東京サイドキック(Tokyo Sidekick)

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綿密に戦う協力ゲーム
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アメコミ風のスーパーヒーローと、その相棒となる「サイドキック」が力を合わせて夜の東京の街で事件を解決し、強力な敵「ヴィラン」と最終ボス「メナス」を倒す協力ゲーム。高円寺でボードゲームカフェを経営するリトルフューチャーがゲームマーケット2018春で発売。システムもストーリーも練り込まれた完成度の高さにたちまち品切れとなり、今秋の再版を予定している。その間、店舗限定の特別シナリオイベントが開催されており、注目すべき展開が続いている。
最初に各プレイヤーはスーパーヒーローとサイドキックを1人ずつ選ぶ。初めてということでみんな見た目で選ぶことにして、私はエレキアーマーとバニラガール。最初にいる場所が決まっているので、そこに配置してゲームスタート。
手番には、自分の前に並んだカードを使ってアクションを行う。使い終わったカードは捨て札になり、山札から新たなカードを並べる。新たに獲得したカードも捨て札に置かれ、山札がなくなったら捨て札をシャッフルして新たな山札にする。デッキ構築である。とはいえ『ドミニオン』のようにカードにテキストがあるわけではなく、「パワー」「スピード」「コンセントレーション」という使い道の異なる3つの力と、敵から受ける「ダメージ」だけである。構築していくときはこの配分が難しい。
最初のうちはあちこちに出てくる事件を解決して経験値を稼ぎ、その経験値でカードをアップグレードしたり、スーパーヒーローのスキルや攻撃力を増やしたり、サイドキックにスーパーヒーローの武器を装備させたりする。こうして攻撃力が上がったらヴィランに挑戦。何体か倒すとラスボス「メナス」が登場し、それを倒すと全員の勝利となる。
その前に、緊急性の高い事件を解決できなかったり、ダメージカードの山札が切れて取れなくなったり、規定数のラウンドを超えたりするなど、いくつかの敗北条件があり、それにかかるとゲームオーバー。勝率は1~3割ぐらいといわれる。
今回活躍したのは遠距離攻撃のグレイラビットと、皆を連れて移動できるジェームズ・キリタニ。ヴィランを次々と撃破し、経験値を貯め、さらに強くなっていった。その下家の私は事件解決専門といったところで、ヴィランとあまり戦わず成長が遅い。
敵はどんどん強いのが出てくるため、自分のキャラクターを成長させるだけではなく、共闘することが重要となる。敵のいるところに集まって、一緒にカードを出して攻撃力を合計しなければとても歯が立たない。しかしこれでカードを使ってしまうと、次の手番の終了時まで補充できないため、実質上1回休みになってしまう。その間にピンチが訪れると厳しくなる。
調子に乗って共闘して余計なヴィランを倒してしまったため、何とか持ち込んだメナスとの最終決戦には皆息も絶え絶え。シールドは破ったが、ヒットポイントはゼロまでできず、ダメージカードがなくなって敗北。あと一歩だったが、その一歩が険しい。
初戦にしては、途中何度も訪れたピンチを切り抜け、キャラクターの能力を生かして綿密に戦えたほうだったのではないかと思うが、成功したときの喜びは半端ないだろう。再戦を誓い合う4人であった。
東京サイドキック
ゲームデザイン・江見裕介/イラスト・平林知子、Nuda、松、ikuyoan、田村正平、ゆうる
2~4人用/12歳以上/45~60分