中世の商人(Die Händler)

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足元を見て一発大儲け

1999年にクイーンゲームズから発売され(『ディハンドラー』)、ドイツゲーム賞5位に入賞した交易ゲームが昨年リメイクされた。作者はクラマー。同じ年、キースリングと組んで発表した『ティカル』と『トーレス』はどちらも年間ゲーム大賞に選ばれている。そのせいもあって、この作品はあまり注目されず絶版になってしまったが、ここ数年は中古価格が急上昇するなどレアゲーム化していたところのリメイクである。砂漠のように黄土色だったボードは鮮やかな緑となり、ルールも若干の変更が加えられた。

ゲームの目的は設けたお金で社会的な地位を上げること。そのために商品を仕入れて、荷馬車で運んで、到着したら売るというのを繰り返す。商品の値段はたえず変動しているので、安く仕入れて高く売ろう。

毎ラウンド、まず商品を各都市に仕入れる。商品は布・鉄・ワイン・食料・絹・塩の6種類。価格と、他の人の仕入れ状況をよく見て、仕入れる品と数を選びたい。

全員の仕入れが終わったら、荷馬車(写真右)に積み込む。荷馬車にはそれぞれの部屋があり、誰の商品か分かるようになっている。

「積荷責任者」を競りで決め、その人は優先的に多く積み込める上に、ほかの人が積み込むときに料金を取ることができる。料金は交渉次第だが足元を見すぎれば信用を失う。近年、こういう交渉が含まれたゲームは少なくなっているだけに新鮮な感じがする。

次に荷馬車の移動。各自1〜4の移動ポイントで、好きな荷馬車を進める。もちろん、自分の荷物が積んである荷馬車を進めたいところだが、行き先によって売上が変わるので、便乗で大儲けされないように注意しなければならない。そんな駆け引きの中で、何ラウンド経っても移動しない荷馬車も出てくる。

そして価格変動がここで行われる。各自、価格盤(写真左)をもっており、価格を上げたい商品に針をさして一斉に公開する。価格は最高値より上がると最安値に暴落するので、みんなで注ぎ込むのも考えもの。でも遠慮し合った結果、全く上がらなかったりもする。価格変動は収入に直結するため、一番ドキドキする瞬間だ。

都市に到着した荷馬車があると、この価格で商品を販売して収入を得る。その都市の市場にない商品はボーナスが付き、しかも荷馬車が長い間到着していない都市ほどボーナスが上がる。そんな都市は一攫千金のチャンス。

投資カードという、特殊能力の競りをここで行って(クイーンゲームズ版はゲームの最初に行なってしまうが、エッガート版は毎ラウンド少しずつ競る)、最後に残ったお金で地位を買う。地位は上げるだけではなく、維持するのにもお金がかかるので、無闇に上げると後で苦しい。しかし毎ラウンド2段階までしか上げられない上に、地位を上げるために必要なお金はどんどん高くなっていくので、ほどほどに上げておいたほうがよい。

これで1ラウンド。荷馬車が規定回数、都市に到着したラウンドでゲーム終了となり、地位の一番高い人(同じなら所持金の多いほう)が勝つ。

序盤、tomokさんが積荷責任者となったところでnagaさんにそれまでの2倍の料金を請求したことからヒートアップ。料金が高止まりしてシビアな展開となった。私は荷馬車が使者というコマと同じマスに入るたびにもらえる影響力カードを集めていたが、肝心の商売が疎かになってしまった。ここぞというところで価格が暴落する不運にも見舞われ、地位を維持するのも精一杯。そんな中から、最高値+ボーナス+在庫整理で10000ギルダ−近い大金を手に入れた鴉さんが圧倒的な勝利。ゲーム中に1〜2度しか回ってこない商機をうまく活かした。

1ラウンドに競りが2回あり、しかも競りの後には交渉があるという、90年代後半の作品らしい重量級の作り。2時間を超えるプレイ時間で満足できた。イラストだけでなく、荷馬車や使者のコンポーネントも見事で、完璧なリメイクだと思う。

Die Händler
W.クラマー、R.ウルリヒ/エガートシュピーレ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/60〜90分

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