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働け!ぼくの社員たち

今年3月のゲームマーケット大阪と、今月13日のゲームマーケット浅草に出展する国産オリジナルのデッキ構築ゲーム。「世界水準のボードゲーム製作に挑む」という意気込みで制作された作品である。社員を雇い、商品を仕入れて売り、その売り上げで得点カードを入手する。

カードの効果が社内の役割をイメージしやすいのですんなり入り込め、それでいて相場がたえず変動する商品、デッキの外における不動産、ゲーム終了まで返せないと失点になる借金の存在で、選択の幅が広いゲームとなっている。

COMPANY: BOCG

最初は10枚のデッキから5枚を手札にして始める。手番には、アクションカード(社員)をプレイする、商品を売って得点カードを手に入れる、カードや商品を買うという流れ。『ドミニオン』に一手間足したようなプレイ感である。

アクションカード(社員)は、山札からカードを引く「企画」、商品をたくさん売れる「営業」、商品の価値を上げる「広報」、カードや商品を安く買える「経理」など9種類。部署のイメージ通りの効果をもっている。このほかに、「投資家」「二代目」「ハッカー」など、ちょっと癖のある効果をもっていて最初からデッキに入っている社員がいる。コンボももちろん可能だ。

また、不動産カードといって、維持コストを支払わなければならないがデッキの外に置いていつも効果が使えるものもある。購入した商品は置き場所が必要で、これも不動産カードの役目。早く導入してもコストがかさんで苦しい。どの時点で拡充するか考えどころだ。

得点カードは、お金で直接買えないところがミソ。まず商品を買って、それを売ったときに出る「価値」でやっと手に入る。得点が高いカードは、商品を一度にいっぱい売らないと手に入れられないため、周到な準備が必要になる。商品の相場はカードの効果などで変動しているので、安いときに買って、価値が上がったときに売りたい。

そしてこの得点カード、『ドミニオン』と違ってデッキを圧迫するものではなく、ゲーム中は高額のお金になる超重要カードなのである。安いものでもとにかく買っていったほうがよく、早く手に入れるほど有利になる。このデザインは興味深い。

お金がなくても、商品やカードは買える。それが負債と借入金である。負債は単にデッキを圧迫してしまうが、借入金はお金カードと同様に回せる。ゲーム終了時までもっていると失点。しかし破棄コストを払うか、アクションカードの「総務」で闇に葬ることができる(粉飾決算!)。でも借り過ぎに注意しないと、返せなくなるかも。

3人で40分ほど。得点カードのお金の価値が下がっていく発展ルールを採用。「企画」でデッキをぐるぐる回したぽちょむきんすたーさんが1位。私はお金がなくて、しかし借金する勇気もなく、「ネット販売」に頼らざるを得なかったため、大きな得点カードに届かなかった。鴉さんは「総務」で借金を消す技を覚えてからというもの、借金をしまくっていたが、これからというときにゲームが終わってしまいマイナス点で終了。

『ドミニオン』の域を超えるものではないが、とかくカード名と効果がリンクしているように思えない『ドミニオン』と比べて、まるで自分の会社があり、そこで社員が本当に働いているようでリアルなのが好評だった。

COMPANY:The Business Operation Card Game
坂上卓史/プロダクトアーツ
2-4人用/13歳以上/45〜90分
ボードゲームをはじめよう!:カンパニー
プロダクトアーツ:『COMPANY:BOCG』オーダーフォーム

今月19日にリリースされるニンテンドー3DSソフト『コード・オブ・プリンセス』(アガツマ・エンタテインメント)のカードゲーム版が、5月13日から発売される。デザイン木皿儀隼一(ワンドロー)、イラスト西村キヌ、2〜4人用、12歳以上、20〜30分、価格未定(3000円前後)。

各プレイヤーが異なるキャラクターを操り、強力な技カードや、サポートしてくれる仲間カードをステータス順に取り合って、戦いの準備を整えてバトルを行う。うまく勝利するとVP(勝利点)を得ることができ、計5回のバトルでVPの合計を競う。

ついたての裏でステータスを割り振る「ステ振り」システムと、能力が異なる8種類のキャラクターがゲームの柱。ほかのプレイヤーの狙いを読みきる心理戦が楽しめ、またお気に入りのキャラクターの使い方をマスターしたり、いろいろなキャラクターを満遍なく使いこなしたりと、格闘ゲームのように何度も遊びたくなる要素が詰まっている。

Code of Princess

コード・オブ・プリンセス

クリエイティブなお絵描きゲーム

ゲームマーケット大阪まで半月を切り、新作の国産・同人ゲーム情報が出てきた。ゲームマーケットでは毎回、たくさんの国産・同人ゲームが販売されており、その多くが小部数の限定販売のため、これを目当てに参加する人も少なくない。

『ぽんこつペイント』は、昨年春のゲームマーケットで販売されたお絵描きゲームだ。人気投票では票数こそ少なかったものの、高い評価を得ている。私の周囲では、近年稀に見る傑作として頻繁に遊ばれている。一般発売してほしいくらいだ。お絵描きゲームの多くは、画力や絵心が勝敗につながらないよう工夫されているが、このゲームは特に、画力よりも工夫がものをいう。

親以外が同梱されているお題を見て、砂時計が落ちるまでに絵を描く。そのときのシンプルにしてクレバーなルールが、直線と円(楕円は不可)しか描いてはいけないというもの。丸みを帯びたものほど描くのが難しく、意欲がわいてくる。

描き終わったら、画数を数えて、少ない人から親に見せる。当ててもらえたら+2点、外れたら親ともども−1点で次の人(ローカルルール)。画数をできるだけ抑えて、直感的に分かってもらえるぎりぎりのラインを探らなければならない。

写真の絵は何か分かるだろうか。結局このお題は最後まで親が当てられなかった(答えは「続きを見る」からどうぞ)。

昨年の夏、かゆかゆさんが描いていたのを思い出し、ボードのフレームを使って構図を工夫してみたところ、少ない画数で当ててもらえて1位。フレームはそれ自体で0画の長方形。これを利用しない手はない。

構図の工夫、無駄なものをどこまで削れるかという見極め、直線と円の組み合わせ方など、豊かな発想力が求められるクリエイティブなゲームである。ほかの人の絵でも、見事に描き表されていると拍手を送りたくなる(だからといって、親が当てられるとは限らないが)。

Ponkotsu Paint
ちかすず(近場の鈴木さん)作/ぽんこつファーム(2011年)
4人〜/10〜30分
作者のホームページ

ボードゲームの禁断の果実

昨年のエントリー「既婚ボードゲーム愛好者」で、買い過ぎや仲間はずれで奥さんの不興を買う愛好者の姿を見た。この悩みに一縷の望みをもたらしてくれそうなゲームが登場した。東京・中野でフェティッシュなボードゲームを扱う異色のショップ、ドロッセルマイヤーズがプロデュースした「男女協力型心理洞察カードゲーム」『アダムとイブ』である。

かくいう管理人も、妻とはめったにゲームをしない。日中は平日も土日も仕事や家事でいっぱいで、夜は子供と一緒に朝まで寝てしまう。そのため、このゲームのリリースが明らかにされて以来、とても楽しみにしていた。そしてようやく、お正月に満を持してプレイ。

アダムとイブ

2人でプレイする場合は「創造編」「楽園編」「地上編」の3つの難易度を選べる。1ゲームは5分くらいなので、創造編から全部遊んでもよい。2人のプレイ経験に合わせて、ちょうどよいところで止めればよいだろう。

太陽と月でそれぞれ1〜6のカードがあり、各自5枚ずつある手札を、5回交換してポーカーの役を作る。2人の役が一致していれば得点。何の役を狙っているか相談してはならず、相手の捨て札から推察しなければならない。

最初の手札が良かったからといって全く交換しないでいると、相手にサインを送ることができず、ひとりよがりな役で失敗に終わってしまう。かといって相手の様子を伺ってばかりいると、ワンペアくらいで終わってしまうかもしれない。3回のプレイの合計が、2人の相性ということになっている。

創造編は、ジョーカーのリンゴがあるので役を作りやすい。相性60点。「余裕だね」「ぬるいくらいだね」楽勝ムードで楽園編に進む。

楽園編ではお邪魔カードの雷が登場し、雷カードを捨てるたびに中央の神様/蛇モードが変わる。神様モードではリンゴがNGで、蛇モードでは太陽がNG。役が共通しなかったり、モードで許されないカードがあったりすると即ゲームオーバーなのでなかなか得点を伸ばせない。「信じてるよ!」「え〜」25点。ここから先は茨の道と知りつつ、地上編へ。

地上編はさらに、中立プレイヤーが登場する。毎回1枚ずつカードをめくり、5枚で偶然できた役よりも、2人の役が上回らなければならない。中立プレイヤーはジョーカーが使えるので強く、厳しい戦いを強いられる。「もうスリーカードだよ?」「どうしよう……」20点。

妻は地上編が一番よかったそう。厳しい戦いだからこそ、フルハウスなどの高い役が、ぎりぎりのところでできたときはハイタッチをしてしまった。相手の手札を読むばかりでなく、ハイリスク・ハイリターンで高い役を狙うか、安全確実にいくかというポーカーの楽しさもある。

同性ではあまり盛り上がらなさそうだし、カップルでも、いつもボードゲームを遊んでいる方向きではない。エデンの園に降り立ったアダムとイブがそうであったように、ボードゲーム経験の少なさが、このゲームを楽しむ上でポイントであるように思う。このゲームから、2人でボードゲームにハマる人たちが増えたらいいな。

Adam et Eve
渡辺範明/ドロッセルマイヤー商會(2011年)
2人用/10歳以上/5〜30分
ドロッセルマイヤーズ:アダムとイブ

心の目で描く

出来上がった絵は、まるで現代美術を見るかのようである。現代美術館でも、下に貼ってあるプレートを見ないと、何を描いたのか分からない絵が多い。その絵をみんな共同で描いているとしたら? そしてその中に1人だけ何を描いているのか分からない人がいるとしたら?

ストレイシーフ』『藪の中』でゲームと非ゲームの際どい境界線を歩み、注目を浴びているオインクゲームズの新作が、このお絵描きブラフゲームである。多人数、お絵描き、ブラフ、そしてオインクゲームズとあっては注目しないはずがない。

エセ芸術家ニューヨークへ行く

はじめに親が、今回のお題を決め、全員分のプレートに書きこむ。ただし1人だけ何も書かない。これを全員に配り、スタートプレイヤーを決めたらお絵描き開始。親以外が共同で1つの絵を描く。

絵は順番に、自分の色のペンで一筆ずつ描き加えていくかたち。エセ芸術家=1人だけお題を知らない人は、それまで出来上がった絵を見て、さも知っているかのように描き加える。2周したら、ペンの色からエセ芸術家だと思う人を一斉に指さす。「おまえだ!」

エセ芸術家がカモフラージュに成功し、指さしで最多数に選ばれなければ、エセ芸術家と親の得点。最多数に選ばれれば、エセ芸術家と親以外が得点……の前に、エセ芸術家に1回だけチャンスが与えられる。それは何を描いたかお題を当てられるかどうか。当てられればカモフラージュ成功と同様、エセ芸術家と親が得点する。

すなわち、エセ芸術家以外の人は、何か分からないような絵を描かなければならない。分かりやすい絵を描けば、エセ芸術家のカモフラージュが成功しやすく、カモフラージュに失敗してもお題を当てられてしまうだろう。しかし、分かりにくすぎても、エセ芸術家のカモフラージュが成功してしまう。1周目は様子見で棒でも引いておいて、2周目にさりげなく自分はお題を知っているアピールをするのがよい。

今回出来上がった現代芸術作品はエビ(右下)、ネコ(左下)、サンタクロース(上)。エビはくさのまさんが描いた尻尾でバレてしまい、ネコはエセ芸術家だったcarlさんの変な線を見ぬくことができなかった。サンタクロースは2番手という不利でエセ芸術家であることがばれたぽちょむきんすたーさんが、お題を当てられず。carlさんが一気に5点を取って1位。tomok画伯が直線一本だけで「そこはありえねー」とウケを取っていたのはさすがだった。

よそのゲーム会で遊んだ話を聞くと、毎回エセ芸術家がつかまってしまったというところと、1回も捕まえられなかったというところがあった。今回は両方あって、微妙なところを楽しめたと思う。

エセ芸術家ニューヨークへ行く
佐々木隼/オインクゲームズ(2011年)
5〜11人用/8歳以上/20分
オインクゲームズ:エセ芸術家ニューヨークへ行く

GigasDrop.は28日、『雷ネットアクセスバトラーズ ベーシックセット』を発売した。2人用、12歳以上、3,990円。

Xbox360などのアドベンチャーゲーム『シュタインズ・ゲート』のゲーム中に登場する架空の対戦ゲームを製品化。『シュタインズ・ゲート』では、「ロコロココミック」で連載され、テレビアニメシリーズにもなった人気アニメ『雷ネット翔』から派生した商品で、世界規模で爆発的に流行しており、大規模な大会なども開かれているという設定になっている。

今夏のコミックマーケットで製品版が部数限定で発売されていたものが、このたび一般発売となった。

ゲーム内容は、「回線マット」にお互いオンラインカード8枚(リンクカード4枚、ウィルスカード4枚)を配置し、相手に自分のウィルスカードを4枚取らせるか、相手のリンクカードを4枚取るか、相手のサーバー中心部に自陣のリンクカードを4枚侵入させれば勝ちという『ガイスター(Geister)』のようなルール。これに特殊能力を持った「ターミナルカード」が加わる。

なお、『ガイスター』は昨年の秋に日本語版が発売されたが、版元絶版のため国内外で品薄が続いている。

5pb.:雷ネットアクセスバトラーズ ベーシックセット
ファミ通.com:『シュタインズ・ゲート』に登場した伝説のボードゲーム『雷ネットアクセスバトラーズ』の一般発売が決定

7つの島(7 Islands)

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デッキ構築して島に上陸!

海賊たちが船員と道具を駆使しながら7つの島を冒険し、勝利点を集めるゲーム。『がむしゃらギャング団』や『グリモワール』など妥協のない作品を発表し続けているワンドローが、デッキ構築にボードやチップを加えて新しい境地を開いた。春のゲームマーケットで初版70個が売り切れ、7月に萬印堂で140個再版されたがまた売り切れていた。ようやく第2版が来年3月に再版される。ワンドローに対する国内外の注目度を考えれば、少なすぎる製作量だろう。

ゲームの流れは『ドミニオン』と同じ。アクションカードを出してその効果を使い、カードのコインで新たなカードを購入し、手札を捨てて5枚引くというもの。銅貨7枚を含む10枚のデッキから始め、山札が一定数なくなるか、最高点の山札がなくなるかで終わる。アクションカードは16種類あるうち毎回8種類しか使わない。これらはデッキ構築共通のプラットフォームといえるだろう。『ドミニオン』経験者には説明を省けるので楽である。

7つの島

このゲームの新しいところは、島ボードとそこに置くコマ、そして食料チップである。この存在が、プレイ感をがらりと変える。『ドミニオン』の作者D.ヴァッカリーノがドミニオン・ボードゲームを作っているという噂を聞いたが、そのアイデアを先取りしたかたちになった。

島ボードにコマを置いたり移動したりするアクションカードがある(「クエスト」)。島にはいくつかのマスがあり、指定された数のコマを置くと、カードとは別の特殊効果が得られる。しかし発動するには、それぞれのマスの定員を満たさなければならない。効果が強いほど定員が多く、人が集まるまでなかなか発動しない仕組みだ。同じマスに複数のプレイヤーが置けるので、協力や相乗りで早めの発動を狙うが、中には一番多く置いた人しか取れないものも。

ちなみにタイトルの「7つの島」から、毎ゲーム1つの島しか使わない。これにより、アクションカードの効果とのさまざまな組み合わせが楽しめるだけでなく、島ごとに決められたシナリオによって全く異なる展開が待っている。リプレイ欲求が強く刺激される。

もう1つの要素、食料チップも面白い。アクションカードの船員を使うとき、食料チップを支払わないと出せない。食料チップさえあれば何枚でも船員を出せるが、食料チップを増やすアクションカードで適宜補充していないと何も(カードの購入すら)できなくなる。『アグリコラ』や『ル・アーブル』にも通じる食料のマネージメントは苦しく、そしてやりがいがある。

「始まりの冒険島」をプレイ。クエスト重視と、アクションカード重視に大きく分かれた。私はアクションカード重視で即効性があったが、次第にクエストの効果が現れ始める。結局クエストにほとんどコマを置かなかったのと、圧縮が中途半端だったのが影響して敗北。アクションカードとクエストのバランスをどう取るかが、勝敗のコツのようだ。

カードを選んでコンボを構築する戦略性と、ほかの人のコマの置き方を見てクエストにコマを送る戦術がうまく絡みあって、絶妙なゲームになっている。今年はエッセン出展がかなわなかったが、海外でも高い評価を受けそうだ。

7つの島
木皿儀隼一作/ワンドロー(2011)
2〜4人用/12歳以上/30〜50分
Amazon.co.jp:7つの島 第2版

やりたくないけど「俺がやるよ!」

ダチョウサーカス

6種類のサーカス演目を、競りで3枚以上取らないように集めるカードゲーム。今年の春のゲームマーケットで発売された。クニツィアのバーストゲーム『ノミのサーカス』に勝るとも劣らない緊張感と笑いがつまっている。

出てくる芸はファイヤーリンボー、バス落下、熱々おでん、わさび寿司、粉まみれ、バンジージャンプとバラエティー番組にはおなじみ(?)のものばかり。5枚の場札から2枚がめくられ、順番にその芸をやるかどうか宣言する。やりたいときは「俺がやるよ」、降りたいときは「どうぞどうぞ」。

2人以上やりたいときは、もう1枚めくって2周目。こうして誰か1人になるまでカードを増やしていく。最後に残った1人は、場札を引きとって自分の前に並べる。

自分の前に並んだカードは、1種類につき2枚までは得点になるが、3枚以上取ると客に飽きられてしまったことになって失点になってしまう。ある程度は取りたいが、どのカードも満遍なくくるとは限らない。むしろ取りたくない場面のほうが多い。

しかし、降りたら降りたでチキンチップを取らされる。やらぬも損のチキンレースである。チキンチップを取らないで降りるには、誰かが我慢しきれずに降りて場のチップがなくなったところで降りるのがよい。でもみんながそう考えているから、チキンレースは一層激しくなる。ほかの人がどの芸ならOKで、どの芸はアウトなのか見極めておかないと痛い目にあうだろう。

競りのシステムが、ゲームとして面白いだけでなく、ゲーム中の笑いも取れるようになっているのが素晴らしい。もう1枚くらい大丈夫かなと思って「俺がやるよ」と言ったら、今まで「俺がやるよ」と頑張っていたみんなが全員「どうぞどうぞ」と降りてしまったり。そんなときはもちろん、「聞いてないよ〜!」。

ダチョウサーカス
川崎晋/カワサキファクトリー(2011年)
3〜4人用/6歳以上/20〜30分
絶版・入手難

裏を書いて陥れる

Ungerade

ペアをめくって得点するカードゲーム……と聞いて、私は神経衰弱(メモリー)のバリアントだと思っていた。しかし遊んでみると、記憶の要素は少なく、それよりも読み合いとブラフのゲームだった。タイトルはドイツ語の奇数(ウンゲラーデ)から。

手番には場札を1枚めくって、その後で手札から1枚、伏せて場に出す。めくったときに、ペアがなければそのまま裏返さずに表にしておき、同じ数字のペアが出ればゲットできる。

ほかの人が出したカードをめくってもよいところがこのゲームのポイントその1。最初から置かれている場札と違って、ほかの人が伏せて出したカードは、すでに表になっているカードと同じ数字である可能性が高い。1周の間、そうやって出したカードがめくられなければ、自分でめくって悠々とペアを確保できる。しかし、出す方もそれが分かっているから、わざと別のカードにするかもしれない。

プレイヤーが出したカードは、手元に並べておくので、「この時点では6があったから、6を出していたかも」「ここで5が取られてなくなったので、布石として5を置いたかも」という推理ができる。「これ、6でしょう?(ニヤリ)」「えっ、違いますよ」「いいや、6に違いない、ほら!」「……1でした−!」1のカードを仕込んで、6を狙うほかのプレイヤーがめくってくれたときの快感ったらない。

数字は1〜6まであるが、点数が高いほど枚数が少なくペアが揃いづらいのがポイントのその2。手札にある数字の大きいカードをどのタイミングで出すかも悩ましい。そしてタイトルが示すとおり、どの数字も枚数は奇数であるところがポイントその3。終盤は、1枚だけ残るカードをめくらないよう、競争が激しい。「その4のカード、狙ってたのに〜!」

ポーカーフェイスで読ませなかったcarlさんが1位。1をめくってくれたと喜びすぎると、ほかのカードに6があるんじゃないかと怪しまれるなど、『ドメモ』のように、ほかの人の言動やちょっとした仕草もヒントになる。「ゲーム会の最初に毎回やってもいい」とくさのまさん。単純なルールが推理やブラフを生み出す、絶妙なゲームである。

Ungerade
杉岡一樹/青い街(2011年)
2〜5人用/8歳以上/20分
青い街:Ungerade

キャッツ・アイ

『ハゲタカのえじき』に代表されるバッティングゲームは、ほかの人とかぶらないように裏をかく心理戦である。これに、ひねりを加えることで戦略的な要素を加えた。今年の春のゲームマーケットで発売された国産ゲームである。

プレイヤーは宝石専門の怪盗で、盗む前に必ず予告状を出すことにしている。いろいろな宝石が入荷する5つの宝石店から1つを選んで予告状を出し、一斉に公開、ほかの怪盗とバッティングして(かぶって)いなければ宝石を取れる。

誰も取れなかった宝石店には宝石が累積する。宝石が増えれば増えるほど、そこを狙う怪盗が増えてバッティングが起こりやすい。ほかの人が諦めてくれるのを期待して狙うか、安全にほかを狙うか、宝石が増えれば増えるほど心ヒートアップ。

このゲームのひねりは3つあって、まず1つ目は、同じ宝石店には2回続けて入れないこと。前のラウンドに出した予告状はわきによけておく。このため、1つの宝石店に多数の怪盗がつめかけてバッティングすると、次のラウンドはそこに行かなかった怪盗が悠々と盗めるわけである。

2つ目は、宝石は同じ数字を3枚集めないと得点にならないこと。高得点の宝石は枚数が少ないのでチャンスはあまりない。また、誰がどの宝石を狙っているか分かるので、予告状選びは戦略的になる。「−4」というカードも3枚集めないと失点にならないから、2枚までは取れるという計算ができる。

3つ目は予告状カードと一緒になっている「ゲット」カード。ほかにこのカードを出した人がいなければ、残り物(このラウンドに盗まれなかった宝石店)を選んで取れる。しかしこれまた人気のカードなので、バッティングしてなかなか取れないものである。

怪盗ジュエル

写真の「D」宝石店は、バッティングを繰り返しているうちに溜まりに溜まったところである。みんなが遠慮したところで突っ張った私が獲得した。しかし、このゲームは突っ張れば勝てるわけではない。ときに人気がなさそうな宝石店を狙い、ほかの人がバッティングした直後を狙う抜け目のなさが必要である。うまく7点のセットを完成させたくさのまさんの勝利。

怪盗ジュエル
土屋つかさ/染井吉野ゲームズ(2011年)
3〜5人用/8歳以上/15分
染井吉野ゲームズ:怪盗ジュエル
ボードゲーム・カードゲームの販売所:怪盗ジュエル

夢の科学博ゲーム

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万博は疲れる

banpaku.JPG

三鷹のテンデイズゲームズがオープンしたとき、近くで見つけた「おもちゃのふぢや」。パーティジョイシリーズがまだ普通に売られているのである。その中から、懐かしのつくば万博をテーマにしたボードゲームをゲット。つくば万博は実際見に行った世代である。

「なぜなぜふしぎコース」「ときめき感動コース」などのコースボードを1枚ずつもち、指定されたパビリオン6つをいち早く回って、ゴールすれば勝ちというすごろく。ピラミッド型のダイエー館、モアイ像やバーミヤン仏が彫られた集英社館、ソニージャンボトロン、ソ連館など、大行列で入れなかったパビリオンが並ぶ。

ボードはポスター状に広がり、広大な会場になる。広大な上に、ドッキリカードやチャレンジカードでワープすることもあって、思うように6つ全部訪れるのは容易ではない。堂々巡りでゲームが終わらないかと思ったが、妻が無事ゴール。

会場で並び疲れてヘトヘトになったことまで思い出させてくれた。コスモ星丸め〜!

夢の科学博ゲーム
作者不明/バンダイ(1985年)
2〜4人用/8歳以上

適正価格とは、自分が買いたい価格である

goodprice.jpg

OKAZUブランドから、『擬人化総選挙』と共に発表された多人数で遊べるコミュニケーションゲーム。価格に見合った品物を考える大喜利系ゲームである。

毎回、「大根」「コート」「ガム」などの材料カードと、「300円」「1980円」「5000万円」などの価格カードが提示される。これで例えば「7万円の大根」や「1500円のコート」といった商品を考えださなければならない。各自、メモ用紙にアイデアを記入して、順番に発表。発表が終わったら投票して、投票数だけ得点と、最多投票にボーナスが入る。

投票の基準は「価格が適正だと思うもの」だが、価値をどれくらいと認めるかは人次第。結局、自分がその値段でなら買いたいものということになるだろう。したがって、考える商品もメンバーに合わせた魅力あるものにしたほうがよい。

今回「7万円の大根」は「レディ・ガガが八百屋で買った大根」、「1500円のコート」は「しまむらのコート」などが好評。商品と値段のギャップが大きければ大きいほど悩ましく、またアイデアの出しがいがある。大喜利系のゲームなので、笑いをとろうとすればするほどハードルが上がるが、笑いを取らなくても「欲しい!」と思わせれば勝ちである。

コンポーネントは『擬人化総選挙』とデザインが同じだが、使い回しではない。材料カードと候補カードを交換すれば、どちらにも拡張として投入できそう。

Good Price!
林尚志/OKAZU Brand
3〜8人用/8歳以上/30分
OKAZU brand:Good Price!
ゲームストアバネスト:グッドプライス

モノにも性格がある

gijinkasenkyo.jpg

震災後、我が家の自宅ゲーム会はパーティ・コミュニケーションゲームが多く遊ばれている。このジャンルはアメリカが先進国で、『テレストレーション』をはじめとして数えきれない作品が発売されている。また『ディクシット』あたりから、フランスも注目されてきている。

そんな世界のトレンドを受けてか、今年のゲームマーケットの同人ブースでも、多人数で遊べるパーティゲームがいくつか発表されていた。その中で、『ひも電』などのオリジナルアイデアで世界を驚かせたOKAZUこと林尚志氏が発表した2タイトルのひとつがこの『擬人化総選挙』。「この中で一番いばっているのは?」「この中で一番歌手に向いているのは?」などの選挙に、「七夕」や「ブランデー」や「相撲」など、人間ではないものが立候補する。

問題カードを出して、8枚の立候補を並べたら、みんなで投票する。単独で最多数派だった人が得点。単独最多がなければ、得点はキャリーオーバーされる。はじめに7点以上取った人が勝ち。

もの言わぬ事物に、一体どれがいばっているかなんて分かるはずもないから最初は途方にくれる。しかし、投票を繰り返していくうちに、その事物のどこかをクローズアップすればよいというコツがつかめてくる。問題は、どこをクローズアップするかである。ほかのプレイヤーの感性をつかんで投票しよう。

開票後の「そこかー!」「え、どうして?」みたいな会話が楽しいので、投票と投票の間には会話する時間を設けるのがよいだろう。ルールに書かれていない、ゲーム進行の合間が、コミュニケーションゲームの醍醐味である。

擬人化総選挙
林尚志/OKAZU brand
3〜8人用/6歳以上/15分
OKAZU brand:擬人化総選挙
ゲームストアバネスト:擬人化総選挙

かみ合わせの妙

クライアントが気に入ってくれるCMソングの歌詞を作るゲーム。名古屋EJFのメンバーが制作した作品で、ゲームマーケットでゲームストアバネストから無料配布された。8人プレイで、無料とは思えないほど非常に盛り上がった。

はじめに今回のお題が2枚のカードで指示される。カードは形容詞と名詞からなり、「ゴージャズな/公営ギャンブル」「やる気の無い/ドラッグストア」というようにランダムに組み合わせられる。

CMソングの歌詞は3つの候補を前半と後半に分かれて制作する。作詞家になったプレイヤーは、自分が担当する部分を七五調で作詞。担当はシャッフルして決めるので、誰と組になるかは分からない。終わったらひとりがまとめて順番に読み上げる。CMソングだが節はつけなくてもよい。

お台場カジノ
ゴージャスデリシャス/レインボーブリッジに虹の橋
政治家もみんなやってるよ/バカラ、ポーカー、ルーレット
あなたも5分で/大爆発だよお台場カジノ

ダラダラドラッグ
開店は午後3時/なんとなく営業中
そんな時は一発キメてみよう/みんな適当に持っていけ
いつでもどこでも定休日/今日もだらっとダラダラドラッグ

候補を読み上げたら、クライアントのプレイヤーは気に入ったものにお金カードをビッド。これをそれぞれの担当で折半して収入とする。相手とのかみ合わせが見事にマッチして大爆笑を引き起こせれば、高い収入が得られるだろう。

ラウンドごとに作詞家とクライアントを交替し、規定ラウンドで収入の最も多い人が勝ち。ベストコピーライターは誰か。

評価の仕方がよく出来ており、また毎回作詞家とクライアントが変わるのでめりはりがつく。ひとりで全部作るわけではないので(ときどきそうなることもあるが)、大喜利系のプレッシャーもない。コミュニケーション・パーティゲームの需要が高まる昨今、この作品は是非、商品化してほしいものだ。

CMソングメーカー
風狐享也/ゲームストア・バネスト(2011年)
5〜8人用/30分
ゲームストア・バネスト:CMソングメーカー

絵を見て笑うのを見て笑う

でっち上げた生物のイラストを見て、即興でテレビリポートする国産のコミュニケーションゲーム。今年のゲームマーケットの新作だが、先行してシンガポールのゲームフェアでも展示された。カードは日英の両方表記で、エッセンの出展もばっちりである。

まずはじめに未確認生物カードを引き、「テレパシー生物」「猛毒生物」などの今回の生物が決められる。このテーマで、各自、生物をでっち上げスケッチ。絵の上手下手よりもインパクト重視。

そして、番組テーマカードを引き、「シベリア凍土地帯から千年前の生きた状態で」「驚きの実態!奇妙な増え方をする…」などのテーマが与えられる。先ほど描いておいた絵を皆に見せながら、テーマに沿って1人ずつ実況中継するわけだが、その前に全員の絵をシャッフルして配りなおすのがこのゲームのポイント。

絵を見るととんでもない生物が描かれているわけで、吹き出してしまったり、絶句したりと、まるで本当に生物を見たかのような臨場感があふれる。

「ハイ、こちら〇〇から実況中継です。巨大な生物が眠っています! この耳のような部分は、専門家によりますと電波を発信する装置になっているそうです。おおっと、起き出しました!」……実況中継ではテンションの高さと、絵をテーマにこじつけるプレゼン力が問われる。

全員がリポートした後にベスト作品を一斉に指さして決め、これを2〜3ラウンド繰り返して、ベスト作品中からベストを決める。そのリポーターが1位、絵を書いた人が2位、2番目のリポーターが3位、絵を書いた人が4位。

いきなり実況中継といわれても戸惑うが、次第に自分なりのスタイル(勢いで押し切る、無理やりこじつけるなどなど)が確立されれば何とか乗り切れるようになる。どう実況したらいいか困っているのを見ているのも楽しい。

ホームページでは、傑作作品のイラスト写真とリポートの要約を募集している。8月末〆切。応募してみてはいかが。

Cryptids TV
藤原快/ピグフォン(2011年)
3〜8人用/10歳以上/20〜40分
ピグフォン:未確認生物テレビ

インガ(Inga)

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ヴァンパイアが強い丑三つ時

昼から夜、夜から昼へ、時間が刻一刻と変わっていく中、活動時間帯の異なる人間とヴァンパイアのパーティを組んで、生命力を奪い合う国産バトルロワイヤルゲーム。エアロノートシリーズとしてバインダーに入った美しいコンポーネントで10タイトル販売されたうちのひとつである。

狭いボードの中を移動して、ほかのプレイヤーに攻撃を仕掛ける。攻撃を仕掛けるには、現在の時間帯に対応するキャラクターが、自分のパーティにいなければならない。時間は、1周するたびに日時計を1マス進める。

攻撃された方も、同じ時間帯に活動できるキャラクターで防御。基本的にはもともともっている攻撃力と、防御力+ダイスで勝負するが、キャラクターは何と50枚もあり、いろんな特殊能力を持っているので、バラエティに富んだ攻防戦が楽しめる。

攻撃が成功すると、相手の生命力を奪ったり、失わせたりする。奪った生命力はそのまま攻撃側へ、失った生命力は盤上に散らばり、早い者勝ちで拾い集めてくる。

中央のマスでは、新しいキャラクターを加えたり、パーティーを入れ替えたりもできる。でも強いキャラクターを待っているうちに、やっつけられてしまうかもしれない。

活動時間帯は、人間が深夜以外、ヴァンパイアは日暮れから夜明けまでとなっていて、夜の一部は重なっているのが面白い。人間が眠る丑三つ時は、強いヴァンパイアの活躍どころだ。

生命力は新たに補充されないので、奪ったり奪われたりのゼロサムゲーム。一時は終わらないかに見えたが、ぎりぎりのダイス目で攻撃をかわし、射程圏内にいる全員に攻撃できる全体攻撃で一気に片付けて私の勝利。鴉さんは防御が必ず成功するキャラクターをもっていたが、攻撃するキャラクターに欠いた。nagaさんは肝心のところでダイス目に恵まれず。

「命知らずの傭兵」「漆黒のヴァンパイア」「時の番人」など、キャラクターの名前がかっこよくて、モノクロに赤が入ったボードと、大きな木製コマの雰囲気にマッチしている。おまけアイテムは「お清め塩」だった。

Inga
作者不明/グラパックジャパン(2003年)
3〜4人用/12歳以上/20分
グラパックジャパン:インガ

ウエシマ作戦

震災後の節電や買い溜めを考えるトリックテイキングゲーム。スートや切り札などはないので、小学生でも簡単に遊べるだろう。ダウンロードしたPDFファイルをプリントアウトしたところ、長女が興味を持ってカードの説明を読んでいた。

順番にカードを1枚ずつ出して、一番大きい数字を出した人が、全員が出したカードを受け取る。カードにはそれぞれ得点(失点)が書いてあって、全部のカードをやり取りした後で総得点を競う。

米、水、牛乳、トイレットペーパーは1枚だけなら0点だが、2枚以上取ってしまうと、買い溜めはダメということで失点になってしまう。節電や義援金で得点しても、買い溜めしてしまうと帳消しどころかマイナスである。

さらに、迷惑ボランティアやデマの流布など、大失点になるカードもある。したがってゲームはできるだけトリックを取らないようにするミゼール系のゲームになる。数字が0の「どうぞどうぞ」カードや、ゲーム中1回だけ使えるスペシャルカードでピンチを回避したいところである。

3人でプレイ。ミゼール系では、できるだけ後手になって、ほかの人が出したカードを見て、それより少し数字の低いカードを出すのが基本となる。しかしそのことは皆分かっていて、なかなか後手にさせてもらえない。取っておきの「どうぞどうぞ」も虚しく、ひたすら買い溜めしてしまった。「おのさん、家族持ちだからな」などと言われる。

買い溜めなどしたくてするのではない、やむを得ずしているのだと思っていても、冷静に考えればしなくて済む場合が多いのではないかと、終わってから考えさせられた。「どうぞどうぞ」は最強である。

震災をゲームにするということについては不謹慎という批判もあるかもしれない。しかしデザイナーノートに「今、被災地のために何ができるのか考えて作ってみた」「現在起きている買い占めや節電などの問題について考える「きっかけ」になればいいと思います」とある通り、まず意識的になることの大切さをこのゲームは教える。被災地東北に住む者として、宮城・福島の生活物資不足がいち早く解消されることを祈る。

どうぞどうぞ
中村誠/中村玩具製作所(2011年)
3〜5人用/8歳以上/20分
ダウンロード:どうぞどうぞ(PDF)

火星の砂は赤かった

東京・立川のゲームショップ、B2Fゲームズが昨年のエッセン国際ゲーム祭に出展した火星開拓ゲーム。ミニチュアゲーム扱う同店が総力を結集して製作した様子は、ブログの連載で窺い知ることができる。火星の地面を模したボードは、情景用の砂やビーズ、草が植えてあり、子供の頃に憧れた精巧なジオラマになる。どっしり重い限定のメタルフィギュアは彩色済み。このフィギュアを草の上に置いたときのしゃりっという手触りがたまらない。

ゲームはエリアマジョリティで、5種類にロボットを置いて、資源の獲得を目指す。ロボットは火星のほかに6つのラボに置くことができ、ここでは臨時収入や戦闘のアドバンテージなど特殊能力が得られる。火星でもラボでもお金を払えば戦闘を仕掛けることができ、勝てば相手の場所を奪える。戦闘は一発勝負の1ダイスロール。

手持ちのロボットがなくなるか、パスをしてラウンドから先に抜けると、自分の番が来るたびにほかのロボットにダメージを与えて収入が入るというイスタリ的な処理。だから戦闘をしかけて手番を長引かせるのも考えものである。

ラウンドが終わったら、地形ごとに1位と2位の人に資源が入る。資源はパラメータ化されていて、使わずに貯めると得点や収入が増える。また、ラボの特殊能力や土地の資源として手に入る「インゴットダイス」は、ゲーム終了時に振って出た目だけ得点。各所にオリジナリルアイデアがちりばめられている。

1ラウンド目、火星の中央を陣取って得点した私は、トップで税金を取られてしまった。そこからはお金がないので戦闘せず、防御の特殊能力を取ってひたすら得点になる資源集めへ。一方、tomokさんは次々と戦闘を仕掛けたがリロールの特殊効果も虚しく1勝3敗という散々な結果。nagaさんはインゴットダイス集めに走るが、予告通り期待値を大幅に下回った。tomokさんの挑戦を退けた鴉さんが、余剰なお金を得点にできる特殊能力で力をつけ、インゴットダイスも好調で1位。

3ラウンドしかないが、第3ラウンドでロボットが一掃されてリセットになり、前ラウンドからの布石がなくなったので短く感じない。原則1ラウンド1ラウンド別々の勝負である。ダイスロールの戦闘はリスクが喬く(攻撃を仕掛けたほうがお金を払い、負ければロボットを失い、勝っても相手はコマが戻るし、お金も入る)、あまり起こらなかった。一度配置したロボットはもう移動できないので、効率よく、トップのマークをされないようにして堅実にチャンスを狙う配置ゲームである。

Mars is Ours!
小林大樹/B2Fゲームズ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/60〜90分
初版品切れ中
ヤポンブランド:ぼくらの火星

落として揃えて建てて

『ぷよぷよ』のような落ち物パズルをもとにした建設ゲーム。昨年のゲームマーケットに『テラフォーマー』で注目を浴びた寺島由人氏が、秋のテーブルゲームフェスティバルに発表した作品である。カードゲームが多い同人ゲーム界において、デビューした年にボードゲームを2タイトルも発表したことから、急激に注目されている。落ち物パズルを建設ゲームにしてしまう発想がすごい。

舞台は地球上のある島。宇宙からの貿易品が落ちてくる軌道エレベータ、ビーンストークがある。ビーンストークでは、落ちてくる商品タイルが4つつながると、各プレイヤーに分配される。商品はそのまま得点にしてもよいが、さらに建物を作ればその効果でゲームを有利にすすめることができるだろう。

手番にはランダムに商品タイルを2枚取り、縦につなげてビーンストークの上から落とす。同じ商品が4枚つながると分配。建物の効果によって取れる枚数が異なり、なくなり次第終了なので全く取れないことも。ビーンストークに残った商品は下に詰めるので、いわゆる連鎖も起こる。分配が起こっても商品をもらえなさそうなときは、わざとタイルを離して置く。

そのあとで建設。コストとなる商品を支払って、建物タイルを取る。以降、取れる商品が増えたり、エレベータや捨て札から取れるようになったり、タイルを交換できるようになったり、得点パターンが増えたりする。建物の種類は17種類。出てくる順番や組み合わせによって戦略も変わるが、建物自体は全く得点にならない。後半になると、建てるか商品を貯めるかが悩ましい。

補充する商品がなくなるか、建物タイルがなくなるか、商品タイルがエレベータの一番上までいったらゲーム終了。この3つの終了条件は、商品集めまくりか、建物建てまくりか、お互い邪魔しまくりかという全く別の展開を生む。最後は、商品4種類1セットで1点、寺院という建物があれば、黄色の商品3枚で1点で、合計点数の多い人が勝ち。

手に入る商品は建物によって決まり、また建設で使ってしまうので、4種類集めることが難しい。どうしても偏ってしまうものを、建物の効果で多種類にできるかがカギ。鴉さんがどの商品でも取れる研究所でリードし、そのまま黄色のタイルを2枚取れるバイオ農場と、黄色のタイルが得点になる寺院のコンボで1位。私は青の商品を2枚にできるナノマシン工場で商品を増やしたが、偏りを解消できなかった。

商品分配を起こすべきか、建物を建てるべきかなど、考えることが結構あって重めだが、建物が増えてできることが多くなっていくのが楽しい。オリジナリティあふれるシステムが印象的な作品である。『テラフォーマー』と共に、海外進出も狙ってほしい。

Beanstalk
寺島由人/遊星からのフリーキック(2010年)
2〜4人用/8歳以上/30分
遊星からのフリーキック:ビーンストーク

肉を切らせて骨を断つ

3人の容疑者の中から、誰が犯人かを予想しあう騙し合いのゲーム。『ストレイシーフ』に続いて物議を醸し、すごろくやさんが国産ベストに挙げるなど注目されているゲームである。

登場人物は8人で、2〜8の数字が書かれているものと、シロがいる。このうち毎回3人が容疑者となり、その中で一番数字が大きいのが犯人である。ただし、容疑者の中に「5」がいると、3人の中で一番数字の小さいのが犯人となる。残りの1人は被害者、4人は無関係の人。

8人のうち中身を見られるのは無関係の2人と容疑者2人だけ。これだけで予想するのは一か八かなので、ほかのプレイヤーの予想を手がかりにせざるを得ない。ほかのプレイヤーは別の人物を見ているので、その予想と自分が見た人物を対照すれば、より確率の高い予想ができるだろう……ただし、それはほかのプレイヤーがウソをついていなければの話。

毎回、犯人だと思う人物に自分のチップを出す。当たれば返ってくるが、ハズれれば裏にしてマイナスポイントになってしまう。ただし、後手番のプレイヤーも同じ予想をしてハズれると、そのプレイヤーにマイナスポイントを押し付けることができる。手持ちのチップが全部裏になるか、マイナスポイントが一定以上貯まったら負け。

予想が当たるのが一番で、わざとウソをつくメリットはあまりない。確率を無視した予想をしても後手番のプレイヤーが乗ってくるとは限らないし、仮に乗ってきてハズれたとしても、自分のチップが減れば負けに近づく。なので、ふざけないで真面目に予想しよう、ということになる。実際、登場人物が1人減る3人プレイでは、半数以上を把握できるため、全員正解という場面が多すぎてゲームが停滞する。

でも、そこがこのゲームのポイントなのだと思う。何ラウンドかに1回、確率が微妙なところでわざと低い方に予想する。すると次の人から混乱し始める。自分のチップを1枚失っても、敗者を出せればそれでよい。まさに肉を切らせて骨を断つ作戦である。

3人では全く盛り上がらなかったので4人で再戦。かゆかゆさんが鴉さんにチップを押し付けていったが、押し付けすぎて予想できるチップが減ってしまった。鴉さんもマイナスポイントが蓄積して死にそう。そこで予想が二手に分かれた。誰の策略だったか分からないし、素で間違ったのかもしれないが、かゆかゆさんが最後のチップを失って終了。あと一手で負けるというところでの予想が熱かった。

タイトルの通りもやもやしたゲームであるが、実況を交えながら遊び、意外な結末に一喜一憂すると楽しい。

藪の中
佐々木隼/オインクゲームズ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/20分
すごろくや:藪の中

ゴリラへの挑戦

記憶ゲーム(いわゆる神経衰弱)は、キッズゲームの王道である。ドイツでも、ラベンスバーガーの『メモリー』は50周年を迎え、数多くのモチーフで発売され続けているし、過去10年の年間キッズゲーム大賞のうち半数が記憶ゲームである。子供は時として、大人も舌を巻くような驚異的な記憶力を発揮する。

高円寺のボードゲームショップすごろくやがオリジナル商品として発売し、後に箱入りの豪華タイル版になった『イチゴリラ』は、神経衰弱をうまくアレンジした作品である。ただペアをめくればよいのではなく、絵柄によってめくる枚数が異なるところがまずひとつ。

「いちご」はたった1枚めくっただけでゲットできる。ただし1点。「サンタ」なら3枚、「ゴリラ」なら5枚めくらなければならず、途中で別のものをめくってしまうとアウトになってしまう。その代わり全部間違わないでめくることができればその枚数分だけ得点になる。

さらに、「サンタ」に対する「どろぼう」、「ゴリラ」に対する「悟空」のように、絵柄が非常に似ているセットが入っていることが、記憶をさらに混乱させる。かわいい絵柄とは裏腹にシビアなゲームだ。上級ルールとして、めくられるたびに場所を交換する「おばけ」と、間に挟んで揃えれば2種類もらえる「にじ」もある。

4歳の長男と対戦。大人の貫禄を見せようと、果敢に枚数の多いものを狙っている間に、長男は着実に枚数の少ないものを集めて善戦した。もう少し大きくなると、5枚の位置を覚えることもできそうな感じだ。

『人狼』を少人数でも遊べるようにした作品としては『ルプスブルク』があるが、アイテムが多くて気軽に遊びにくいという欠点があった。この作品はカード1人に3枚ずつ配るだけで、4〜8人で遊べるようにしてある。

少人数で遊べるための工夫としてはヒットポイントが2あって、1回刺されただけでは死なない(このゲームでは殺されるのではなくお宝を盗まれるという設定なので、正確には死ぬのではない)、昼間の投票では可決されなければ脱落しない、夜間の泥棒は全員中央に手を出して目を閉じ、10数える間に怪盗役が指すのでゲームマスターはいらない、少人数の場合、2晩に1回しか盗まれないという点がある。

さらにゲームを盛り上げるのが多彩な公開キャラクターの特殊能力。1周に1回、1人指名して一般人か否かを聞き出せる探偵、投票結果を変更できる教師、お姉さんが盗まれると自分も失う妹、生徒会長が盗まれると供出しなければならない副生徒会長など、1回のゲームでは使い切れないほどたくさんある。推奨の組み合わせでも、ランダムでもOK。強い能力の持ち主は早めに正体を探ろうとか、この特殊能力が推理の手がかりになる。

合宿で1回、8人で遊んでみたところ、あまりに盛り上がって3回連続。公開キャラクターの能力で会話が弾むのがよかった。キャラクターは全員女性なので、大の大人が自然と女言葉になっていたり。和やかなようでいて、指名や投票のタイミングが大きな手がかりとなったり、誰か分からない人から指されて戦慄したりというような『人狼』の醍醐味はいささかも損なわれていない。さらにヒットポイントが2あることで怪盗がわざと自分自身を指名しカモフラージュするというような高等戦術も。

萌え系イラストには好き嫌いがあるだろうが、しっかり作りこまれた作品なのでぜひ多くの方に手にとってほしい。

けもぱに
作者不明/アークライト(2010年)
4〜8人/12歳以上/30〜60分
アークライト:けもぱに

どのルートがベスト?

アニメ化もされたライトノベル『狼と香辛料』をテーマにした通商ゲーム。今年のコミックマーケットで同人作品として発売された。デザイナーはライトノベル作者の土屋つかさ氏で、5月のゲームマーケットにも出展している。

ゲームの目標は資源のセットを街に配達して自分の信頼マーカーを置くこと。手番にはダイスを振って出た目の街に資源が産出され、2アクションポイントで移動や資源の入手と配達を行う。規定数の街に最初に配達できた人の勝ち。

これにキャラクターカードが加わり、「海路はアクションポイントなしで移動できる」「トップから資源を奪う」などいろんな効果をもたらしてくれる。さらに、信頼マーカーを置くと、「アクションポイント+1」や「手持ちの資源を好きな資源と交換できる」など、街によってさまざまな効果が得られる。キャラクターと街の効果をうまく組み合わせて、ほかのプレイヤーからリードしよう。

ゲーム中盤からは、街やキャラクターなどの効果でアクションポイントが増えるので、それだけ選択肢も増えて悩ましい。今持っている資源と、近くで取れる資源、そしてまだ信頼マーカーを置いていない街で必要な資源を見比べ、どこに行くのが早いか考える。手番になってからアクションポイントが増えることもあるので、予め考えておいたのと別になることもあり、手番は長めになることが多い。

ゲームを面白くしているのが四季の移り変わりで、冬になると持てる資源が4つから2つに減る。資源を3つ届けなければいけない街が多いので、キャラクターや街の効果で持てる資源を増やせないと、細々と春を待つことになる。春よ来い。

資源産出がダイスなのが『カタン』みたいかなと思ったが、遊んでみると効率的な移動を考えるところが『ハンザ』みたいだねという感想が出された。キャラクターに効果によるハプニングも起こるが、基本的には先の先をじっくり考えるゲームである。

先手プレイヤーは先に配達して街の効果を手に入れられるが、有利でもない。最下位のプレイヤーは「ホロ」というキャラクターがアドバンテージをもたらすため、自然と拮抗した展開になるからである。その中で少しずつ少しずつ、差をつけていかなければならない。

効果の強い街を早めに制していったぽちょむきんすたーさんが1位。私は冬の間に何もできなかったのがたたって3位。

行商と信頼
土屋つかさ/染井吉野ゲームズ(2010年)
2〜5人用/8歳以上/60分
染井吉野ゲームズ:行商と信頼

格差と直接攻撃

ボードゲーム情報誌『GameLink』3号の付録は、鈴木銀一郎氏のデザインである。これまでの付録を振り返ると、骨太のシステムをもつ『マーチャントギルド』はドイツゲーム風味、バラエティに富んだキャラクターが登場する『キングダム』は日本ゲーム風味だったが、今度はスタートラインが不均等で、直接攻撃でバランスを取るアメリカゲーム風味である。

同士のヒット作カードゲーム『モンスターメーカー』をテーマにしており、ウルフレンド大陸で、最も繁栄した種族となることを目指す。

手番にはまずダイスを2個振り、出た目のエリアでお金や資源がもらえる。お金を使って自分の街の人口を増やし、よそのエリアに移動し、新しい街を作る。街はさらに都市にグレードアップすることもできる。誰かが5回、街か都市を作るとゲーム終了で、いろいろなボーナスを足して勝敗を競う。基本は『カタン』のような作りだ。

資源の出方が変わっている。ダイス2個で最も出やすい7のエリアは金貨4枚、次に出やすい6と8のエリアは金貨3枚、5と9のエリアは金貨2枚と、出やすいエリアほど儲かる。しかも同じ数字のエリアはそれぞれ固まっており、推奨の初期配置は寡占状態のため、序盤から一気に貧富の差が広がるようになっている。1周で何十枚と金貨を貯めこむ人と、全然収入がない人に分かれるのだ。

この不平等は、2,3,11,12を出した人が配置できる悪疫やモンスターによって解消される。悪疫やモンスターが置かれると、お金や資源が産出されなくなり、除去にはコストがかかる。お金持ちは当然、どんどん街や都市を作り、周囲のエリアに広がっていくので、集中砲火を浴びるというわけだ。

aveさんが中央に一気に都市を建てられる状態になると、悪疫とモンスターが次々と襲いかかった。しかし何とか弾き返し、5回目の建設を果たした。ゲーム終了フラグを取るとボーナス5点がある。ここからは各自1回だけ手番がある。みんな反撃できない上家のエリアを狙い、aveさんのエリアをことごとく蹂躙。不毛なエリアでゲーム中ずっと低収入だったdjさんと私は、エリアボーナスで一気にのしあがった。でも1位だったのは、悪疫で街連結のボーナスを奪い取られた後、ひそかに回復していた鴉さん。

ゲーム終了後、1時間くらい感想戦(というよりデザイナーの意図を考える会)が行われた。ドイツゲームに慣れていると、こうした意図的に不平等なスタートラインには違和感を感じる。そのため、このゲームをどう捉えたらよいのかはみんな戸惑ったようだ。不毛なエリアをあてがわれたdjさんと私は結果的に上位だったが、ゲーム中の見せ場はほとんどなかった。自由な初期配置ルールで好きなエリアから始めた方がよかったかもとか、いやいや、誰かが一気に走るからゲームにスピード感があっていいのだとか、いろんな意見が交わされた。

ウルフレンド・サーガ
鈴木銀一郎/シュート・ザ・ムーン(2010年)
3〜5人用/60分
Game Link Vol.3付録

怪獣がかくれんぼ

花札の絵柄にウルトラマンや怪獣をコラージュした作品。ルールは『花合わせ』が基本で、手札から1枚と、山札から1枚を場に出し、季節の絵柄が合っていれば獲得。ゲームが終わったら、獲得した札で役を作って得点を数える。

猪がネロンガだったり、月が死んだウルトラマンで、ゾフィーが運んでいたり、藤に巨大フジ隊員がいたり、ベータカプセルと間違えたスプーンが出てきたりと、ウルトラマン好きなら思わずニヤリとしてしまうデザイン。12月の花と模様が分かっていないと遊べない花札が親しみやすくなっている。

役も定番のほか、「しゅわっち!」や「必殺技」、「がんばれ科特隊」などのオリジナルも加えられていて、得点計算のときに改めて札をじっくり見るのも楽しい。

残念なことにもう絶版。花札並みに小箱だったので売り場で目立たなかったのだろうか。国産品はなくなるのが本当に早い。

花めくりウルトラマン
伝統ゲーム/バンダイ(2004年)
2人用/5歳以上/15分
絶版

メイドの心をわしづかみ

アークライトが発売している「デッキ型カードゲーム」の第1弾。初版2000部はすぐに売り切れ、第2版が現在発売されているほどの人気は、ボードゲーム愛好者よりもTCG愛好者によるところが大きいようだ。アークライトはTCGショップ「ホビーステーション」全国39店舗という、強力な販売網をもつ。また、今月15日から始まる東京おもちゃショーや、来月13日からのコミックマーケットにも出店を予定しているなど、さらに販売に力を入れている。

「デッキ型カードゲーム」とは、全員同じ構成の小さなデッキから始め、それぞれ独自の戦略でカードを増やしてデッキを成長させていき、勝利を目指すもの。バンダイが『デックビルド機動戦士ガンダム』という新作を制作中であり、今後TCGを凌駕する一大ジャンルに育っていくかもしれない。

このゲームでは、はじめに「コレット・フランボワーズ」というメイド3人と、「はあと1」を7つもってスタートする。10枚のカードをシャッフルし、手札5枚を取ってスタート。カードを増やしてデッキが増えても、手札は常に5枚である。

まず手札のメイドを1枚出せる。メイドによってデッキからカードを引く「ドロー」、カードの購入額や枚数を増やす「はあと」と「雇用」、さらにメイドを出せる「ご奉仕」が得られる。そのほかに特殊効果をもつメイドもいる。

次に手札の「はあと」カードを出し、好きなカード(メイドやはあと)を購入できる。残ったカードを全部捨て札にして、次の手番用に新たに5枚引いて手番終了。デッキがなくて引けなくなったら、それまでの捨て札をシャッフルしてデッキを作る。

さて「はあと」を使って購入できるカードだが、得点だけの「メイド長」、特殊能力を持つ「一般メイド」、各1枚しかなく、デッキに入らずオープンになったまま能力を発揮する「専属メイド」、他人の専属メイドの効果をなくす「イベント」、購入力を上げる「はあと」がある。一番多く集めるとボーナスというカード、人を選んで攻撃できるカードがあるところが特徴で、インタラクションが強めになっている。

初プレイ用のデッキでは、「そば仕え」(自分の前に出すことで得点を増やす)ができる「コレット・フランボワーズ」(一番多く集めるとボーナス)、「アスール・クレセント」「ヴィオーラ・クレセント」「ルージュ・クレセント」(セットで出すとボーナス)の獲得競争がポイントのようだ。鴉さんが、自分の得点と引き換えに全員の手札を減らす専属メイド「アンバー・トワイライト」で大ダメージを与え有利にゲームを進める。私は専属メイドに頼らず「そば仕え」と「はあと」購入で6点のマリアン・ソレイユを狙ったが、手札減が響いて全く追いつかなかった。

いわゆる萌え系のイラストには関心がないが、メイドの効果にオリジナリティがあり、また専属メイドの効果が派手で独特のプレイ感がもてた。

アークライトゲームズ:たんとくおーれ

たんとくおーれ

赤いカードで緊張

かつてイタリアのキダルトゲームズから出ていた『ファブ・フィブ』(2004年)というカードゲームがある。3枚のカードを回して、前の人よりも数字を上げていかなければならないブラフゲームで、絶版で手に入らないのが惜しい。

このたびグランペールから発売された『キャッチアウト』は、この『ファブフィブ』と同じ進め方をするブラフゲームである。手番の人は3枚のカードを左どなりに渡しながら3つの数字を宣言する。左どなりはそのまま受け取るか、3枚のカードが宣言どおりかウソかを見極めてチャレンジを行うか、どちらかを選択しなければならない。

受け取れば好きなカードを1枚、得点にできる。チャレンジすると、勝ったほうが3枚のカードを好きなように配分し、プラス点カード(青)は自分がもらい、マイナス点カード(赤)は相手に取らせる。チャレンジはリスクの高い得点チャンスなのである。

ダウトをかけるだけでなく、本当ということもできるので、カードを渡すほうは適度にウソもつかなくてはならない。だいたい前の人が言った数字から推理するが、前の人が本当のことを言っているとも限らない。この辺の面白さは『ファブ・フィブ』に通じる。

このほかにほかのカードの数字をコピーするXカードがあり、ゾロ目が揃いやすくなっている。3つとも同じ数字を宣言されると強制チャレンジで、無難に受け取る手がなくなる。ゲームの盛り上がりどころだ。

序盤はみんなおとなしく受け取っていたが、karokuさんがチャレンジで高得点を稼ぐと、失敗のリスクを承知でみんなチャレンジしまくり。しかもkarokuさんが1位なのにチャレンジし続けるものだから、もうどうにも止まらない。宣言する数字に縛りがないものだから、こういう展開だと、推理というよりコインを片手に隠してどっちだ?というような感じになってくる。手がかりはカードを引いたときの顔色だけ。でも赤いカードが3枚というときは、チャレンジで当てられると全部押し付けられるわけだから、つい緊張してしまって見破られた。

キャッチアウト
山上新介/グランペール(2010年)
2〜6人用/10歳以上/20分
グランペール:キャッチアウト
キャッチアウト

彷徨えるゲーム

今回のゲームマーケットで発売された新作の中で、良くも悪くも最も話題になった作品である。ボードゲームおっぱいで事前に紹介されたり、ぼうけんTVで取り上げられたりしたこともあるだろう。でも話題になったのは「これはゲームなのか?」という内容によるところが大きいようだ。

ボードゲームおっぱい:ゲームマーケット直前!番外編 「ストレイシーフ(迷える盗賊)」
ぼうけんTV:オインクゲームズ
Togetter:「ストレイシーフ」の楽しみかた
Togetter:「ストレイシーフ」賛否両論
Togetter:「ストレイシーフ」まとめ反響
Togetter:「ストレイシーフ」ゲームとは?
Togetter:「ストレイシーフ」その5

各人は同じ内容の手札をもつ。中身はノーブル、シーフ、ナイトの3種類。これを一枚ずつ場(最初はトレジャーが置いてある)に出し、裏にして一列に並べる。全員出し終わったところで最初から1枚ずつオープンし、シーフはそれまで出ていたトレジャーとノーブルを全部取るが、シーフの直後にナイトがいると横取りされてしまう。全部めくって、取った枚数の多い人が勝ち。

出すときは、「これはシーフです」とか「ノーブルです」とか言って出すが、本当のことを言う必要はない。ノーブルが続いているなと思ってシーフを出したら、直前にシーフが総取りしていてガッカリとか。

賛否両論あった理由は、ウソをつくリスク(ばれたらペナルティ)がなく、したがってウソかホントか判断する手がかりもないというところにあるようだ。その代わり、プレイヤーが思い思いに自分のストーリーを作ったり、相手のストーリーにつっこんだりして、最後にオープンしたときにみんなが描いたストーリーと実際のギャップを楽しむ。つまり、ブラフゲームという看板をかけたコミュニケーションゲームなのである。

上記のボードゲームおっぱいは次のように評している。面白いという理由とつまらないという理由の両方を見事に言い表している。

口に出して言ってんのが全く関係ないんだもん。何でも言えちゃんだから、ウンコウンコって言っててもいいわけじゃん(笑)。汚いですけど。なんすけど、あれが本当なんじゃないかなってことは、これも本当かもっていう全く意味のない論拠に引っ張られたなっていうのがあって。

楽しめるかどうかはプレイヤー次第。私が遊んだときはストーリーを作るのを怠って全部「ノーブル」と言ったりしていたので全く盛り上がらなかったが、おしゃべりを楽しむゲームとして臨めば違っていたかもしれない。

ストレイシーフ
佐々木隼/オインクゲームズ(2010年)
2~6人用/10歳以上/10分

ウサギが寝ている隙にズル

うさかめコン・レース

足は速いけどすぐ寝てしまうウサギと、のろいけどウサギが寝るとズルをして近道をするカメのどれが早いかを予想するボードゲーム。

カードをめくって、そこに描かれたウサギか3色のカメのいずれかを進める。先頭が3ヶ所のチェックポイントを通過するたびに、手札からどれが勝つかを予想。ゴールしたときに、予想が当たっていれば得点となる。先に予想したものほど、当たったときの得点が大きい。

進むカメを選択できるカードや、ドーピングできるカードもあるが、進み方はほぼ運次第。でもウサギとカメの動きがコミカルでおかしい。ウサギはとにかく早く、トップを独走する。でもトップにいるときニンジンマークのカードがめくられると、昼寝を始めてしまう。ウサギが昼寝中の間は、ほかのカメはまっすぐ上に移動して近道(実はカメは正直者ではないのである)。ここが逆転のチャンス。キャベツマークが出て、ウサギが起きるまで、どれくらいアドバンテージを稼げるか。終盤のデッドヒートが熱い。

3ラウンド行って得点の多い人の勝ち。今回は大逆転が起こらず、第1、第2ラウンドでは予想の時点でトップだったウサギが優勝したため、本命に賭けていた私がトップ。得点がさらに上がる第3ラウンドでは、ウサギを振り切って青のカメが優勝したが、途中からみんな青のカメに賭けていたので得点差が開かなかった。

予想はレース終了まで非公開。「ウサギ、起きろ!」「赤ガメ頑張れ」など、自分が予想したカメに声援を送っているように見せかけて、実は違うのに賭けていたなどというブラフもできる。もっとも、それを本気にして相乗りしようとする人が進めてしまうとウソから出た真になりかねない。

うさかめコン・レース
チームきりたんぽ(仮)
2〜5人/30分

1階は化粧品売り場って、世界共通?

ショッピングパニック

制限時間内にデパートを回って買い物をするボードゲーム。ときどきぽっと出てくる限定商品を射止めつつ、お買い物リストに指示されたものを買い集める。

手番にはデパート内を移動してどこかの売り場に入り、そこで買い物をするのが基本。同じ階の移動、エスカレーターで上下1階までの移動は時間がかからないが、エレベーターでの移動は時間がかかる。買い物は売り場によって異なるが、時間がかかるものほど得点が高い(インテリアとかプレタポルテとか)。

このゲームにお金はない。消費するのは時間である。手番が終わったら、消費した時間だけコマを進める。そしてコマが一番進んでいない人が次の手番を行う。一世を風靡した『テーベの東』のシステムである。

買い物は単品でも得点になるが、あらかじめ配られているお買い物カードで指示されたものを揃えればボーナスがつく。お買い物カードは休憩室に入れば増やすことができ、うまく揃えられれば高得点になるだろう(品物が重複していればしめたものである)。一方、同じジャンルの買い物をコンプリートするともらえるお得意様限定品で得点を稼ぐ手もある。

全員が一定時間を超えるたびに館内放送のイベントがある。どこそこの売り場に限定品が登場したとか、エレベーターが混んで時間がかかっているとか。このイベントの直後に手番のプレイヤーは限定品を真っ先に取れるかもしれないので、そこまで計算して時間を使っておこう。デパートは賢く使わなければならない。

最後は買い物だけでなく、食事をしても得点になる。最上階のレストラン街で寿司屋に入れば高得点だが、25分以上残しておかなければならない。買い物にかまけて時間がないと地下のファーストフードでお茶を濁すことに。

1階からスタートなので、買い物をしながら屋上をめざした。でも同じ階に集まると、限定品を先に取られやすい。その点karokuさんはいち早く最上階に上り、館内放送があるたびに限定品をゲットして1位。高級婦人物を集めていた私は最後に寿司屋に入って逆転しようと思ったが、5分足りずレストランはカフェにグレードダウン。

時間は本当に少ない。その中で慌てて買い物をしている感じがよかった。近年は斜陽のデパート、こんな感じで賑わっていたらいいのに。

ショッピングパニック
Hammer/Hammer Works(2010年)
3〜5人用/30分

信長に塩を送る

カードドラフトで戦力を集め、NPCの信長と力比べをするカードゲーム。信長に配慮したカード選択をしないと負けてしまう。日本人になじみ深いテーマで、ひねりの効いたルールとスピーディな展開が楽しめる。

勢力カードは武田家、上杉家、毛利家、浅井・朝倉家、足利幕府、本願寺の6種類。場には人数+1枚の勢力カードが並び、順に好きなものを1枚ずつ取る。次のラウンドのスタートプレイヤーの権利を取った人が最後に選んで、残った1枚が信長のもとへ。これを繰り返して戦力を集める。

一定数集まると合戦が始まる。スタートプレイヤーが6種類の中から1つ選び、そのカードを手札から出す。枚数の多い人(同数の場合はスタートプレイヤーから近い人)が勝ちで得点を得る。選ぶ勢力は信長がもっているものでなければならず、信長に同じものを集めさせていると負けることもある(信長にも得点が入る)。

合戦が一通り終了したら、手札を持ち越しで第2ラウンド。またカードをドラフトで取り合い、たまったら合戦を行う。同じ勢力で2回手柄を立てると得点がアップするもの、逆にアップしないものがあり、1回目の合戦の結果を見て、どのカードを集めるかをよく考えなくてはならない。

同じものを集めすぎると、持っていない合戦では指をくわえて見ていることになるが、幅広く集めすぎるとどの合戦でも勝てないことになってしまう。ほかの人が何をどれくらい集めているか、だいたい把握しておきたい。このあたり、来るべき戦に備えている雰囲気がよく出ている。

信長用にどのカードを残すかも重要だ。信長に勝たせないようにみんなで協力したり、そう見せかけて意外なカードを取って裏切ったりと、ドラマがある。今回は信長を退けることができたが、何度か勝たれて危うい場面もあった。

本願寺と上杉家にこだわりすぎて(思い入れがある)、ほかが手薄になってしまったが、1〜2枚の同数決戦の勝利を手番順で拾って2位。同数で勝つメリットを生かして、スタートプレイヤーのときに少な目の勢力で合戦を始めるのがポイントだが、少なすぎると話にならないこともあるのが悩ましかった。

ノブナガ
沙月みと/グランペール(2010年)
2〜5人/12歳以上/約20分
グランペール:ノブナガ

ノブナガ

ネコとチョコレートでどうしろと?

お化け屋敷に迷い込んだ人たちが、まったく役に立たなそうなアイテムを頓知で組み合わせ、難局を乗り切るコミュニケーションゲーム。作者の川口亮氏はグループSNEで活躍する秋口ぎぐる氏の本名。『ボードゲーム・ジャンクション』ではリプレイ記事を執筆している。

手札のアイテムはたった3枚。手番にはアクシデントカードを引き、同時に使うアイテム数が1〜3個指定される。手札からアイテムを出して、アクシデントに対処するが、ただ出すだけではいけない。そのアイテムをどうやって使うか、みんなに説明する。

みんなは説明を聞いて、納得したらOK、できなければNGのカードを出す。多数決で納得してもらえれば得点。

ボイラー室で火災にあったふうかさんがジーンズを出す。「これでばたばたはたいて火を消します」「ボイラーはジーンズぐらいじゃ消えないよね」NG。

庭で生垣の迷路に迷い込んだかゆかゆさんは運動靴。「これで一気に駆け抜けます!」「いやいやいや、解決になってないし」NG。

書斎で昔の恋人から電話がかかってきたkarokuさんは毛皮のコートと香水。「これをプレゼントしてなだめます」「電話じゃ意味ないでしょ」NG。

判定はそのアクシデントに役に立ったかどうかが問われるが、失敗を覚悟での苦しい説明ほど聞いていて楽しい。

全員が勝敗にこだわるとひたすらNGを出し続ける恐れがあるので(ペア戦のルールも機能していない)、勝敗にこだわらないでゆるく遊ぶのがよさそう。勝敗にこだわりたいならば、全員がプレゼンしてから順位をつけて集計するなどの遊び方もできるだろう。

キャット&チョコレート
川上亮/クウィンタ・エッセンティア(2010年)
3〜6人/8歳以上/20 分
Qvinta Essentiaものづくり部

キャット&チョコレート

だまし不法投棄

アールエコリサイクル

ドイツのメジャーメーカー、アミーゴ社から今年製品が発売された(『アールエコ』アミーゴから)カワサキさん。その発売を記念するような新作がゲームマーケットで発表された。ゴミカードを分別するというテーマを用いて、前作とはまったく別のブラフゲームに「リサイクル」した。

場には4つの処理場があり、それぞれゴミの種類が異なる。手番には手札からゴミカードを、この4つの処理場のいずれかに出し、権利書をもらう。この権利書を持っている人が、ラウンドの最後に処理場の状態によって得点または(不法投棄が多ければ)失点する。

ゴミの出し方は表か裏かの2通りあって、表にして出すならば、処理場が定めるゴミしか出せない。でも裏にして出すならば正規のゴミでも不法投棄でもかまわない。表にして出した場合は全体の権利書、裏にして出したらその処理場の権利書をもらう。権利書は各1枚しかなくて、前に持っている人がいたら、その人から取る。

また、裏にして出す場合は、その処理場で表に出されたカード枚数+1枚を出さなければならない。表にして出せば、みだりに不法投棄するのを防げるかもしれない。といっても、裏にすれば何を出してもいいわけだから、防げない可能性も高い。

ところが不法投棄する方にしてみれば、必ず権利書を取らなければならないため、やたらに出せば自分の首を絞めることになる。ここがブラフのかけどころ。得点するつもりで正規のゴミを出しているように見せかけて、ほかの人が権利書を奪いに来たらしめたもの。実は不法投棄しまくりで失点をかぶったなんてことも。

表にして出すべきか、裏にして出すべきか、裏にして出すならどこまで正規のゴミを混ぜたらいいか、手札と相談しながら考えるのは楽しい。もっともブラフゲームだから、勢いも大切だ。

処理場の得点はラウンドごとに変わる。同じ処理場の得点は上書きされるので、失点してもその処理場で得点すれば帳消し。でも得点したいのが見え見えだと、不法投棄で妨害されるかもしれない。そうなったら、不法投棄した人に失点を食らわせるのもいいだろう。

そんな風にさまざまな思惑が絡み合い、ブラフも一筋縄ではいかない。今回のゲームは権利書がなかなか取れなかったが、不法投棄が横行して失点も多く、最下位はふうかさんにお譲りした。裏になっているゴミカードをめくる瞬間が、今までの思惑が全部明るみになって楽しい。

R-ECO-RECYCLE
川崎晋/カワサキファクトリー(2010年)
2〜4人/6歳以上/10〜20分
第1版品切れ

宇宙開拓にはまってらぁ

テラフォーマー

カードの特殊効果をうまく使いこなすことで、惑星の環境を整え、優れた第2の地球を作り上げるゲーム。鋭いボードゲーム評論や『ドミニオンレシピ』で知られるてらしまさんの初作品となる。カードの組み合わせで展開が全く変わるのが魅力で、ゲームマーケットの体験卓では、繰り返し遊ぶ姿も見られたという。

さまざまな効果を持つカードは22枚入っているが、1ゲームで使うのはたった8枚だけ。「推奨のシナリオ」として4つの組み合わせがあるが、ランダムに選んでもよい。基本的には惑星レベルを上げるものと、得点を上げるものがあり、カードの組み合わせによって、どこに重点を入れて惑星を成長させればよいかが変わるようになっている。

惑星レベルは7種類あり、プレイヤーシートで表される。アクションポイントを増やす「都市レベル」、都市に酸素を供給する「緑化レベル」と「酸素」、アクションのパワーを上げる「科学レベル」、汎用性の高い「コスモレベル」、軍事力を上げる「戦争」、得点を増やす「カーニバル」。このうち「○○レベル」と付くものは一度上げればもう下がらない恒久的なもので、ゲームを通してより高いレベルをめざす。

手番にはカードか惑星レベルを1つ選んで、パワーコマを好きなだけ置く。カードは早い者勝ちのワーカープレイスメントだが、惑星レベルを上げてからカードに置いたほうが効果が大きい。どちらを優先するかで駆け引きがある。

パワーコマは都市レベルの数だけあり、さらに科学レベルの分だけパワーが付加される。つまり科学レベルが高ければ、置くコマの数が少なくても、コマをたくさん置いたのと同じになる。科学レベル重要。

全員パスするまで何周でも行い、最後に酸素チェック(都市レベルに酸素が追いついているかのチェック)、戦争(戦争に置いたパワーコマが多い人に得点)、カーニバル(カーニバルに置いたパワーコマの分だけ得点)がある。戦争はいくらたくさん置いても、ほかの人より少なければ得点にならないから、アクションポイントを節約して後手番に選択できるようにしたいところだ。

6ラウンドでゲーム終了、得点の高い人の勝ち。

「最初のゲーム」というシナリオでプレイ。喜び勇んで「巨人族(持っている限り科学レベルが上がる)」を取りにいったが、最初のラウンドでは全く役に立たないまま次のラウンドで取られてしまい、大幅に出遅れる。遅れを取り戻すべく都市・科学レベルを上げるのに集中しているうち、戦争やカーニバルの得点が取れなかったこともあり、1位のかゆかゆさんと倍スコア。かゆかゆさんは戦争で毎ラウンド得点を重ね、最後の「移民船」を取って切り抜けた。大量得点できる「移民船」を取るべく、そのために先手番を取れる「四次元人」の争いが熾烈で面白かった。

複数のシナリオ、アクションポイント、ワーカープレイスメント、さらにフードサプライ※という、現代ボードゲームで最も愛されているシステムを詰め込んだ作品だから面白くないはずはなかったが、カードが8枚しかないことから、効果を確認するのに手間もかからず、プレイアビリティが高い。1ゲーム終わるとまた遊びたくなり、はまる人が多そうだなと思った。

※フードサプライ…定期的にワーカー分だけ食料があるかをチェックし、足りないとペナルティがあるという悶絶のシステム。『アグリコラ』『ルアーブル』など。

テラフォーマー
寺島由人/遊星からのフリーキック(2010年)
2〜4人/30〜60分
萬印堂:テラフォーマー
遊星からのフリーキック:テラフォーマー

虹の出しどころ

今回のゲームマーケットで運営団体に入ったグランペールは、一挙に3タイトルのカードゲームをリリースした。どれもよい出来だったが、特に面白かったのがこのゲームである。順番にカードを出し、強い順に場札を取って点数にするというだけのシンプルなゲームなのに、実際に遊んでみると、ルールを聞いたときには想像もつかなかったような手番のアヤと駆け引きがものすごく熱い。

場札を人数分並べてスタート。スタートプレイヤーから時計回りに手札を出す。出し方は1枚だけ(ソロ)か、同じ数字を数枚(セット)か、連番で何枚か(ラン)。セットが出たら、次のプレイヤーからはセットかソロ、ランが出たらランかソロしか出せない。前の人より強いカードを出さなくともよい。場札と手札を見比べて、今回はそんなに頑張らなくていいと思ったらソロで降りよう。

というのも、手札の補充はないからである。ここがこのゲーム1つ目のポイント。手札がなくなったらゲームから抜ける(そして2人抜けたらゲーム終了)。だから場札があまりよくないときに、カードをたくさん出してしまうと、後で何も取れなくなってしまう。手札をどこまでセーブしていくかがカギになる。

セットでもランでも、枚数が多いほど強く、同じ枚数なら数字の大きいほうが強い。全員が出したら、自動的に強さの順番が決まる。強い順に、数字の大きい場札を取る。これは点数として手札とは別にしておく。

そして、全員が出した手札を、数字ごとに分けて次のラウンドの場札にする。ここが2つ目のポイント。数字の大きいカードを出すと、次のラウンドの得点がはね上がる。しかしそれを取るために、手札に数字の大きいカードを温存しておかなければならない。手札をセーブしながら、いつ強いカードを出すか。セーブしすぎると、カードを出す前にゲームが終わってしまう。

そのタイミングはほかのプレイヤーが出すカードによっても大きく左右される。とっておきのカードを出してもほかの人と競合してしまえば、あまりよい場札をもらえない。手番順に応じたスマートなカードの出し方が求められ、駆け引きも生まれる。

序盤は小さい数字のカードで様子を見るみんな。やがて大きいカードが少しずつ出てくると、一気に場が熱くなる。私はセーブ気味にいって、最後にとっておきのカードを出すことができたものの及ばず。どんどん手札が少なくなっていく中で、毎回毎回どこまでカードを出したらいいか悩みまくった。

ちなみに数字は6までしかないが、スウェーデンの虹は6色である。

レインボー
沙月みと/グランペール(2010年)
2〜6人用/8歳以上/20分
グランペール:レインボーの遊び方

レインボー

腹の探りもわーる

グリモワール

グリモワールとはフランス語で魔法の本のことである。このゲームでは、その名の通り小冊子にしおりをはさんで魔法を選び、勝利点につながる仲間や財宝を集める。画期的なギミックがしびれる。

最初に使える魔法は6つ。場札を交換できるもの、勝利点チップを得るもの、それを妨害するもの、誰かから奪うもの、それを防御するものなど、ほかの人が選んだ魔法次第で効果が変わる。これがラウンドごとに1つずつ後のページにある魔法も使えるようになって、最終的にその数は15に。後半に登場する魔法ほど効果が強くて、成長の楽しみがある。

全員がしおりをはさんで選んだら、一斉にオープン。バッティングしていない人の中で、魔法の番号が小さい人(効果が小さい人)から手番を行う。魔法を使ってから、場札を1枚取る。場札は仲間や財宝で、先手番ほど選択肢が多い。バッティングした人は後回し。

財宝はそのまま勝利点になるが、仲間は条件(手番が最初とか最後とか、財宝を全種類集めたらとか、勝利点チップを5枚集めたらとか)を満たしたときのみ勝利点になるリスクの高いカード。リスクが高い分、同じカードを2枚、3枚と集めて条件を満たせば爆発力がある。

場札とは別に、魔法の効果で取れるアイテムカードがある。ガラクタがたくさん入っているが、これもほかの人より多く集めればボーナス。ガラクタ集めはひそかな戦いだ。

財宝か仲間を誰かが10枚集めたらゲーム終了。でも10枚集めた人が勝つとは限らない。

お互いけん制が続いていたが、karokuさんが最強の魔法「奇跡の魔法」(捨て札から1度に3枚ゲット)を通して一気にリード。私は勝利点チップを奪われるのが惜しくて防御の魔法を繰り返していたのが敗因となった。

お互いの状況を見て「今攻撃してきそうだから防御しよう」とか、「ほかにやりたいことがありそうだから別の魔法でいこう」といった魔法の選択が悩ましい。一斉にオープンしたとき、裏をかいた魔法が成功すると嬉しい。これは昨年ワンドローが出した『よくばりキングダム』にも通じる複雑なじゃんけんだが、2人専用だったものが、4人まで遊べるようになって面白さは倍増したように思う。今年のゲームマーケットを代表する作品のひとつだ。

グリモワール
木皿儀隼一作/ワンドロー(2010年)
2〜4人用/10歳以上/15〜30分
ワンドロー:グリモワール

あーる晴れたーひーる下がりー♪

ドナドナ

ウシ、ウマ、ヒツジ、ニワトリ、ブタ。動物たちが十把ひとからげで売りに出される。買わないと点数にならないが、買いすぎるとお金が足りなくて泣く泣く切り捨てないといけない。いくらで売るか、いくらなら買うか。

手番プレイヤーは袋から4枚のタイルを引き、いくらで売るかを提示する。みんなはその値段で買いたければ○、買いたくなければ×を出して入札。○×の札を見て、値段を付け直せる。付け直したら入札し直し。これを3回まで行う。「この値段だと全員買うのに、上げたら誰も買わない。それなら間を取ってこれくらいか。」そんな胸算用が楽しい。上手な値付けで買う人が1人だけにできたら、ボーナスをもらえる。買う人が複数だったら均等に振り分ける。

こうして手に入れた動物は、最後に種類別に得点になる。一番少ない動物は1枚1点、次に少ない動物は1枚2点……という計算方法なので、5種類全部を集めて、かつ一番多い動物の枚数を増やすように集めたいところ。

ところが場には何頭以上だと税金がかかるという表示があって、表示より1頭多ければ10金、2頭目は20金、3頭目は30金を支払わなければいけない。支払えない分は切り捨てて、得点にならない。

このルールのために、ある程度集めるともう買いたくなくなる。入札の相場はだんだん上がっていくが、あるときにストンと落ちる。この相場の変わり目を察知して、高く買ってもらえるように、そして自分は高い買い物をしないようにしたい。

かゆかゆさんとふうかさんが控え目に買う中、karokuさんと私は積極的に買い込んだ。税金を払えないほど集めても、切り捨てればよいだけの話である。しかし5種類目の動物を私は競合して集められず、6頭集めたkarokuさんが1位。借金ルールもあったが、借金してまでもっと買い集めたほうがよかったかどうかは分からない。

クレバーな入札システムと、ぎりぎりの得点方法があいまって面白いゲームだった。骨折ゲームズはゲームマーケットの常連で、毎年優れた作品を発表しているが、今年の出来はここ数年で一番ではないだろうか。付録で腕を回して小指でコマをつかむアクションゲーム『クレーン・オトコ』もウケた。

ドナドナ
bone5/骨折ゲームズ(2010年)
2〜5人/10歳以上/45分
絶版

イマジネーションカルタとり

言葉は自分で想像するカルタ取りである。場に並んだカードには、いろんなテイストのマンガのひとコマ。ただし吹き出しは空白である。親は読み札を見て、絵に合うセリフを言う。ほかの人は読み札と同じ絵を場から探す。正解を取った人と、親が得点。

間違ったカードを取った人にペナルティはないが、全員が間違うと親は「打ち切りカード」を受け取らなければならない。「ウスイ先生の次回作にご期待下さい」などと書かれていて笑う。

ルール上は、絵を説明するようなセリフを言えば確実に正解を取ってもらえる。しかしそれでは面白くない。分かってもらえるかもらえないかぎりぎりのセリフを言って反応を見るのが楽しい。場札がしぼられてくる後半は「何!」「エヘ」などの2文字のセリフが飛び交った。

少年ジャンプの懐かしいセリフがすぐ分かったり、全然読んでいなくて分からなかったりと、プレイヤーのバックグランドが見えるのも楽しい。遊ぶメンバーによって、同じカードでも全く別のセリフになるだろう。

ゲームマーケットで販売された50個はすぐに売り切れ、現在第2版を検討中だという。

ヒットマンガ
よしだまさのり/タンサンファブリーク
3-8 人/8歳以上10〜20 分
初版品切れ中

簡単には取らいおんぞう

小さい頃、祖父から将棋を教えてもらったのを憶えている。何度やっても勝つことができず、本を読んで穴熊など試してみたりした。そんなことを思い出しながら、長女と『どうぶつしょうぎ』を遊んだ。

『どうぶつしょうぎ』は昨年発売されて9ヶ月で17万個も売れたヒット作である。うちにあるものも、親戚のおばさんから長女へのクリスマスプレゼントだった。そんな風にして、ボードゲームなどあまり知らない人も気軽に手に取るからこそ、ここまでヒットしたのだろう。

絵柄が子供にも親しみやすいだけでなく、どこに動けるかがドットで示されていて間違わない。盤面は3×4マスで、ヒヨコ(歩)同士はもう最初から目の前。先手はこのヒヨコを取るかどうかを考えることになる。

それでいてゲームは意外に深い。取ったコマを好きなところに打てる、前にしか進めないヒヨコが奥の列まで行くとニワトリになり、6方向に動けるようになるというような将棋のエッセンスだけでなく、将棋にはなかったライオン(王)が敵陣の一番奥まで行くと勝ちという将棋になかったルールでエキサイティングになった。

こちらによればお互いベストを尽した場合78手で後手が勝つそうだが、これだけの盤面なのにそれだけ手数が多ければ、人間同士が普通に遊ぶ分には全く問題がない(『シンペイ』は49手とのこと)。実際、30手くらいで決着が着く。

ここを取ったら、あちらに取られ、今度はこれで取って、ライオンはこっちに逃げるから……というような読みは、記憶と思考の訓練になる。はじめは同じコマで進んだり戻ったりしていた長女も、3戦目くらいになると少し先を読めるようになっていた。

草場純さんによれば、『どうぶつしょうぎ』はフェアリーにしやすいという。左右の端から反対側に出られるルールなど、しばらく遊んだら、いろいろな追加ルールやルール変更を考えてみるとよいだろう。もちろん、これをステップにして将棋にチャレンジするのもよい。

どうぶつしょうぎ
北尾まどか/幻冬舎エデュケーション
2人用/4歳以上/10分

どうぶつしょうぎ

背徳の指ざわり

ほんのきもちです

熨斗袋をもらって、目の前で中身を透かしたり、厚さを指で確かめるようなことをするのはタブーである。子供だってお年玉をもらってそんなことをすれば親に怒られるだろう。大人ななおさらできない。でも、気になる。中身はいくらなのだろうかと。そんなお行儀の悪い行為を堂々とやってしまうのがこのゲームだ。

まず各自手持ちのお金を3枚の熨斗袋に自由に振り分けて入れる。千円、5千円、1万円札があり、千円札はたくさんあるので、熨斗袋が厚ければ高いというわけではない。

手番には、誰でもよいので熨斗袋を1つ選び、となりの人に「ほんのきもちです」と言って渡す。相手はすぐ中身を透かしたり、厚さを指で確かめたりして、受け取るかどうかを決める。ただし中を開けてはならない。いらなかったらさらにとなりの人へ。こうして熨斗袋は誰かが受け取るまで回り、誰も受け取らないと自分が強制的に引き取ることになる。

3枚の熨斗袋を受け取った人はもう受け取れない。こうして全員3枚受け取った時点でゲーム終了。受け取った熨斗袋を開けて合計金額の多い人が勝ち。実に洗練されたルールである。

透かしてみると、1枚目が何円札かは分かる。指で触ると厚さも分かる。でも1万円札の下は全部千円札かもしれない。逆に薄くて1枚目が千円札でも、あとは全部1万円かもしれない。悩みながら何度も透かしたり厚さを触ったりしている姿を見るのは笑えてたまらない(特に私のような職業柄だと)。

持ち主の顔色が大きな推理材料になる。「これいっぱい入ってますか?」「いえいえ、ほんの些少です」「こっちはだいぶ薄いですね」「でも1万円札ばかりですよ」その時どんな顔をするか。

千円札5枚という自分で仕込んだ貧乏くじを誰も引き取ってくれず、一方1万円札もはいった厚い熨斗袋は素直に引き取られてダメダメ。でもくさのまさんの仕込んだ4千円というのに神尾さんが引っかかっていた。1位は厚さで素直に集めたくさのまさん。勝敗はともかく、最後に開けて喜びと失望で盛り上がった。本物のお金じゃないのに。

このゲームは4年前のゲームマーケットで販売された。遊んでみたい方は、作者であるHammerさんのページでルールが公開されているので、熨斗袋と子供銀行のお金でどうぞ。でもくれぐれも現金では遊ばないように。

ほんのきもちです(同人ゲーム)
Hammer / Hammer Works(2006年)
4〜6人用/10歳以上/45分

寿司が吹っ飛ぶ

カードをめくって指示された寿司を寿司ゲタに載せ、ぶっ飛んだら負けという至極シンプルなバランスゲーム。昨年秋にハナヤマから発売されたが、おもちゃ屋さんではあまり見かけない気がする。

寿司ゲタをカチャっとセットしてスタート。寿司ゲタの裏にはバネが仕掛けられており、ちょっとしたはずみで止め具が外れ、ものすごい勢いで上に載っている寿司がぶっ飛ぶようになっている。だから置くときはそろーり、そろりと。

笑えるのがトロで、ほかの寿司と比べ物にならないほど重い。これを終盤に置かなければならなくなった人は、負けを覚悟しなければならないほど。クロマグロ禁輸へのささやかな抵抗だろうか。

世界の水産問題はともかく、勢いで遊ぶゲームである。酔っ払って遊ぶのも楽しそう。箱に書いてある文面も勢いがあっていい。

ヘイおまち! お寿司をゲタに並べよう! 失敗するとドカーン! 注意・・・これは食品ではありません。玩具ですので、絶対に寿司ネタを口に入れないで下さい。

すしパニック!
作者不明/ハナヤマ(2009年)
2〜4人/6歳以上/10分

先攻で勝つ

ボードゲーム愛好者にとって冬季オリンピックで面白い競技ナンバー1は、カーリングである。4年前のトリノの際、日本女子チームが大いに注目を集めたが、そのときに日本カーリング協会で発売されたのがこのゲーム。今年もカーリングが盛り上がっているのを見ているうちに遊びたくなった。

実際のカーリングではストーンを8個ずつ使うが、このゲームでは2個ずつ入っており、そのほかにハウス(同心円)のシートが付いている。長めのテーブルで遊べるサイズでちょうどよい。シートは薄いビニール製で、丸められて入っているので、セロテープで固定する。ビニール製なので、テーブルの上を走るストーンがシートの端で止まらないくらい薄く、また氷のように影が映るのが、いい雰囲気だ。

ルールは簡単で、ハウスめがけてストーンを交互に転がし、中央に近いほうが得点。正式には相手のストーンより内側にあるストーンの数だけ得点になるが(このゲームでは1〜2点)、単純に1点としてもよいだろう。攻守交替して10回行い、合計で競う。

ストーンの下には金属のボールが入っていて、これがよく転がる。手加減しないと、あっという間にリンクの外に飛び出してしまう。わずか50cmくらいでも、慣れないうちはハウスに入れることさえ難しい。10回戦では、両者が次第に腕を上げてきて、ほかのストーンを玉突きにしたり、もう1個をガード用にわざと手前に置いたりといった戦術が楽しめる。

長女と対戦して7対3で勝利。長女は力の加減がなかなかつかめないようだったが、ときどき絶妙なナイスショットを出す。ルールは簡単なので、その後長女と長男で勝負していた。台までついた本格的なカーリングゲームもあるが、これで十分楽しい。

カーリングの新聞記事に書かれていたが、後攻は最後の一投で状況を一気に変えてしまえるため、後攻が絶対有利である。だから、先攻でどれだけ勝てるかがキーになるという。そういう気持ちで臨むとこれだけのゲームでも結構考える。

Top Curling
作者不明/メガハウス
2または2チーム人用/8歳以上/15分

セルフでお願いしまーす

おいしそうなアイスクリームを、崩さないように積み上げるバランスゲーム。2009年にエポック社から発売された国産品である。

アイスの種類は定番のバニラやストロベリーから、粒入りのベリーストロベリーやチョコミント、変わったところではバナナミルクやマシュマロチョコなど16種類。プラスチックだが実によく塗装されていて本物のよう。遊んでいるうちにアイスが食べたくなってくる。

手番にはお客様となって手札から「注文カード」を出し、となりの人にいくつ積むかを指示。「シングル1つ下さい。」となりの人はアイスクリーム店の店員となって、注文どおりにアイスを積む。

積むのは素手ではなく、ちゃんとディッパーが付いている。アイスクリームにセットして、コーンの上で上のボタンを押すとアイスが落ちるという本格設計。本物のアイスを重ねているような雰囲気だけでなく、素手よりもバランスが取りにくいので器用さが試される。

崩したら、その時点で積んであったアイスの数だけお客様が得点。店員は失敗しても得点を献上するだけで、失点にならないのがいい。

店員になったとき、「店員カード」を出すと自分で積むのを回避できる。積まなくてよい「品切れです…」や、ほかの人に積ませるものなどもあるが、盛り上がるのが「セルフサービスでお願いします。」これを出されると、注文した客が積まなくてはいけなくなる。大人はもちろん、わざとずらして積むので、それが自分の首を絞めてしまう。さらに手番の周りはリバース。一難去ってまた一難である。

基本ルールではコーンを台の上に載せて積むが、発展ルールでは手持ち。アイスがグラグラしているコーンを渡され、その上で「トリプルお願いします!」だった日にはもう!

単なるバランスゲームというだけでなく、注文カードと店員カードの応酬が緊張感をもたらすよくできたゲームだった。対象年齢の下限は低いが、大人でも盛り上がって楽しめるだろう(アイスクリーム好きがいればなおよし)。

作者不明/エポック社(2009年)
2〜4人用/4歳以上/20分

Amazon:アイスクリームタワー

弱くても諦めないで

ファンタジー世界を回りながら武器や防具を揃え、魔王を退治する冒険カードゲーム。1月20日に発売された『ゲームリンク』第2号の付録である。前号の付録となった川崎晋氏の『マーチャント・ギルド』と同様、単体で販売されていてもおかしくない完成度の高さである。

今回のデザイナーは『ゲームリンク』の編集長でもある池田康隆氏。『シャドウハンターズ』(2005)などで知られるが、このゲームも、バラエティに富んだキャラクターの特殊能力が楽しめるようになっている。2007年のゲームマーケットに出展された試作品『ヒーローズ・クエスト』が元になっているようなので、3年近く温めておいた作品ということになる。

はじめに「主人公カード」を1枚ずつもち、キャラクターの特殊能力が記されている。今回私が引いたのは「亡国のプリンセス」。勝利条件が緩い分、戦闘ではまず勝てない設定になっている。弱いだけでなく、神尾さんの「妖艶な踊り子」で、他の人の街に止まるたび、お金を横取りできるという能力のために貧乏だった。主人公カードは12枚入っており、組み合わせによって展開がだいぶ変わる。

ゲームは環状になったルートを回り、街で買い物をしたり、森や湖でモンスターと戦ったり、イベントを乗り越えたりして、お金を貯め、戦闘力を上げて魔王を倒すというもの。移動や戦闘は8面ダイス2個を振り(または袋からチップ2枚を引き)、好きなほうの数を使う。かつて翔企画やホビージャパンなどからこの手のカードゲームがいろいろ出ており、「懐かしいね」という声も聞かれた。

でもあれから20年、ゲームは確実に進化している。キャラクターの特殊能力だけでなく、勝利条件が3つあることで、展開に多様性が生まれ、誰も脱落しないで楽しめるようになっている。勝利条件は、魔王を倒す、紋章を集める、お金を集めるの3つで、それぞれの特殊能力に応じた戦い方ができる。

私の「亡国のプリンセス」は弱くて貧乏だったが、冒険中に紋章を1枚拾い、さらにイベントでほかの人の手札を奪えるというのが出て、2枚目もゲット。強い武器で魔王を確実に倒せるくらいにまでなったくさのまさん、お金をどんどん集める神尾さんを尻目に、一気に勝利を掴んだ。

スキルという要素もあり、イベントなどで効果を発揮することもある。くさのまさんの「慈愛のシスター」が博打や残虐など、もとのキャラクターとはかけ離れたスキルを身につけていて笑った。

勝敗もさることながら、キャラクターも楽しめるのが日本のゲームの特徴だろう。何人かのイラストレーターによるイラストも見事な『キングダム』は、日本ゲームの伝統を踏襲しながらも、強弱のバランスや展開の多様性も併せ持ったオリジナル作品である。

Kingdom
池田康隆/シュート・ザ・ムーン(2010年)
2〜5人用/10歳以上/45分

シビアなだるまセンサー

機械が「だるまさんころんだ」という間に、だるまを積み上げるアクションゲーム。だるまには電子の目(赤外線センサー)がついていて、「だるまさんころんだ」と言っている間だけセンサーが解除される。その間にすばやく積み上げなければならない。集中力が要求される。

スイッチを押してだるまさんが「対決じゃ」と言ったらスタート。少し間をおいて「だるまさんがころんだ」というので、その間にすかさず手を入れて中央にだるまを置く。セーフなら、またちょっと間をおいて「だるまさんがころんだ」というので次の人がだるまを重ねる。これを繰り返して手持ちのだるまを最初になくした人の勝ち。

「だるまさんがころんだ」という前に手を入れたり、手を抜くのが遅かったりすると「だぁ〜めだっぺ」と言われてしまう。また積んであるだるまを崩してもいけない。失敗したら引き取り。

「だるまさんがころんだ」が始まるタイミングはランダムな上、「だるまさんがころんだ」を読む早さも早くなったり遅くなったり、途中からいきなり早くなったりと芸が細かい。さらに2段階調節機能があり、レベル2では1.2倍の速さになるという。レベル1からもう子どもには無理な速さなのに、レベル2になったらもうプロフェッショナル。

ネットで検索したが、このゲームの情報は得られなかった。何しろ定価6800円(私は近所のおもちゃ屋で1000円で購入)。いくらマイコン搭載、センサー使用とはいえ、この値段ではほとんど売れなかったのではないか。まだどこかのおもちゃ屋さんや倉庫に眠っているかもしれない。

電子だるまさんゲーム
飯島潤子/ピープル(1990年頃?)
1〜4人用/5歳以上/3分

通勤バスに宇宙人が乗り込んで

上手にカードを出して、たくさんのお客さんを自分のバスに乗せるカードゲーム。『トラッカーズ』に続く藤原快氏の第2弾である。大型自動車のデザイン会社であるアトラデザインは昨年に解散しており、代わってボードゲームデザインのピグフォンで制作しカードゲーム印刷の萬印堂が販売している。

手札から一斉にカードを出して、数字の大きい順に並べる。順番によって、場に出ているカードと、皆が出したカードをもらえるが、たくさんもらえるのは、一番大きい数字を出した人ではなく、真ん中に入った人というところポイント。場に出ているカードと、皆が集めているカードを見て、どのあたりの数字を出せばよいかを考えよう。高得点のカードは特によく考えて狙いたい。

手に入れたカードは、自分のバスに乗せる。バスには定員があり、いっぱいになるとバス停に到着して得点になる。また、1台のバスには同じ種類の乗客しか乗せられない。サラリーマンだらけの通勤バスにするか、お年寄りだらけの福祉バスにするかは取ったカード次第。ただし、ときどき紛れ込んでくる宇宙人を入れると、違う種類の乗客も乗せられるようになる。バスの車内はきっとパニックにちがいない。

バス停で降りた乗客はサラリーマンであれお年寄りであれ1点。効率よく乗客を乗せたので私がトップかなと思ったら、高得点のカードをほぼ独占していたぽちょむきんすたーさんが1位。精巧なバス車体とほのぼのした乗客のイラストが妙にマッチしていて面白い。

Busstop
ピグフォン/萬印堂(2009年)
3〜6人用/15〜20分/8歳以上

勝利への建物選択

今月に創刊されたばかりのボードゲーム情報誌『ゲームリンク』の付録となった川崎晋氏の新作。付録と侮ってはいけない。打ち抜きのチップとカード、美しいボード、そして作り込まれたゲームシステムは単体で売られていてもおかしくない。

資源を集めて建物を建て、その特殊効果でさらに建物を建てるオーソドックスな建設ゲームである。しかし資源の集め方と建物の選択にクレバーな仕掛けがあり、エキサイティングに楽しめる。

毎手番、6種類のアクションから3つを行う。資源は、商人コマを磐面に配置し、それを取り除くことで得られる。ここで、街から商人コマがつながっていないと取り除けないというルールがあり、ほかの人が取り除くとコネクションが切られて資源が手に入らなくなる。コネクションをどう確保するかで、駆け引きが生まれる。

建物は特殊効果があるが得点の低い紫と、特殊効果はないが得点の高い緑があり、手札から選んで出す。補充は公開の場札か山札から選べる。序盤は紫で後半は緑と、状況に応じた建物選択をしなければならないが、ほかの人もいるのでなかなか思い通りにはいかない。

建物が一定数作られたらゲーム終了。終盤は特殊能力が累積されているので建設ラッシュが起こり、収束が早い。

序盤からkarokuさんがどんどん紫の建物を建てて独走気味。資源が1つ少なくなったり、アクション数が増えたりと羨ましい状況に。一方、緑の建物しか来なかった私は、紫の建物を1件にとどめてどんどん商店を建てた。商店は
建てた数が最多だと得点が2倍になる美味しい建物だ。

最後はやることもなくなってカードを引く。この中にも得点が含まれている。負けたかと思ったが、karokuさんと1点差でトップ。karokuさんは紫の建物を建てすぎて緑の建物に切り替えるのが遅れたのが響いたようだ。

これだけのゲーム内容で、所要時間は40分程度。見事なまとめ方である。でも建物の組み合わせによっていろんな戦略がありそうで、またやってみたい。

『ゲームリンク』は、寄稿した海外のゲーム関係者にも配られた。付録ゲームの英訳が公開されているので、海外でも遊んでもらえそうだ。川崎氏が今回、ヤポンブランドで発表しているのは『ガウス』だけだが、このゲームや『賭博英雄伝セブン』、『ワードリンク』など、海外で取り上げてほしいゲームがまだまだある。

Merchant Guild
川崎晋/Shoot the Moon
2〜4人用/30〜40分

攻守同時の妙

今年になって発売された2人用のライトなカードゲームシリーズ。いずれもスポーツをテーマにしており、余計な要素を削ぎ落としてテンポのよさを生み出している。

スポーツをテーマにしたボードゲームはデザインが難しいという。スポーツがもつスピード感やテンポが、ボードゲームではどうしても損なわれてしまうからだ。近年ではグラパックジャパンが意欲的な作品をいくつか発表したが苦戦を強いられている。

野球は、比較的テンポが穏やかなスポーツだが、このゲームは攻守を同時進行するという斬新な仕掛けでテンポアップに成功している。交互に1枚ずつ手札からカードを出す。ヒットカードは3枚溜まったら1点。その前に相手がキャッチカードを出してアウトになってしまったらまた1からやり直す。相手はキャッチカードで得点機をつぶしつつ、自分もヒットカードを出す。防御がなければ攻撃、攻撃がなければ防御。

防御のできないバントヒットや、1枚で2枚分あるクリーンヒットがあり、防御しにくいようになっている。さらにホームランは、それまで出していたヒットカードの枚数だけ得点になるビッグチャンスだ。

ホームランのチャンスを狙って走者をためようとしたが、ことごとく潰されて試合終了。着実にヒットで得点を重ねたくさのまさんが2対1で勝ち。1点を争ういいゲームだった。

カルタッチョベースボール
しんどうこうすけ/エイベックス(2009年)
2人用

補充でバッティング

ブラフも交えて手札にある「7」のカードの数を競うゲーム。これも今年のゲームマーケットでカワサキさんが発売したギャンブルゲーム集のひとつ。タイトル通り7つのゲームが入っているが、いずれもニヤリとさせられる仕掛けがあって素晴らしい。きっとアメリカやドイツでもウケるだろう。

始めに参加料を払い、配られた手札を見て賭けチップを決める。自信があればレイズ(前の人より上げる)、様子見はコール(前の人と同じ)、自信がなければドロップ(賭け金を残して降りる)。コールが一周した時点で、手札に「7」が3枚以上ある人は公開する。

1周目で揃うことはあまりない。ここで「7」を引くことを期待して補充するが、ここにバッティングが仕掛けられている。手札から数字を出して、誰ともかぶらなかった人が、その枚数だけ山札から引けるのである。バッティングを恐れず欲張って「5」や「6」を出すか、安全に「3」か「4」あたりを出すか。安全に出したつもりがバッティングすることもある。

補充が終わったらまたチップの増額から。最終的に「7」を多く公開できた人がチップを総取りする。

くさのまさんは1ラウンドから強気のビッド。皆が降りて参加料をせしめたが、本当に「7」がたくさんあったのかは分からない。2ラウンド、3ラウンドと進むうち、みんな「7」が1〜2枚でも降りないようになってきた。「補充で引けばいい」と強気である。その強気に運が味方して、くさのまさんが最後に大量の「7」を引き大場を制して1位。

「7」があまりないのにレイズしたりコールしたりするのは内心ハラハラするが、顔に出してはいけない。そんなポーカーフェイスと、バッティングの読みの両方が試される。

賭博英雄伝セブン
川崎晋/カワサキファクトリー(2009年)
3〜5人用/9歳以上/15〜180分

ぴったりの快感

場に並んだカードの数字を見て、中間になるようチップを張るゲーム。今年のゲームマーケットでカワサキさんが発売したギャンブルゲーム集のひとつだ。『いい線行きまSHOW!』にも通じるところがあって面白い。

場に並ぶカードは7枚。このうち4枚は伏せられている。3枚のカードを見て、競りを行う。一番高い競り値をつけた人は、伏せられた4枚のうち2枚を見て、さらにチップを積み増してもよい。残りの人は、伏せられたカードを見ないまま、このチップを見て自分のチップを決める。そしてカードをオープン。

中間値の決め方がクレバーだ。まず一番数字の小さいカードと大きいカードを1枚ずつ落として5枚にする。そして小さいほうから2枚の合計を最小値、大きいほうから2枚の合計を最大値とする。この間が中間値で、賭けたチップの数が収まっていれば2倍、その中で最大ならば3倍の配当を得る。それ以外は、賭けすぎても賭けなさすぎてもダメ。

数字は1〜7があり、たいてい1や7は落とされるから最小値は(2と3で)5くらい、最大値は(5と6で)11くらいになるはずだが、同じ数字が入っている上に偏ることもあるのでこの限りではない。さらに「0」と「00」のカードが入っていると、最大値も最小値も2枚ではなく3枚の合計となり、中間値は上方修正される。

したがって最初に伏せられた2枚を見るのは非常に重要だし、見られなかった人は、見た人が賭けたチップの数が大きな手がかりとなる。より多くのチップを賭けて3倍を狙うか、少し下げて安全にいくか悩みどころだ。

「0」が入っている場で10〜13という狭い中間値を制して調子付いたかに思われたが、後半は1差で外すなど調子が狂って負け。よく練りこまれたゲームで、推理と度胸が試された。

賭博英雄伝セブン
川崎晋/カワサキファクトリー(2009年)
3〜5人用/9歳以上/15〜180分

ハウラ(Hau La)

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上へ上へ押すな押すな

マングローブ』と並んで、今年のゲームマーケットの目玉となった賽苑の作品。スポンジ製のピースを自由に取り付けて、自分の色のタグが一番上になるようにするという、ほかに類を見ない異色の作品だ。

手持ちのピースは長さが3種類あり、全員同じものをもっているが使い順番は自由。長いピースはここぞというときに使いたい。地面やほかのピースにある穴から、新しいピースを差し込んで、できるだけ高いところに自分の色のタグを付ける。次の手番には、タグがあったところからさらに上を目指す。

毎ラウンドトップを取った人は、ボーナスピースを取り付けることができるが、高いところはすぐ狙われて下になることになるだろう。スポンジ製であるため、重力やほかのピースとの絡みですぐ垂れ下がってしまう。

勝敗は最後の最後のピースが入るまでわからない。短いピースで最後のひとあがきをするさまは、思わず笑いを禁じえない。ゲームマーケットの評価アンケートでは、ゲームとしての出来を疑う声も寄せられたが、先手番でもよい場所を見つけられれば決して不利ではないように感じた。

アブストラクト風なのに厳密に計算できないアナログ感、みんなの予想を裏切るピースの差し込み方で形勢が逆転する創造性、そして現代芸術のような見栄えのよさと申し分ない。『マングローブ』と同様、これまた国内でも海外でも、どこかのメーカーが権利を買い取って工場で量産してほしいほどだ。

Hau La
作者不明/賽苑
2〜4人用/8歳以上/15分

自分で問題を作りたくなる

ゲーム内容はこちら。ルール説明は1分以内でできるし、10人まで遊べるし、途中から入っても遊べるし、いつでもやめられるしと、人が集まってくる時間帯に重宝する。

いつも遊んでいるメンバーだと、オリジナルの問題を出題するのも楽しい。先日、都内の電車で「ずいぶんDSを出している人が多いな」と思ったので、「満員電車1両の中に、DSを所持している人は何人?」という問題を出してみた。真ん中は20人くらい。ほかにメンバーを題材にした問題も出る。「おのさんが8月にお経を読んでいた時間は何時間?」「単位は時間でなくて分でお願いします」って言ったら笑われた。真ん中は、私が答えた「270分」。真実かどうかは、このゲームでは関係ない。

「じっくり煮込んだカレーとは何時間煮込んだカレーのことでしょう?」「優等生と呼ばれる子供が小学校6年間で怒られる回数は何回?」といった付録の問題も楽しい。前に答えたことがある問題でも、前回の記憶(覚えていればだが)をもとにして答えを考えられるからまた別の楽しさがある。

輸入ゲームの翻訳では決してできない、日本のコミュニケーションゲーム。この種のゲームがもっともっと出てくることを臨む。

クイズいいセン行きまSHOW!
川崎晋/カワサキファクトリー(2008年)
3〜10人用/10歳以上/10〜30分
クイズいいセン行きまSHOW!

美しさの裏に細かい工夫

2009年のゲームマーケットで最も注目を集めたブースといえば、賽苑であろう。その人気は、メビウスママさんも驚きの様子で伝えている(メビウスママのひとりごと:ゲームマーケット 2009 その1)。瞬殺で売り切れてしまったので、お目にかかれなかった人もいるだろう。また来年、同じ作品をもってきても十分売れると思われる。(ちなみに私も所有していない。)

とはいえ、この作品を見ると、手作業でいくつも作るのはたいへんだなと思う。色分けされた棒には、穴を開けてファイバーが通してある。台は彩色した何枚かの木を重ねている。見とれてしまうほど見事なコンポーネントで、どこかのメーカーが権利を買い取って工場で量産してほしいくらいだ。

ゲームは、『スティッキー』のように、一本ずつ抜いていって崩した人が負けというシンプルなもの。でもコンポーネントは見掛け倒しではない。棒を抜くと、下に色がついていて、次の人はその色の棒を抜かなければならない。その色の棒を抜くと、また別の色が現れる。くじ引きのような、しりとりのような楽しみ。ちょっと太い赤い棒は、指定された色がないときに抜くので、後半に出てくる。これに比べると、『スティッキー』で抜く色をダイスで決めるのはちょっとスマートでないかもしれない。

1本抜くたびに全体が動く。崩れるか、崩れないか? このドキドキ感がたまらない。

mangrove
?/賽苑
2〜4人用/6歳以上/5分
2009年8月22日山形ゲームコンベンションにてプレイ
マングローブ

2012年5月

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