ザヴァンドールのノーム(The Gnomes of Zavandor)

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気が付けば金余り
2010年の『ザヴァンドールの鉱山』に続いてルックアウトゲームズ社が手がけたザヴァンドールシリーズ最新作は、地下に住む精霊ノームが主人公だ。手先が器用なノームとなって、採掘された宝石を使って装飾品を作ったり、技術革新をしたりする。宝石とお金の価値が逆転していくところに芸術性を感じる作品である。作者は『順風満帆』のランズフォークト。
ペンタゴンのようなボードは、鉱山になっている。ここをノームが巡回し、必要な宝石を支払えば採掘できるようになる。タイルは裏になっていて、ダイヤモンドが取れるかエメラルドか、めくってみてのお楽しみ(事前にお金を払えば、中を見ることができる)。

ザヴァンドールのノーム
毎ラウンド、3アクションでゲームを進める。お金で宝石を買い、決められた宝石の組み合わせを集めて鉱山採掘権(毎ラウンド宝石が手に入る)か、アーティファクト(特殊能力)か、装飾品(得点)を取るのが基本。序盤は宝石を買うしかなく、しかも買うたびに宝石の相場は上がるので、とにかくお金が足りない。「4金をもらう」というアクションを多用することになるだろう。
お金は、アーティファクトの効果や、余分な宝石を売って手に入れるほか、毎ラウンド最後に全員にいくらか配られる。たくさんあれば、1アクションでたくさん宝石を買えるので有利だが、中盤くらいから、価値がどんどんなくなってくる。この変わり目をつかめるかが勝敗を分ける。
お金の価値がなくなるのは、みんなが宝石採掘権を増やし、買わなくても宝石を手に入れられるようになるのがひとつ。それから、宝石の相場は、採掘されればされるほどだだ下がりしていくからだ。終盤は、買ったほうが安いという状況にすらなる。
収入を増やすアーティファクトは序盤、喉から手が出るほどほしい。しかしある時点から、アーティファクトをスルーして、得点だけになる装飾品に乗り換えなければならない。この装飾品、憎いことに先に手に入れるほど得点が高い。お金も宝石も価値がなくなる終盤に装飾品を作っても、しょぼい点数しか入らない。
今回、アーティファクトか装飾品か迷ったとき、ついアーティファクトに手を出したのが失敗だった。その後金回りは良すぎるほどだったが、宝石の組み合わせがうまくいかず、装飾品に手を出せない。大金を残して負けた。勝者は、序盤からアーティファクトに特化したくさのまさんと、宝石採掘権に特化したcarlさんのうち、僅差でくさのまさん。
あのタイミングでは宝石だったとか、装飾品だったとか、後からいろいろ考えさせられる作品。まだかと思っていた終盤が一気に訪れるのが小気味よく、そして深い。
The Gnomes of Zavandor
T.ランズフォークト/ルックアウトゲームズ+ズィーマンゲームズ(2011年)
2〜4人用/10歳以上/75分

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