2015年6月アーカイブ

『デウス』日本語版、7月下旬発売

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デウス日本語版ホビージャパンは7月下旬、ベルギーの文明発展ゲーム『デウス(Deus)』日本語版を発売する。S.ドゥジャルダン作、2~4人用、14歳以上、60~90分、8,000円(税別)。

ゲーマーに人気のパールゲームズ(ベルギー)が2014年のエッセン・シュピールで発表した作品。ドイツ年間エキスパートゲーム大賞2015で推薦リストに入っており、これから発表されるドイツゲーム賞の入賞は確実とみられる。日本国内では英語版が流通していたが、人気で品薄になったため、日本語版が製作されることになった。

プレイヤーは各自5枚の建築物カードをもち、これらを使って建築物を建てるか、捨て札にして神々に捧げる。建物を建てるときは、ゲームボード上にコマが置かれ、カードは個人ボードの上にそれぞれの色ごとに重ねておく。このとき、以前に置いたカードも効果が発動する。カードの種類は6種類あり、赤い軍事カード、茶の資源カード、黄の交易カード、青の得点カード、紫の寺院カード、緑の様々な効果をもつカードがあり、どれに特化させるかによって展開が大きく左右される。

捨て札にして神に捧げるときは、捨てたカードの種類に関連する神の助力を得るが、捨てるカードが多ければ多いほど、その力は大きい。どこまで出して、どの時点で捧げるかの選択もしびれる。

ゲームボード上の蛮族の村をすべて包囲して攻撃するか、すべての寺院が建築されたらゲーム終了。カードの効果で得た得点を競う。どの行動を取ればアドバンテージが取れるかも悩ましく、カードのプレイと陣取り要素がミックスした作品だ。

TGiWレビュー:デウス(Deus)

デウス日本語版(コンポーネント)

ホビージャパンゲームフェスティバル2015、7月18-19日開催

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7月18日(土)と19日(日)の2日間にわたって、シダックスホール(JR渋谷駅徒歩8分)にて、ホビージャパンゲームフェスティバル2015が行われる。第5回ドミニオン日本選手権のほか、各種大会や物販も行われる。

ドミニオン日本選手権は18日に予選、19日に決勝が行われる。優勝者は8月にアメリカ・ジェンコンで行われる世界選手権への出場権と、渡航費補助10万円を獲得。世界選手権は過去4回中、3回を日本代表が制しており、今年も日本代表の活躍に期待がかかる。予選は事前予約の先着順(午前午後各128名)。予約はこちらのページで受け付けている。予選では基本セットと『異郷』、決勝では未発売の『冒険』を除く全セットとプロモーションカードが用いられる。

今回、世界選手権につながる大会は『ドミニオン』だけだが、18日に『キング・オブ・ニューヨーク』と『ジャングルスピード』の日本選手権、19日に『ブルームーン:レジェンド』と『宝石の煌き』と『世界の七不思議』の日本選手権も行われる。また、テンデイズゲームズ主催による『ペッパー』大会も19日に開かれる。いずれも当日受付。

物販コーナーはホビージャパンの新作、B級品、会場先行販売などが予定されている。真剣にゲームを遊び、買い物も楽しんでこよう。

ホビージャパン:ホビージャパンゲームフェスティバル2015

王への請願(Um Krone und Kragen)

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パズルライクに盛り上がる

王への請願

ドイツで10年近く前に発売されたダイスゲームが今年、日本語版になった。オーストリアやアメリカでいくつかの賞にノミネートされているものの、ドイツでは受賞歴のない作品である。しかし日本では発売後もずっと人気が続き、絶版後も中古市場で高値がついていた。日本でだけ人気が高かったのはどうしてなのか、興味深い。

最初は3個だけダイスを振ることができる。1個以上確定させれば、残りを振り直しできる。この結果で、カードをもらう。ペアができれば「農夫」、出目の合計が15以上なら「職人」、スリーカードができれば「衛兵」。この辺りが最初の狙い目だ。カードを取ると、次の番からダイスが1個追加されたり、出目を変えたりすることができるようになる。その力を使って、フォーカード、ツーペア、出目の合計が20以上......といった上級のカードを取りに行く。

カードが増えてくると、考えることが多くなる。どのカードの効果をどのタイミングで使うか、センスが問われるからである。一か八か高いカードを狙ってもいいし、手堅いところを取りにいくのもよい。このあたりは性格が出て面白い。

以前アミーゴ版を遊んだときには、カードの効果の組み合わせを考えるのがダイスゲームにしてはテンポを悪くしていると感じた。一投するたびに、あの効果を使うか、それともこの効果を使うかと悩むのはまるでパズル。シンプルなルールの割にプレイ時間が長めで、ドイツで評価されなかったのもそのせいかもしれない。

しかし今回コザイク版を遊んでみて、このパズル風味こそが、このゲームの醍醐味であり、日本で評価されたポイントではないかと思った。カードを使う順番が決まって当初は無理かと思われたカードが手に入ったときの嬉しさ。あと一歩というところまでもっていきながら、最後の一投を外したときの悔しさ。取得条件がどんどん難しくなっていくのがチャレンジ精神を刺激する。

最後は、誰かが同じ出目を7つにして「国王」を取ると、そこから1周の間、それよりも強いゾロ目を出す挑戦をする。ダイスがより多いか、ダイスが同じ個数ならより出目の大きいほうが強い。1周の間に誰かが上回ればそこからまた1周。こうして誰も上回る人がいなければその人の勝ちとなる。

最初に「国王」を取れば、ダイスが1個追加される「王妃」もついてくるが、これで勝てるとは限らず、まくられることが多い。そのため、「国王」を取れる状態でも無理に狙わず、別のカードを取って力を蓄える作戦もある。誰が「国王」を取って終了トリガーを引くか、最後の駆け引きも独特の面白さがある。「このゲームは国王を取ってからがスタート」というのも分かる。

ダイスゲームにしてはじっくり考えるところと、最後に大役を目指して盛り上がれるところがこのゲームが日本で評価されたポイントではないだろうか。イラストも油絵調のアミーゴ版から擬人化された動物に変わり、より楽しそうになっている。

王への請願
T.レーマン/アミーゴ(2006年)・cosaic(2015年)
2~5人用/10歳以上/45分

デザイナーと出版社でトラブル相次ぐ

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アメリカのボードゲームデザイナーD.ヴァッカリーノ氏は、『キングダムビルダー』版元のクイーンゲームズ(ドイツ)が2014年分の印税を支払わないまま、次の拡張セットのプロジェクトをキックスターターで発表したことを明らかにし、これ以上の猶予を与えたくないと不快感を表した。

『キングダムビルダー』は2012年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞し、拡張セットとして『遊牧民(Nomads)』と『十字路(Crossroads)』がこれまで発売されている。3番目となる拡張セット『湿原(Marshlands)』は6月19日からキックスターターで資金募集が開始され、目標額の5000ドルの10倍にあたる50000ドル(約620万円)の出資を約800人が表明していた。

ヴァッカリーノ氏の発言を見た出資者がキックスターターのコメント欄に殺到。クイーンゲームズは週明けに対応すると回答したが、ヴァッカリーノ氏によるとクイーンゲームズから謝罪があり、来年分の印税も支払うという。クイーンゲームズは第3拡張セットのキックスタータープロジェクトについて、ヴァッカリーノ氏は反対していないとしながらも、現在のところプロジェクト自体がキャンセル扱いとなっている。

また、イギリスのボードゲームデザイナーM.ワレス氏は、イーグル・グリフォンゲームズ(アメリカ)が『ブラス』の再版プロジェクトをキックスターターで開始したことに対して、すでに版権が切れていると述べ問題となっている。

『ブラス』はM.ワレス氏の個人メーカーであるウォーフロッグ(現・ツリーフロッグ)から2007年に発売され、イーグル・グリフォンゲームズが2009年に第2版を発売した。この際の契約は2013年までで、再版プロジェクトが立ち上がってからワレス氏はイーグル・グリフォンゲームズに何度も問い合わせたが返事がなかったため、事態を公にした。このままならばキックスターター事務局に連絡して、このプロジェクトを止めさせるという。

イーグル・グリフォンゲームズはM.ワレス氏の告発が事実に基づいていないとし、『ブラス』の版権は継続していると主張。両者の協議が決着するまで、『ブラス』再版プロジェクトは始められない見通しとなっている。

今回はたまたまどちらもキックスターターがきっかけとなったが、出版社がデザイナーを軽視していることが相次いで明らかになり、デザイナーの権利保護が改めて問題となりそうだ。

ICv2:Designer Comments Roil 'Kingdom Builder' Kickstarter
ICv2:Another Game Designer-Publisher Dispute Sparked by Kickstarter

『ビックリマン 悪魔VS天使 人生ゲーム』発売

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タカラトミーは25日、ロッテと共同開発による『ビックリマン 悪魔vs天使 人生ゲーム』を発売した。2~6人用、6歳以上、5,800円(税別)。

チョコレート菓子「ビックリマンチョコ(悪魔vs天使)」の発売30周年を記念して制作された人生ゲーム最新シリーズ。懐かしの「ビックリマンカード」を105枚収録。ビックリマン<悪魔vs天使>シリーズのストーリーに沿って、天使として仲間(ビックリマンカード)を増やし、次界を目指す。最終的には1位ではなく、「ビックリポイント」の最も多いプレイヤーが勝利する。

「ビックリマンカード」にはホログラムのヘッドももちろん入っており、悪魔・天使・お守りのカードが揃うとポイントが高まる。また、ビックリマンチョコを模したパッケージに、ウエハース型の内箱と見た目にもこだわった。マス目にも人気のキャラクターのほか、「聖神パシーでヘッドロココにパワーアップ」や「シャーマンカーンの理力パワーが悪魔をキャッチ」などの懐かしいテキストが散りばめられている。

これと同時にパッケージやシールのデザインが異なる「30th限定ver.」も発売されている。価格は同じだが受注生産で、注文受付は終了している。

タカラトミー:ビックリマン 悪魔vs天使 人生ゲーム

『ウェブDBプレス』にボードゲーム記事

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6月24日発売のプログラミング技術情報誌『WEB+DB PRESS』87号に、「ゲームルールの作り方―ボードゲーム開発から学ぶ「楽しさ」の源泉」という特集記事が26ページにわたって掲載されている。

Webアプリケーション開発者向けの雑誌で、プロダクトアーツの坂上卓史氏が執筆した。グラフィックや音楽だけでなく、ゲームのルール自体を深く掘り下げる。

ボードゲーム以外の雑誌で異例ともいえる長い記事は章立てになっている。第1章「夢中にさせる魅力はどこから来るのか」では、ボードゲームの特性を社会性、芸術性、物質性、思考性という4つのキーワードで分析。さらにボードゲームでよく使われるシステムをエリアマジョリティ、拡大再生産、ワーカープレイスメントなどを紹介する。

第2章「コンセプトの決定」では、プロダクトアーツの『ART OF WAR the card game』を実例として、ターゲットやテーマの設定、アイデアの生み出し方などデザイン過程を明らかにしていく。「テーマが先かシステムが先か」といったボードゲームデザインではおなじみの議論も。

第3章「ゲームデザイン」第4章「完成に向けて」では、プロトタイプやテストプレイといった製品化への過程を紹介。なぜ面白くないかを自己分析する基準や、バランス調整の方法、さらにはリリース後のアップデートにも触れられている。

ゲームアプリ開発者が急増していることに応えた記事だというが、ボードゲーム愛好者にも、ボードゲームを普段とは違った視点で見られる記事となっている。

技術評論社:WEB+DB PRESS Vol.87

戦国時代カードゲーム『秀吉軍団』クラウドファンディング、6月30日まで

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文禄オリジナルは、4月から戦国時代カードゲーム『秀吉軍団』の製品化プロジェクトを発表し、クラウドファンディングMakuakeにて資金募集している。3000円以上の出資で製品版が送られる。目標額80万円はすでに達成済み。6月30日まで。

豊臣秀吉が天下統一を果たした直後が舞台で、プレイヤーは加藤清正、小西行長など秀吉軍団の総大将となり、戦功を競い合いながら、大大名へと出世することを目指す。豊臣家の派閥争い、関ヶ原の戦いを経て、最終的に最も戦功報酬を獲得したプレイヤーが勝者となる。2~7人でプレイ時間は約60分。4人、6人でのチーム戦も可能。

文禄オリジナルは、エンタメ系ライターの澤田英繁氏がこの製品のために立ち上げたブランドで、このカードゲームが初作品となる。目標額を達成したので、1000セットの製作を予定。出資者には製品版3240円から割引になるほか、発売日前に届く特典がある。1500円の出資で試作版、7000円以上の出資で製品版とTシャツが送られる。

Makuake:目指すは100万石の大大名 戦国時代カードゲーム「秀吉軍団」を商品化したい

アブラカ・・・ワット?(Abraca...what?)

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とりあえず「4」!

アブラカ・・・ワット?

名作の数当てゲーム『ドメモ』(1975年)が発売されてもう40年になる。日本でも2009年に待望の日本語版が発売されロングセラーとなっているが、これに要素を加えた作品が昨年、韓国で出版された。今年になってドイツ語版"Simsala... Bumm?"が発売になり、ドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに選ばれている。プレイ感がだいぶ変わり、一発逆転のギャンブルに出たり、配牌がうまくないときでも勝てたりといった新しい戦略が可能になっている。

1が1枚、2が2枚、3が3枚・・・という札を全員に規定枚数だけ配り、各自自分は数字が見えないように、ほかの人に向けて並べる。自分の番が来たら数字を言って、その数字が自分の前にあったらとなりの人に倒してもらう。こうしてほかの人より早く、自分の札を全部倒してもらえば勝ち。ここまでは全く『ドメモ』である。

違うところは主に3つある。ライフポイント、数字があたったときの特殊効果、連続手番では数字を下げられないルールである。

まずライフポイントは各自がもっているもので、外れると減ってしまう。だから当たったときに、それ以上続けるか、やめて次の人の番に替わるかという選択肢がある。特殊効果で増減することもある。誰かのライフポイントが0になったら1人負けでラウンド終了。このため『ドメモ』と違って、まだ全部当てられていない状態でラウンドが終わることがある。自分の札がなかなか減らせないとき、ライフポイントをセーブして生き残りを狙うという戦略も取りうる。

数字が当たったときの特殊効果は、ほとんどが他プレイヤーのライフポイント減か、自分のライフポイント回復である(数字によって対象や強さが異なる)。一般に数字が低いほど効果が強まり、1枚しかない「1」を当てると、ダイスを振ってその分だけ全員のライフポイントを減らすことができる。「2」でも全員がライフポイント-1、自分だけ+1。ついつい小さい数字を言いたくなる。

ゲームのポイントとなるのは「4」で、これが当たると、配られなかった札を1枚、自分だけ見ることができる。この情報は限りなく有利なので、迷ったら「4」というのがよい(そして撃沈する)。

そして連続手番では数字を下げられないルール。数字が低いほど特殊効果が強いならば、大きい数字から消去法的にいいたくなるのがゲーマーだが、それは許されない。数字が当たった場合、連続して手番ができるが、当たった数字以上を言わなければならない。これがうまく機能していて、どれくらい低い数字から始めるかというチャレンジがドキドキする。

ラウンドが終わったら、1人負けか1人勝ちかによって得点をつけ、誰かが規定点に達するまで続ける。だいたい3~4ラウンドで終わるようだ。

5人プレイで30分ほど。推理の要素はそのままで、小さい数字をいう理由がブラフ以外にもあるが、ゲームをより一層エキサイティングにする。手札は大きい数字ばかりなのに小さい数字からいってなかなか当たらないときでも、特殊効果で誰かが負けてくれて助かったことも。「1」はなかなか言えないが、「4」は結構ありそうな数なのでついつい言いたくなるのがワナのようだった。「とりあえず4!」「ないですよー」「私も4!」「だからないって」「だったら私が4!」「あっ、ありました!」

比べると『ドメモ』のほうがシンプルでいいという方もいるだろうが、推理偏重で息が詰まるという方にはこちらをお試し頂きたい。

Abraca