの図。

Mondo
M.シャフト/ペガサスシュピーレ(2011年)
1〜4人用/8歳以上/20分
ホビージャパンから発売予定

1〜2月のアクセス解析

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Google Analyticsによる統計。

ゲームタイトルのキーワード別ランキング(セッション数)
1.世界の七不思議 454
2.藪の中 322
3.ザヴァンドールの鉱山 277
4.ゴッドファーザー 121
5.ネッシーを追え 116
6.スチーム 109
7.果てしなき世界 105
8.メルカトル 104
9.セベク 99
10.アサラ 93

ホビージャパンが扱っているドイツメーカーは、私が翻訳を担当していることもあって情報を早く出せるが、メビウスゲームズが扱っているものは紹介が手薄になりがちだった。そこを石川久氏のメビウス便レポートで補って頂いて、読者が求める情報をフォローできるようになってきたと思う。すごろくやさんで国産ベストと紹介された『藪の中』が2位と、注目度の高さを物語る。ちなみにタイトル以外の検索ワードトップは「tgiw」で2241。

リンク元(セッション数)
1.gioco del mondo 1286
2.メビウスゲームズ 559
3.play:game 540
4.ボードゲームランド 525
5.ボードゲームを始めよう 443
6.YBC ヤマザキボードゲームクラブ 426
7.ふうかのボードゲーム日記 330
8.海長とオビ湾のカジノロワイヤル 319
9.ボードゲームおっぱい 284
10.すごろくや 225

2ヶ月の全セッション数は57256。リンクからの訪問はその3割で、検索サイトからの2割より多い。リンクありがとうございます。当サイトでも、リンク集を定期的にチェックし、充実をはかっているようにしています。

カルカソンヌ10周年、特大ケーキでお祝い

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ドイツのボードゲーム『カルカソンヌ』の版元であるハンス・イム・グリュック社と、販売を行なっているシュミット社が先月、カルカソンヌ10歳の祝賀パーティを行っていたことが明らかになった。

誕生祝は毎年ニュルンベルク国際ゲーム祭の前夜に、居酒屋で行われているパーティに合わせて行われた。関係者がさまざまなゲームを楽しんだ後、タイルを敷き詰めた模様の特大ケーキが登場。シュミット社の販売部長A.カルデンホーフェン氏、『カルカソンヌ』の作者K.J.ヴレーデ氏、ハンス社のB.ブルンホファー社長が一緒に入刀した。

『カルカソンヌ』は2000年の秋に発売され、2001年のドイツ年間ゲーム大賞とドイツゲーム賞のダブルクラウンに輝き、20カ国で600万セットが販売された。またニンテンドーDS、PC、iPhoneアプリ版など、デジタル化も進んでおり、『カタンの開拓者』に次ぐドイツゲームの代表格となっている。今年は人型コマのケースに入った10周年記念版、ダイスゲーム、透明コマのセットがが3月中旬から売り出される。

国内ではメビウスゲームズ(東京・水道橋)が日本語版や拡張セットを販売している。

Hans im Glück Verlag:10 Jahre Carcassonne

3月22日、阿佐ヶ谷でトークショー

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3月22日(火)、阿佐ヶ谷ロフトA(JR中央線阿佐ヶ谷駅徒歩2分)にて、ボードゲームをテーマにしたトークショー「テンデイズライブ!」が開かれる。開場18:30、開演19:30、前売り券1300円(当日1500円)。

昨年の7月に新宿で行われた「ドミニオンへの招待」に続く第2弾。三鷹のボードゲームショップ「テンデイズゲームズ」の店長として様々な情報発信を続けるタナカマコト氏が、DJ急行氏らとボードゲームを熱く語る。ボードゲームサイトgioco del mondoのあきお氏もゲスト出演予定。

前売り券は3月20日まで、ローソンチケットにて発売中(Lコード37627)。

タナカマ氏はポッドキャスト「テンデイズラジオ」やUstream中継「テンデイズテレビ」など、積極的に情報発信を行っており、DJの経験を生かしたライブ感には定評がある。今回もどんなトークが繰り広げられるか注目だ。

ビール侯爵(Fürstenfeld)

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ビルド&スクラップのタイミング

たった6マスの土地で建物を建て替え、いち早く全部宮殿にするドイツのゲーム。日本にもファンの多い鬼才F.フリーゼが昨秋に発売した新作で、アークライトから日本語版が発売されている。内外での新作評価は決して高くないものの、『ドミニオン』にフリーゼ流の解釈を施し、ドイツゲームらしい拡大生産のゲームに仕上げた作品として注目される。

はじめは清水・大麦・ホップ(ビールの原料)がちょっとだけ生産される畑から始める。生産物を売って、そのお金で手札から建物を建てて、その効果で生産や収入を増やす。最終的には宮殿を建てるが、宮殿は『ドミニオン』の勝利点カードのようなもので、値段が高い上にそれ自体ではお金にならない。できることがどんどん増えてウハウハな前半と、逆に少なくなって苦しい後半の対比が面白い。

清水・大麦・ホップは別々に価格が変動し、皆が同じものを出荷すると値下がりしてしまう。一方、最終目標である宮殿は、皆が建てれば建てるほど値上がりして手が届かなくなっていく。また、次のラウンドの手番は収入の少なかった順なので、儲けすぎると後がつらい。さらに、マイデッキがあって捨て札が循環し、順番は変わらないので、ほしいときにほしいものが手札に来るとは限らない。そんなままならなさがフリーゼ好きにはたまらないわけだが、一番のポイントは建物のコンボである。

建設コストを下げる「建築屋」と収入を上げる「銀行」があれば、早いうちに高い建物を作ることができる。手札を余計に引ける「農業試験場」と、手札を破棄してデッキを圧縮する「ゴミ屋」があれば、ほしい宮殿カードがすぐ手に入れられるだろう。ただしコンボも、建物以上に賞味期限があるので、タイミングがよくないと役に立たない。13種類の建物を上手く使いこなせた人が勝利できる。

4人プレイ。私はお金があればどんどん宮殿に急いだが、案の定収入がなくなって立ち往生してしまった。序盤から圧縮を仕掛けた鴉さんがリーチしたが、お金をいっぱい貯めてから宮殿を建て始めたぽちょむきんすたーさんが逆転勝利。

デッキは最初から最後まで固定で、シャッフルもしないので全くデッキ構築ではない。最終目標の宮殿によってできることが減っていくのが『ドミニオン』で手札が勝利点カードだらけになるのと似ているが、ゲーム自体は全くの別物。デッキの中身は皆同じなので、「うわー、それもう建てたんですか。いいな」などとコメントし合えるのがいい。

Fürstenfeld
F.フリーゼ/2Fシュピーレ・アークライトゲームズ(2010年)
2〜5人用/12歳以上/60分

3月19日、浜松町でボードゲームイベント

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3月19日(土)、東京都産業貿易センター浜松町館(JR山手線浜松町駅徒歩5分)にて、ボードゲームイベント「ぺらねこなう!」が行われる。時間は10〜16時で、参加費1000円。テーブル数50、座席数250というゲームマーケットに次ぐ広い会場で、初心者向けの試遊やドミニオン大会が行われるほか、ホビージャパンや冒険企画局が出展する。

主催はネットショップ「E5ゲーマーズ」で、イベント名は店長のぺらねこ氏を冠している。会場は6つのイベントエリアに分かれており、思い思いの楽しみ方ができる。

1.ステージイベント…有志のライトニングトークやUstream番組の公開収録など
2.ドミニオン最強王者決定戦…5セット全てを用い、4回戦で優勝を決める。現在エントリー受付中(当日参加可能)
3.パブリッシャーモール…イリクンデ、ジーピー、ブロッコリー、ホビージャパン、こげこげ堂本舗、teamCLIMB、team2nks、冒険企画局、ワンドロー、遊星からのフリーキックの10団体が出展
4.ゲーマーズスクエア…スタッフによる説明付きでボードゲームやTRPGが遊べる
5.フリースペース…持ち込んだり、購入したゲームを遊べる
6.物販…出展団体やE5ゲーマーズによるゲームの販売

注目はホビージャパンの出展で、『レジスタンス』ほか、日本語版が予定されているタイトルのお披露目がある。ドミニオンファンも、新作が気になる方も、19日は浜松町にレッツゴー!

ぺらねこ店長日記:E5Gamers主催 ぺらねこなう! を開催します!

スイスゲーマー賞に『世界の七不思議』

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昨年の3月に始まり、今年2回目を迎えるスイスのボードゲーム祭ルデスコ(ludesco)は、第1回スイスゲーマー賞(Swiss Gamers Award)を発表した。スイス国内のボードゲームサークル14団体が、2009〜2010年に発売された新作の中から、『世界の七不思議(7 Wonders)』をベストゲームに選んだ。

2006年に休止になったスイスゲーム賞(Schweizer Spielpreis)に代わって、今年から制定された賞。サークル単位で投票に参加するという新しい仕組みを設けた。各サークルでは、メンバーで話し合って5タイトルを応募する。これに1位8点、2位5点、3位3点、4位2点、5位1点と配点し、合計得点から結果を決める。

チューリヒ、ベルン、ジュネーブ、ローザンヌなどスイス各都市から、14団体が参加した結果は以下の通り。昨秋発売されたばかりの『世界の七不思議』が、スイスでも高い評価を受けており、スイスを含むドイツ語圏で選ばれるドイツ年間ゲーム大賞、ドイツゲーム賞、アラカルトカードゲーム賞にも入賞する可能性が高そうだ。

【スイスゲーマー賞2010】
1位:世界の七不思議(7 Wonders / A.ボザ / レポス)30pt.
2位:ドミニオン:陰謀(Dominion, L'intrigue / D.ヴァッカリーノ / フィロソフィア)26pt.
3位:キクラデス(Cyclades / L.モーブロン、B.カタラ / マタゴー)24pt.
4位:スモールワールド(Small World / P.ケヤーツ / デイズオブワンダー)24pt.
5位:フレスコ(Fresco / M.ルスコウスキ、M.ズーセルベック / クイーン)16pt.

Swiss Gamers Award:Results

20世紀(20th Century)

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環境か経済か

経済発展と環境問題の折り合いをつけて、勝利点を獲得するチェコのボードゲーム。科学技術の開発状況を見て、どこまで経済発展を進め、どこから環境保全に切り替えるかを絶えず考えさせられる。複数のパラメーター、2つの競り、パズルチックなタイル配置と、『スルージエイジズ』のチェコゲームズらしい、じっくり系のゲームである。

各ラウンドは、土地タイルの競りから始まる。場に並んだいろんな土地タイルから、スタートプレイヤーが指定したタイルを時計回りに値付け。何周でもして、最も高い値をつけた人が土地タイルを取って手元に置く。そしてまた次の土地タイルの競りへ。

土地タイルには、工場などで働いてくれる市民コマと、廃棄物コマがついてくる。お金さえ支払えれば1人で何枚競り落としてもかまわないが、廃棄物コマが増えるので、広げれば広げるほどリスクも上がる。さらに競りをやめるともらえる技術タイルの選択肢も少なくなってしまう。

土地タイルは線路が書いてあり、線路をつなげると廃棄物処理や生産力アップがしやすくなる。今後取ってくるタイルも考えて配置するのは、パズルチックな要素がある。また、技術タイルは市民を増やしたり、生産力を上げたり、線路をつないだりする効果があり、この活用も重要である。

さて、全員が競りをやめると環境破壊防止の競りが始まる。今度はお金ではなく科学力。一番いいのが環境悪化なしというもので、廃棄物や公害ポイントをできるだけ増やさないで済むかを競る。より高い科学力をビッドされると、さらに多く出すか、より悪いところに移るという、いわゆるところてん式の競りで、科学力がない国は辛酸を舐めることになる。悲鳴が上がりまくるこのフェイズが、ゲーム中一番好きな部分である。

土地タイルを整理してから収入。土地タイル上で、市民が置かれた工場に応じて、お金と科学力が補充され、勝利点が入る。また処理場で廃棄物を取り除く。これでラウンド終了。

ゲームは6ラウンドあるが、6ラウンド後の最終決算のほかに、第2、第4ラウンドでは中間決算がある。中間決算はいくつかあって毎回異なるので、展開も変わるだろう。最終決算では、廃棄物がないタイルが得点、廃棄物が2個以上あるタイルが失点。また、各自の公害ポイントに応じて、得点や失点がある。経済発展を優先しすぎると、ここで手痛いツケが回ってくるだろう。

4人で2時間ちょっとのプレイ。私は、最初のラウンドで取った追加の労働者を処理場に置いて、どんどん廃棄物処理を進めた。また、お金よりも科学力を増やし、環境破壊防止の競りでは常に全力投球。さらに「公園」で公害ポイントを改善と、徹底してエコな国づくり。そのため土地タイルこそ少なかったものの、終盤の「病院」で大量得点して1位。ぽちょむきんすたーさん、神尾さんは後半大量のお金が入ってきたが、使い切れないまま終わった。

環境に気を配っているとお金も得点も入らなくなり、ゲームに置いていかれる。かといって金儲けに走れば終了時にものすごいペナルティを食らう。メインが競りなので、ほかの人の動向によっても進め方は変わる。そういった中での両極端にならないバランスというのは、つくづく悩ましいものだと感じた。取ったタイルによっても戦略は大きく変わるので、また遊んでみたい。

20th Century
V.スーキー/チェコゲームズ出版(2010年)
3〜5人用/13歳以上/120分

年間デザイナー賞にA.ボザ

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アメリカのボードゲーム評論家L.レヴィ氏は、2010年の年間デザイナー賞(Designer of the Year)としてA.ボザ氏(フランス)を選んだ。

この賞はアメリカのニュースサイト「ボードゲームニュース」で5年前から行われている企画。過去1年間で、デザインが最も注目されたボードゲームデザイナーを選んでいる。「ボードゲームニュース」が閉鎖したため、今年は新サイト「ジ・オピニオネーテッド・ゲーマーズ」で発表された。

大賞に選ばれたA.ボザ氏は、昨秋にエッセンで発表されて以来、世界的な人気を集めている『世界の七不思議(7 Wonders)』の作者。ほかに『花火&生花』、『ミステリーエクスプレス』などを昨年発表している。

ほかにもB.カタラ、S.フェルト、F.フリーゼ、C.コニーツカ、W.クラマー、J.マチューズ&C.リオンハルド、M.リーネック、M.ワレスの各氏がノミネートされた。

『世界の七不思議』は国内で品薄状態が続いているが、来月末に日本語ルールが同梱された多言語版がホビージャパンから発売されることになっている。

The Opinionated Gamers:2010 Designer of the Year
テンデイズゲームズ:アントワーヌ・ボザフェア

スマイリーフェイス(Smiley Face)

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大どんでん返し!

フランスのデザイナーコンビが昨秋に発表し、アークライトから日本語版が発売されたカードゲーム。お手頃な値段ながら、妙に大きい箱のせいか、インパクトのないイラストのせいか、あるいは多めのプレイ人数設定のせいか苦戦している模様である。そういうゲームこそかえって興味が出るもので、ようやく念願の初プレイ。フランスらしくウィットに富んだゲームで、スマイルというよりゲラゲラものだった。

リリースではトリックテイキングと伝えたが、かなり異なる。1枚ずつカードを出して、何周でも出しあい、全員がパスしたところで、カードの合計の多い人が得点するのが基本。勝てないと思ったら降りて、勝ちそうな人にカードを渡して応援するという手もある。応援した人が勝っても得点。

カードは色によって毎ラウンド強さが異なり、次のラウンドに強くなるカードは前もって分かっているので温存しておくのがよい。全力で勝ちに行くか、次のラウンドに余力を残して誰かを応援するか。勝ちに行くとすれば、最初は弱いカードを出して油断させておき、後から強いカードを出したいところだが、ほかの人も同じことを考えているかもしれない。そうなったら我慢比べ。こんなふうに1枚1枚、駆け引きが熱い。

しかし、このゲームには、大どんでん返しを起こすいたずらカードがメインだと思う。カードを奪ったり、色の強弱を変えたり、応援を取り消したり、果てはラウンドの勝者をなくしたり、得点カードを奪うものまである。勝ったと思っても、最後の最後まで油断ができないし、逆に負けそうになっても、チャンスは最後まである。じりじりした駆け引きを一変させてしまういたずらカードの強烈さに、一同「台無し!」と大笑い。フランス人なら、このデザインはわざとに違いない。

いたずらカードがあることを前提に遊ぶと、定石はずれのカードプレイをしても、すごいいたずらを仕掛けてくるんじゃないかと警戒される。それでひるんだ隙に正攻法に切り替えたりして、そんな引っ掛けも楽しい。

8人まで遊べるのもこのゲームのポイントだが、いったいどんなカオスになるやら。

Smiley Face
G.ブーキン、B.フェデュッティ/アークライト(2010年)
4〜8人用/13歳以上/30分

ふうかのボードゲーム日記:スマイリーフェイス

萬印堂で試作品製作応援キャンペーン

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ボードゲーム・カードゲームの印刷所・萬印堂は今月1ヶ月間、無料の試作品製作応援キャンペーン を行っている。31日までデータを送れば、ボード・カード・箱を1セット、無料で作ってもらえる。

6月12日に開かれるゲームマーケット2011の出展を応援する企画で、昨年のテーブルゲームフェスティバル応援キャンペーンに続いて2回目。

無料でできるのは、ボード(A3またはA4、2つ折・片面カラー印刷・角丸処理)、カード(ポーカーまたはブリッジサイズ、80枚まで、両面カラー印刷)、化粧箱(カラー印刷)で、各1セット。カードと化粧箱は、イラストレーターのテンプレートを利用することもできる。送料も無料。

ゲームマーケットは物販がメインだが、試作品のテストプレイをしているブースもある。製品化の前に、昨年2200名が訪れたゲームマーケットで、参加者の反応やフィードバックを確かめるのもよいだろう。

ゲームマーケットの出店申込は3月25日まで。

萬印堂:試作品製作応援キャンペーン

アンケート:手洗い

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Q.43:ゲームの前に手を洗いますか?(2011年2月)

A.必ず洗う 43票(24%)
B.時々洗う 64票(37%)
C.まず洗わない 68票(39%)

ボードゲームは多くが紙製で、取り扱いには注意が必要です。カードが汚れてガン牌できるようになってしまうと、海外製品や絶版が多いため部品交換ができません。そのため、丁寧に扱うべきなのはもちろん、参加者に手洗いを求めるサークルもあります。

2月のアンケートは、ゲーム前の手洗い状況についてお尋ねしました。必ず洗うことにしている人は4人に1人で、4割がまず洗わないと答えました(私もまず洗わない方です)。ときどき洗うを半々にすると、まだ、洗わない人のほうがやや多いようです。

手洗いは一般的なマナーというわけではありませんし、手を洗ったほうがいいか確認するのも野暮ですが、ゲームの持ち主への思いやりとして行っておくとよいかもしれません。特に見知らぬ人が集まるオープンサークルや、自宅以外の施設で行われるゲーム会では、手洗いを心がけておくとよいでしょう。ホームページで明文化しているサークルもあります。

3月のアンケートは、カードやお金のやりとりを、銀行係を通しているかお尋ねします。カードやお金を取ったり支払ったりするとき、各自で行えば銀行係の負担は減りますが、イカサマやミスの可能性も免れません。一方、銀行係が一手に引き受けると、確認の手間でゲームのテンポが悪くなることもあります。実際はゲームや場面によって対応は異なると思いますが、一番近いと思うものをお答え下さい。

フランス年間ゲーム大賞に『ドクロとバラ』

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先日ノミネートが発表されていたアスドール・フランス年間ゲーム大賞が、24日カンヌ国際ボードゲーム祭の前夜祭で発表された。

大賞に選ばれたのは『ドクロとバラ(Skull & Roses)』。フランス版人狼のルイ・メーム社から発売されたブラフゲームが、良作ぞろいのノミネートの中から選ばれた。1枚の骸骨と3枚の薔薇という手札から各自1枚ずつ裏にして出し、全体で薔薇がいくつあるか予想する。予想は競り上げ式で、一番高い予想をした人がカードをめくり、骸骨を出さずに予想しただけの薔薇をめくることができれば成功。2回成功すれば勝利だが、失敗すればカードを失い、脱落する恐れもある。名作『ブラフ』と違って意図的にカードを選べるので、よりブラフがかけやすい。カードは円形で、デザインも優れている。

キッズゲーム賞には『タコアラーム』、特別賞には『世界の七不思議』が選ばれた。

Tric Trac:Le Jeu de l'Annee 2011 est ...
Lui-Meme:Skull & Roses

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