(カタンブック P11)

「カタンの開拓者たち」のための秘訣、策略、戦略

ペーター=ノイゲバウアー作

これからこの本の用具とアイデアの宝庫に入る前に、少しいくらか基本的な開拓のための知識を読み直してみましょう。

「カタンの開拓者たち」はプレイヤーがさまざまな形で挑むボードゲームです。あなたは何度も決定の場面で戦略・計略を立てる必要に迫られ、その決定があなたのカタンでの運命に影響を与えます。同様に外交交渉の手腕もカタンで成功するために重要な徳目です。ゲーム中に起こりうる可能性を分析すれば優位に立つことができますが、これらはいつも他プレイヤーによって変わるものです。

カタンプレイヤーの中には自分の分析と経験に基づいていくつかアイデアを考えている開拓者たちもいるでしょう。しかし以下の秘訣、策略、戦略を読めば誰でも新しい知識を得ることでしょう。そしてサイコロやカードの引きに関わらず自身の考えと決定でゲームを展開できる十分な余地ができるでしょう。さて初期配置から始めましょう。ここですでにゲームの勝利がほとんど不可能になるような致命的な間違いをすることがあるのです。

初期配置

〈数字チップの数〉
一般的な原則としては、2つの開拓地をできるだけ価値のある地形に建設し、5種類全部の資源が取れるようにしておくことです。地形の価値はその地形に置かれた数字チップによります。2つのサイコロを振った場合一番出やすいのは7で、次いで6と8、5と9、4と10、3と11、最低が2と12になります。このことは数字チップの数字の色と大きさで示されています。5、6、8、9のある地形が最も望ましい地形です。
選ぶ時には数字の数もできるだけ散らしたほうがよいでしょう。6と8の地形に建設するのは2と6の地形に建設するよりも有利です。数字を散らすことによって常に資源の供給が保証される可能性が高まります。ゲームの勝利にとって最重要な前提のひとつです。この理由からゲームの最初には海や砂漠、あるいは港にも開拓地を建設することは避けたほうがいいでしょう。そうすると資源を開発する地形が減ってしまうからです。

資源のある地形

〈稀少資源の確保〉
資源のある地形がたくさんあることだけでなく、できるだけいろいろな種類の資源のある地形が影響圏にあることが重要です。5種類の資源のある地形のうち、できるだけ全部に開拓したほうがいいでしょう。もちろんそれはほとんどの場合うまくいきません。山脈と丘陵のタイルは3つずつですが、他の地形は4つずつありますから、山脈と丘陵が特に手に入れにくくなります。同様に数字チップの配分によって実際のゲーム中の不足が予想されます。2と12の地形はこの資源がめったに開発されないことを意味します。そしてこれがまた山脈と丘陵のことであるならば、初期配置で開発のよりよい山脈・丘陵に絶対に建設することを考えなければなりません。

〈過剰資源と港〉
初期配置ではまだ重要な問題があります。どの資源が全体であるいは誰か個人的に過剰に開発されるのかということです。それに対応する専門港が金の成る木になるでしょう。その近くに建設し、その方向に街道を置いたほうがよいかもしれません。

特別勝利ポイント・カード

〈勝利ポイントカード狙い〉
2枚の特別勝利ポイント・カードなしにゲームに勝つことはほとんど不可能です。したがって街道建設(最長交易路)のために材木とレンガを手に入れられるか、または騎士カードの購入(最大騎士力)ために鉱石と羊毛と穀物を手に入れられるかを見積もりましょう。はじめから最長交易路を狙うならば、海岸や砂漠の近くの不毛の土地に道を伸ばしましょう。またこの場合最初の2つの開拓地は同じ地形にまたは早めにつながるように建設します。

〈地形ブロック〉
開拓地の建設の際には2つの開拓地を同じ地形タイルの反対側に置けば、間隔ルールでその地形にはそれ以上建設できなくなるということを知っておきましょう。(13ページ左図)
これは他プレイヤーの入植を妨げるために意図的に行います。自分の拡張が妨げられるようであればこのような建設をさせないようにしたほうがよいでしょう。

〈スタートプレイヤーの心得〉
また初期配置の順番も決して些細なことではありません。最初になったプレイヤーは全ての交差点を見ながら上記のような基準にそって最良の場所を見つけるようにしましょう。もちろん開拓地の建設の時点から盗賊を計算に入れておくことは考えておくのは大切です。盗賊は価値の高い地形に頻繁に置かれるでしょう。自力の発展カードで最大騎士力を取ろうとしているのでなければ、もしあれば最良でない数字チップで同じくらいよい資源の組み合わせを選ぶことがとても大切です。スタートプレイヤーは一番最後に2つ目の開拓地を置くので、最初の開拓で不足しがちな資源をおさえておいたほうがよいでしょう。

街道の建設

〈街道は相手を見て〉
初期配置では各プレイヤーが開拓地を建設した時に街道を1本無料で置きます。もちろんここでどの方向が望ましいのかという問題があります。最良の交差点に向けることがよくありますが常に正解とは限りません。第一に、もし次のプレイヤーがまだ開拓地を置くならば、欲しかったその場所が取られることを前提としなければなりません。そうしてしばしば街道1本が無駄に置かれたことになってしまいます。
また例えば港や割のいい交差点に最初に建設すると、その辺りに開拓地を建設するために他プレイヤーとのあからさまな競争になることもあります。そのような競争の状況では、相手の得意分野に注意します。レンガと材木がより多く開発できるならば、欲しい地形をめぐる競争に前向きになってもよいでしょう。(13ページ右図)

〈海方向に〉
港があったり、欲しい資源が2つある交差点があるならば、一般的にもっとも有効なのは街道を海岸に向けることです。

序盤と中盤

〈まずは開拓地〉
実際のゲームは資源開発のサイコロを振り、交易し、建設して始まります。その際まずは自分の資源のある地形を増やすことが一番の目標になります。なぜなら資源をいつも意のままにできるプレイヤーがゲームに積極的に進められるからです。自身の資源が不足していて、他プレイヤーのプレイを眺めていなければならないことほどひどいことはありません。
都市は確かに資源を2倍にすることができますが、まずは初期のうちにできるだけ早く自分の開拓地の数を3または4にしたほうがよいでしょう。そうすればサイコロの結果で資源を開発するチャンスが増え、しばしば自分の影響圏でまだ不足している資源を調達できるかもしれません。

建設

〈街道は相手を見て〉
ゲームが始まったばかりの序盤にはまだ他にも軽んじられない戦略があります。何よりもまず発展の可能性に関して誰かの出発点が有利であるならば、発展が自在にできるこの場所を、競争せず好き放題にされることのないようにしたほうがよいでしょう。一方自分の建設のときには「影」のライバルと拠点を争うことがとても大切です。同時に自身が延伸して得であるならば、絶対それをするべきです。最長交易路のために不可欠な場所を知り、そこを確定させることは始まった直後から決定的に重要です。

〈適宜開拓地を建設〉
またはじめならば最長交易路の競争でライバルの街道の連絡を簡単に断つことができます。開拓地が建設されればされるほど、間隔ルールのためにこの可能性は難しくなっていきます。また同時に同じ運命が自分に降りかからないように注意しなければなりません。誰がどこで自分を攻撃し、自分の街道の連絡を断って短くできるか?適当な時期に自分の開拓地を建設すればこれを防ぐことができます。またこれで序盤の開拓地建設が都市への拡大よりも優先されるべきだということが改めてわかるでしょう。

〈序盤は鉱石不要〉
したがってしばらくは発展カードの入手のためだけに必要な鉱石はまずあまりいらないということになります。どんどん他の資源に交換した方がよいでしょう。

〈交易は積極的に〉
さて一般的に序盤の交易と交換は手早くダイナミックに行った方がよいでしょう。これはゲームを面白くする本質的な要素であるばかりではありません。交易は常に相互のギブアンドテイクが特徴です。たしかに相手にあげた資源は使われてしまいますが、自分がそれによって同じだけ有利でありさえすれば資源を出しましょう。とはいえ序盤では確かにほとんど交易の選択肢がありません。ほとんどの港はまだ手に入れておらず、4:1交換も間に合わせに過ぎません。

〈特殊港の驚異〉
そこですぐに港に興味をもつようになるでしょう。お得な特殊港は驚くほどの使い勝手があります。特殊港の所有者になれば、その資源の価値は倍増します。そしてさらにその資源の地形をおさえれば、ゲームの勝利に大きな布石を打つことでしょう。したがって誰がどの港をおさえているか注意するのを怠ってはいけません。交易のときにはこの情報が見過ごされがちです。2:1で交換できる資源はなるべくそのプレイヤーに与えないようにするか、他に高い対価をつけて交換した方がよいでしょう。

〈最大騎士力狙い〉
出発点の関係で最長交易路を手に入れるチャンスが少なければ、最大騎士力を狙った方がよいでしょう。それには羊毛、鉱石、穀物のよく採れる地形をもっていることが不可欠です。騎士を出して確保するため、何枚も発展カードを購入しなければならないからです。しかしそうすると街道の建設をほとんどあきらめることになるでしょう。テクニックと運で何とか街道を4つだけ、つまり初期配置に対してそれぞれ2つの街道と2つの開拓地を建設することが必要です。
この街道は3つの開拓地が三ツ星になるように建設しましょう。(14ページ右下図)この建設では開拓地を4つだけと都市を2つを建設しておくことが必要で、あとは発展カードだけに専念します。足りない2勝利ポイントをできれば最大騎士力で狙います。

発展カード

〈発展カードのメリット〉
以上のような戦略で行くならば、開拓地と都市で8勝利ポイントを手に入れてからではなく、早いうちから発展カードの購入に集中したほうがよいでしょう。最大騎士力を初めにとることは誰かから奪取するよりも当然楽です。特にいったん奪取されたものを奪い返すのなら、より大変になります。その上発展カードの中には勝利ポイントカードもあります。発展カードをたくさん引けば、1点または2点の勝利ポイントが手に入るでしょう。カタンでこれ以上簡単に勝利ポイントを取れる場所はありません。

〈盗賊の置き場所〉
騎士カードには盗賊を移動できるというメリットもあります。ここで7が出たときと同じく、どこに移動させるかよく考えなければなりません。自分の土地に盗賊を送るべきではありません。盗賊を1箇所に何度も送るとそのライバルが怒るでしょう。まず6や8のような割のいい数のタイルに置くことを考えます。ただし序盤は終盤と比べて鉱山タイルに置いてもあまり意味がありません。さて都市が建設されると、盗賊によって2倍の資源開発がなくなるので、都市を盗賊でおさえるのはしばしば魔法のような魅力があります。しかしこれはゲーム上は枝葉末節のことですので、熱中しないほうがよいでしょう。より大事なのは盗賊の移動によってトップや切迫しているライバルを狙ってダメージを与えられるということです。この視点はゲームが展開するにしたがってより重視したほうがよいでしょう。

〈資源カードの盗み方〉
同じことが他プレイヤーから資源カードを盗むことについても言えます。たくさんカードを持っているプレイヤーが注目されます。一番カードを持っていれば、盗まれます。しかしこの原則は序盤だけの話です。後ではトップのプレイヤーを狙って盗むようにしたほうがよいでしょう。また誰が今ほしい資源を今しがた開発したか分かっているならば、盗賊でそのプレイヤーを狙うのも意味があります。そしてそのプレイヤーがあまりカードを持っていないならば、ほしい資源を盗める可能性は上がります。
普通はまず交換によってほしい資源を手に入れようとするのを優先します。これがうまくいかなければ、交換時の質問で誰がその資源を持っているか探り出して、このプレイヤーを盗賊を送りこみます。あとは運がよければほしいカードが引けるでしょう。そんなことをしていると友達がいなくなりますけれど。

〈ルールの確認〉
最後に、カタンプレイヤーなら誰でもご存知のように7が出たときとは違い、騎士カードをプレイしても8枚以上のカードを持っているプレイヤーはそのままで、7枚以下に減らされることはありません。手札の減数はルール通りに行ってください。

交易

〈心理的な要素〉
資源カードの交換は各々のかなり心理的な原則に従います。威勢よく呼びかけて交換の価値を直接突きつけた方がいい時もありますが、そのようになれなれしい誘いには誘惑されず、何を相手が求めているのか冷静に考えたほうがよいでしょう。誰が一番いい交換相手になるのか静かによく吟味します。しかしながら一般にどちらかというと大胆に交換や交易をしていると、順位を下げないという流れに合わせていけなくなります。一方、でしゃばりの方が交易でより大きな利益を得ることでしょう。それでも交換のやり方がとても巧妙で気づかれずに行うプレイヤーもいます。女性的な魅力のために控えめに進める女性のプレイヤーは、女性の強さである色気を振りまいたりしない女性プレイヤーや、好戦的で失礼なことをする粗野な男性プレイヤーよりも交換の目標をうまく達成できないことがあります。どのように女性的な直感でゲームを実際に見ていくかは、ゲームの進行につれて変わってきます。声を限りに哀訴し、自分の運命を不公平だと嘆き、あまつさえ親切な交換相手が何がくれないかメンバーに求めたがる開拓者もいます。これらのやり方をいろいろ試していけば、ゲームの絶対的な強さになりゲーム道の上達になります。でも悪魔のささやきやほら吹きの同情を誘う不平には耳を傾けてはいけません。

〈交換レート〉
確実な1:1交換をするには、それなりの理由があったほうがよいでしょう。後で他のプレイヤーが同じような要求をしてくると困るようなレートはやめます。それでも自分の利益のためには数的に不平等な交換をする場合もあります。両者の間で開拓地ポイントが競争になっていなければそうするものよいでしょう。貪欲になるとレートが上がります。2:1交換の申し出に対して3:2交換を提案すればそのデメリットは軽減されることがあります。また都市セットのようなカードの組み合わせを盗賊から守るために手札を8枚から7枚に減らしたいときなど、自ら2:1交換を申し出なければならない場合もあります。しかしこの「不利な」交換はどちらかといえば例外にしておいたほうがよいでしょう。

終盤

〈トップの狙い落とし〉
8点を取って勝利に近づいたプレイヤーが出てくると、カタンには別の法則が支配的になります。口に出すことなくそのようなプレイヤーには厳しい、かなり厳しく制限された交換ボイコットが起こります。盗賊もそのトッププレイヤーだけに置かれるようになります。
同様に負け気味のプレイヤー同士の協力がとても目立ってきます。無償で相手が足りない資源をあげて、トッププレイヤーから特別勝利ポイントカードを奪取できるようにするかもしれません。しかしこれは自分の勝利には役に立つのではなく、最後の競争をオープンにするだけです。皆の協力のときに忘れてならないのは、裏になったままの発展カードがかなりの確率で勝利ポイントカードであるということです。なぜなら手に入れた発展カードを(勝利ポイントカードでない限り)プレイしないのはあまり意味がないからです。そこで上手いプレイヤーは発展カードによる勝利ポイントをもっているということを前提にしなければなりません。

〈勝敗の分かれ目〉
したがって最後に勝つのは、終盤に他プレイヤーの陰謀に惑わされることのないように地形と港から必要なインフラ(経済基盤)を整備していたプレイヤーです。そしてゲームの終りはほとんどいつも切迫した差で決まるので、誰でもゲームの満足感を味わいます(そうかな?)。勝者はきっと自分の肩をたたきながらうまく勝った理由を話すことでしょう。敗者たちはサイコロ運やカードの引きが今回は思ったより悪かったと慰めを見出すでしょう。しかし次回全く別になるかどうか、皆知っているのでしょうか?