長井自宅ゲーム会 06/05/06

連休中の合間を縫って自宅ゲーム会。お正月とお盆だけでは飽き足らず、昨年開いて好評だった会の続きである。こうして毎年恒例の会を開くと、ほんとに1年経つのが早く感じられる。
 地元ではなかなかメンバーが集まらないが、庄内からnagaさん、psy10さん、鴉さんの3名、仙台から神尾さん、QTAさん、夢さんの3名がお越しになり、これに私と山形からいらした上野さんを加えて2卓立った。いつもいつも遠くから感謝。午後1時から夕食を挟んで9時間ほど。途中何度か抜けなければならなくて慌しかったけれども、所期のゲームを遊ぶことができて満足できた。

クレオパトラと建築士たちフレッシュミートトロイの木馬壺の悪魔オストラコン

クレオパトラと建築士たち(Kleopatra und die Baumeister / B.カタラ、L.モーブラン / DoW, 2006)

クレオパトラと建築士たち紹介はこちら。コンポーネントのリアリティにまず唸るゲームではあるが、それだけだったら頻繁に遊ばれないだろう。リファレンスを見れば覚えておくことは少ないというゲームの分かりやすさと、ゲーム時間がおおよそ60分という収束性のよさがリプレイアビリティを上げている。
 今回のゲーム中に面白さを感じたのは、勝利条件に必要となるが見ることのできない2つのリソース〜お金と汚職チップ〜の曖昧な記憶だ。お金だけ、汚職チップだけだったら誰が1位なのかはおおよそマークできるが、2つのリソースを組み合わせて勝敗を決めるシステムはこの点で秀逸である。
 勝つためには、場の汚職度合いを判断して汚職の回数を調整することと、犠牲祭で無駄なお金を使わないことの2点が重要なポイント。そのためには、他のプレイヤーがどれぐらい汚職をして、どれぐらいお金を貯めこんでいるかだいたいでも覚えておかなくてはならない。
 ややもするとカードを集めて出すだけのソロプレイ感を生みやすいこのゲームだが、交渉や交換がないだけでインタラクションがないと判断するのは短絡的だと思う。この曖昧な記憶が生み出すゲームの立体感で、もっと遊んでみたいと思うようになった。

 今回は終盤が熱かった。最後に柱壁(9つもあるのでたいてい最後まで残る)と門2つが残り、どちらかを建てきればゲーム終了となる中、これを誰が建てるかによって勝敗が分かれそうなくらいの僅差。私も資源が揃っていたが、QTAさんが一歩先に建てて勝利。神尾さんと夢さんは汚職チップの同点ビリで2人ともワニに食べられた。

フレッシュミート(Frischfleisch / F.フリーゼ / 2Fシュピーレ, 1999)

フレッシュミート紹介はこちら。1回目はただ人を喰いあうだけのゲームかと思ったが、陣取りの要素もあって単なるネタゲームではない。
 まずオアシス。オアシスに面してコマを持っていると無条件に食料が入るので、ここの位置取りが重要だ。当然、オアシスの周囲では喰いあいが起こるから、攻撃力の強いキャラクターを配置しておくのがよい。強いキャラクターは多くの食料を必要とするので、周囲に誰もいないところにいると飢え死にしてしまうのだ。
 その一方で、最後まで生き残ると勝利点の高い弱小キャラクターは、強いキャラクターの餌食にならないよう人気のないところへ。宝箱やサルをバリケードにして近寄らせないようにする。
 1ラウンドごとにコマは裏返しになり、チップを置き直すので、他の人の配置をよく覚えて、有利な位置取りをしたい。

 序盤に戦いを避けて多数生き残らせたpsy10さんが、何人かの飢え死にを出したものの逃げ切って勝利。鴉さんは戦闘チップの握りが甘かったせいか連戦連敗であやうく全滅するところだった。死んだ人はバラバラにされて顔とか足とかの食料チップになるわけだが、その想像もしたくないような処理がゲームだといともあっさりと行われるのがシュールに感じられた。

トロイの木馬(Das Pferd von Troja / A.ランドルフ / ジャンボ, 1993)

トロイの木馬紹介はこちら。街の支配パターンには2:2:2:1や3:3:1というのがあり、同数1位は負けなのでうまくやれば1人でも支配できる。中盤からはそういう計算をして、何色のコマをどの街に送り込むかの判断が重要になるわけだが、記憶違いで予想していたのとは別のコマが出てきて意外な展開になるのが面白い。
 それともうひとつ注意しなければいけないのが全部の街が7人置かれる前にコマがなくなってゲームが終わること。兵士が少ないのはたいてい基礎点が0点の街であり、しかも兵士の総数も点数になるので高い点数は望めないが、それでも僅差で勝敗に影響することもある。

赤のプレイヤー「オデュッセウス」になったnagaさんはコマの補充という仕事があるので記憶の集中力がどうしても途切れがち。私は序盤に自分のコマがなかなか出てこないという状況が続き、自分のコマが出てくる頃には趨勢は決まってしまっていた。短時間で終わる割には計算と記憶の集中力を切らさないことが必要なので、見かけ以上に密度の濃いゲームである。

壺の悪魔(Flaschenteufel / G.コルネット / バンブスシュピーレ, 2003)

壺の悪魔それは要らない物である

バンブス・シュピーレでG.コルネットが自ら出したカードゲーム。1995年に初版が出され、やや大きい箱で2003年に第2版が出た。同社の「ジキルとハイド(ヴェルナー作)」と並んで、変態トリックテイキングの真骨頂として評判が高い。

 悪魔の壺。これはどんな願い事でもかなえてくれる素晴らしいアイテムだが、自分が買った値段よりも低い額で他人に売却しなければならない。死ぬまで持っていると地獄に落ちてしまう。
 マストフォローのトリックテイキングだが、基準点(最初は19)より低い数字を出すとトリックを取ることができる(複数いた場合は基準点により近い人)。その代わり、悪魔の壺も引き取らなければならず、その時点で基準点が下がる。
 こうしてだんだん基準点は下がっていき、壺は基準点を下げた人のところへ。全員が基準点より高い数字を出したならば、単純に一番高い数字を出した人がトリックを取り、壺は動かない。最後に壺を持っていた人は、獲得したトリックが全部無効になるばかりでなく、最初に皆が1枚ずつ捨てたカードの点数だけ失点になってしまう。
 序盤は基準点19のすぐ下である18、17、16あたりが強い。しかし中盤になってこれらを下回る基準点になってしまうと、18、17、16あたりはすぐ最弱になる。変わって強いのが12、11、10あたり。しかし中盤を過ぎると壺の移動が少なくなっていき、小さい数字のカードほどリスクが高くなる。このような場の動きを敏感に察知し、先手先手でトリックを取りつつ危ない手札を処理できるか。実にテクニカルなカードゲームである。
 トリックテイキングにありがちな配牌の運不運も、始めに3枚を捨てたり両どなりに渡したりするルールによってある程度緩和される。だからこそ、勝敗がプレイヤーの腕にかかってきて、シビアなゲーム感を生み出すのだ。

 最初のラウンドは要領を得なかったが、壺の動きが分かると途端にエキサイティングに。私は小さい数字でリードを仕掛けたが、さらに小さい数字をもっている人がおらず2回も壺を食らってビリ。このゲームには、途中途中で明らかに好手・悪手がある。もうちょっと遊びこんで、研究してみたいと思った。1ラウンド5分たらず。いくらトリックをとっても30点程度にし必ず、しかもマイナスがあるので規定の500点は気が遠いと思ったが、熱中しているとすぐにいけそうだ。

オストラコン(Ostrakon / S.ソレンティーノ / ダヴィンチ出版, 2004)

オストラコンよく知った人の、全く知らない一面

イタリアのダヴィンチ出版から多人数で遊べるカードゲームシリーズ。5〜12人で遊ぶことができる。
 ゲームの原理は極めて簡単で、「二択の質問を出して、予想した答えが半数以上ならばOK。でも進めるのは予想した答えと反対の人の数」というものだ。つまり一番いいのは答えが半々に分かれた場合。いわゆる究極の選択である(メンバーによっては、下ネタもあり)。テーマだけは指定されるが、そういう問題を作るのはなかなか容易ではない。今回作られた質問の数々。哲学的なものから下世話なものまでさまざま。
「人間は性悪説?性善説?」
「カラオケのレパートリーが3年前から変わっていない」
「今年になってからゲームを3つ以上買った」
「松井やイチローをねたんだことがある」
 答えが公開されるたびにその答えの意外さに驚く。さらに、特殊日のルール「何人か答えを聞いてから予想できる」「何人かを指定して回答を変えさせる」「全員が公開してから予想できる(全員の答えが同じでない限り、得点できる)」によって、ゲームに変化があり、退屈させないのもよい。特に「何人か答えを聞いてから予想できる」では、答えを聞いた人が全員Noで、じゃあNoに予想したら残りの人は全員Yesだったなどというハプニングがあり、場が大いに盛り上がった。
 質問に際して、「このメンバーならこれぐらいの答えがありそうだ」という見積もりによってより食い込んだ質問ができるため、初対面同士よりも顔見知りでやるのが楽しい。男女が混じるとさらに面白いかもしれない。予想通りでもよし、意外な一面を見つけてもよし、ルールはシンプルで楽しいコミュニケーションゲームである。

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