2018年7月アーカイブ

ウェルカム・トゥ......(Welcome To...)

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住みよい街をめざして

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めくられたカードの数字を書き込んで、住みよい街を作るフランスの紙ペンゲーム。『ストリームス』のような同時プレイスタイルで、プレイ人数を問わず何人でも遊ぶことができる。1950年台のアメリカのレトロな雰囲気が、単なる数字合わせ以上の没入感を生み出している。

場には3つの山札があり、それぞれカードをめくって数字とジャンルの組み合わせが3つ作られる。各プレイヤーはこれを見て、3つの中からどれかを選んで自分のシートに書き込む。数字は3列ある家のいずれかに昇順に記入し、さらにジャンルに応じてチェックを付ける。

ジャンルは測量技師、不動産業者、造園業者、プール製造者、派遣業者、「2ヶ所」の6種類。測量技師は家と家の間にフェンスを作って団地を作る。不動産業者は団地の得点を上げ、造園業者は公園、プール製造者はプールを作って得点を増やす。派遣業者は数字を調整でき、「2ヶ所」は2マスに同じ数字を書ける。

昇順に数字を記入していくと後半はだんだん書き込めなくなってくるが、3択あるところが手詰まりを緩和させている。数字をどのあたりに書き込むかという悩ましさに加え、この3択の悩ましさがゲームに熱中させる要素だ。「この数字を書きたいけど、測量技師も取りたいところ。どうしよう!」

悩ましい分、インスト時間・プレイ時間も紙ペンゲームとしては長め。『ガンツシュンクレバー』と比肩しうる、遊びごたえのある作品だ。

Welcome To...
ゲームデザイン・B.チューパン/イラスト・A.エーズィック
ブルークッカーゲームズ(2018年)
1~100人用/10歳以上/25分

ボドゲde遊ぶよ!! phase 11-13

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マテル社は7月下旬、2人用ゲーム『リング迷路(Trailmazer)』『ボルテージ(Voltage)』日本語版を発売する。ともに10歳以上、15分、2200円(税別)。

同時発売となる2人用ゲーム『ブロックス・デュオ』と同じサイズでリリースされる2タイトル。『リング迷路』はユルゲン・ヘール氏の作品で、自分の色のリングを1つ投入し、スタートからゴールの対辺まで先につなげたプレーヤーが勝つアブストラクトゲーム。リングは縦横に押し込まれると移動するので、相手のルートを分断したり、その分断を先読みして別ルートを開拓したりする必要がある。

『ボルテージ』は電流がテーマにしたブライアン・ユー氏の2006年の作品。「+」「-」が書かれたターミナルブロックをボードの中央に置き、1~3の数字カードをブロックの色に合わせて縦に並べ、5枚になったら数字の合計とブロックの「+」「-」によって勝敗が決まる。「+」「-」を反転させる「トランスフォーマー」やカードを移動させられる「バイパスカード」、カードを捨てられる「ブラウンヒューズカード」などがあって戦略が求められる。

マテル:ウノやブロックスで大人気のマテルゲームより子供から大人まで楽しめる待望の2人対戦用ボードゲームが新登場!「ブロックス デュオ」7月下旬より発売

ゲームマーケット2018春(5月5-6日、東京ビッグサイト)で発表された新作の評価アンケート結果が本日、事務局から発表された。555名が投票し、425タイトルの新作の中から評価平均1位は『Alpenzian(アルペンツィアン)』(梟老堂)、評価数1位は『すずめ雀』(すごろくや+しのうじょう)となった。

新作評価アンケートはゲームマーケット終了後約1ヶ月にわたってウェブ上で行われた。Googleアカウントがあれば誰でも投票でき、各ゲームを5段階で評価したものを、とても面白い=5~全く面白くない=1として数値化してランキングした。

評価平均1位となった『Alpenzian』はオランダのゲームデザイナーが制作した作品"Sunflower Valley"のリメイク。サイコロを振り、出目のアイコンに応じた絵を自分のプレイヤーシートに描きこんで街を作るゲームで、山と花、家と羊、線路をつなぐことで得点を競う。2位の『シープマッチ』はチームで羊を逃がすカードゲーム。3位の『まじかる☆ベーカリー』はダイス目を魔法で操作してパンを作るカードゲーム。評価数ではすごろくやの『すずめ雀』がオインクゲームズの『ふくろと金貨』を抜いて1位となった。それぞれのランキングは以下の通り。

また、得票数が規定に及ばなかったものの、平均評価が高かった作品として『ガブル -GABURU-』(プレイマーケット)、『マンチェスターレイルロード(And You)』、『はっけよいゲーム』(米光と優秀なゲームデザイナーズ)、『エクストリームス』(サイ企画)、『Marché de France』(慶應大学Head Quarter Simulation Game Club)が挙げられている。

事務局では今回、対象作品への投票において著しい偏りが見られたとして6タイトルを参考評価とし、ランキングから除外した。またタイトル数の急増に伴い、投票づらくなっていることから、次回から新投票システムの導入を検討している。

【ゲームマーケット2018春:新作評価アンケート結果】
1.Alpenzian(梟老堂)4.40/57(評価数5位)
2.シープマッチ(たま々)4.32/38(評価数10位)
3.まじかる☆ベーカリー(Magi Inc.)4.31/29
4.ペーパーテイルズ(engames・日本語版)4.26/27
5.□□○○○(一年中未来)4.21/33
6.Blade Rondo(Domina)4.21/29
7.東京サイドキック(リトルフューチャー)4.18/45(評価数7位)
8.さけのぼり(こぐまやん)4.16/62(評価数4位)
9.たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。(CRIMAGE)4.08/36
10.グラバー(New Games Order)4.06/49(評価数6位)
11.バスルートをつくろう(Saashi & Saashi)4.03/39(評価数9位)
12.ストックホールデム(OKAZU brand)3.96/27
13.HIKTORUNE (ヒクトルーン)(こぐま工房)3.94/31
14.すずめ雀(すごろくや+しのうじょう)3.77/91(評価数1位)
15.ボブジテンその3(TUKAPON)3.76/33
16.ハピエストタウン(さとーふぁみりあ)3.74/70(評価数3位)
17.アネクトパンチ(グランドアゲームズ)3.54/26
18.ふくろと金貨(オインクゲームズ)3.49/74(評価数2位)

ゲームマーケット公式:【結果発表】2018春 新作評価アンケート
TGiW:GM2018大阪新作評価アンケート結果、1位は『ダンコロ』
TGiW:GM2017秋新作評価アンケート結果、オリジナル1位は『戦国ドミノ』

ガンツシュンクレバー(Ganz schön clever)

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かわいいふりしてあの子

5年前、『クウィックス』がドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされてから、ダイスロール&記入式(Roll 'n Write)のゲームが注目されている。『ヤッツィー(1956)』『ダイスビンゴ(2007)』『ロール・スルージエイジズ(2008)』などそれ以前にも皆無ではなかったが、『クウィックス』以降は毎年10タイトル以上発売されるようになった。

その中で発売されたこの作品が、今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた。タイトルは「割とやるもんだね」という意味。『クウィックス』よりも確かに選択肢が多く、プレイ時間も2~3倍かかる。ダイスゲームだから運の要素は大きいが、という手があってゲーマーの快楽ポイントを押さえている。

手番プレーヤーは6個のダイスを振り、そのうち1個を選んで自分のシートに記入し、残ったダイスを振って、また1個選び......ということを3回まで行う。選んだダイスより小さい目のダイスは除外されるので、はじめに大きい数字を選んでしまうと残ったダイスが減り、選択肢の幅が狭まる。しかし大きい数字ほど得点につながるので取っておきたいというジレンマがある。

手番以外のプレイヤーは、手番プレイヤーが使わなかったダイスから1つ選んで記入する。あまり大きい数字は残らないが、自分のシートの状況を見て、得点が伸びそうなものを選ぶ。

こうして記入するシートはダイスの色別になっていて、それぞれ得点が入る仕組みが異なる。ビンゴのように縦か横が全部埋まったら得点になる色もあれば、書き込んだ出目がそのまま得点になる色も。

このゲームの醍醐味は、得点だけでなくボーナスが入ってゲームが加速していくところにある。リロールできる、もう1個多くダイスを取れる、別の色のマスを埋められる、色別の得点が倍になるの4つ。後半になるとこれが連鎖して、別の色のマスを埋めたら、その効果でさらに別の色のマスが埋まり、その効果で......という「ずっと俺のターン」が起こる。

ただ調子に乗りすぎて「リロールできる権利」や「もう1個多くダイスを取れる権利」を使い果たすと、終盤どのダイスを選んでも記入できない事態に。ダイス運を上手にコントロールできた人が勝つのだ。

4人プレイで30~40分。連鎖が始まる中盤から、連鎖の処理だけでなく考えどころがぐっと増えてじっくりゲームになる。ダイス目に一喜一憂する醍醐味を残しつつも、ダイスゲームはライトに遊ぶものだという固定観念を打ち破る作品だ。

Ganz schön clever
ゲームデザイン・W.ヴァルシュ/イラスト・L.シファー
シュミットシュピーレ(2018年)
1~4人用/8歳以上/30~45分
メビウスゲームズ:ガンシュンクレバー
お金ないんでルール読んで妄想遊戯:『ガンシュンクレバー』 1人用の無料ブラウザ版で遊ぼう

福岡西新で「ボードゲームフェスタ7」、7月15日開催

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7月15日(日)、福岡・西新パレス(地下鉄西新駅徒歩1分)にて、「ボードゲームフェスタ7」が開催される。10:00〜19:00、入場料1000円(公式物販500円引き券付き)。

7回目となる九州地方最大のボードゲームイベント。試遊や購入を楽しめるほか、会場内イベントがたくさん用意されている。11:00から井尻サイコロ塾・財津塾長による講演「ボードゲームと学びについて」、13:30からポッドキャスト「おしゃべりサニバ」公開収録、14:30と17:00から人狼ゲーム、16:00から「ナンバーナイン王者決定戦!」。

公式物販はボードゲームショップagletの出張販売として新作から定番商品、当日体験したゲームのほとんどを購入可能。また出展サークルは梟老堂、ボドクマ、サザンクロスゲームズ、ビストロ怪談倶楽部、エドシュピール、グランドアゲームズ、ベリーマッチ・トイ、紙の城、agletGamesの9団体で、創作ゲームの頒布などを行う。

回を重ねるごとに充実度を増すお祭り、今回も存分に楽しめそうだ。

福岡ボードゲームフェスタ7

7月14日(土)に神戸・三宮の「KIITO」にて、「ボードゲームフリーマーケット8 in 三宮」が開催される。ポートライナー「貿易センター」駅徒歩10分、13:00~17:00、入場無料。

2012年から昨年まで大阪で行われてきた中古ボードゲーム販売イベントが、三宮に会場を移して8回目を迎える。遊ばなくなった中古ボードゲームのほか、創作ゲーム、関連グッズ、輸入ゲームも販売される。出展するのはボードゲームショップ、創作ゲームサークルなど51団体。昨年の36団体から大幅に増えた。

TTBこと富本尚志氏による恒例の公開オークション、ボードゲーム研究室!のカワサキ氏によるゲームプレイスペース、さらに赤ちゃん休憩所もあり、家族連れにも対応。買って遊んで交流もできるイベントだ。

開場前の待機列は12時から。

ボードゲームフリーマーケット8 in 三宮 link

sidcivnewdawnJ.jpgホビージャパンは8月上旬、文明発展ボードゲーム『シドマイヤーズ シヴィライゼーション:新たな夜明け(Sid Meier's Civilization: A New Dawn)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・J.キニッフェン、イラスト・、2~4人用、14歳以上、60~120分、6000円(税別)。

ファンタジーフライト社から昨秋発売された作品。ベストセラーのPCゲームシリーズを戦略的ボードゲームとして再現した。このPCゲームをもとにしたボードゲームとしては、2002年のイーグル・グリフォンゲームズ版、日本語版も発売された2010年のファンタジーフライトゲームズ版に続いて3タイトル目となるが、全てデザイナーも異なる別の作品でリメイクではない。

プレイヤーは領土を拡大し、新たな技術を獲得し、世界遺産の多くを建設する文明・外交・制覇のボードゲーム。手番には5枚のカードの中からカードを1枚プレイする。近隣国家と外交関係を設立するためにキャラバンを展開したり、軍事力を用いて戦ったり、自文明の支配権を広げたり、カードをグレードアップしたりシていく。また、資源は新都市の建設に使うことも、世界遺産のために使うこともでき、強力な効果が得られる。

毎回、無作為に選ばれる目的と可変のマップで、他のすべてを超越して歴史に名を残すのはどの文明か?

「これまでにいくつもの帝国が興っては滅びてきた。過去を顧みよ。そうすれば未来を見通すこともできる」――マルクス・アウレリウス

内容物:ルールブック1冊、プラスチック製フィギュア44個、指導者シート8枚、マップタイル16枚、イベントダイヤル1枚、技術ダイヤル4枚、フォーカスバー4本、6面ダイス2個、フォーカスカード80枚、都市国家カード16枚、外交カード16枚、世界遺産カード24枚、勝利カード5枚、さまざまなトークン240枚 他


神奈川・川崎に11日、ボードゲームカフェ「FLiP DROP(フリップ・ドロップ)」がオープンする。JR川崎駅東口徒歩3分、13:00〜23:00、不定休。

28席で200種類のボードゲームが遊べる。料金は平日1時間300円(最初の1時間のみ400円)、土日祝1時間400円。ワンドリンク付きの5時間パックは平日1500円、土日祝2000円。一人や、ボードゲームが初めてでも入店しやすいように、短時間でも安めに料金設定されている。

ドリンクはソフトドリンク300円、輸入ビール、焼酎、ウィスキー、サワー、テキーラ、カクテル類が500~600円。フード持ち込み可。

ボードゲーム愛好者でもある店長の物河(ものかわ)氏は、楽しい場所、遊べる場所を作りたいという。そこで入店時に名札をつけて客同士のコミュニケーションも取りやすくしたり、各テーブルに電卓・ダイストレイ・ホワイトボードなどを入れた「お道具箱」を用意する。

同人ボードゲームの委託販売も検討中。今後の予定として、ゲームデザイナーによるインスト会、初心者向けボードゲーム会、テストプレイ会などの交流会などを考えており、持ち込み企画も歓迎する。

ボードゲームカフェ FLiP DROP
神奈川県川崎市川崎区砂子2-4-20 402号室
[Twitter ]

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ボードゲームのポジティブな効用の伝え方

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ボードゲームの卸売をしているKleeblattの畑直樹氏が、ほらボド!のインタビュー で販促イベントの興味深いエピソードを披露している。畑氏は木のおもちゃ屋さんの販促でデパートなどに手伝いにいったとき、試遊して楽しんでもらっても、なかなか買ってもらえなかったという。楽しかったといっても買うのは10人に1人もいない状況。そこで仕事のやり方を変えて、「楽しんだ後にちょっと理屈っぽいことを言う」ことにした。例えば『ドブル』を遊んでもらった後に、「ドイツではこういったゲームを遊ぶ中で、人のことをよく見る力が身につくように使われている」という。そこにはドイツの保育園で研修を積んできた保育士としての経験の裏打ちがあるわけだが、そのような説明をすることで10人に3人、4人と買ってもらえるようになり、現在では年間100回ぐらいの講演活動を行っているという。

こういったボードゲームのポジティブな効用がコマーシャルに使われることが最近多い。バンダイは『ドンジャラドラえもん』の発売について、「脳トレ」でおなじみの川島隆太・東北大学教授から「ドンジャラの遊びは、相手の手を読むなど脳が活性化し、分析力・協調力・集中力・記憶力などが育まれる。また、家族みんなで遊ぶことで、愛着と共感性が強まる」というコメントを引き出しており(ソース )、またマテルは『ブロックス』で遊んでいるときとスマホの対戦型ゲームで遊んでいるときの脳血流量を比べ、『ブロックス』のほうが脳の前頭葉のはたらきが活性化しており、それは戦略性やコミュニケーションが関係しているという古賀良彦・杏林大学名誉教授の分析を発表している(ソース )。

川島隆太教授の分析はボードゲーム一般にも言えることであり、もっと効果的なボードゲームもたくさんあるだろう。また古賀教授の実験はスマホゲームには音楽や漫画のように脳を休める/リラックスさせるはたらきがあるわけなので当然の結論といえる。しかし少なくとも「頭に良さそう」というイメージアップには成功しているといえるだろう。

ゲーム研究家の草場純氏は、当サイトの質問に対しこういった知育効果について絶対否定派であるという。

(ゲームを含めた)遊びは、楽しいからやるのであって、それ以外の理由は不要どころか有害です。「頭のよくなる......」と言ったとたんに、それはゲームの資格を失っているとすら思います。もちろん親に対する方便という意味では、分からないではないです。しかし、それはゲームを汚す欺瞞であると思います。

畑氏もボードゲームは楽しいだけでいいと思いつつも、知育効果を説いているのは、販促イベントで遊んで終わりではなく、買って帰ってもらって、毎日ちょっとした合間にお父さんお母さんと遊んでもらいたいという願いがあるからという、方便の立場である。おそらくボードゲーム愛好者の多くは、ボードゲーム自体の楽しさを知っているがゆえに、その効用など意識しないのではないだろうか。

「ボードゲームは脳を活性化する」という言説は経験的に分かるところだが、それは楽しんだ結果であって、目的とするのは、教育熱心な親の注目を集める以上の意味はないように思われる。知育の香りが少しでもすると子どもは警戒するということにも注意を払わなければならないだろう。

かくいう私もこの頃、ボードゲームで「非認知能力」を伸ばすという話をしている。ゲーム内の協力により自信、やる気、外交性、社会性、協調性が、ルールを守ることにより忍耐力、自制心、勤勉性が、負けてもめげないことにより自分を客観的に見る力や凹まない力が、戦略的思考により複眼力が、新しい手を考えることにより創造性や好奇心が養われ、それは子どものこれからに大いに役立つでしょうと。ただしこれが目的になってしまわないように、家族で一緒に楽しむことが一番大事であることを伝え、実際にボードゲームをいくつか遊んでもらってから結果として実感してもらうようにしている。

ボードゲームのポジティブな効用は、それが取っ掛かりになるのはよいとしても、それが主目的にならないように伝える工夫が、魅力を失わせないために必要である。

scotlandyardksJ.jpgアークライトは8月9日、『スコットランドヤード カードゲーム(Scotland Yard: Das Kartenspiel)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・I.ブラント&M.ブラント、イラスト・F.フォーヴィンケル&T.ヴォルバー、3~5人用、9歳以上、20分、2200円(税別)。

1983年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞し、ロングセラーとなっている怪盗追跡ゲームのカードゲーム版。『村の人生』『脱出:ザ・ゲーム』などで知られるブラント夫妻がリデザインし、オリジナルは昨年ラベンスバーガー社から発売された。日本国内ではボードゲーム版を手がけてきたカワダが輸入し、アークライトが販売する。

ボードゲームと同様、複数の刑事役プレイヤーが、手札にミスターXのカードをもつミスターX役のプレイヤー1人と対戦する。刑事たちはバスやタクシー、地下鉄のチケットカードを駆使してミスターXを追い詰め、ミスターXは正体を隠しつつ、いざという時に強力なアクションが行えるブラックチケットで、刑事たちの邪魔をする。

手番にはカードが昇順になるように出して、その場に対応するアクションを行う。ミスターXのプレイヤーから、ミスターXカードを引き当てたら刑事側の勝利、その前に山札が尽きたらミスターXの勝利となる。

新しいのは正体隠匿の要素。はじめは誰がミスターXか分からず、しかも逃亡(全シャッフル)することでミスターX役がほかのプレイヤーへ移動することもある。最終的にミスターXは誰なのか、協力して逮捕を目指す刑事たちと、最後まで逃げ切ることを目指すミスターXの手に汗握る攻防が再び始まる。

内容物:チケットカード90枚、アクションカード3枚、拡大鏡カード3枚、ミスターXカード2枚、無地カード2枚、説明書1枚

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「ゲーム障害」とボードゲーム

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世界保健機関(WHO)が先月発表した国際疾病分類(ICD-11)において、「ゲーム障害(gaming disorder)」が依存症のひとつとして新たに加えられた。デジタルゲームやビデオゲームをすることへの抑止力が欠如し、ほかの興味や日常生活より優先し、悪影響が起こってもやめられなくなる状態で、12ヶ月以上にわたって勉強や仕事などに支障をきたす場合、そのように診断される。該当する人はごく少数であるとしながらも、特に日常生活が圧迫されたり、心身の健康に変化が見られる場合はゲーム時間に注意するべきであるという。

この認定について、無害な趣味を病気とみなした過剰な診断であるとか、単にゲームを楽しんでいる人と本当に問題を抱えている人の区別ができなくなるといった意見がある。実際、「ゲーム脳」をはじめ、デジタルゲームやビデオゲームは有害であるという言説は跡を絶たず、今回のWHOの発表によってさらに広がる可能性がある。

ボードゲーム界においても、「デジタルゲームは危険だからボードゲームを遊びましょう」というように、デジタルゲームを悪者にしてボードゲームを推すことがごく一般的に行われている。いわく、デジタルゲームはリアルなコミュニケーションがないがボードゲームにはあるとか、デジタルゲームは頭をあまり使わないがボードゲームは頭を使うだとか、デジタルゲームは独りだから無制限に遊んでしまうがボードゲームは仲間がいないと遊べないから時間が限られるとか、「あなたとは違うんです」といわんばかりだ。

しかし実際には、ボードゲーム愛好者の多くは、デジタルゲーム「も」遊んでいる。以前に当サイトでとったアンケートでは、回答者の7割がデジタルゲームも遊んでいると回答している。ボードゲーム愛好者の多くは、アナログ・デジタル問わずゲーム愛好者なのだ。そしてこの趣味は単なる気晴らしに留まらず、そこで得られた体験を仕事に活かしている人も多い。

また、WHOの定義でゲーム障害はデジタルゲームに限定されているが、ボードゲーム愛好者にも重度になると生活に支障をきたす。「ボードゲームを遊びたい」という抑止力が欠如し、日常生活より優先され、悪影響が起こってもやめられないという経験は程度の差こそあれ愛好者なら感じたことがあるだろう。それだけ、ボードゲームにはデジタルゲームに勝るとも劣らない魅力があるということでもある。過ぎたるは及ばざるが如し、薬も過ぎれば毒となる。

Yahoo!知恵袋:夫の趣味に困っています。 link

したがって今回の「ゲーム障害」認定についてボードゲーム愛好者としてできることは、デジタルゲームを貶めることではなく、デジタル・アナログを問わないゲーミング一般の魅力やポジティブな効用を再確認し、世間の誤解を解いていくということではないかと思う。どうしても我田引水と取られてしまいがちなので、なかなかに茨の道かもしれないけれども。

寺日誌:テレビ・ゲームを敵視しても

cosaicは7月27日、コミュニケーション推理ゲームのアダルト版『ブラックストーリーズ セックス&クライム(Black Stories: Sex and Crime Edition)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・N.ベルガー、2人以上、12歳以上(15歳以上推奨)、2~222分、1500円(税別)。

出題者と解答者にわかれて、イエスかノーで回答できる質問を繰り返し、謎の真相を解き明かすドイツのコミュニケーションゲーム。オリジナルは2012年に発売された。今回のテーマは性に関する悲喜劇だ。

情熱的な時間を過ごした2人を襲う悲劇、ベッドから動けなくなった男、ロマンチックな夜を演出しようとした男の末路など、サブタイトル「奇妙で不思議でエッチな50の新たな"黒い"物語」の通り、とてつもなくセクシーでミステリアスな謎があなたを待つ。

昨年に熱海で行われたTPRGフェスティバルでは、グループSNEの黒田尚吾氏と西岡拓哉氏による体験会が行われ、大好評を博した一品。満を持しての登場だ。

故アレックス・ランドルフがデザインした2人用アブストラクトゲーム『ツイクスト(TwixT)』について、再版プロジェクト がキックスターターで立ち上がったが、遺族とライセンス契約していなかったことから批判を受け、わずか10日でキャンセルされることになった。

『ツイクスト』はペグとブリッジでボードの一方の辺から反対側の辺まで先につなげたら勝つ2人用アブストラクトゲーム。初版は1962年に3M社(アメリカ)から発売され、コスモス社(ドイツ)が1998年に再版してから20年が経過しているが、世界的に根強い愛好者がいる。

そのような中、先月20日にアメリカ人のW.ドレザル氏がキックスターターで再版プロジェクトを立ち上げた。ところが、このプロジェクトがランドルフの甥であるM.カッツ氏とライセンス契約をしていなかったため、彼が所属するドイツ・ボードゲームデザイナー連盟(SAZ)のメンバーが批判。アメリカの著作権法では1974年以前に登録されたものは一定期間の後に期限切れになるとして、「ツイクスト」の商標登録を行ったドレザル氏と対立していた。

SAZによると『ツイクスト』が1957年にウィーンで紙ペンゲームとして考案されたことから、オーストリアの著作権法が適用され、ランドルフ氏の権利は無効でないという。さらに、この再版の配送先となっているアメリカを含む各国で「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」に抵触するとして、ドレザル氏への批判を強めていた。

これを受けてドレザル氏は方針を転換。キックスターターの再版プロジェクトを30日にキャンセルし、アメリカ国内で限定的に再版することにした。従来の主張通り、アメリカでの商標登録に基づいて再版を強行するとみられる。

ランドルフは2004年に亡くなったが、その後も『ガイスター』『はげたかのえじき』『ウミガメの島』など再版が継続されており、遺族とのライセンス契約さえ行えば『ツイクスト』の正式な再版も不可能ではない。今回の再版プロジェクトで需要が高いことが明らかになったため、正式ライセンス版の復刻が期待される。

spielbox-online:Randolph-Erbe und SAZ gegen TwixT-Neuauflage

schuttelsJ.jpgアークライトは8月9日、カップからコマを振り出すアクションゲーム『シュッテルス(Schüttel's)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・B.ラッハ&U.ラップ、イラスト・J.ロット、2~6人用、8歳以上、30分、3800円(税別)。

オリジナルは2017年、ツォッホ出版(ドイツ)から発売された。原題は「それを振れ」という意味のドイツ語。メビウスゲームズが『ノームの村』という邦題で取り扱い、「大笑いしたり悲鳴あげたりしつつ、一度は楽しんでもらいたいゲーム」(ふうかのボードゲーム日記 )など高い評価を受け、品薄が続いていた。

魔法使いたちが魔法のカップからノームたちを召喚し、村中で働いてもらってお金を稼ぐ。手番にはノームコマが15個入ったカップを一度だけ振り、出てきたノームの数に応じた建物で商品を売買する。特定の数をカップから出してしまうと良くないことが起こり、特に勢い余って全部出してしまったり、臆病になってちょっとしか出てこないと罰金になってしまう。

収入を得るには同じ建物を訪れなければならず、しかも何度も訪れて商品をたくさん並べた後に売却できれば効率が良い。しかし特定の数を出し続けるのは難しい上に、売却する前にゲームが終わってしまうこともある。手先の器用さだけでないマネージメントもあり、考えどころも用意された作品だ。

内容物:ゲーム盤1枚、ノーム15個、品物コマ60個、紙幣84枚、魔法のカップ1個、ノーム用マットレス1枚、ルール説明書1冊

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ボードゲーム大好き声優の岡本信彦氏と堀江瞬氏によるボードゲームTV番組『ボドゲであそぼ』が本日から、首都圏の地上波放送チャンネルTOKYO MX1にて放送される。毎週水曜22:30~23:00。TV視聴できない地域でもインターネット配信「エムキャス 」でリアルタイム視聴可能。

ボードゲーム同好会を発足した2人が、会員を増やすべくボードゲームの魅力を伝えていく。第1回のゲストは声優の西山宏太朗氏と野上翔氏を招いて『コンセプト』を遊ぶ。

放送開始に合わせ、全国18店舗のボードゲームカフェで「コラボカフェ」を開催。番組キャラクター「ウサこま」をイメージしたコラボメニューを注文すると岡本氏と堀江氏の月替りブロマイドをもらえる。明日から11月25日まで。

ボドゲであそぼ公式サイト

LittleBigFishJ.jpgアークライトは8月9日、『パックンギョ!(Little Big Fish)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・D.ペレズ&I.ポロウチャイン、イラスト・D.コルボック、2人用、8歳以上、15分、2900円(税別)。

ザ・フライングゲームズ(フランス)が2017年に発売した作品。大中小の魚を移動させ、相手の魚を先に5匹食べることを目指す。魚たちは自身より小さい魚しか食べることができないため、海に漂うプランクトンを食べて大きくなってから、相手の魚に接近する。しかし大きくなると沈没船の間を通ることができず、遠回りをしなくてはいけません。さらに海には危険はつきもので、漁師に釣り上げられてしまったり、突然渦巻が発生して相手の魚との距離が変わってしまうこともある。

手番には、自分の魚1匹を2マス動かすか、2匹を1マスずつ動かす。プランクトンのいるマスに入ればサイズが大きくなり、産卵のマスに入れば新たな魚を投入できる。「?」のマスはタイルを引いてみてのお楽しみ。アブストラクト色の強いゲームだが、モジュラーボードで展開も毎回異なるようになっている。弱肉強食の世界で困難を乗り越え、成長しながら相手の魚をパックンと食べてしまおう。

内容物:ゲームボード4枚、さかなコマ24個、プランクトンマーカー8個、びっくりトークン8個、ルール説明書1冊

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ヨカゲームズ(游卡桌游、中国)が現在行っている「世界オリジナルボードゲームデザインコンテスト(World Original Design Contest of Board Game、以下WODC)」について、審査員のひとりだったR.クニツィア氏(ドイツ)が、同社の知的財産権侵害を理由に審査員を辞退し、ツイッターでこのコンテストに参加しないよう呼びかけている。

WODCは今年初めて開催されるもので5月に要項が発表され、先月22日に応募が締め切られている。今年12月に結果が発表され、大賞には3000ドルの賞金が贈られることになっている。審査員にはR.クニツィア氏のほか、カナイセイジ氏と健部伸明氏も名前を連ねていた。

クニツィア氏のツイートによると、主催のヨカゲームズは『ロストシティ』や『バン!』などのコピー商品を販売してきたといい、知的財産権を軽視するヨカゲームズに審査員として協力することはできないとしている。さらに「世界のボードゲームデザイナーのみなさん、未発表のデザインを誰と共有するか、慎重に考えましょう。ボードゲーム業界の黒い羊に気をつけてください!」といってすべての人にこのコンテストに参加しないことを呼びかけている。

WODCについては開始直後からBGGで応募作品の権利の所在(デザイナーはいつまで応募作品を外部に出せないのか)について不備が指摘されており、ヨカゲームズの『三国殺』のルールが『バン!』と類似し、版元であるダヴィンチ社(イタリア)と係争になっていたことから信用できないコンテストであるという声も寄せられていた。

これを受けて日本人審査員の健部伸明氏とカナイセイジ氏も審査員を降りることを相次いで表明しており、大半の審査員を失うことになったコンテストの行方は不透明となっている。

Yoka Games:ボードゲームデザインコンテスト

アンケート:ドイツ年間ゲーム大賞2018予想

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Q131:ドイツ年間ゲーム大賞2018、どれが選ばれそう?

A.アズール 124票(83%)
B.ルクソール 15票(10%)
C.ザ・マインド 10票(7%)

今月23日にベルリンで発表されるドイツ年間ゲーム大賞とドイツ年間エキスパートゲーム大賞。ノミネート作品はそれぞれ3タイトルずつ、先々月に発表されています。その中から、どれが大賞に選ばれそうかアンケートを取りました。

結果は『アズール』がダントツの1位。昨年の『キングドミノ』は59%、一昨年の『コードネーム』は40%、3年前の『コルトエクスプレス』は38%の方が大賞を予想していましたが、それを大きく超える8割以上の方が大賞に予想しました。先の先まで読めるので長考しがちで、プレイ時間も長めですが、箱やボードのデザイン、タイルの美しさ、ルールの分かりやすさなど群を抜いているといえます。

大賞を受賞すると、拡張セットが発売されるのが昨今の流れです。『アズール』が大賞を獲ったとして、どんな拡張セットが発売されるのか想像してみると面白いかもしれません。

7月のアンケートは、ドイツ年間ゲーム大賞を購入の参考にしているかどうかです。リリースされるボードゲームが年々増えている中、大賞を取ったり、ノミネートされたり、推薦リストに入ったゲームはひときわ目立つところですが、読者の皆さんはこれを購入の参考にしますか? 3択で最も近いものをご回答下さい。なおここで「ドイツ年間ゲーム大賞」は、赤いポーンの本賞だけでなく、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞、ドイツ年間キッズゲーム大賞、さらにノミネート作品、推薦リスト作品も全て含むものとします。

テンデイズゲームズは7月6日、北ドイツの農場経営ゲーム『ローランド(Das tiefe Land)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・C.パーテンハイマー&R.パーテンハイマー、イラスト・A.ベークホフ、2~4人用、14歳以上、50~100分、7000円(税別)。

『テラミスティカ』『オーディンの祝祭』などゲーマーズゲームのヒットを飛ばしているフォイヤーラントシュピーレ(ドイツ)の最新作。同社の設立にも携わっているU.ローゼンベルクが監修する「ウヴェコレクション」の第一弾で、新人デザイナーのデビュー作となる。

舞台は北ドイツ。海抜の低い土地に住む農家が、洪水の危機を克服しつつ農場経営に励むボードゲーム。自らの農園を経営する一方で、プレイヤー全員で協力して堤防づくりも進める。堤防づくりは自らの利益に直結しないが、農園が大きくなるほど、水害に見舞われた際のダメージも大きくなるため、農園の運営がうまくいっているプレイヤーほど注力しなければならない。

各ラウンドは5つのフェイズで行われる。はじめに洪水カードがめくられ、洪水の危機が迫る。続いて各プレイヤーは3つの農夫コマを建物の購入、堤防の建設、柵の建設、羊の売買、資材の獲得という5つのアクションに振り分ける。農夫によって力に差があり、同じアクションでも強弱が変わる簡易アクションポイント制がゲームのエンジンである。

アクションの後、羊の繁殖や収入があり、堤防が洪水を防いだかどうかチェックする。堤防が耐えきれればボーナスをもらえるが、決壊すると農場に被害が出てしまう。こうして3ラウンド行い、羊や堤防への貢献度、建物、お金、資材を勝利点に換算して勝敗を決める。

羊の飼育と堤防づくりでどのように力を配分するかが悩ましい。豊富なタイルのさまざまな効果によって毎回戦略も変わるゲーマーズゲームだ。

テンデイズゲームズ:ローランド

ボドゲde遊ぶよ!! phase 11-12

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