play:gameデータベース|初心者向けコンテンツ|普及について|国産ゲームのレビュー|まとめ
5月14日(土)、都内(江東区)で新作ゲームを遊ぶ会&ゲームサイトを考える集いが開催された。参加者は24名。参加者のひとりである益田ラヂヲさんが参加者やレポートをまとめたページを作ってくださり、その中でも特にsirouさんが経過をまとめた上で発展的に考察を進めてくださっているので、そちらを参照していただきたい(手抜きですみません)。
最初にあいさつをしたとき、体が震えるほど緊張した(冷房が効きすぎていたからかも)。24人もずらりと並ぶと、フリートークという雰囲気ではない。司会として場を和ませる努力が足りなかったせいで、発言するにはかなりの勇気を要する状態となってしまったが、さすがそこは趣味のこと、沈黙が続くことはなく、発言順を整理しなければいけないほどに発言が相次いだ。盛り上げて下さった参加者の皆さんにはほんとうに感謝をする次第である。
この会の主旨であり結論ともなったのは、ボードゲームをただ遊ぶだけでなく、その情報を発信するという趣味でつながれた人脈作りである。共通の目的を設定して皆でそれを達成しようというつもりはない。同じボードゲームサイトではあってもその方向性はさまざまだし、各管理者は他のサイトに気兼ねなく自分の「これを伝えたい!」を思い思いに表現してほしい。
その上でのこのような集いは、マンネリで更新が滞っている人、更新はしているけれども何か変化を求めたい人、あるいは何かやりたいけれども思いつかなかったり、時間や技術がなかったりする人が、お互いにもっている情報を交換して使えるなと思うことがあったら足しにしてもらいたい、あるいは気が合えば親交を深めてサイトでもコラボレーションでもはかってもらいたいというような意図がある。
1時間目のテーマ「play:gameデータベースの活用」は、遊んだゲームのデータを調べる時間を節約したり、時間をかけないでプレイ記録をつくったりというメリットを紹介しつつ、より使いやすくするためのアイデア出しをした。2時間目のテーマ「初心者のためのページ作り」は、初心者をどう定義するかという問題はあれ、ボードゲーム一般に何となく興味がある人が検索でふらりと訪れたときなどにどういう内容をどういう語り口で書いておくかということが話し合われた。3時間目はサイトの話から少し離れ、国産ゲームをより多く取り上げること、邦題はさまざまあるので原題を併記するようにすると分かりやすいこと、あとはゆうもあが運営する日本ボードゲーム大賞についてどのような見方がなされているかを伺った。
話し合われた内容をサイト運営のヒントにするというだけでなく、サイト運営者の素顔をオフラインで見て、その人間を知るということが非常に楽しいことだったと思う。翌々日まで後を引くような興奮があった。
ただゲームで一緒に卓を囲んだというだけでは、その人がどんな人かなかなか見えてこない(それだけで楽しい人もいますが)。もちろんおしゃべりなどはおいといて単純に遊びたい人もたくさんいるので、どんな集まりにもというわけにはいかないが、予め周知しておけば、ゲームの合間に軽食でも取りつつ軽いおしゃべり(今回は軽くなかったが)をはさむのはとてもいいことではなかろうか。
play:gameデータベースは、さまざまな可能性を秘めた宝庫だ。ある程度のボードゲーム知識を前提にしているので誰でもというわけにはいかないが、何種類か遊んで少しはまり始めた人ならば、データベースを利用することによって新たな知見が生まれ、趣味を豊かにすることができるだろう。
ここではいくつかの利用例を挙げてみたい。
慣れるまでは手間取るかもしれないが、参加者が増えるほど有用で楽しくなっていくはずだ。使いにくい、使い方がわからないという人に使い方ガイドが用意されることになっている。
読者参加型サイトは、最初は盛り上がってもすぐに伸び悩むケースがこれまでに多かった。その主原因は書き込みへの反応や見返りがないということにある。play:gameデータベースも読者参加型サイトであるが、1人の管理者vs参加者全員というかたちではなく、参加者が相互にギブアンドテイク(情報を得る・情報を出す)の交流を進めることによって、みんなで大きくしていければいいなと思う。
決して悪いことではないが、ボードゲームのサイトが全体としてマニアの域を出ていないのは事実である。その理由はボードゲーム自体の敷居の高さに帰するところが多いが(輸入品であることによる値段や言語の問題、ルール説明の煩雑さ、遊ぶために必要な人数の多さ、そしてそれらに基づく趣味としてのマイナー度など)、選択的にしか情報を得られないというインターネットの特性もあるのだろう。
そんな現状から、このままでは閉じた世界になってしまうと考えて、ボードゲームになじみのない人にも訴えるコンテンツを作ろうという人が出始めた。そういう方向性を持っているサイトとしてsirouさんのLet's Play Boardgame!や双六屋カゲゾウさんのAll Aboutカード&ボードゲーム、古原さんの熊本ドイツゲームの会、あきおさんのgioco el mondo、あとゆうもああたりが挙げられる。私のサイトではまえがきがこれを意識している。
「初心者」というのは語弊があるが(スタイル、好み、経験から「初心者/経験者」の項参照)、ボードゲームになじみがない人を広く意味している。もちろん、そういう人向けにどのサイトもコンテンツを作るべしというのではない。そういうコンテンツを作るのが好きな人向けに、どういう方法があるかを考えていきましょうというわけだ。考える集いでは、初心者とは何か、普及とは何かという大きな議論になったが、ここではそれをひとまずおいて、共有できる技術的な話を記録する(フライト時間が近づいたので続きはまた明日)。
これらのアイデアは、ゲームサイトを考える集いで参加者から出された意見を整理したものです。
インターネットを通してボードゲームを普及させるといったとき、何か違和感を感じることがある。まずボードゲームは普及すべきものなのかという根本的な問題、次に普及がインターネットでできるのかという問題、そして趣味程度の労力で普及になるのかという問題、ほかにあるかもしれないが大きく分けてこの3つの問題を考え、違和感の解消を目指す。なお下記の考察は普及が楽しいものだという前提で書かれているので、苦痛にしか思えない人には当てはまらないかもしれない。
それではどういうスタンスで普及するか? オンラインにせよオフラインにせよ、おせっかいや押し売りで嫌がられないように気をつけながら、潜在的なニーズをどうやって掘り起こしていくかは、別に考えていかなければならない。
ドイツのボードゲーム市場に出品される世界のゲームは年間500タイトルを数えるまでになったが、実は昨年発売された国産ボード・カードゲームの総数も50を超えた。キャラクターに完全に依存しているもの*1や双六に毛が生えただけのようなもの*2、海外作品の日本語版*3も少なくないが、意欲的な作品も見られるようになってきた。
ところが、新作の国産ゲームのレビューや評価を見られることは意外に少ない。場合によっては「2ちゃんねる」でちょっと書かれている程度ということもある。そこで多くが輸入品に傾倒しているボードゲーム愛好者にとって、国産ゲームの情報に目を向ける機会を増やすことが必要になってきている。国産ゲームのレビューが少ないのはなぜか、そしてそれはどうすれば増えるのか。
一番の原因は、国産ゲームを遊ぶ人が、質の上で輸入品を選ぶボードゲーム愛好者ではなくて、ウェブに現れない無数の一般人たちだという構造的なものであろう。『おばけ屋敷ゲーム』や『どこでもドラえもん日本旅行ゲーム』などはボードゲーム愛好者にはほとんど話題にのぼらなかったけれども、『カタン』や『カルカソンヌ』などと比べ物にならないビッグセールスを記録している。明らかに、遊んでいる人が別なのだ。愛好者でなければ、わざわざ遊んだゲームのレビューや評価を書くことは少ない。
次に、多くのゲームサイトでテーマ設定が「輸入ゲームの紹介」になっており、仮に管理人が遊んでも熱意を込めて紹介するには至らないということが考えられる。国産ゲームは言わずもがな、紹介しなくてもみんな知っているだろうという安心感が、結局誰も知らないという結果を生み出しているのではないだろうか。
3つ目は、上記の2つと密接に関連するがボードゲーム愛好者の中にある「所詮国産なんて大したことがないだろう」という先入見。日本人には昔から舶来物を特にありがたがる習性があり、特にヨーロッパのメルヘン、ドイツの品質、木のぬくもりなどというとはじめから好意的になる。それはそれでかまわないのだが、代わりに国産がその内容に関わらず不当に貶められてはいないだろうか。『アルゴ(ダビンチコード)』がドイツで評価されて始めて目を向けたという愛好者も少なからずいただろう。
そこでレビューを増やすための方策だが、まずは愛好者が遊ばなければならない。「考える会」では、サイト管理者同士がゲームを貸し借りして、1回でもいいから遊んでみるという提案をした。ちょっと遊んでみたいけれど、買いたいというほどではないというのが正直なところ。だったら借りて遊んでみようというわけだ。それが難しければ、サークルのラインナップに国産ゲームがあったら、はじめからバカにしないで遊んでみるという現実的な案も考えられる。意外な発見があるかもしれない。
次に遊んだらレビューや評価をどこかに書くこと。愛好者の目から見たレビューは、むしろメジャーな輸入品の紹介より情報的な価値が高い。見たい人も多いだろう。できれば「2ちゃんねる」でなく、自分のサイトかplay:gameデータベースに。
そしてレビューを書く上では、国産という点をまず高く評価したい。輸入品と比べれば劣る点はいくらでも見つかるだろう。それを並べ立てて面白くないと書くことは簡単だ。しかしそのゲームは、輸入品がこれだけ入ってきている日本で、メーカーが野心に燃えて発売したものなのだ。同じ要素でも、国産品にそれがあることが大きなプラスになる。提灯記事を書くのでは決してない。メーカーの意気込みを鼓舞し、次につながっていくようなレビューを。
発売されるゲームが玉石混交なのは、日本もドイツも変わらない。愛好者同士で情報を共有しながら「玉」に焦点をあて高く評価することが、そのゲームのメジャー度を上げ、メーカーに製作の指針を与え、より優れた国産ゲームが増えて、国産ゲームの発展にもつながっていくと思う。
これからは国産ゲームの時代だ!
*1:キャラクターをのせること自体はかまわない。『ミッキー&フレンズ5リンクス』のような好作もある。キャラクターを通してボードゲームに親しんでもらうという考え方もあるだろうが、ゲームとしての機能がお粗末なものはもはやゲームではなく、単なるキャラクター商品と呼ばざるを得ない。
*2:双六がボードゲームの基本であることはその通りだが、世界標準のクオリティという観点から言えば、その先に何かがほしい。
*3:質の高いゲームが刺激になるという点では評価できるし、現在高い人気を集めているのは事実だが、そろそろ日本でも独自に発展し始めてもいい時期ではないかと思う。
人数が20人を超えていた上に進行が下手で、当初目論んでいたフリートークには程遠かったが、それにもかかわらず参加者の中には次回を期待する声が上がっているのは嬉しいものである。
次回があるとすれば、どんなテーマがいいだろうか。ムソウさんは「みなが協力して(知恵を出して)できること」「こんなコンテンツあったらいいな」「サイトを持っている人が、参加者に直接サイトの感想などを聞く」という提案をなさっている(EasyBoardGames)。
これで思い出したのが、少し前に行った当サイトの読者アンケートで、どういうコンテンツを増やしたらいいかというもの。多い順に以下のような希望が出ていた。
新作レビューは、ブログでレビューが増えた現在でもまだ需要が高い。私もそうだが、ゲームを買うか買わないか、ウェブのレビューをあちこち読んで判断するという人が多いからだろう。逆から見れば、新作を遊んでレビューや評価を出すだけのサイトでも、皆に見てもらえるということだ。新作はどんどん出るから、サイト更新の動機にもなる。新しいものを追うというのは、サイト運営の大きな方向性となりうるだろう。
インタビューやサークル紹介、イベントの参加レポートなど、リアルな動向を反映したものも見たい人が多いようだ。誰もがどこにでも足を運べるわけではない。実際に見聞した情報というのは、二次情報が氾濫するウェブ上では貴重だ。
リプレイは、『ノイエ』や『シュピール』、『ボードゲーム天国・王国』など紙媒体では見られるが、ウェブではまず見かけない。作ろうとしたことがある人ならば分かると思うが、非常に時間と手間がかかるのだ。まずゲームの魅力が伝わるようにだいたいの筋書きを作っておき、プレイ中は録音と経過撮影をし、それをまとめる。そこまでするのはさすがに難しいとしても、例えば外神田ドイツゲー情報局(仮)のようなネタリプレイも面白い(ハカセ大好き)。
私が読みたいのは、メタ・ゲーム的なコンテンツ。すなわちボードゲームを取り巻く環境について論じたものが読んでいて楽しい。ボードゲーム通信のボードゲーム論、moon gamerの創作ゲームのコンポーネントになりそうなグッズ収集、ボードゲームを始めようのインストの方法研究、All aboutのゲーマー名言集、河内ゲームクラブの創作ゲーム考など。当サイトの海外事情コーナーも、自分が読みたいと思ったことが翻訳の動機になっている。あとはたかのさんがゲームマーケットで発表している漫才本のような、ボードゲームをネタにしたお笑いがウェブにもあったらいいなと思う。
メーカーの中には、サイト管理者にゲームを提供して紹介してもらうというところも出てきた。ゲームサイトを見る人は相当の愛好者に限られるので、実際どれだけ一般への波及効果があるかは分からないが、ウェブのもつ影響力が注目されてきている証拠であろう。意識するにせよしないにせよ、ウェブの強みをうまく生かせるようサイト管理者同士のつながりを大事にしていきたい。まだお会いしたことのない方も、いつか直接にお話しできることを願っている。ボードゲーム情報を発信しているという共通点で結ばれた同好の士として。
最後に話し合った日本ボードゲーム大賞については、ゲームサイトと直接関係ないので省略し(もちろん頂いたご意見は生かすよう努力します)、今回の集いのまとめはこれがおそらく最終回。参加してくださった皆さん、今度はもっと遊びましょう。声をかけられなかったゲームサイト管理者の皆さん、次回はぜひご一緒に。長らく読んでいただきました方、ありがとうございました。今回の考察が、新サイト立ち上げや定期更新のお役に少しでも立てば幸いです。
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