―ヴォルフガング=ディット氏の考察―
ドイツゲームはドイツ発のゲームでありません。多作のゲームデザイナー、R.クニツィアはイギリスに住んでいますし、ジャンボはオランダ、ピアトニクはオーストリアのゲームメーカーです。また、ゲームの舞台もドイツとは限りません。『エルグランデ』はスペインが舞台のゲームです。
ドイツゲームには特有の要素があると考えられます。代表的なドイツゲームを見ていきましょう。
『カタンの開拓者』は対象年齢が12歳以上であり、その複雑さから年間ゲーム大賞は難しいと言われていましたたが、このゲームの受賞によりプレイ時間が長く、複雑でインタラクティブなゲームが増えることになりました。このゲームの特徴はマップの可変性、インタラクティブであること、運の要素、発展などにあります。
『チグリス&ユーフラテス』は年間ゲーム大賞に並ぶドイツゲーム賞を獲得したゲームですが、カタンよりもより抽象的で時間も長くなっています。戦略的な要素も強いといえるでしょう。しかしルールを覚えれば早くプレイでき、とてもインタラクティブなゲームです。
『王と枢機卿』は上記の2つに比べるとプレイ時間が短いのが特徴です。それでも戦略的でさまざまな勝ち方があるので、奥が深いゲームです。
『トーレス』は2000年に年間ゲーム大賞を獲得しましたが、このゲームの最大の特徴は平面的なボードに3Dの要素を持ち込んだことでしょう。その他のプレイ時間、さまざまな戦略、インタラクティブ、スキルアップなどについては、従来のゲームで見られる要素です。
ドイツゲームの特徴として、9つの基準を考えました。
さてこの基準で1998年の年間ゲーム大賞である『エルフェンランド』を見てみましょう。デザイナーであるアラン・R.ムーンはアメリカ人ですが、ゲームはドイツのメーカーであるアミーゴ社から出ました。
以上から『エルフェンランド』は、ドイツゲームの要素をほとんど備えたゲームだと言えます。この基準では『アクワイア』はアメリカ人の作品、アメリカのメーカーですが、ドイツゲームと言えるでしょう。一方、『6ニムト』『ブラフ』などはドイツ人の作品、ドイツのメーカーですがアメリカンスタイルのゲームです。
最後に新しいタイプのゲームとして『ラ・チッタ』を考察します。このゲームはプレイ時間が3人でプレイしても90分以上あり、また歴史的なテーマですが、内容はファンタジーです。シミュレーションもあり、80年代のアメリカゲームに近いと言うことができます。従来の枠組みにとらわれず、新しいアイデアのゲームを探る動きがゲームスタイルのボーダーレス化を促進しているのかもしれません。(ペッペル・キステ)