つくば自宅ゲーム会 06/11/17

子どもが二人になって、なかなか自宅ゲーム会が開けなくなったため久しぶりの自宅ゲーム会。エッセンの新作が今回のテーマだったのでルールを読みこんだり、カードに和訳シールを貼り付けたりして万全の態勢で臨んだ。はるばる都内からmoonさん、かゆかゆさん、練乳さんが参加。
 ゲーム会終了後の食事では、近頃ボードゲームサイトが元気がない話。ミクシィでは素晴らしいレポートをよく読むのに、一般公開されているサイトやブログは更新する人が大幅に減ってしまった。一般公開型は読者が多いものの、ミクシィと違って読者の反応があまりないので更新意欲が湧きづらい。さらに、サイトが減ってちょっとでも更新すれば注目が一気に集まる状況では、好き勝手なことを書きにくいというのもあるようだ。また最近では、一緒に遊ぶ人へのプライバシーへの配慮からハンドルネームででも情報を公開したくない、したくてもできないという風潮もある。
 しかし、ミクシィで書いたものは読者が非常に限定される上に、基本的に読み捨てで後から検索することも難しい。だからこそ好きなことを書ける安心感があるのだが、少しでも多く情報がほしい立場からすれば、ぜひ万難を排して一般公開して、ネット上を賑わせてほしいと思った。

エミーライスパハンヴェネツィアの柱|チンギス・ハン|ウル

エミーラ(Emira / L.ヴァンツィア、P.ファン・ホーヴェ / ファランクス, 2006)

エミーラ男の甲斐性をためす

アラブの国の富豪となって、ハーレムに美女を囲うお色気ムンムンなボードゲーム。こんなテーマだが、ヒッポダイス・ゲームデザイナーコンテストで1位を獲得したベルギー人女性デザイナーの作品である。美女をたくさん集めるには男を磨かなければならず、熾烈な競争が幕を開ける。
 ラウンドの最初に「今日の美女」が公開される。美女によって好みに違いがあり、外見、地位、お金、宮殿の広さで最も秀でた富豪を選んでハーレムに入る。美女の好みに見合ったパラメータを伸ばさなくてはならない。
 男を磨くための行動は競りで決める。地位、外見、宮殿などのレベルアップはいずれも各ラウンド先着1人だけ。特に今日の美女が求めているものについては、一日の長を目指して大枚をはたいた競りが起こるだろう。レベルアップには、競りの支払い額を安くできるラクダや、収入が入ってくるキャラバンもある。プレイヤーは自分のボードをもち、現在の状態を表示しておく。
 さて行動の結果、美女が誰かのハーレムに入ると今度は扶養費などが発生する。基本的には1人50ゴールドだが、中には高額なプレゼントを要求する美女や、宮殿を荒らしたり、次のラウンド全く行動させない美女もいる。やれやれ。美女は家事や料理などのキャラクターがあり、予め配られた目標カードに指示されたキャラクターを集めれば勝利である。
 序盤は高い地位を好む美女が連発して、まだ宮殿も資金も調っていない私のところになだれ込む。何しろ来ることになったらこちらから拒むことはできないのだ。扶養費で財政破綻した私は1人失い、ほそぼそと再建に臨むことに。その間にたっぷり資金を貯めた練乳さんが外見を伸ばし、美女を一気に集めて勝利。
 プレイ時間は2時間を超え、多少盛り込みすぎの感もあるが、男のプライドをくすぐるテーマに燃える。たとえゲームに勝てなくても、お気に入りの美女をそばに置いておけるならばそれだけで幸せな気分になれる、それが男というものではないだろうか。あはれ。

イスパハン(Yspahan / S.ポーション / イスタリ, 2006)

イスパハン軽快なテンポのダイスゲーム

中世の都を舞台に商業で栄えるボードゲーム。フリークから絶大な支持を得た「ケイラス」のメーカー、イスタリ社はその後「ミケリノス」「イスパハン」と、60分以内で終わるゲームを目指しているようだ。このゲームも信じられないほどテンポが速く、あっという間に終わるといっても過言ではない。
 手番プレイヤーは8〜11個のダイスをじゃらーっと振り、目の低い順にアクションボードに並べる。アクションは6種類あるが、出た目が偏ってダイスが置かれないアクションがしばしば出る。ダイスが置かれたアクションから、順番に1つずつ行動していく。
 行動はお金をもらう、ラクダをもらう、4つの街区に商品を置くが基本で、ほかに行政官を移動して商品をキャラバンに送る、カードを引くといった行動もできる。あれもしたい、これもしたいだが、7ラウンドごとに得点計算が起こるので、それまでに態勢を整えなくてはならない。しかもダイス目が偏れば、後手番のプレイヤーには選択肢がほとんど残されていないことも。まさにダイス目が命だ。
 お金とラクダを使って建物を建てると、追加の収入や得点などの特殊能力を得ることもできる。また建物自体も得点になるので、これも無視できない。商品を売るところから始めるか、建物からいくか、それともキャラバン、カード? 道筋はいろいろ。ダイス目に応じて臨機応変に行動を選択した人に勝利が待っている。
 このゲームの醍醐味は大量のダイスを一度にふって、その偏り具合を楽しむところにある。アクションの選択については、ある程度ゲームに慣れていればさほど迷わないようだ。それによって手番で長考する可能性がほとんどなく、すいすいゲームが進行するようになっている。その潔さが、このゲームの魅力と言えそうだ。堅実な手を打っていったが、大量得点の機会を失って3位。

ヴェネツィアの柱(Die Säulen von Venedig / K.ハッペル、C.フィオーレ / ゴルトジーバー, 2006)

ヴェネツィアの柱相手の行動を読む

昨年、「お金は臭わない」というちょっぴり下品なカードゲームを発表したデザイナーコンビが、同じメーカーから発表したボードゲーム。今度は水の都ヴェネツィアを舞台に、杭を打ち、街や橋を建てていく美しい建築ゲームとなった。
 全員手札からカードを1枚出し、一斉に公開して、スタートプレイヤーから自分が出した行動を実行していく。行動の基本はボードに杭を打つ「防水工事士」、街区タイルを自分のストックにする「市参事」、その街区タイルを杭の上に置く「建築士」の3つ。このほかに特殊効果を持った職業がいくつか入っている。
 杭を打つときは、自分の予約マーカーを置いて、そこに他の人が街区タイルを置いたときに得点できる。街区タイルには2マスから4マスまでさまざまな模様があり、となりに同じ模様があれば得点が上がる。橋は川の上を渡るように配いて高得点。川の上を走るゴンドラの所有者は河辺に建物が建つたびに得点……などなど、得点を増やす方法がいくつか用意されており、それぞれの作戦がまた行動選択に影響を及ぼす。
 面白いのが、使ったカードは左どなりの人に渡すという点。こうして効果の強いカードはどんどん回り、再び誰かに使われる可能性が高まる。特にゴンドラの所有者は、一日天下になるかもしれない。堅実に得点するか、リスクの高い高得点を狙うか。
 堅実な行動で始めた私は思ったほど点数が伸びず、後半からひねくれてみたがそれも裏目に出て3位。1位は、ゴンドラの所有者が誰にも奪われなかったmoonさん。ボード上に広がる立体的な地形が美しく、まるでヴェネツィア旅行をしているかのようだった。

ウル(Ur / P.モリ / ホワッツ・ユア・ゲーム, 2006)

ウルストラテジックに展開

特殊効果を駆使しながら、6×6に並んだタイルにコマを配置する陣取りゲーム。「妖精奇譚」の版権をもつことでも知られるイタリアのホワッツ・ユア・ゲームズの新作で、エッセンのフェアプレイ人気投票で11位に入った。
 2つのタイルからスタートする各プレイヤー、手番には手持ちのタイルに指示された2つの特殊効果を使うか、コマを配置する。特殊効果には隣接するタイルにコマを増やす農業、周囲が賑やかなほどたくさんコマが置ける商業、戦いを仕掛ける戦争、再配置を行う政治などがある。いずれもその特殊効果が最大限に発揮されるパターンがあり、そのかたちに陣営を整えるのがポイントだ。
 手番の最後に手持ちのタイルを盤上のタイルと交換。盤上へのタイルの置き方は自分に有利に、他人に不利になるように考えて。また新しく取ったタイルは次の手番の行動を明らかにし、ほかのプレイヤーは予想される特殊効果に対して対策をたてておかなくてはならない。
 コマを5つそろえるとジッグラトが建てられる。ゲーム終了時には、多くの種類のタイルを占領していればいるほど得点になるが、ジッグラトはプラス1種類に数える重要な建物。しかし早めにジッグラトを建ててしまうのは、自分の領地が狭まってしまうので考えものだ。
 考え始めれば考えどころはたくさんあるが、直感的にさくさく遊ぶことも可能。今回は中盤過ぎにジッグラトがどんどん建って一気にゲーム終了し、ほぼ横並びの中moonさんが頭ひとつ抜けて1位。時間は思ったよりもかからなかったので、何度かやって展開がどう変わるかみてみたい。

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