リバーボート(Riverboat)

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大農場の夢は儚く

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19世紀初頭のアメリカ・ミシシッピ川沿岸でいろいろな野菜を育成・販売するボードゲーム。今年のエッセン・シュピールの新作で、作者はM.キースリング。『アズール』『ヘブン&エール』『リワールド』にこの作品と、一挙に4タイトルが発表されている。イラストはルックアウト社ではおなじみのK.フランツである。

ゲームは5フェイズに分かれ、これに対応する5枚のフェイズカードを時計回り順で取るところから始まる。2周目もあって全てのフェイズカードが取られるのと、フェイズの順番は固定なので、『プエルトリコ』のようなバリアブルフェイズ・システムではない。しかし、各フェイズカードをもっていると手番が先というだけでなく、ボーナスも与えられるので、ここからすでに考えることは多い。各フェイズは、そのフェイズカードをもっているプレイヤーから行う。

フェイズ   全員が順番に行うアクションフェイズカードのボーナス
1プレイヤーボードに労働者を配置する追加の労働者
2労働者を置いたところに畑タイルを置く1金
3作物を収穫して出荷する港の親方が1マス進む
4得点カードを取る1点
5鑑定人で得点する1金/港の親方/出世


第1フェイズは労働者の配置。フェイズのリーダーが1枚ずつカードをめくり、各自対応する地形に労働者を置く。できるだけ密集させて配置したほうが、次のフェイズで畑を耕しやすい。第2フェイズでは、労働者を配置したマスのかたちに沿って、中央から畑タイルを取り、労働者の下に敷く。ここでも同じ作物をできるだけ近づけたほうが、次のフェイズで効率よく出荷できる。第3フェイズは作物を1種類指定して、その畑にある労働者を取ることで、その数に応じた船タイルを獲得する。この船タイルはいろいろなボーナスがあるほか、ゲーム終了時には港の親方の進み具合に応じて追加得点もある。

第4フェイズは自分の畑の状況に応じて得点が入るカードを取る。しかし得点になるのは取ったときではなく、第5フェイズで鑑定人を置いたときである。そのため序盤では得点化せず、その方向で畑を成長させて大量得点に結びつけてもよい。

第5フェイズまで終わったらフェイズカードを戻し、スタートプレイヤーを左どなりに交替して次のラウンドへ。4ラウンドで得点を競う。

基本は畑を大きくして大量出荷を狙うゲームだが、それと対立する得点要素が、ニューオルレアンへの出世である。このボーナスを得ると、自分の労働者を中央ボードに送り込まなければならない。ゲーム終了時には出世した労働者の数が多い順に得点が入るのだが、畑で働く労働者がいなくなるのが悩ましい。ほかにも畑に置いて鑑定人で得点化する井戸や小屋もあって一筋縄ではない。

4人プレイで90分。労働者や作物をまとめるのは運や駆け引きもあって容易ではなく、それを補うコインの使い道が勝敗を分けたようだった。ここぞというところでコインを投入し、大得点源を作った鴉さんの勝利。欲しいものを取るタイミングをほかのプレイヤーとずらして、競合しないようにしていたのが上手い。

言語依存がなく、アイコンも分かりやすくて、ルールの消化よりもほかのプレイヤーとの駆け引きにたっぷり時間を使える作品。欲しいものが取られたら次善の策、それもできなかったら次の次の策と考えていくのが面白い。

Riverboat
ゲームデザイン・M.キースリング/イラスト・K.フランツ
ルックアウトシュピーレ(2017年)
2~4人用/10歳以上/90分

2017年11月

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