5月のメビウス便

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(写真と文:石川 久)

 6月12日のゲームマーケットがいよいよ来週に差し迫って来た。主要メーカーを扱うメビウスだけに、前評判の高いゲームに照準を当てたラインナップが流石である。仕入れの関係で少部数となるようだが、ゲームマーケットでも先行発売される予定。
 6月4日に、私の地元、調布市のたづくり文化会館で「調布のあな」の第1回目の例会が催されたので、そちらに参加していずれもプレイできた。どれもルール量が少なく、短時間で遊べるライト級揃いだった。

アーサー王(アーレア)9歳以上/2〜4人/30〜60分(6点)

 クラマーとキースリングの黄金コンビによる、アーレア中箱シリーズ第7弾。
 クラマーは、2000年に大箱シリーズの「フィレンツェの匠」で、リヒャート・ウルリッヒと共作している。アーレア・ブランドからのリリースはそれ以来だから、実に久しぶりである。


いつの間にやら、中箱シリーズも7作目!

 プレイヤーは騎士団を率いて、宮廷の円卓で美味しいご馳走にありつこうと、できるだけアーサー王の近くに着席することを目論んでいる。より近くに座れば、それだけ大きな名声ポイントが得られるのだ。しかし、困ったことに王位が変わることもある。一体、本物のアーサー王は誰なんだ?
 かなり設定を着色した書き方をしてしまったが、ゲームは入門用では16ラウンド、上級用では11ラウンドを行う。まず準備段階で、スタートプレイヤーの右隣から反時計回りに、自分のコマをひとつずつ円卓の座席へと配置する。全てのコマを配置したら、ゲーム開始だ。


まるで人間ルーレット!

 各ラウンドは、スタートプレイヤーから時計回りの順番で進行する。手番が来たらカードをプレイして、コマを時計回りに移動させる。そのコマがそれまでいた、元のマスに書かれた数字だけ名声ポイントを獲得する仕組みだ。
 ひとつのマスにはひとつのコマしか入れないので、移動先にコマがある場合には、円卓を反時計回りで次の空いているマスへと追い出してしまう。マイナスポイントのマスもあるし、プレイヤーには複数のコマがあるので、どれを動かすのか悩ましい。
 また円卓には、アーサー王の他に、王子たちのコマが3つある。これらはプレイヤーにとっては中立の存在で誰でもカードで動かすことができる。この王子のコマにリングをつけるカードもあって、リングが3つ溜まると、何とそのコマが新たなアーサー王になってしまう。そして、円卓のポイント表示がルーレットのようにクルリと回転して、得られる名声ポイントまで変更されていまうのだ。元アーサー王は、一般王子に格下げとなり、新たにリング1個になって出直しを余儀なくされる。アーサー王を移動させることもできるが、その場合はルーレットが回転するだけで、プレイヤーに得点が入らない。


リングが3つがアーサー王!

 各プレイヤーは、同じ構成のカードを持ち、自分のコマを移動する「騎士カード」、アーサー王や王子を移動したり、リングをつけるアクションの「国王カード」と2種類に大別される。それらは別々のデッキになっているので、どのデッキからカードを補充するかは、プレイヤーの選択次第である。
 上級用ルールにおいては、手番に2枚のカードを任意の順番で連続してプレイする。さらに入門用では使用されなかった「決算カード」も導入するので、3つのデッキが用意されることになる。いずれにせよカードは使い切ることになるので、どのタイミングで、どのデッキからカードを引くかが悩ましい。入門用に比べて運の要素も減り、プレイヤー・コントロールの度合いも増すので、より戦略的に遊ぶことができる。そのためか対象年齢が12歳以上になっている。
 これまでにも、キング・アーサーをテーマにしたゲームは幾つか出ているが、それらとも全く異なるメカニズムを持ったゲームで、クラマーとキースリングの手腕を感じる。
 回転ボードをイメージしているうちに目が回って、ちょっと気持ち悪くなってしまった。状況が刻々と変化してしまうがために、自分の番にならないと最善手の判断がつきづらく、それ故ダウンタイムがかかる傾向にある。実プレイ時間は90分だった。

◎スコア(上級ルール採用) ※敬称略
rkusaba 144, Rael 125, 伯爵 47, 石川 115

◎Artus for BoardGameGeek
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/92643/artus

◎日本語ルール
http://www.boardgamegeek.com/filepage/66041/japanese-rulebook


パリスコネクション(クイーン)8歳以上/3〜6人/30分(8点)

 デビッド・V・H・ペーターが、ウィンサム・ゲームズから昨年発表した鉄道ゲーム「SNCF(フランス国有鉄道)」が早くもリメイクで登場した。
 パリを起点に鉄道網を敷設して、都市に繋げることで鉄道会社の株価が上昇する。できるだけ価値の高い株券を多く所持することを目指すゲームだ。
 機関車を模した木製コマは、ボードに配置する路線でもあり、株券でもある。この両方を兼ねつつ、別々の役割を担っているところが、特筆すべきアイデアと言えるのではないだろうか。


ウィンサムのリメイクも定番化?


フランス国内を鉄道コマでネットワークする

 全ての機関車コマを袋に入れて混ぜ合わせ、各自が規定数を引いたら、これが株券となる。残ったコマを袋から出して、それぞれの会社(色)ごとにまとめる。この仕分けが意外と手間がかかって面倒なので、参加プレイヤーで協力してやることで、少しは時間を短縮できるだろう。
 手番にすることは、任意の会社のコマをストックから1から5個取って、ボードのマスに配置して路線を伸ばすか、自分の所持する株券1個をストックに戻して、別の会社のコマを1個か2個に交換する。この2択だから実にシンプルだ。
 同じ色のコマは、隣接させて鉄道網が広げるように配置しなければならない。ひとつのマスには、2社までコマを置くことができるのだが、都市マスだけは1社しか置けない。またいずれかの会社の路線を閉じ込めてしまう意地悪い配置はルールで禁止されている。
 所持できる株券コマの数にも上限があって、これを超えてしまうと1個につき20点もマイナスされる。株券は増やすことはできても、減らすことはできない。これもゲームを面白くしているルールだ。
 ストックにコマが残る鉄道会社が1社だけになるか、いずれかの1社が鉄道網がマルセイユに繋がったら、ゲームは終了する。衝立で隠していた株券コマを公開して、チャートに従って得点計算する。最も得点の高いプレイヤーの勝利で、同点の場合は引き分けである。
 どのタイミングでゲームを終わらせるか、プレイヤーに委ねられているところがあるので、自分が勝ちきれると判断するには記憶力も重要になってくる。
 6人マックスと、5人でもプレイしてみた。どちらも展開が異なって、プレイ人数にかかわりなく30分程度でプレイ時間が収まるところも素晴らしい。鉄道ゲームというジャンルだけに、安定した面白さが保証されているような気もするが、その中でもリプレイ・バリューの高い魅力的なゲームである。


衝立裏のサマリー:持ち株の制限に注意!

◎スコア ※敬称略
6人>きり 68, 伯爵 108, Rael 115, クリリン 67, キツネ 67, 石川 97
5人>月斎 103,みゃんぽこ 97, 石川110 rkusaba 120, すぎやま 143

◎Paris Connection for BoardGameGeek
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/75358/paris-connection


アーティファクト(ウイニングムーブ)10歳以上/2〜4人/30分(6点)

 ミヒャエル・パームとルーカス・ツァックによるデザイン。
 プレイヤーは考古学探検家として、4つに断片化されて散らばった3種類のあるアーティファクト(国王の首飾りや置物や壷)のうち1種類を誰よりも最初に集めて完成させることを目指す、お宝争奪戦ゲーム。


「カルタヘナ」シリーズと同様のミドル・サイズ


発掘現場をランダムに配置

 まずスタートプレイヤーが2個のダイスを振って、4枚のタイルをそれぞれのその目に対応した発掘現場に配置する。
 全てのプレイヤーが同時に、各自が持つ3つの探検家コマをそれぞれ何マス移動させるかをカードでプロットする。10カ所の発掘現場は環状に並べられており、スタートプレイヤーから順番にカードを公開して、任意の方向へ探検家コマを数字分だけ移動させる。
 全プレイヤーのコマが移動を終えたら、1番の発掘現場から順番に判定処理を行う。発掘現場に1人のプレイヤーのコマしかなければ、そこにある全てのタイルはそのプレイヤーが獲得して、発掘現場のテキスト効果も受ける。複数のプレイヤーのコマがある場合には、最も多くコマを置くプレイヤーが、タイルを全て獲得するか、同じマスにいる他のプレイヤーからタイル1枚を奪うかする。そして発掘現場のテキスト効果も受けられる。最多同数の場合には、誰も何も獲得できない。
 以上のラウンドの流れを経て、誰も勝利していなければ、スタートプレイヤーを交代して、次のラウンドへと移行する。アーティファクトが完成すれば、ラウンドを最後まですることなく、直ちにゲーム終了となる。


4分割されたアーティファクト


コマの移動数をカードでプロット

 発掘現場のタイルの裏返し方法については、ドイツ語のルールブックにも曖昧にしか記載されていないという。ヴァリアント的に遊んでくれということのようだ。テキスト効果が増えるほど、煩雑な展開に陥りやすく、スタートプレイヤーが10面ダイスを振って、その番号の発掘現場のタイルを返すヴァリアントを採用しても面白いかも知れない。
 カードをプロットする段階での読み合いが楽しい。タイルの引き運の要素が強くはあるが、これぐらいの案配が丁度良いかも知れない。肝心なところで、婦人コマと長身男性コマの位置を間違えてしまった。逆にそれが功を奏したのか、先にアーティファクトを完成して勝利できた。

◎スコア ※敬称略
キツネ, すぎやま, みゃんぽこ, 石川 win

◎Artefakt for BoardGameGeek
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/99707/artefakt

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