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ひつじとどろぼう(Sheep & Thief)

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泥棒が忍び寄る

ひつじとどろぼう

カードドラフトでひつじいっぱいの草原を作る配置ゲーム。ポッドキャストも配信しているPower9Gamesの作品で、ゲームマーケット2014秋に発表された。大きいサイズのカードを並べられる個人ボードと、その上に置かれるふわっふわのヒツジさんコマが印象的だ。その牧歌的なのどかさとは裏腹に、どろぼうをめぐる激しい戦い繰り広げられる。

全員に5枚ずつカードが配られるので、1枚取ってはそれぞれとなりの人に渡す。『世界の七不思議』などで知られるカードドラフトである。自分がほしいものを取るだけでなく、ほかの人に取られては困るものがあればそれを優先して取らなければならない。このゲームでは、道や川をつなぐことがとても大事になるので、つながるようなカードを選ぶのが基本。

こうして5枚を選んだら、順番に自分の草原に配置していく。道は途切れてもよいが、川は途切れさせてはいけない。ヒツジがいるカードを置いたらヒツジコマを乗せ、牧羊犬のいるカードを置いたらすでにいるヒツジを移動し、泥棒のいるカードを置いたらどろぼうを移動する。

泥棒はどの草原にもいるが、位置が全員共通しているところがこのゲーム最大のポイントだ。手番プレイヤーが泥棒を1つ右に動かせば、全員が泥棒を1つ右に動かさなくてはならない。その結果、ヒツジのいるマスに泥棒が入れば、そのヒツジは手番プレイヤーのものとなる。こうしてお互いに泥棒を移動し合い、美しい草原を蹂躙する。泥棒が近づいてきたら、ヒツジを逃すか、安全な小屋にあるマスに移動させて守ろう。

5枚のうち4枚を置いたらラウンド終了で、残り1枚に4枚を補充して次のラウンドのカードドラフトを始める。3ラウンドで12枚置いたらゲーム終了。ちなみに草原は全部埋まらない上に、最後の方は道がなかなかつながらず、美しい草原にはほど遠いものになるかもしれない。ヒツジ(泥棒で奪った分も含む)、川の連続、街
に道がつながっているかで得点が入り、合計で勝敗を決める。

3人プレイで30分ほど。初手から泥棒を取りに行って、油断して置かれたヒツジをかっさらう作戦。先手を打って泥棒をコントロールできると自分のヒツジがいない方向に移動できるので、その間に羊のいるカードを置きまくる。最後に遠くの街も無事つながって勝利。karokuさんが最後に置こうとしたマスに、泥棒がいって
置けなくなったのもよいブロックとなった。

ふわっふわのヒツジコマに息を吹きかけ、転がして遊んでいられるのも束の間、「うわっ、泥棒が近づいてきた!」「ひえー、もう道がつながらない!」などとヒヤヒヤしっぱなしのゲームである。

ひつじとどろぼう
坂下裕一/Power9Games(2014年)
2~4人用/10歳以上/30分
ショップ検索:ひつじとどろぼう

ブラック・アイライン2014(Black Eyeline 2014)

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隠し切れない個性

ブラックアイライン

「世間を騒がせた五人衆が一致団結する協力ゲーム」。裏になっているキーワードカードを交換していって、それぞれ対応する人物のところに置ければ全員の勝利となる。各自がもっている特殊能力をうまく生かして、情報を共有できるかがポイントだ。

全員に人物カードと、キーワードカードを1枚ずつ配る。キーワードカードの中にはNGカード「悪魔のささやき」が入っているため、1枚余ったものは場の中央に置く。キーワードカードは見ずに、人物カードだけオープンしてスタート。

NONO_59:スタートプレイヤー。「あなたにはわからないでしょうね!」といって自分の前にあるキーワードカードを自分以外のほかの人に見せる。キーワードカードは「温泉」。

ASUKA_YAKUKULEY:みんなのキーワードカードを見て、人物と合っていれば「Say yes」。キーワードカードは「合成麻薬MDMA」。

SAMURA_51:キーワードカードを1枚見て、その内容を10秒以内にジェスチャーで伝える。キーワードカードは「ゴーストライター」。

TROJAN HORSE_U:みんなに目を閉じてもらい、キーワードカードを交換する(遠隔操作)。キーワードカードは「コンピューターウイルス」。

PRINCESS_OBOKO:場の中央にあるカードを見て、「○○はあります」という。キーワードカードは「STAP細胞」。

2周したあとに、リーダーであるPRINCESS OBOKOが、これまでの情報をもとにキーワードカードを並べ替える。表にして全員の人物カードとキーワードカードが全て一致していれば全員の勝利。1つでも合っていなければ敗北となる。

5人プレイで5分ほど。誰の手番でも笑いが起きて楽しい。勝敗は1回目は失敗、2回目は成功。手番順によって、難しい場面と簡単な場面があるものの、後手番にどの人物が来るかをふまえて動くところもあり、ネタゲーにとどまらず協力ゲームとしてもよく出来ている。これから毎年シリーズ化してキャラクターを増やし、自由に組み合わせて遊べるようにしてほしい。

Black Eyeline 2014
作者不明/マガジェット(2014)
5人用/13歳以上/10分

パッチワーク(Patchwork)

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ミニマルなリソースマネージメント

パッチワーク

『アグリコラ』の作者ローゼンベルクは、2人専用ゲームも結構作っている。『バベル』(2000)、『アグリコラ:牧場の動物たち』(2012)、『ル・アーブル:内陸港』(2012)、『アルルの丘』(2014)、『ボーナンザ』の拡張、そしてこの作品だ。これらの作品の中では最も軽く、時間も短い。しかしそれでいて、リソースマネージメントの妙を味わわせてくれる。シュピールのスカウトアクション8位(TGiWニュース)。

環状に並んだテトリスのようなタイル。コマのあるところから時計回りに3枚のうち、どれかを選んで自分のボードに配置する。できるだけ隙間のないように。最後まで埋められなかったマスは失点になってしまう。

タイルを取るとき、ボタンと時間という2つのリソースを消費する。ボタンは手持ちのチップを支払い、時間はマーカーを進める。この2つの管理がゲームの要だ。

ボタンはお金のようなもので、最後はこの数で勝敗を決める。使うとなくなっていくが、手番を休んで時間マーカーを進めるか、時間マーカーがポイントを通過するたびに補充される。いくつ補充されるかは、それまでボードに配置したタイルについているボタンの数による。ボタンがたくさんついているタイルはボタンを多く支払わなければいけないが、そういうタイルを早めに取っておけば安定した補充が望めるだろう。タイルを取るたびに累積していくので、序盤はカツカツなのが、終盤は潤沢になっていくのが楽しい。

時間マーカーは手番順を決める。『テーベ』のように、時間マーカーがより進んでいない方が手番を行うため、連続手番も可能だ。しかし時間マーカーがポイントを通過すると、貴重な1マスのタイルがもらえる。これは早い者勝ちなので、ときには大きいタイルを取って相手より時間マーカーを進めることも必要だ。そしてこの時間マーカーがゴールまで到達すると、それ以上手番を行うことはできず、ゲーム終了となる。

タイルの組み合わせも重要だ。連続手番できるときや、ゲーム終盤は、次の次に取るタイルまで考えていかないといけない。どれだけ埋めて失点をなくせるか、パズル思考も求められる。

Kさんと2人プレイ。1ゲーム目はとにかく大きいタイルを優先的に取って、開いたスペースの失点をなくす作戦である。あちこちに穴があいてしまい、7×7ボーナス(ボードの一部を相手より早く完全に埋めるともらえるボーナス)も取られたが、失点の少なさで勝利。2ゲーム目も同じ作戦だったが、Kさんがボタンの多いタイルを取っていく作戦に切り替え、収入を増やして勝利。1ゲーム目よりも2ゲーム目のほうが2人とも得点が上がっていたところを見ると、少し上達したみたいだった。

タイルは3択しかなく、プレイ時間も短いのに奥が深い。雑談しながら遊ぶこともできるが、ボタン貯金を優先するか空きマスをなくすことを優先するか、相手の出方や残りタイルを見て考えて戦略的に遊ぶこともできる。

Patchwork
U.ローゼンベルク/ルックアウトゲームズ
2人用/8歳以上/15分

ボンガル(Wongar)

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あと1個置かないでくれたら

ボンガル

複数のエリアにコマを置いていき、各エリアでコマが一番多いプレイヤーがそのエリアを取る。このエリアマジョリティーというシステムは、ドイツゲームの王道だった。『エルグランデ』など90年代後半から2000年代前半にたくさんの作品が生まれたが、現在ではすっかり下火になっている。

エリアマジョリティーの面白さは、最後の1個で形勢が一気に変わるところだ。ひとつのエリアにみんな同じ数だけコマがある。このままでは誰も1位を取れない。そんなときに、1個だけ置いて1位になる。しかしそんな抜け駆けは許されない。誰かが1個置けば、ほかの人も対抗して1個置く。そうやって張り合っているうちに、ほかのエリアをちゃっかり取られてしまうのである。そんな濃厚な駆け引きが醍醐味だが、現在では重すぎるせいかあまり作られなくなった(『八分帝国』のような、短時間に凝縮してライトにしたものはある)。

このようなエリアマジョリティー全盛時代にゴルトジーバー社から発売された作品。デザイナーは『ブラフ』のボーグと『エルフェンランド』のムーンである。どちらもアメリカ人だが、ドイツ年間ゲーム大賞作家としてネームバリューが高かった。その内容は、3種類のコマで行う複雑なエリアマジョリティーである。テーマはオーストラリア先住民のアボリジニだが、極めてアブストラクトである。

盤上には10のエリアがあり、それぞれカードが置かれている。手番にはそのうち1枚を選び、カードの指示に従って盤上にコマを追加したり、得点計算を起こしたりする。カードから「サソリ」が出現するとマーカーが進み、マーカーが最後までいくとゲーム終了(終了タイミングが読めないようになっている)。

得点計算は、「先祖」か「長老」というコマを移動して、その移動先のエリアで行われる。3種類(円盤、キューブ、円筒)の種類別に、そのエリアでコマの数が多いプレイヤーに得点が入る。

手番プレイヤーはもちろん、自分のコマが多いところで得点計算を起こしたい。しかし得点計算はすぐに行われず、その前に手札のカードを出して激しい戦いが繰り広げられる。ここで出される「儀式カード」でできることは、ほかのプレイヤーのコマを除去するか、自分のコマを隣のエリアから呼び寄せるか、(そのエリアを諦めて)自分のコマを隣のエリアに移すか。これを全員がパスするまで何周でも行う。

儀式カードは手に入りにくい上に、使いきりなので、ほかのプレイヤーと張り合ってカードを出し過ぎると後が続かなくなる。手札が少ないプレイヤーは、足元を見られることにもなる。できるだけ使いたくないところだが、それでは1位が取れない。どこまで出して、どこで諦めるかの判断が悩ましい。自分より後手番の人は、すんなり1位を譲ってくれるだろうか?

5人プレイで90分ほど。序盤は得点が低い上に、トップは「サソリ」が出たときに減点されるので変な譲り合いが生まれた。「1位、どうぞどうぞ!」しかし中盤に入ると得点が大きくなり、なりふりかまわぬ戦いが始まる。トップを取るためには、下位のプレイヤーを叩くことも辞さないシビアな展開。乱戦模様になりかけたとき、bashiさんがもう1枚出すか出さないか迷ってから、「(後手番の人がこれ以上出さないことを)信じる!」といって出さなかったのがウケた。今の流行ではないかもしれないが、エリアマジョリティーの駆け引きの濃さを再認識。

Wongar
R.ボーグ、A.R.ムーン/ゴルトジーバー(2000)
3~5人用/12歳以上/90分
絶版

ブロッキーマウンテンズ(Blocky Mountains)

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山登りは集中力

指定された積み木上で人とグリズリーのコマを落とさないように移動するドイツのアクションゲーム。ドイツのクラウドファンディング「スタートネクスト」で資金集めに成功し、シュピール'14での発表にこぎつけた。ドイツ人よりは器用さにおいて有利だと思われる日本人でさえ、相当の集中力が要求される。

チャレンジカードをめくり、指示されたように積み木を並べる。人とグリズリーのコマを置いたらスタート。指示されたカギ棒で人やグリズリーのコマを移動し、目的地まで移動する。成功したらチップをめくり、その数だけプレイヤーコマを進める。先にゴールした人の勝ち。

難易度はA,B,Cの3つ。さらに、ボーナスのある追加難易度も選べる。カギ棒の先に紐をつけて吊り下げながら移動したり、障害物を増やしたり。ボーナスのリスチップをもらうと、コースをショートカットしたり、失敗したときにやり直ししたりできる。

4人プレイで40分ほど。序盤は簡単なものをプレイしてみた。「余裕じゃないですか?」「ドイツ人はこれでも難しいのかな」などと言っていられたのもつかの間。調子に乗って難易度を上げると難しいのがどんどん出てくる。最初にぶつかったのは、ひもで吊り下げて振り子で置くというチャレンジ。勢いがつきすぎて飛び出したり、逆に弱くて届かなかったり。ふうかさんが見事に成功させたときは拍手が起こった。次は細い橋の上を、グリズリーでコマを押させて進むチャレンジ。曲道に障害物まで置いてある。このチャレンジはじっくり時間をかけて私が成功させた。こんな調子で、ゲームが終わる頃には精根尽き果てたが、後からじわじわとまた遊びたくなった。

Blocky Mountains
G.ユンカー/ユフシュピーレ(2014年)
1~7人用/8歳以上/30分
国内未発売

ブラッディマリー(Bloody Mary)

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注文の品はなかなか作れず

ブラッディマリー

バーテンダーとなって客が注文した飲み物を作るダイスゲーム。変わった形の箱に入っているハイエ(Heye)社の作品で、1995年に発売された。この会社は90年台に14タイトルほど出版しているが、現在はカレンダーを主に扱っているだけでボードゲームを制作していない。

タイトルになっているブラッディーマリーは、ウォッカとトマトジュース(とタバスコ)で作るカクテルのことだが、このゲームには赤い服を着たお姉さんもブラッディーマリーと呼ばれる。

はじめ自分の前には4枚の注文カードが配られる。そのうち2枚を裏返しておく。自分の番にできることは、ダイスを振って注文カードをさばくか、獲得した注文カードを換金するか、1回休んで注文カードを全部交換するか。

ダイスを振る場合は、予め何投するか(最大3投まで)宣言して、その数だけチップを支払う。振ってから判断できない前払い制で、カードの難易度や運の調子などから判断しなければならない。途中でやめてもいいが、支払ったチップは返ってこない。

注文カードには、ウェイター/ウェイトレスと共に水、カクテル、コーラ、シャンパン、ブラッディマリー、ビールがいろいろな組み合わせて描かれてあり、ダイス1個だけで達成できるものから、3個必要なものまである。達成したカードは裏返し、わきに重ねておいて最後に得点。1個のダイスを複数の注文カードに使ってよいので、一度に何枚か達成できることもある。ほかのプレイヤーの(表向きの)注文カードも達成していれば奪うことができるので、どのダイス目を残すかよく考えなければならない。

宣言した回数だけ振っても1枚も達成できないと、ペナルティーとしてチップ2枚か、獲得したカードの山札から1番上のカードを返さなければならない。これが痛いので、保険のため宣言する回数は2回や3回にしたくなる。

チップが足りなくなったら、獲得した注文カードを1枚返して2チップにできる。しかしその分だけ得点が減るので、できるだけ選択したくないところだ。難しい注文カードばかり並んだら、全交換しておいたほうがよいかもしれない。誰かが獲得した注文カードの合計が11点以上になったら、全員に2チップずつのボーナスもある。

ゲームのテンポが大きく変わるのが「ブラッディマリー」カード。このカードが出たら、自分の前にある注文カードのうち、同じ飲み物が2つあるカードがあればいち早く取り、ブラッディーマリーカードの上に置くのだ。最初に置いた人が7点という高得点を獲得する。このブラッディーマリーカードがゲーム中に3回出てくる。油断はできない。

注文カードの山札がなくなり、自分の番になったらいつでもゲームから抜けられる。まだカードは場に何枚かあるので、確率を考えて続行してもよい。注文カードが少なくなり、全員が抜けたらゲーム終了。獲得した注文カードの点数と、チップの枚数から、まだ達成していない注文カードの点数を引いて、合計の多い人が勝ち。

5人プレイで40分ほど。ダイスは3個しかなく、全部目が違うので、ダイス1個の注文でもなかなか達成できない。ましてや3個となると、3投しても厳しいことが多かったので、その分達成できるとすごく嬉しい。時折登場するブラッディーマリーのリアクションゲームもスパイスになっている。バーテンダーがこんな調子で失敗ばかりしていたらたいへんな酒場だろうなあ。

Bloody Mary
D.ハンネフォート/ハイエ(1995年)
2-6人用/16歳以上/45分
絶版・入手難

バトルシープ(Voll Schaf)

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一手先に取られて

ひつじいっぱい

牧場で自分の羊の群れを広げる陣取りゲーム。オリジナルは2010年にフランスで発売された『スプリッツ(Splits)』というアブストラクトゲームで、牧場の羊というテーマをのせて『バトルシープ(Battle Sheep)』というタイトルで2013年にリメイク。2014年にそのドイツ語版が発売されて、ドイツ年間ゲーム大賞の推薦リストに入った。

はじめに今回の舞台となる牧場を、タイルを並べて作る。1枚のタイルは4マスの六角形となっていて、順番に好きなように並べていく。穴だらけの牧場にするもよし、広がりのある牧場にするもよし。すでにここから戦いは始まっているのだ。自分の色の羊タイルを重ねて、ボードの端の好きなところに置いたらスタート。

自分の番には、重なった羊タイルを好きな枚数で分割し、その分割した何枚かを一直線上に障害物にぶつかるまで移動する。残った何枚かはそのマスにおいていく。こうして羊の群れがあちこちに広がっていくことになる。順番に行って、移動できるマスがなくなるまで続け、より多くのマスを自分の色の羊で専有できた人の勝ち。

直線に移動してだんだん移動できるところがなくなっていくのは、『それはオレの魚だ!(Hey, That's My Fish!、2003年)』とプレイ感が似ているが、ゲームの準備が楽なのと、羊コマに重量感がある(ポーカーチップのような感じ)のがいい。見た目とは裏腹に、ゲームが始まるとすぐたいへんシビアなゲームであることに気づくのは同じ。

3人で10分ほど。囲碁のような感覚で、ほかの羊の侵入を阻んで自分だけの領地を作りたいところだが、そうは問屋がおろさない。はじめはのんびり広がっているのが、一度火種がつくと、みんなが一挙に押し寄せてくる。うず高く積み重なった羊が周囲をブロックされて動けなくなったら悲惨だ。相手の羊タイルの枚数を気にしながら、どこを優先的に取るべきか考えなければならない。「うわー、そこ取られた!」「えー、こっちに来るの?!」先の先を読むゲームだが、先の読めない展開があちこちで起こって盛り上がる。

Voll Schaf
F.ロッタ/ブルーオレンジ(2013年)・フッフ&フレンズ(2014年)
2-4人用/7歳以上/15分
テンデイズゲームズ:バトルシープ

フリッツ&ミーツ(Flizz & Miez)

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追いかけられる焦り

フリッツ&ミーツ

タイルを素早く並べてレーシングカーを進めるボードゲーム。2014年のドイツ年間キッズゲーム大賞にノミネートされた。デザイナーはルックアウトシュピーレの社長であるH.ギルケ氏と、イラストレーターのK.フランツ、『アグリコラ』のカードデッキに携わったD.ユーの共同作品で、カレラ・テーブルトップゲームズというレーベルで発売された。

カレラ・テーブルトップゲームズは、オーストリアの玩具・ゲームメーカーのシュタードルバウアー社が新たに立ち上げたレーベルで、スロットカーのカレラ(Carrera)をテーマにしたボードゲームを3タイトル発表している。

このゲームは、スロットカーをネコが追いかけるという異色のレースゲームとなっている。ネコが後ろから追いかけてくる緊張に負けないで、冷静にタイルの色を合わせることができるだろうか?

レーサー役、ネコ役、審判役、移動役を交替でプレイする。合図と同時に、レーサー役は色が合うタイルを探し、1枚見つけるたびに「ブーン!」という。ネコ役はひたすらサイコロを振り、ネコの目が出るたびに「ニャー!」という。移動役はこの「ブーン!」「ニャー!」を聞いて、それぞれレーシングカーとネコを進める。ネコが追いついたら手番終了。審判役は微妙なタイミングでどちらが早かったか判定する。

レーシングカーがネコに捕まるか、10マス進んだら交替で、役を1人ずつずらして次の手番。これを繰り返してコースを先に1周した人の勝利だ。

大人ルールではボード裏面を使い、レーシングカーがジャンプ台やループのところに差し掛かったら「ブーン!」ではなくて別の効果音を言わなければいけない。またタイヤの色も揃えなければならず、ネコに捕まりやすいようになっている。

3人プレイで20分ほど。「ブーン!」「ニャー!」「ブーン!」「ニャー!」「ニャー!」「はいアウトー!」1マスか2マス進めればいいほう。焦っているため、障害物でもつい「ブーン!」といって即アウトなんてことも。最初は焦りすぎて全然進めなかったが、次第に冷静さを取り戻して最下位から追い上げる。しかし時すでに遅し、ふうかさんがぶっちぎりで1位。

タイル探しの慌ただしさに加えて、席替えのときに移動していたので結構息が切れた。スポーティーなゲームである。

Flizz & Miez
H.ギルケ、K.フランツ、D.ユー/カレラ・テーブルトップゲームズ(2014年)
2~4人用/5歳以上/15分
すごろくや:フリッツ&ミーツ / Flizz & Meiz

宝石の煌き(Splendor)

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栄光への道筋

宝石の煌き

宝石を集めて鉱山や職人を手に入れ、有名な宝石商となって貴族の訪問を受けるわらしべ長者のようなゲーム。フランスのゲームだが、2014年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた。宝石集めがテーマだが、アブストラクト色の濃いセットコレクションでヒリヒリできる。

自分の番には、ストックから宝石を取るか、集めた宝石でカードを買うかが基本。場に並んだカードにはそれぞれ必要な宝石の色と個数が書いてあり、指定された分を支払えばゲットできる。カードにも宝石が1つ付いており、その宝石分は支払わなくてもよくなるため、カードを買えば買うほど新しいカード購入が楽になるという仕組み。最初はなかなかカードが買えなくて苦しかったのが、途中からバンバン買えるようになるのが気持ちいい。

しかしカードには難易度が3段階あって、最難関は得点も高いが集めなければいけない宝石も多い。安いカードばかり買ってウヒョウヒョいっていてはいけないのだ。自分に足りない宝石は何か、そのカードを取るにはどの宝石を集めるべきかしっかり道筋を考えておこう。

これに加えて、カードは早い者勝ちなので、ほかのプレイヤーが狙っていそうなカードは先手を打って取っていかなければならない。出たとこ勝負でカードを買っていくプレイもできるし、先の先を読んで、かつ周りの狙いも見極めてという考えぬいたプレイもできるという、幅広いプレイスタイルに対応しているのはさすがノミネート作品。

宝石の取り方は、3種類1枚ずつか、1種類2枚(4枚以上ある場合のみ)か、黄金(ジョーカー)1枚。黄金1枚の場合は、カードを1枚確保しておくこともできる。宝石の枚数が絶妙で(プレイヤー人数によって変わる)、特定の色を貯めこんでブロックすることができる。ブロックしておいて、ほかのプレイヤーが「買えるカードがないよ!」と嘆いている間に自分は別のカードをどんどん買っていきたいものだ(うまくいけばの話だが)。

指定された宝石のカードを揃えると、貴族タイルをもらえる。これが高得点で一気にゲームが収束する。勝負は、限られた枚数しかない貴族タイルを、いかに早く取れるかにかかっている。カード、貴族の合計が15点以上になったラウンドで終了し、得点の多い人が勝ち。

3人プレイで40分くらい。ゲームが始まってすぐ、考えることの多さに愕然とした。この宝石を取って、あの人より先にこのカードを取るには? そのカードが取れなかったらどのカードを取るか? カードのイラストを楽しむ余裕もないくらい、手持ちの宝石と、ほかの人の宝石と、場札のカードを見比べる。

そのうちカードが増えてきて、宝石を1個ぐらい支払えばたいていカードを購入できるようになると、みんなウヒョーウヒョー言い始めた。しかしそこで成り行きに任せて買っていたのでは勝てない。貴族タイルを目指して、どのカードが自分に足りないか見極めなければならない。無駄足せずにまっすぐ貴族カードを集めた鴉さんの勝利。

宝石の数がカツカツなのに対し、同じ得点なのに宝石の数がだいぶ違うカードがあって、わざとバランスを崩して作ってある感じがニクい。テーマ性が薄い分、深く考えて遊ぶことができた。

Splendor
M.アンドレ作/スペースカウボーイズ+アスモデ(フランス)
2~4人用/10歳以上/30分
ショップ検索:宝石の煌き

ポートロイヤル(Port Royal)

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過ぎたるは及ばざるが如し

ポートロイヤル

ジャマイカの港町で、船から収入を得て人物を雇い、名声を高めていくカードゲーム。『ザヴァンドールの鉱山』のプフィシュターがデザインし、『アグリコラ』のイラストレーター・K.フランツがイラストを担当した。2013年にオーストリアで行われたボードゲームデザイナーコンテストの優勝作品。クイーンゲームズのトリックテイキングゲーム『ポートロイヤル(2000年)』とは別作品である。

基本はバーストゲームで、同じ色の船が出ない限り、好きなだけ山札からカードをめくっていく。好きなタイミングでめくるのをやめて、めくった船の数に応じてカードを取る。残りのカードは、ほかのプレイヤーが手番プレイヤーにお金を払って取れる。

カードには船と人物と探検と増税があり、船カードを取ったら収入が入り、その収入で人物カードを雇って、人物カードを集めて探検を達成するという流れ。たまに出る増税では、12金以上もっていると半減させられる。人物カードと探検カードが得点になり、誰かが12点以上取ったラウンドで得点の多い人が勝つ。

収入はマーカーを用いず、山札のカードを裏のまま取って自分の前に並べることによって表す。このため、狙っているカードがお金として場に出てしまうことがあって読めない展開となるのが面白い。

人物カードは得点になるだけでなく、それぞれいろいろな特殊能力を持っている。今回役に立ったのは「総督(取れるカード枚数が+1)」と「船員(戦闘力が上がる)」。戦闘力が高いと、同じ色の船が出てバーストしそうになったとき、その船を撃退してバーストを回避できる。増税のときに戦闘力の一番高い人にボーナスが入るのも嬉しい。

5人プレイで30分ほど。バーストを恐れて早めに取る展開が続き、みんながほとんど1枚しか取らない。そこに中盤「総督」を取ったBumiさんが1手番に2枚取れる強さを発揮。船カード2枚で大金を手に入れたり、船カードで入った収入で即人物カードを雇ったり、人物カードを揃えてすぐ探検命令を達成したり。これで一気に勝負を決めた。私は序盤リードしていたのに痛恨のバーストで後手に回り、ぽちょむきんすたーさんは序盤に大枚をはたいて雇った「ひょうきん者(場に1枚もないと1金もらえる)」がほとんど回収できず。

収入の高い船がなかなか出てこないとき、もう1枚めくるかどうかは悩ましい。残りのカードをほかのプレイヤーに取ってもらうとお金が入るので、1枚でも多くめくって魅力的なラインナップにしたいところだが、欲張りすぎると大きな罠が待っている。

Port Royal
A.プフィシュター/ペガサスシュピーレ(2014年)
2~4人用/8歳以上/20~40分

ブラックストーリーズ:50の"黒い"物語(Black Stories: 50 rabenschwarze Rätsel)

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なかなか手強い物語

ブラックストーリーズ

犯罪、死体、殺人、自殺の事件の真相を、質問を通して推理していくドイツのカードゲーム。1枚1枚、表に事件、裏にその真相が書いてある。ひとりが「リドルマスター」となり、表に書いてある謎の事件を紹介。ほかのプレイヤーは、「はい」か「いいえ」で答えられる質問を繰り返し、思いついたら真相の予想を述べ、当たったら勝利する。

今回の第一問は「新しい日の夜明け」。ある美しい朝、女は目を覚ました。窓の外をひと目見て、彼女は自殺したという。リドルマスターは私が担当した。

「外の風景は自殺と関係ありますか」「はい」「自宅ですか」「分かりません」・・・なかなか絞り込めない様子である。そこでヒントを出した。「宗教関係です」そこからひらめきが進み、bashiさんが正解。正解が気になる方は、製品をお買い求め下さい(笑)。

続いてbashiさんがリドルマスターとなって第二問「名物料理のレストラン」。少女は名物料理のレストランでイグアナのステーキを注文した。一口食べた途端に店から飛び出し、大型トラックの前へ身を投げ出した。bashiさんによると一部で有名な「ウミガメのスープ」と同じ話だというが、回答者は知らなかった。「宗教関係ですか」「いいえ」「人肉食と関係がありますか」「はい、いい質問です!」そこからBumiさんがうまくまとめて正解した。正解が気になる方は(略)。

事件を読んだときの、全く見当もつかない感じはものすごい。しかしこのゲームが『ブラックストーリーズ』というタイトルであるところがちょっとヒントで、ホラーや宗教の線で絞り込んでいくといいようだ。ある程度状況が飲み込めたところで、正解にたどり着くのがまた難儀。その最後のひとひねりが見事ひらめいたときは嬉しい。

どんな質問をしたらよいか見当もつかず、お地蔵さんになってしまう人もいた。でも考えても始まらないので、どんどん質問をして、ほかの人の質問に便乗していく。数撃ちゃ当たるで、手応えがあったらそこを深めていく。そんなブレインストーミングのような会話がこのゲームの楽しみ方ではないかと思う。

Black Stories: 50 rabenschwarze Rätsel
H.ベーシュ/モーゼス出版(2004年)・コザイク(日本語版、2014年)
2~15人用/12歳以上/20分

ひよこどりっぷ(Hiyoko Drip)

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見よ、このドリップテクニック!

ひよこどりっぷ

バーストしないように豆を揃えるアクションゲーム。ゲームマーケット2014大阪で賽苑から発売された。バリスタならぬ「マメスタ」の頂点を決める大会「ワールド・マメスタ・チャンピオンシップ(WMC)」で、世界一の「どりっぷ」を目指して技を競い合うという設定である。

森永チョコボールくらいの大きさの箱の中には本物の豆。ひよこ豆、うずら豆ほか7種類が入っている。箱も含めて、なかなか可愛い。

自分の番になったら、箱を振り、開け口をちょっとつまんで豆を出す。ボロボロボロ......全部同じマメか、全部違う豆だったらOK。豆を脇において、さらに挑戦できる。2つ同じで1つ別の豆などはアウトで、豆を箱に戻して次の人の番になる。このバーストゲーム、もう一投いくかどうか迷う。

一番多く入っているヒヨコ豆がカギで、バーストしやすい分、これを一定数集めれば勝ちとなる。またはほかの豆のペアを一定数作っても勝ち。

箱を振って、出てくるものが豆という意外性が笑う。4人プレイで5分ほど。序盤はバーストしまくっていたが、少しずつ豆を出す方法を覚えてヒヨコ豆勝利。

ひよこどりっぷ
賽苑(2014年)
2~4人用/6歳以上/10分
賽苑:ひよこどりっぷ

バザリ・カードゲーム(Basari: Das Kartenspiel)

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バザリ・カードゲーム

宝石を増やして得点を競うゲーム。同じアクションを選択したときは、どちらがアクションできるか競りをして決める。足元を見まくったシビアな競りがしびれる作品だ。ボードゲーム版が1998年にFXシュミット社から発売され、2003年にアレアが『宝石商(Edel, Stein & Reich)』というタイトルでリメイクした。今回のリメイクはボードゲーム版に近い。

毎ラウンド、各自1枚ずつカードを引く。カードには労働者、得点、宝石の3つが書いてあって、それを見てこのラウンドのアクションを選択する。アクションはカードをもう1枚引いて労働者を増やす、得点をもらう、場の宝石をもらうの3択(5人プレイでは宝石を交換するというアクションが加わって4択)。選んだアクションは裏向きに出して、一斉に公開する。

誰ともバッティングせず、自分だけが選んだアクションはそのまま実行できる。2人が同じアクションを選ぶと、手持ちの宝石を使って競りを行う。3人以上が同じアクションを選ぶと、誰もできないで終わりとなる。

競りに使う宝石は、価値の高い順に赤、黄、緑、青の4種類。相手の提示より数を増やすか、価値を高くして競り上げていき、相手が降りたら宝石を渡してアクションを行う。この宝石は、得点計算のとき種類別に一番多いと得点になるので、余計にあげたくないところ。「青ばっかり!」「でも黄色は1個も出したくないでしょう?」「じゃあ泣く泣く緑を投入して...」「赤を諦めたらいいんじゃないですか」......ほかのプレイヤーの手持ち状況を見つつ、お互いに足元を見て宝石を提示しあうのは、このゲームの醍醐味だ。

アクションが終わったらまた1枚ずつカードを引いてアクションを選択する。これを繰り返し、誰かの労働者が累積15人になったら1回戦終了。得点計算となる。得点計算では宝石の種類別に一番多い人だけが得点し、得点した人は半分を場に返す。また労働者が15人以上になった人も得点をもらえる。これを3回戦繰り返して合計得点の高い人が勝ち。

5人プレイで45分くらい。赤と黄色の宝石が場に出回らず、緑と青の宝石が石ころのように取引された。青の宝石をたくさんもっている人が、わざと誰かが選びそうなアクションを選んでバッティングさせ、そのアクションしたさに別の色の宝石を吐き出させるというような戦術も取られ、アクション選択が一層悩ましくなった。労働者の数が運任せなのはカードゲームならではのこととして、それも含めて煩瑣な手続きがなく、競りに集中できて楽しめた。

参考:3ゲームのアクションの比較

バサリ宝石商バザリカードゲーム
Aダイスお金(得点)カード
B得点イベント得点
C宝石宝石宝石
D宝石の交換宝石の交換

Basari: Das Kartenspiel
R.シュタウペ/ニュルンベルガーシュピールカルテン(2014年)
3~5人用/10歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:バザリ・カードゲーム

バイブルハンター(Bible Hunter)

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アーメン

バイブルハンター

旧約・新約聖書の預言者たちの能力で聖書を取り合うカードゲーム。ゲームマーケット2014大阪と、その前日に行われた「いのり☆フェスティバル」で発売され、大きな話題を呼んだ(聖書をテーマにした国産カードゲーム『バイブルハンター』3月発売)。大真面目な動機で作られた作品で、ゲームとしてもしっかり作られている。ハプニングや突っ込みどころもあって(笑っていいのか分からないが)笑えるところも。

毎ラウンド、はじめにプレイヤー人数分の聖書が並べられる。聖書には基礎点があり、「ルカによる福音書」や「創世記」などは20点だが、「ヨハネの黙示録」は-20点である。もちろん、得点の高い聖書を狙う。

しかしすぐにハントが始まるのではない。順番に手札から1枚ずつ、「言葉カード」を好きな聖書につけて得点を増減させるのだ。「収穫」や「断食」は+20点、「偶像崇拝」は-20点、「サタン」は-30点。「からし種」「五つのパン」「二匹の魚」など、キリスト教の知識があるとにんまりできるカードも。

自分の番に「言葉カード」が規定数に達した聖書があれば、いよいよハントを始められる。このときバトル参加者を募集し、手番でなくても参加できる。手札の「人物カード」を1枚出し、「召喚!」のかけ声で一斉に公開。人物にはそれぞれバイブルポイントがあり、基本的に一番高いカードを出した人が、その聖書を手に入れることができる。

しかし人物カードにはさまざまな能力があり、勝敗がひっくり返ることもある。ライバルに「使徒」がいれば脱落させられるペトロ、「男」を脱落させるバト・シェバ、勝敗が決る前に言葉カードだけ盗んでいくルツなど、これもまた、キリスト教の知識があると合点がいく効果ばかりだ。

聖書を取った人はそのラウンドを抜ける。つまり、毎ラウンド1枚は必ず聖書を取れるのである。だが、得点はまちまちで、勝つためにはマイナスになっている聖書など避けなければならない。3ラウンドの後、得点計算をして最多得点の勝利。最後は「五つのパン」と「二匹の魚」のように、セットを揃えることでボーナスが入るものもある。

5人プレイで30分ほど。最強10万バイブルポイントのイエス・キリストを出したbashiさんが、聖書を取る前に言葉カードを付け替えられたり盗まれたりしてさんざんだったのが印象に残った。勝者は集めるのが難しい「からし種」を見事集めて高得点ボーナスをゲットしたこまつなさん。聖書間で言葉カードを入れ替えられるトマスを活用した。

教育的なゲームというと面白くないのが定番だが、ゲームとしてすごく楽しめ、副次的にキリスト教の知識も付けられるという絶妙なデザインである。人物カードを少なめにしているのは、もしかしたら予算の都合もあるのかもしれないが、捨て札をすぐに切り直すことで循環し、戦略性を高めることにも成功している。

バイブルハンター
中村誠/キリスト新聞社(2014年)
3~5人/8歳以上/15分
絶版・再販待ち

犯人は踊る(Criminal changes)

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犯人はお前だ!

犯人は踊る

犯人カードを配られた人を当てるカードゲーム。だが犯人カードは次から次へと人の手にわたっていき・・・。『王様のマカロン』『王さまとカフェ』に続く鍋野企画の作品で、2013年のゲームマーケットで発売された。その後、再版されて名古屋ボードゲームフリーマーケット、ゲームマーケット2014大阪などのイベントや、すごろくや、イエローサブマリンで販売されている。短時間で終わって、繰り返し遊びたくなる作品だ。

1人4枚ずつ配り、「第一発見者」をもっている人からスタート。自分の番にはカードを1枚出してその効果を使う。誰かの手札を見る「目撃者」、誰かと手札を1枚交換する「取り引き」、全員がそれぞれの右どなりからカードを引く「うわさ」、全員がそれぞれ左どなりにカードを渡す「情報交換」。こうしたカードを通して、犯人カードが誰の手にあるか少しずつ明らかになっていく。

誰が犯人か、見当がついたら「探偵」で指名。このとき指名された人が犯人カードをもっていたら、指名した人が勝つ。ところが、犯人カードをもっていても、「アリバイ」ももっているとしらを切ることができる。ここがゲームのポイントだ。犯人でない人は、積極的にアリバイカードを出して無実をアピール。「○○さん、アリバイ出してませんね」「いや、本当にないんですってば」

犯人が勝つ場合もある。手札の最後の1枚が犯人だったとき、そのカードを出すことで逃げ切ったことになるのだ。このルールにより、手札が減るゲーム終盤は犯人も、犯人以外も興奮が高まっていく。

8人プレイで10分ほど。目撃者が出ず、「うわさ」や「情報交換」で手札がぐるぐる回っていたので犯人が絞り込めない展開。とりあえずアリバイカードを出す人は除外して考えてみたが、アリバイカードを出した後に犯人カードが回ってくる展開もありうる。そんなことをしているうちに手札が2枚、1枚と減ってきた。仕方がないから当てずっぽうに探偵でとなりの人、そのとなりの人と指名してみるが空振り。そこにやってきたのが「いぬ」。手札1枚の人を指名して、その人が犯人カードをもっていたら(つまり上がる直前だったら)勝てるカードである。これがぴたりと当たって勝利。犯人カードは案の定、警戒した人たちが流していた。

短時間で終わるのに妙にドラマチックで楽しい。目撃者や、カードを交換した人、犯人の疑いをかけられた人などが何をいうかもヒントになって、推理やコミュニケーションゲームの要素もある。逃げる犯人の楽しさ、追い詰める探偵の楽しさの両方があるので、何度か遊んでみるとよいだろう。

犯人は踊る
鍋野ぺす/鍋野企画(2013年)
3~8人用/8歳以上/15分
ショップ検索:犯人は踊る

ポルターファス(Polterfass)

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樽が立つと縁起がいいとか

ポルターファス

樽型のダイス? 立つかどうかのダイスゲーム? やってみるまで何のことやら分からなかったが、やってみて納得した。カップの中に樽を入れて、コースターの上に伏せる。そろりとカップを持ち上げて......樽がたくさん立っていればラッキー! でも1つも立っていないとバーストしてしまう。

樽を振るのは1人だけで、ほかの人はみんなお客様となる。居酒屋の店主がお客様の注文に応じてビールを用意するという設定だ。まずは店主が1回目の樽ロール。立っていた樽の数字が、とりあえず供給される予定の酒ということになる。お客様は注文する酒の量を、カードを伏せてビッドする。たいていの注文は、店主の出した数をお客様の人数分で割って、そこに+1か+2くらい足すぐらいになるが、店主は客がいくら注文しているかまだ知らない。

そこから店主は、寝ている樽の振り直しができる。これによって酒をもっともっと用意して、自分の取り分を増やそうというわけだ。でも欲張ってはいけない。振り直したとき、樽が1つも立っていないと何ももらえずに終わってしまうからだ。カップの中の樽は、最初はたくさんあるのでお互いに支えあって立っているが、数が減るほど倒れやすくなる。この仕組みが絶妙である。また、1つの樽を無効にしたり2倍にしたりするスペシャル樽の存在によって、1回目よりも酒の量が少なくなることもある。

さて、店主がこれでよしとしたら、全員カードを公開して合計する。店主が用意した酒に、合計が間に合っていれば、みんなその分だけもらって(得点)、余った分が店主の取り分。一方、合計が間に合っていなければ、お客様が欲張りすぎたということになり、店主が総取りする上に、一番多く注文したお客様はマイナスになってしまう。

店主としては、余剰分を増やすために上を目指すか、逆に減らしてお客様の注文をバーストさせるかのどちらかを目指すことになる。お客様は「まだまだ行けますよ!」などといって店主を囃すが、乗せられてはいけない。全員が1回ずつ店主をした後で、規定点に達している人がいたらゲーム終了。得点の多い人が勝つ。

5人プレイで30分ほど。お客様の番のときは1点、2点を厳しく刻んで得点するのに対し、店主になると一気に20点も30点も儲かるのが激しい。だから店主でバーストしてしまうと望みはなくなってしまうのだが・・・私は2投目でバーストとか信じられないことが起こり最下位。最後は2人のどちらが勝つかというデッドヒートを制してhataさんの優勝。

ゲームが終わってから、どうやったらうまく樽が立つか、みんなで研究したのは言うまでもない。

Polterfass
A.シュミット/ツォッホ出版(2013年)
3~6人用/8歳以上/20~30分
ショップ検索:ポルターファス

ブレーマーハーフェン(Bremerhaven)

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勝利点=名声×所持金

ブレーマーハーフェン

ドイツ北部の港湾都市ブレーマーハーフェン。「ブレーメンの港」という意味だが、ブレーメンからは60kmくらい離れている。港がなかったブレーメンが、19世紀に隣国から土地を買って港を整備したところが街になったものである。そのブレーマーハーフェンを舞台に港を経営する戦略ゲーム。港の経営ゲームで名高い『ル・アーブル』のルックアウトシュピーレ(ドイツ)から、似たようなデザインで今秋発売されたが、デザイナーはローゼンベルクではなく、新人である。

港を整備し、荷物を積んで船を招き、その荷物をトラックに積み込んで利益を上げる。さまざまな特殊能力をもった建物と、停泊している船が名声になり、名声と所持金を掛け算した勝利点を競う。勝利点=名声×所持金というのが、非常に分かりやすく、そして悩ましい。

アクションの選択は入札である。手札の5枚を順番に1枚ずつ、自分がやりたいアクションや、自分がほしいカードのところに裏にして置き、全部置いたところでオープン。それぞれのアクションやカードで、カードの数字が最も多い人がアクションを行ったり、カードを手に入れる。1ヶ所に何枚でも置けるが、無駄に争ってカードを消費すると、ほかのアクションができないだけでなく、漁夫の利もさらわれてしまう。インタラクションが強いシステムである。

入札するアクション・カードは、収入、建物カード、建設、手札のアップグレード、品物の価格変更、ランキング変更、船カード(プレイヤー人数分)、契約カード(プレイヤー人数分)で、4人プレイなら14ヶ所にのぼる。ほかのプレイヤーとの競合をなるべく避けつつ、うまくカードを配分していきたい。

アクションとカードの取得が終わったら、自分の港で建物を稼働させたり、船から荷物を降ろして契約カードに移したりする。ここで思い通りにいかないのが「時間マーカー」の存在。船カードと契約カードは、取得したときに指定された枚数の時間マーカーをのせ、毎ラウンド1枚ずつ取り除いていく。そして時間マーカーがなくなったときに、船は去り、契約カードは満期となるのである。それまでに指定された品物を届けていないと、売上から違約金を差っ引かれてしまう。

建物を建てるには建物カードスペースの入札で1位になり、さらに建設のアクションが必要だが、品物を生産したり、建設費が下がったりするなど特権がある上に、名声も高まるのでぜひチャレンジしたいところ。建物は20種類と少なめだが、イベントカードと連動しているものもあって1つ1つが個性的だ。

さらに入港した船の名声が加えられる。一度上がった名声は、船が港を去ってももう下がらない。名声トラックには、過去最高分が記録される。したがって建物をばんばん建て、頑張って豪華な船をどんどん入港させたいところだ。しかし建物を建てられる場所は限られており、豪華な船を受け入れるには埠頭を拡幅する工事が必要だ。どこに力を入れればお金と名声が共に高められるか、考えることが多い。

ラウンドの最後に起こるイベント(海賊とか、好景気とか)が前のラウンドから発表されており、対策も立てて置かなければならない。何ラウンドか行ったらゲーム終了となり、名声の過去最高記録と、所持金を掛け算して最も大きい人が勝ち。

4人プレイ・ロングゲーム(イベントがないショートゲームもある)を初プレイで3時間。序盤のカギは建設のアクションだった。みんなが必要で、入札でトップでなくても差分を支払えばできるので「相場を上げない」という「紳士協定」が広まる。しかしbashiさんが手札をどんどんアップグレードしつつ、相場を一気に上げる作戦に出た。これで計画外の支出になったり、最悪の場合建設できない人多数。その中で「銀行」を建て、直前に完了した契約の売上を全預金した鴉さんが、複利で所持金を伸ばしていく。みんなで鴉さんを止めにいったが止められず1位。しかし、tomokさんが終盤に契約を次々と果たし僅差に迫ったのが印象的だった。私は荷物が回らず最下位。手札最強だったbashiさんは禁断の「娼館」を建てて蓄財に励んだが、荷物の配達で終盤に伸び悩んで3位。

入札のときの駆け引きに加え、カツカツのお金、時間マーカーやスペース不足による制限が生み出す苦しさがやみつきになりそうなゲーマーズ・ゲームである。シンプルな得点計算方法は、お金と名声のどちらを増やしたらいいか常に悩ませられる。

Bremerhaven
R.アウアロフス/ルックアウトシュピーレ(2013年)
1~4人用/12歳以上/60~120分
ホビージャパンから日本語ルール付きで発売予定

パシャ(Pasha)

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もうひとつ上を狙うべきか

パシャ

みんなで出したカードを、サイコロの目の強さで取り合うダイスゲーム。寡作のデザイナー、S.ドラ(ドイツ)がシュピール'13でホワイトゴブリンゲームズ(オランダ)から発売したものである。シンプルで骨太な作りに、ドイツゲームの安定感を感じさせる。

毎ラウンド、全員が1枚ずつカードを出して、この場の得点を決める。高得点のカードもあれば、マイナス点もある。この後サイコロを振って役を作り、その高い順に好きなカードを取っていくので、みんなが出すカードによってこのラウンドにどれくらい頑張ったらよいかが決まる。

その後いよいよ5つのサイコロを順番に振る。2回まで振り直すことができ、できるだけ高い役を狙う。役はワンペア、ツーペア、スリーカード、フルハウス、フォーカード、ファイブカードがあり、同じ役ならば数字が大きいほうが強いというポーカー方式。役の状況は中央のボードにマーカーを置いて示す。

運だけではない。各自アクションキューブをもっており、出目が気に入らなければ投入して振り直すか、出目を変えることができる。出目を変える場合、キューブ1個で1つ増やすか1つ減らすかなので、どの目でも対応できる3か4あたりで役作りをするのが賢明だ。キューブは限りがあり、最後まで残しておけば得点になるので、無駄遣いはできない。このラウンドは諦めるか、それともキューブを使ってより高い役を狙うか悩むところだ。

さらにボーナスタイルが毎ラウンド登場し、決まった目で一番役の高い人がもらえる。これでマイナス点カードを全て捨てたり、得点にしたり、アクションキューブを補充したりできるので、カードを諦めてもこちらを狙ってもよい。

手札は9枚で、9ラウンドで全部使い切るとゲーム終了。獲得したカード・タイル・残ったキューブの得失点を合計して、最も多い人が勝ち。

5人プレイで30分。マイナス点ばかりのラウンドや、高得点が出たラウンドはサイコロを振る手にも力が入る。失点カードを大量に受け取ってしまった人は、それを捨てられるボーナスタイルが生命線だ。そんな思惑が絡み合って、アクションキューブが投入されるのも熱い。キューブを使ってキューブのボーナスタイルを手に入れるという循環で高い役を作りつつキューブを温存し、ここぞという場面で投入できた私の勝利。carlさんはゲーム中唯一ファイブカードを達成したが、残念ながら得点が高くない場だった。

ドラの作品コンプリートを目指すほどドラ好きの私だが、多少安定感に欠けるホワイトゴブリン社でもやっぱり面白い。カードにテキストがびっしり書いてあるような作品が流行する中で、ブレのない模範的なドイツゲームである。

Pasha
S.ドラ/ホワイトゴブリンゲームズ(2013年)
2~5人用/8歳以上/30分
国内未発売

ブリュッセル1893(Bruxelles 1893)

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使うとあとが怖いアクション

ブリュッセル1893

ベルギーの建築家ヴィクトール・オルタ(1861-1947)は、装飾芸術だった「アール・ヌーヴォー(Art Nouveau、新しい芸術)」を建築に取り込んだ最初の建築家といわれる。彼の遺した建物は世界遺産にも登録されている(画像検索)。彼の時代、ベルギーの首都ブリュッセルで建築家となって名声を競うボードゲーム。ベルギーのパールゲームズがシュピール'13で発表した作品で、スカウトアクションで4位に入っている。効果の強いアクションやカードによる諸刃の剣が、ゲームをエキサイティングにしている。

基本はワーカープレイスメント。順番に1つずつ、助手コマをアクションスペースに置いてそのアクションを行う。大きく分けると資材を集めて建築する方向と、美術品を作って販売する方向の2つ。毎ラウンド、使えるアクションスペースの構成が変わるので、みんなの方向性をよく見て、アクションの優先順位を考える。

建物は、このアクションスペースに建てる。すると、建物を建てたアクションスペースを誰かが使うたびに、自分も同様のボーナスアクションができるのだ。資材を取れば自分も取ることができ、美術品を取れば自分も取れる。だからどんどん使ってほしいところだが、使う側からすれば無闇に得をさせたくないので難しいところだ。

「ブリュッセルボード」というアクションスペースでは、前に誰かが使っていても、助手コマを多く置けば使うことができる。ここでは資材やお金がたくさんもらえるなど効果が大きいが、その代償もある。ラウンド終了時、ここに最も多く助手を置いている人は、1人勾留されて裁判所送りとなってしまう(出る杭は打たれる?)。アクションは使いたい、でも助手が減らされるときつい。みんながそんなことを考えて出方を伺う。

もうひとつ悩ましいのが、著名人(おっさん)カード。これはアクションスペースで入手し、1ラウンドに1回「ブリュッセルボード」で起動できる。資材を調達したり、建物の得点を上げたり、裁判所から助手を戻したりと便利だが、ゲームの最後にその分報酬を支払わなければならず、支払えないと名声が引かれてしまう。効果が強い人ほど報酬も高く、首が回らなくなってくる。

さて、このようにして助手コマを置いてアクションを行うわけだが、置いた助手コマでそのまま、陣取りも行われる。縦の列では助手コマと共に置いたお金の最も多い人がボーナスカードを取り、街の中では、エリアごとに最も多く助手コマを置いた人が得点する。ボーナスカードは好きなところに差し込んで、ゲーム終了時の所持金・建物・著名人・美術品の得点をアップするのに使える大事なカード。ここまで考えて助手をどこに置くか決めなければならないのだ。

5ラウンドでゲーム終了。ゲーム中に入った名声に、ボーナスカードなどによる名声を加えて最も多い人が勝つ。

3人プレイで90分ほど。神尾さんが建築スペースを独占。これによって、誰かが建物を建てるたびに得点が入ってくる。鴉さんは著名人カードを貯めこむハイリスクな作戦、私は美術品を作っては売る割と地味な作戦である。でも美術品はなかなか収入がよく、神尾さんと得点が拮抗した。しかし、スタートプレイヤーの強みで美術品を選べる神尾さんは、後半になって儲かる美術品だけ作り始めた。建築も順調で、建物を完成させ、得点もマックスに。これによってゲーム終了時に50点という大量ボーナスを叩き出して1位となった。鴉さんが著名人ボーナスで2位、私は後半失速して最下位。

ブリュッセルボードによる助手拘束や、著名人カードによる最後の報酬支払いを恐れていては、得点を増やすことができない。しかしそれもやりすぎれば危険である。ワーカープレイスメントにあまり新味はないが、ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンのアクションを用意することで、エキサイティングなゲームとなっている。

Bruxelles 1893
E.エスプレマン作/パールゲームズ(2013年)
2~5人用/13歳以上/(25×プレイヤー人数)分
ホビージャパンより発売予定

ペントス(Pentos)

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夢のメガロス

ペントス
Tric Trac: Pentos, de la partie

魔法の素材を集めて役を作るフランスのカードゲーム。手札0枚から始めて、カードを取っていって、結局0枚を目指すという哲学的な作品を作ったのは、B.カタラである。

自分の番には場からカードを取るか、役が揃ったカードを出して呪文を唱えるか。カードの取り方は、場札に補充して1枚取るか、補充しないで複数枚取るかのいずれか。役ができたら、そのカードを捨てて呪文を唱える。

呪文は3つしかない。一番簡単なのは「ミクロス」。同じ色の連続か、同じ数字で3枚あればよい。この呪文は、場札のスペシャルカードを取り、ワイルドカードになったり、残りの手札を捨てたり、場札から好きなカードを取ってきたりする。どのスペシャルカードにするかは、さらに大きな呪文を狙うか、手札を減らしてラウンド終了に備えるか次第。

「ペントス」は同じ数字5枚で唱えることができ、これでラウンド終了となる。このときほかのプレイヤーは手持ちのカードだけ失点。だから、5枚揃いそうにないときは「ミクロス」などでどんどん手札を減らしていくのがよい。山札がなくなったときには、誰かが手札をなくすとラウンド終了となる。

そして最後の「メガロス」は、1色全部を集めたら唱えることができ、そのプレイヤーがゲームに勝利する。麻雀の役満のようなもので、1ゲーム中に1回チャンスがあるかどうかというレアぶり。カードを集め始めたら警戒されるのでなおさらやりにくい。

同じ数字3枚のミクロスは、もうちょっと頑張ればペントスになる。ミクロスを打つか、もう少し待ってみるかは悩ましいところ。でも欲張ってはいけない。あと1枚引けばとか、どちらでもペントスできるように2種類集めてなんて粘っているうちに、ペントスを打たれて大失点になってしまう。集めていくか、減らしていくかの駆け引きがスリリングである。

攻めるときは一気にたたみかけ、守るときは素早く減らしたふうかさんの勝利。メガロスの欲望に負けた。

Pentos
B.カタラ作/アシンクロンゲームズ(2013年)
2~5人用/7歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:ペントス
ふうかのボードゲーム日記:ペントス

ファイヤードラゴン(Feuerdrachen)

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思わぬ方向に転がるルビー

ファイヤードラゴン

噴火する火山から飛び出すルビーを集めるゲーム。金属製の火山に、ルビーを入れる音が気持ちいい。

手番にはサイコロを2つ振って、1つは出た目だけルビーを火山に入れ、もう1つは自分のドラゴン2体のうちどちらかを進める。サイコロで噴火マークが出たら、火山のふたをオープン。ざらーっとルビーが周囲に撒き散らされるので、またドラゴンを進めてそれを拾いに行く。最後にルビーを一番多く集めた人の勝ち。

ルビーが落ちているマスに行くと、そこにあるルビーを全部もらえる。でもルビーがないマスでも、ほかのドラゴンがいれば、ルビーを盗むことができる。相手の袋から中を見ないで1つ引く。ただの石だったらハズレだ。

大人げないポイント(キッズゲームを大人だけで遊ぶときの楽しみどころ)は、火山のふたの開け方である。好きな方向に傾けて開けてよいというのがルール。だから、自分のドラゴンがいる方向にルビーをまき散らす。その目論見はうまくいくか。

噴火の目がなかなか出なくて、ルビーがどんどん溜まっていくと盛り上がっていく。噴火の目が出て大喜びし、ふたをうまく傾けて自分のドラゴンの前に撒き散らす・・・と思ったら変な方向に転がっていってほかのドラゴンの前に。アナログならではの先の読めなさが楽しめた。

Feuerdrachen
C.E.ランツァヴェッキア作/ハバ(2013年)
2~4人用/5歳以上/20分
国内未発売

アラカルトカードゲーム賞2013に『花火』

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ドイツのボードゲーム専門誌『フェアプレイ』は25日、ホームページにてアラカルト・カードゲーム賞2013を発表した。1位に選ばれたのは『花火』で、ドイツ年間ゲーム大賞とのダブルクラウンとなった。作者のA.ボザは『世界の七不思議』(2011年)以来2年ぶり2度目、出版社のアバクスシュピーレは『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』(2008年)以来5年ぶり3度目の受賞となる。

『花火』は日本をテーマにしたフランスの協力ゲーム。自分の手札だけ見えない持ち方で、お互いにヒントを出し合い、順番にカードを出して花火を打ち上げることを目指す。フランスでは3年前に発売されたが、ドイツではアバクスシュピーレから昨年ようやく発売となり、日本語を含む多言語版は今年7月に発売されている。

アラカルトカードゲーム賞は、ドイツ年間ゲーム大賞やドイツゲーム賞では軽視されがちなカードゲームだけを対象に、識者の投票によって選ばれる賞。2位はドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作の『アウグストゥス』、3位は日本人デザイナーのカナイセイジ氏による『ラブレター』がランクインしている。

【アラカルトカードゲーム賞2013】
1位:花火(Hanabi / A,ボザ / アバクスシュピーレ)
2位:アウグストゥス(Augustus / P.モリ / ハリケーン)
3位:ラブレター(Love Letter / カナイセイジ / AEG)
4位:ディヴィナーレ~倫敦の霊媒師(Divinare / アスモデ)
5位:もっとよせて(Dicht Dran / ニュルンベルガー)
6位:ギルドマスター(Guildhall / ペガサス)
7位:カードクニッフェル(Kniffel - Das Kartenspiel / シュミット)
8位:アサンテ(Asante / コスモス)
9位:エミネント・ドメイン(Eminent Domain / ペガサス)
10位:アンドロイド・ネットランナー(Android Netrunner / ハイデルベルガー)

Fairplay Online:À la Carte Preis 2013: Hanabi von Abacusspiele
TGiW:花火

ポテトマン(Potato Man)

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マストノットフォロー

ポテトマン(ボックス)前に出た色のカードを、出してはいけないという異色のトリックテイキング。こういう変なゲームを作るデザイナーはそう、ブルクハルトである。タイトルもイラストも、いい具合に力が抜けていていい。
 ブルクハルトの作品一覧(play:game)

スタートプレイヤーから1枚ずつカードを出して、数字の最も大きい人が取る。このとき、前に出した人と同じ色を出してはいけない(5人プレイの場合のみ、1枚だけ同じ色でもよい)。4人なら、4色が出揃うことになる。後の人になるほど、色のしばりが厳しくなって、出せるカードが限られるという仕掛けだ。

得点は、何色で勝ったかによって変わる。色ごとに数字の分布が異なり、5~18のカードがある赤で勝っても1点だが、2~12の黄色で勝てば4点になる。黄色で勝つには、赤や青で低い数字が出てきたときや、高い数字がみんなの手札になくなった頃合いを見計らって出さなければならない。

しかし、誰かが出すべき色をもっていない場合、手札を公開してラウンドが強制終了してしまうのである。「はい持ってませーん!」「うっそー、勝負はこれからだったのに!」

ポテトマン

もうひとつ、タイトルにもなっている「ポテトマン」は、最弱である黄色の数字の低い方についている。これは、最強である赤の数字の高い方についている「悪のポテト」と同じトリックに出されると、無条件で勝てるジョーカーなのである。このルールのため、赤の数字の高いカードが絶対勝てるわけではない。むしろ序盤では、ポテトマンを警戒して出しにくくなる。絶妙なルールだ。

人数分ラウンドを行なって、合計得点の多い人が勝ち。

5人プレイ。最初は全くコツがつかめず、無得点が続いたが、次第にどの手番順でどのカードを出せばよいのか飲み込めてくる。鴉さんが最初にポテトマンを出す「待ち伏せ作戦」を成功。確かに、ほどよくカードがなくなった辺りだと、悪のポテトしか手札にない人がいるので成功しやすいのかもしれない。でも成功したのは1回だけだった。勝者は赤以外のカードでコンスタントに得点したbashiさん。

ドイツのトリックテイキングゲームは数多く発売されているが、異色度合いは群を抜く作品である。それでいてルールが少なめなのもよい。

Potato Man
G.ブルクハルト、W.A.レーマン作/ツォッホ出版(2013年)
2~5人用/10歳以上/40分
国内未発売
メビウスおやじ:ポテトマン

ピックス(PIX)

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絵心でなくてセンス、センスがなければ工夫

できるだけ少ないドット絵でお題を当ててもらうお絵かき系ゲーム。昨年のエッセンでゲームワークス社(スイス)から発売され、再版に合わせて日本語版が作られた。ドット絵を作るおもちゃ「.s(ドッツ、2005年~)」などに心惹かれたファミコン世代を直撃する。

2~3人ずつのグループに分かれ、それぞれ別々のお題を確認。一斉にマグネット式のドットパーツを並べて、そのお題を表す絵を作る。1つだけ使える赤いパーツと、赤い矢印を効果的に使うのがポイントだ。

最初にできあがった人は、砂時計を返す。そこから30秒で全員終了。グループごとに、ドット数の少ない人から、別のグループの人に作品を見せて当ててもらう。これも制限時間は砂時計。

見事当たれば、当てた人と当ててもらった人が得点。当たらなかったら次の人に回り、誰の作品でも当てられなかったら、カードに書いてあるヒントを出して当ててもらう(当たった人だけ得点)。

2問行った後、グループを1つずつずらして次のお題に取り組む。規定ラウンドで得点の多い人が勝ち。

ピックス

相当難易度の高いお題も入っており、最後まで当てられないということもしばしば。かと思えば、1人目の極少ないドット絵でぴんとひらめいて当たってしまうこともある。「心の目で見るんだ!」とか言いながら目を細めたりしているのがおかしい。同じグループだと「この絵でなんで分からないの?」と思っても、ノーヒントでは全く分からないものである。

絵を描くのではないから絵の得意不得意は関係ないわけだが、センスの良し悪しは確実に反映される。センスのなさは、工夫でカバー。『ぽんこつペイント』のように、フレームを使うという手もある。なかなか当たらなくて(当ててもらえなくて)ジリジリする時間は何ともいえないが、ひらめきが見事当たったり、会心の作品ができたりすると気持ちいい。

PIX
L.エスコフィア、D.フランク/ゲームワークス(2012年)、ホビージャパン(2013年)
4~9人用/8歳以上/30分

フリジティ(Frigiti)

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本当にありそうな気がしてきた

『たほいや』というゲームがある。辞書から選んだ単語について、本来の説明文と嘘の説明文を混ぜて、どれが本当か当てるゲームだ。これをさらに一歩進めて、辞書にも載っていない単語をサイコロで作り、適当な説明文を考えるのがこのゲーム。タイトルの「フリジティ」というのも、辞書に載ってはいない。辞書に載っていない単語だから、ボキャブラリーも必要ない。求められるのは、みんなにウケる説明をでっち上げるセンスである。

親がサイコロを振り、それを好きなように並べて単語を作る。そして各自シートにその単語の意味を考えて書く。まるっきりデタラメではなく、いかにもそれっぽいものを書くのがポイント。

全員が書いたものを混ぜ、また1枚ずつ配って読み上げる。これは誰が書いたか分からないようにして評価するためである(別の人が初見で読むのが、またウケる)。それぞれ気に入ったものにチップで投票し、それを書いた人がチップをもらう。人数分のラウンドを行って、チップの多い人が勝ち。

フリジティ

第1ラウンドの単語は「BORFT」。「退屈なパーティーを意味する隠語」「筋肉がついた太い足のこと」などといった回答の中、鴉さんの「冬季オリンピックの新種競技」が最多得票。

第2ラウンドは「QEAVOT」。いったいどうやって読むのか。「東芝が開発した介護用ロボット」「外惑星探索ロボット」がかぶったが、人気もこの2つに集まった。

第3ラウンドは「GUBIEL」。「一気飲みを意味するスラング」「大阪発居酒屋のマスコットキャラクター」など。語感にうまくかけるのがポイントのようだ。

第4ラウンドは「PEESK」。ここでbashiさんの「糖尿病の主な原因の頭文字」が大ヒット。ありそうな気がして、みんな腹を抱えて笑った。

最終ラウンドは「JABIO」。またもやbashiさんが「悪の巨人軍ブラックジャイアンツのマスコットキャラクター」で人気をかっさらう。ジャビットくんをうまくもじったものであることは言うまでもない。

後半でbashiさんが大量得点したが、ゲーム中通して安定した人気を集めた鴉さんがトップ。私はというと、ありきたりの意味しか書けなかったり、誰かとかぶってインパクトが薄れたりして最下位。

サイコロはアルファベットなので日本人には遊びにくいかと思ったが、何語ともつかない単語に想像力を大いに刺激されてとても楽しかった。大喜利系のゲームなので、ノリのいいメンバーで遊ぶのがよさそうだ。

Frigiti
A.マイヤー/ビーウィッチトシュピーレ(2011年)
4~6人用/13歳以上/40分
ゲームストア・バネスト:フリジティ

火と炎(Feuer & Flamme)

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焼けるはずない

バーベキュー台の上に、野菜や肉を崩さないで積み上げるバランスゲーム。デザイナーのドラとラインドルのコンビで作るのは『メイクンブレイク・チャレンジ』『エヌーク』『ひつじのショーン:ウンコアラーム』などキッズゲームばかりである。この作品も、4~5歳から遊べるゲームだ。今年のオーストリアゲーム賞では、『ワンダーランド』と共に審査員特別賞に選ばれている。

手番にはタイルをめくって指示された具材を、台の上に載せる。コンロは大変熱い(という設定な)ので、トングではさんで。トングではさむために、思い通りに置けないのがポイントだ。

火と炎

具材はとうもろこし、マッシュルーム、なす、ピーマン、ソーセージ、肉、魚の7種類。全て木製というところが素晴らしい。それゆえに重みがあるので、台の端の方に置くとひっくり返ってしまうこともある。

具材を1個落とすとチップを1つ奪われ、3つなくなった人は脱落。最後まで残った人の勝ちになる。一度に3つ以上落とせば即脱落だ。

ナスやソーセージは平らな部分がないので非常に難しい。ピンチのときはお助けタイル。パス、2つ落としてからスタート、2つまでは落としてもチップが減らない保険の3枚があり、必要に応じて使う。これを使うかどうかの判断も勝負の分かれ目になる。

子供たちとプレイ。4歳の次女はすぐびびってお助けタイルを使いたがるが、そのせいで崩すことがあまりなく、結構最後まで生き残る。パスタイルは次の人にプレッシャーをかけるのでなかなか有効なようだ。写真は大人が大人気なくプレイした写真。赤ピーマンの上にソーセージが乗ることを「発見」した神尾さんが1位となった。

Feuer & Flamme
S.ドラ、M.ラインドル/フッフ&フレンズ(2013年)
2~5人用/5歳以上/20分
国内未発売

花火(Hanabi)

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阿吽の呼吸で打ち上げる

みんなで協力して、5色の花火カードを順序よく出していくカードゲーム。2013年のドイツ年間ゲーム大賞で小箱のゲームとして初めて大賞に選ばれた。オリジナルはフランス語版で、日本では3年前から発売されていたが、ちょうど大賞受賞に合わせるかのように今月、日本語を含む多言語版が発売されている。富士山と厳島神社をあしらったイラストは多言語版からのデザインで、ドイツ語版、フランス語版は法隆寺があしらわれている。

目的は、各色1から5のカードを順序よく出していくこと。間違ったり、捨て札が多すぎたりすると、しょぼい花火で終わってしまう。なぜ間違うのかというと、自分の手札は裏向きにもつからである。ほかのプレイヤーからは見えるが、自分は見ることができない。

花火

自分の番にできることは、ほかのプレイヤーにヒントを出すか、自分の手札から1枚を打ち上げるか、あるいは1枚を捨てるかの3択。ヒントを出した場合は、8枚あるチップが1枚裏返り、全部裏返るとこれ以上ヒントを出せなくなる。チップを戻すには1枚を捨てるという選択をしなければならないが、闇雲に捨てると、必要なカードがなくなってしまうかもしれない。

ヒントの出し方は、色か数字のいずれか。誰かの手札を指さして、「これとこれが青」「これとこれは2」などという。このヒントを元にして出すカードを選ぶ。ヒントを出す方にすれば、「今度手番が来たらこのカードを出すべし」「このカードは捨ててチップを戻すべし」というメッセージになっている。そのメッセージをうまく読み取らなければならないし、ミスリーディングなメッセージを出してはいけない。言いたいのに言えないもどかしさがこのゲームの面白さを生んでいる。また、協力ゲーム特有の「奉行問題」(経験者が仕切ってほかのプレイヤーが言いなりになってしまうこと)も、各自の知っている情報がちょっとずつずれているために起こらないのもよい。

なおヒントを出すときに、カードを指さす順番や、カードによって声のトーンを変えることで、追加情報を与えることはできるが、その可否はメンバーによって決めておくとよいだろう。そのあたりの決め方を柔軟にできるのがアナログゲームの良さだといえる。

3回間違えば0点で全員の敗北。山札がなくなってから1周したら、その時点で完成した分だけ得点を計算し、「観衆からヤジ」から「伝説級」までの評価を受ける。ファインプレイをお互いに称え合おう。

通常ルールと、カラフルな花火が入った発展ルールの両方でプレイ。通常ルールは、慣れていなかったこともあってヒントがちぐはぐになったが、「観衆も大喜び」で終了。発展ルールのカラフル花火は、色のヒントを出すときに何色にもなるというややこしさがあったが、数字のヒントを多用して「極上の出来」に成功。

ノーヒントでカードを切らなければいけない場面が何度があり、そこは運任せだが(スリルはある)、あとはヒントをいかに効率よく出して推理するかがポイントで、頭を使う。いくつかのヒントを総合して、難しいところのカードを見事に出せたときは皆もほめてくれて嬉しい。

Hanabi
A.ボザ/アバクスシュピーレ(2012年)
2~5人用/8歳以上/25分

バオバブ(Baobab)

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集まりすぎて折れる

サバンナ地帯に多く分布するバオバブの木は、動物たちの憩いの場である。このバオバブの木の上にカードを崩さないように重ねていくオーストリアのアクションゲーム。今年のドイツ年間キッズゲーム大賞で推薦リストに入った。カードによって、置き方にルールがある。

最初にセットするバオバブの木は、タイルを組み合わせて作る。幹の上にのった台はあまり広くない。

カードを全員に同じ枚数くらいずつ配り、各自の山札にしてスタート。手番には山札から3枚を引き、好きな順番でバオバブの木の上にのせていく。崩してしまったら、崩れた分を引き取って(山札とは混ぜない)手番終了。どっさり崩れるとダメージが大きい。

バオバブ
崩さないようにそっと蛇を差し込んでいるところ

カードは8種類。カードに登場する動物に合わせた置き方が決まっている。

  1. 枝:どのような置き方をしてもよい
  2. 花:カードの角が1ヶ所以上、外側にはみ出るように置く
  3. 猿:カードの角が2ヶ所以上、外側にはみ出るように置く
  4. 鳥:フリスビーの要領で投げ込む
  5. 蝙蝠:目をつぶり、胸の高さから置きに行く
  6. 蜂:どのような置き方をしてもよい。この後、蜂の絵の上に置けるのは枝か花のみ
  7. 豹:10cm上から落とす
  8. 蛇:カードとカードの間に挟む。角が1ヶ所以上はみ出るように
  9. カメレオン:前に置いたカードと同じ置き方で置く。前に枝や花を置いていたら、蜂の上にも置ける

誰かの山札がなくなったらゲーム終了。残った山札と、崩したカードの合計が一番少ない人の勝ちとなる。

キッズゲームだが、ゲーマーが遊ぶと、ぎりぎり端っこのところに置いて次の人に嫌がらせをするのが基本。結局1周回って自分の首を絞めるハメになるのだった。

Baobab
J.M.アルエ作/ピアトニク(2012年)
2~4人用/6歳以上/15分
国内未発売

ビッグチーズ(The Big Cheese)

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大山鳴動して鼠一匹

ネズミたちが競り落とした仕事で利益を上げるオークション&ダイスゲーム。1998年にアメリカで出版されたゲームを今年、日本の出版社がリメイクした。木製のネズミコマ、各種サイコロ、缶入りと、白黒のカードのみだった(チップやダイスは自分で準備しなければならなかった)オリジナル版からの大幅なグレードアップである。

毎手番、山札からカードをめくって仕事が出てくる。これを手持ちのネズミコマを使って競り。一番多い数を言った人が、その仕事を取る。仕事内容は「経営会議にプレゼン」とか書いてある割に、イラストはネズミがのんびり仕事をしている絵で和む。

競り落とした人は、手持ちのネズミをその仕事カードに乗せて、次の人の手番へ。このとき、前に競り落としていた全ての仕事カードからネズミが1匹ずつ返ってくる。最後のネズミが返ってきたら、その仕事は完了。サイコロを振って収入が入る。

サイコロは4面体から20面体まで5種類あり、どのサイコロを振るかは仕事カードに指示されている。「6」と書いてあれば6面体、「8」と書いてあれば8面体。そして出た目が収入となり、その数だけ得点トラックを進める。サイコロの目次第なので、「20」の仕事が一番儲かるとは限らないところがポイント。たくさんのネズミを投入し、何ターンも待った挙句、1とか2が出てがっかりとか。

そんなときは、ビッグチーズのカードである。これを競り落としておくと、サイコロの目がよくなかったときに、1枚消費して振り直しができる。ただし、もっとひどい目になることもある。

手持ちのネズミの数は全員分かるので、足元をみた競りが憎い。高騰が続いて、ほかの人のネズミがほとんどいなくなったときに、12とか20の仕事が来ると安く競り落とせる。「くそー、そんな値段で!」

そんなときは、拒否権のカードもある。これを競り落としておくと、ほかの人に競り落としてほしくない仕事カードを流すことができる。出し抜かれないための保険である。

得点トラックが最初にゴールに入った人の勝ち。

5人でプレイ。ケイコさんが20の仕事で20を出し、12の仕事で12を出すという奇跡でぶっちぎり1位。ダグラスさんが「アンビリーバボー!」を連呼していたのが笑った。私は、つまらない仕事にたくさんネズミを投入してしまったり、ネズミをたくさんもっているところでいい仕事が来なかったりとちぐはぐだった。カード運、ダイス運に大きく左右されることは間違いないが、それでもほかが競り合っているときに貯めておき、ほかがないときに出すというような逆行する動きをするとチャンスが増えるかもしれない。

The Big Cheese
J.アーネスト/ニューゲームズオーダー(2013年)
3~6人用/10歳以上/20分

ビッグチーズ

パール(Paar)

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友人が次々と恋人を見つけ

自分のカードの役を完成させてくれる運命の人を探すカードゲーム。『アンジェレイド』を一昨年発表した青い街が、今春のゲームマーケットで発表した作品である。タイトルはドイツ語で「恋人同士(ペア)」の意。次々とカップリングが進む中、最後まで独り者でいるのは焦る。

手番にはカードを引き、あと1枚あれば役が完成する組み合わせを出す(恋人募集)。役とは、同じマークの連番か、違うマークの同じ数字の4枚。連番は麻雀でいうところの両面、嵌張待ち状態で出せる。そのような組み合わせがなければ1枚捨てて次の人へ。

パール 
0と9はつながっているとみなす。ハート(愛情)の2か8で恋人募集

誰かがカードを出したとき、役が完成する1枚を出すと、ペア成立となってその2人は上がりとなる。めでたしめでたし。探しているカードを誰も持っていなければフラれたことになって、新しい手札で続行する。もちろん、1人で全部カードを揃えても上がることはできない。自分に足りない最後の1枚を出してくれるのは、ほかの人なのだ。

勝敗には上がり方しか明記されていないが、2人ずつ上がっていって、最後に残った1人ないし2人の負けとした。

最大人数の7人でプレイ。3人になるまでは早かったが、3人からが本番といった感じである。候補は2人しかいないため、恋人を募集しては誰も名乗り出ない(出れない)展開が延々と続く。カウンティング(「このカードはさっき捨てられたばかりだから誰ももっていない」)もできなくはないが、山札が2回ほどシャッフルされる頃には覚えていられなくなった。結局、ぽちょむきんすたーさんとシバタさんが男同士でカップルとなり、女性のケイコさんが独り残されて終了。何てことだ(笑)。

収束性はあまりよくないが、一種の協力ゲームなので終始和気あいあいとプレイできた。

Paar
杉岡一樹/青い街(2013年)
3~7人用/6歳以上/5~15分
青い街

ペリカンベイ(Pelikan Bay)

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広ーく、かつ複雑に

『ごきぶりポーカー』『おばけキャッチ』『グラフィティ』などの小気味よい作品を生み出しているJ.ツァイメット(ゼメ)が、夕日のドライハーゼンから先月発表したばかりの新作。ツァイメットはもともとドライマギア社とつながりが深く、J.ルッティンガー元社長が夕日のドライハーゼンを立ち上げると、そちらでも作品を発表するようになった。カードゲームが多いツァイメットにとって、非カードゲームであるというだけで興味をひかれる。

六角形のタイルを配置して、大きい地形を作るというゲーム。クニツィアの『頭脳絶好調』や『京都(仮)』に通じるシステムだが、前の人にどこまで便乗できるか、あるいは次の人にいかにして便乗させないかがゲームの面白さである。

ペリカンベイ

手番には手持ちの2枚のタイルから、1~2枚を配置して地形を広げる。タイルはほかのタイルに2辺以上接していなくてはならず、かつ地形も揃っていなければならない。地形は森と砂浜と海の3種類。

タイルを置いたとき、そのタイルからつながっている地形のうち、最も広いものがタイル枚数だけ得点となる。したがって、前の人が広げた地形にさらにつなげれば、得点はどんどん大きくなっていくことになる。

一方、あまり広くなくとも地形を完全に閉じれば(周囲を別の地形にして、それ以上どこにも広げられない状態にすれば)、ペリカンコマがもらえ、手番を続けてできる。このペリカンコマは、ゲーム終了時にボーナス。広い地形に便乗するか、あるいは手頃な地形を選んで閉じにいくか、考えどころである。

ここまで読んでお気づきの方もいるかもしれないが、間違いなく後手番有利である。そのため、先手番にはゲーム中1回だけ、閉じていない地形を閉じたことにして得点をもらえる「ペリカンジョーカー」の権利がある。地形が広がった後半で使いたい。

妻と2人で勝負。タイルのパターンが思ったより多くて、置けそうで置けない。特に高得点のところになるほど、地形が入り乱れていて置けるタイルが限られてくる。その分、ピタリとはまって高得点できたときが気持ちよかった。大きな地形がもうこれ以上広げられなさそうなときに、代わりにどこを広げるかで頭を使った。

Pelikan Bay
J.ツァイメット/ドライハーゼン(2013年)
2~4人用/10歳以上/30~40分
国内未発売

貧乏陶芸家(Poor Potter)

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3グラムで1点

陶芸家たちが粘土を使って陶芸の企画を競り合う同人ゲーム。昨年秋のゲームマーケットとで発表された作品で、今年のゲームマーケット大阪でも発売されている。油粘土と電子はかり付き(ボタン電池LR-2032は別売)。

順番に手札から1枚競りにかける。ほかの人は自分の粘土をちぎって出し、重さを測って、一番重い人が競り落とす。粘土はカードを出した人にもとに行き、3グラムで1点。競り落としたカードの得点と合計して一番多い人が勝つ。

貧乏陶芸家

粘土をたくさん出すと相手の点数が増えてしまうので、できるだけ少なく出したい。でも少なすぎるとほかの人のほうが多くて競り落とせない。だんだん相場というものができてくるので、その相場なりの粘土を、手の感覚で測れるかがポイントだ。

もうひとつのポイントはカード。「1」のカード1枚~「8」のカード8枚があり、ゲーム終了時に種類ごとに何枚場に出ていたかによって価値が変わる。多く出るほど価値が上がるものと、逆に下がるものがあるのが面白い(『じゅうたん商人』を彷彿とさせる)。価値が下がるものは、当然ビッドされる粘土も小さくなる。手に入る粘土が小さくなるが、それを集めているほかの人がそれ以上に損するならば、下げにいってもよい。

山札から終了カードが出たらゲーム終了となる。山札に残るカード、手札に残るカードがあるので、値段がどこまで上がる(下がる)か、楽しみにして待とう。

4人プレイで20分。序盤はだいたい12g前後で落札されていたので、13gあたりを狙って作っていく流れ。その中で思い切って神尾さんが16gあたりを突っ込んできてどんどん落札する。残った自分の粘土は得点にならないので、大盤振る舞いしたほうがよかったみたいだ。落札したカードの得点で神尾さんの1位。最後は、見ただけでもう何グラムか分かるくらいにみんな上達していたのが笑えた(じゃあ、中に空洞を作って重く見せるかとか)。

貧乏陶芸家
新澤大樹/倦怠期(2012年)
3~4人用/10歳以上/40~60分

秘密の毒ヘビ(Daumen drauf)

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可愛いヘビにはキバがある

相手をうまくだまして毒ヘビを取らせるカードゲーム。赤いキバがあるのが毒ヘビ、ないのが普通のヘビ。キバのところを、親指で隠して出す。どっちだ?

今年の干支にちなんでふうかさんが入手したゲーム。97年のアラカルト・カードゲーム賞で10位となっている。手番には、手札から1枚を、ヘビのキバのところを親指で隠して出す。次の人は、同じ色なら数字のより大きいカードを、違う色なら何でも好きなカードを出す。3色目からは色のしばりが出て、それ以外の色は出せなくなる。変形のトリックテイキングである。

ただし1周で終わるとは限らない。カードが出続ける限り何周でもする。そして1人以外パスしたときに、最後に出した人がカードを全部取る。毒ヘビは1枚-1点、普通のヘビは1枚+1点。やけに強いカードを出してくるから、普通のヘビを取りに来ているのかと思いきや、実は毒ヘビだったなんていうブラフがきく。

同色で同じ数字のペアは切り札。これを出すとそれまでに出たカードが全部もらえる。皆が取りに来たところを見計らって落としたい。

秘密の毒ヘビ

軽く1ゲーム。取りに来ているのかと思って全力で対抗したら毒ヘビがたくさん入っているという展開が多くて点数が伸びない。結局karokuさんと私が-2点。ふうかさんはペアの切り札で得点できて+4点で勝利。「緑の3の毒ヘビはまだ出ていない!」などというようなカウンティングもできないことはないが覚えきれない。みんなの出したカードをもとに、得点を取りに来るラウンドか、毒ヘビを押し付けあうラウンドかを見極められるかがカギのようだ。

Daumen drauf
J.リュッティンガー/ドライマギア(1996年)
2~7人用/12歳以上/10~20分
絶版

ボラボラ(Bora Bora)

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南国の緻密な勢力争い

オーストラリアの東に位置するフランス領ポリネシアの島ボラボラ。タヒチ島の近くにあり、新婚旅行先として人気がある。この島で部族を広げ、特殊能力をもった男女を集め、神殿に神官を送り込み、勝利点を競う。世界中のボードゲームフリークから現在、最も注目されているデザイナー、S.フェルトの作品。彼がアレアから発表するのは6タイトル目となる。要素の多さは過去最高級だ。

ボラボラ(マイボード)
プレイヤーボードの左側は、アクションポイント、神々の効果、特殊能力をもった男女の全リスト、火のボーナス、最終決算のボーナスがアイコンで図示されている。これだけでも要素の多さがうかがいしれるだろう。

毎ラウンド、サイコロを振るところから始まる。振ったサイコロを1個ずつ順番に配置してアクションを選択するワーカープレイスメントがゲームの心臓部分だ。

ボラボラ(アクション選択)

アクションは6種類。すでに誰かが選んだところを選択してもよいが、その場合はサイコロの目が前においてあるものより低くなければならない。サイコロの目が大きいほど、そのアクション内でできることは増えるが、目の大きいサイコロは先に置かないと置く場所がなくなってしまうというジレンマ。サイコロのワーカープレイスメントは『トロワ』でも見られたが、目が小さくないと置けないという縛りがドイツゲームらしい。自分の目と他人の目を見比べて、どのサイコロでどのアクションを選ぶかじっくり考えよう。

要素が多いだけに、得点方法も多彩。大きく分けて、島に小屋を建てて自分の勢力を広げるか、男女を集めて特殊能力を強化するか、資材を集めて建物を建設するという方向性がある。その道標となるのがボーナスタイル。「祈っている男女を2人集めよ」「黄色の神様を2つ手に入れよ」「供え物を4つ手に入れよ」などがあり、毎ラウンドどれか1つを達成すれば得点になる。これらを達成するついでに手を進められるとよいが、中には難しい条件もあって、達成のために四苦八苦することになる(このあたり、『ドラゴンイヤー』を彷彿とさせる)。

ボラボラ(中央ボード)

サイコロを振ってアクションを選択して、 男女の能力を使い、最後にボーナスタイルの達成をチェックして1ラウンド。6ラウンドの後に最終決算を行い、勝利点の最も高い人が勝つ。

karokuさんが男女の小屋を建てる能力と新しい女性を増やす能力で先行。私の男女は神様を集める能力だったので、神様をのボーナスが達成しやすかったが、手持ちが増えるだけで盤上に広がらない。ふうかさんは貝を集めてひたすらネックレスのお買い物。私は全ボーナスタイルを達成したが、男女の能力から建設にうまく切り替えたkarokuさんの逃げ切り勝利。

どれかの得点源に集中しすぎるのもよくないようで、数多の得点源から複数の要素を天秤にかけながら選び取っていくというバランス感覚が試される。サイコロの目のよしあしは運だが、アクションの選択や配置の順序が勝敗を大きく左右する戦略ゲームである。

Bora Bora
S.フェルト/アレア(2013年)
2~4人用/12歳以上/60~120分
メビウスゲームズより近日発売予定

ピザ・セオリー(Pizza Theory)

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理論上、トマトとベーコンが増える可能性は

本物のようなピザの箱に入ったボードゲーム。赤(トマト、ベーコン)、白(マッシュルーム、オニオン)、緑(ブロッコリー、ピーマン)の3手に分かれ、ピザ生地の上で戦う陣取りゲーム。運の要素は全くないが、ほかのプレイヤーの選択が予想外の展開を生む。

目的は自分の色のトッピングを全て生地の上に置くこと。毎ラウンド、はじめに1つずつトッピングを置く。すでにある自分のトッピングのとなりでなければ、どこに置いてもよい。

トッピングを置いたら、ピザカッターで切り目を入れる。各自、ダイスでどこに切れ目を入れるかシークレットビッド(振るのではない)。一斉にオープンして、その切れ目に木の棒を置く。切れ目は6択。これによって、ピザは6~7切れに切れる。

ピザセオリー

ピザを切ったら、ピースごとにどのトッピングが一番多いかをチェック。少数派だったトッピングは、最多数のトッピングに置き換えられる(同数の場合はそのまま)。写真は、手前の大きいピースで緑が最多数をとり、トッピングを置ききって緑(私)が勝利したところ。

どこに切れ目を入れるかが勝負のポイント。自分のトッピングが集まっているところを生かして最多を取り、またほかに取られないようにしたいところだが、ほかの2人の選択に大きく左右される。ほかの2人がどこに切れ目を入れたいか、ゲームに慣れるにつれてだんだん読めてくる。そうすると裏をかいたり、裏の裏をかいたりといったこともできるようになる。

Pizza Theory
G.パワーズ、B.パワーズ/グリフォンゲームズ(2012年)
2~3人用/6歳以上/15分
ショップ検索:Pizza Theory

フィルムフィクサー(Film Fixer)

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あえて予想をはずしに行く

日本ボードゲーム大賞を受賞した人気コミュニケーションゲーム『キャット&チョコレート』の作者・秋口ぎぐる氏が3年ぶりに発表した新作カードゲーム。心理戦に加え、資金を得点に変換するドミニオン的な仕組みが取り入れられていて新しい。

プレイヤーは映画のプロデューサーとして、話題作を作り名声を競う。手番には、映画の企画や俳優・女優の場札5枚から好きなものを購入し、映画の企画に手持ちの俳優・女優を出演させて映画を作る。作った映画は得点になるだけでなく、俳優・女優に応じて収入をもたらす。

ここまではオーソドックスなつくりであるが、手番のはじめに、ほかのプレイヤーが行動を予想してお金を賭けるというフェイズが熱い駆け引きを生む。この手番、俳優を雇うかどうか、そして2つある配給会社(アート系、エンタメ系)のどちらの企画を買うかを予想してお金をビッド。

当たれば、そのお金を1段階高いものに交換するか、得点に変換できる。序盤から得点にしてしまうと資金が足りない。かといって終盤までお金をもっていると得点に変換できないまま終わる恐れがある。どのタイミングでお金から得点に移るか、悩みどころである。

さて手番プレイヤーはビッド内容を知らされないが、ビッド額は知らされる。大金を賭けてきた場合、わざと何もしないで予想を外せば相手に大損害を与えられるだろう。どれくらい賭けると予想を裏切るかが駆け引きである。

サガエさんが、新人とティーンエイジャーの女優をさっそくポルノ映画に出演させて荒稼ぎ。ポルノ映画は収入が高いが名声は落ちる。しかし潤沢な資金を、ビッドで当てて得点に変換し名声を回復。アート系の硬い映画を作っていたくさのまさんと僅差で逃げ切った。私は最初に大枚をはたいてブラッド・ピットを雇ったが、ビッドを外しまくりで資金がショート。新人しか出てこないしょぼい映画ばかりで最下位。くさのまさんが映画好きだったので、俳優カードを解説してもらえたのがよかった。

Film Fixer
秋口ぎぐる/コザイク(2013年)
3~4人用/10歳以上/30分

フィルムフィクサー

ピラミッド・ピラミッド(Pyramid Pyramid)

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ギャンブルの石材運び

次期ファラオを狙う神官たちが、石切り場から石材をずりずりと運んでピラミッドを建設する国産ボードゲーム。TRPG系のゲーム賞「ゲーム・フィールド大賞」のカード&ボードゲーム部門に入選している。石材がピラミッドに乗るも八卦、乗らぬも八卦という、ギャンブルゲームである。

ピラミッド・ピラミッド

手番には石材コマを4ヶ所の石切り場に置き、サイコロを振って、石材が建築現場にちょうどの数で入れば、見事ピラミッドに積んで得点が入る。入らなければ周回して次のチャンスを狙う。

周回中、止まったマスにほかの石材があると、1マスずつ押し出される。サイコロで1が出るたびに竜巻が発生しており、竜巻のあるマスに押し出された石材は飛ばされて消えてしまう。建築現場でも、石材は後から来た石材に押し出され、各段が完成したときに内側にあるとボーナス点が入らない。横から押し出して、再び外側を狙いたい。

各プレイヤーは、太陽のマークが入った石材を1つずつもっている。これは得点が2倍になるという便利もの。できれば得点が高い上の段で投入したいが、ぐずぐずしていると建築現場に入りそびれて消滅してしまうかもしれない。投入のタイミングをはかることも大事だ。

手持ちの石材はどんどんなくなってくる。そこで得点を減らして購入することもできる。たくさん買えば買うほどピラミッドに入る確率も上がるが、使いきる前にゲームが終われば損するだけ。パチンコ玉を買うような感覚だ。元を取れるかは、サイコロのみぞ知る。さらに、石材がイベントマスに入ったときに起こるハプニングもあって油断できない。

一段目はなかなか石材が入らず出遅れたが、激しい妨害をかわして、二段目の外側に太陽の石材を置くことに成功してトップ。その後は石材の補充を控えたが、すでに出ている石材が建築現場にうまく入ってくれて逃げ切り。石材がなくなるたびに全部買い直していたcarlさんは余らせていた。「4出ろ、4!」「2か3、2か3!」とサイコロを振るたびに気合が入って楽しかった。

ピラミッド・ピラミッド
荒井由行 作/ホビーベース(2004年)
3~5人用/12歳以上/45~90分
絶版・入手難

ピラミス(Pyramis)

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立方体で三角錐

石の建設に飽きたファラオが、宝石でピラミッドを建設するように命じた。発掘した宝石で作るピラミッドは、普通に横に重ねておくのではない。ボードの溝にはめ込んで、斜めに重ねていくのだ。韓国のボードゲーム出版社の作品。

ピラミス

手番にはまず袋から宝石を引く。いくつ引いてもよいが、赤は2つまで、黄色と青は合わせて3つまでというような上限(カードに書かれている)を超えるとバーストして少ししか積めない。

宝石を引いたら、盤上に重ねておく。4つ一組でユニットができたときに、その色に応じて得点が入る。4つ全部が同じ色ならば得点が一番高く、ほかの色が混じるほど得点が落ちる。

斜めに重ねるところがポイントで、壁のわきに置くと、宝石2個で1つのユニットがどんどんできあがる。ほかのプレイヤーにはそうさせないように、宝石を分散させたり、端の際にピラミッドを作ったりする。

サガエさんは連続バーストでほとんど積めないまま。逆転を狙ってたくさん宝石を引くと、さらにバーストしてしまうものである。序盤先行したくさのまさんに、壁のわきからの連続得点で追いつき逆転。引いたピラミッドをどこにどんな順序で置いたら一番得点が高いか、パズル的な要素もあって面白い。

Pyramis
J.オー作/ジェムブロ(2011年)
2~4人用/6歳以上/20分
ショップ検索:ピラミス

ピラミディオン(Pyramidion)

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石材があと1つあれば・・・

ギザに作られたクフ王のピラミッドは、高さ137m、底辺の一辺が230mもあり、10万人を使役して20年を費やしたといわれる。このゲームでは、その建設現場に、各地から資材を集めて船で送る。最も貢献した親方に与えられる「ピラミッドの頂上の石(ピラミディオン)」を取り付けることを夢見て。

昨日紹介した『サッカラ』と共に、昨年の秋にオランダのホワイトゴブリンゲームズがリリースした作品。こちらはタイトルや箱絵と裏腹に、ピラミッドは最後まで出てこない。あくまで後方支援である。

集めるべき資源はラクダ、食料、労働者、木材、石材の5種類。これらがギザ、テーベ、アレクサンドリア、フィラエ、アブ・シンベル、ルクソール、カイロ、カルナックという8つの地域から産出される。入手方法は手札を使った競り。手札の枚数が限られているので、配分を考えなくてはならない。

ピラミディオン

ラウンドのはじめに、今回の船が5隻登場する。船にはどの資源をいくつ積まなければならないかと、何点になるかが示されている。これを見て、集めるべき資源を考える。

各地に今ラウンドの資源が分配された後、いよいよ競りが始まる。スタートプレイヤーが8つの地域から競りを行う地域を決め、カードを1枚ずつ出す。全員がパスするまで。カードには、反乱(鎮圧できないと権利がもらえない)をもたらしたり、ほかの人のカードを捨てさせたりといった効果をもつものもある。

特徴的なのは、カードに商業力、交渉力、影響力の数値が書いてあって、それぞれ別々に1位を決めるところだ。商業力で1位を取れば資源を取り、交渉力で1位なら交渉団トークン(その地域から競りの前に資材が手に入る)、影響力で1位なら監督団トークン(その地域の特殊能力と資材が手に入る)を置く。ただし、各地域には商業力、交渉力、影響力の最低基準があって、これを上回らなければならない。

ラウンドの最後に、手番順で手持ちの資源を船に積んで得点。指示された資源が1つでも足りなかったり、揃っていても先に積まれたりすれば、余った資源は次のラウンドに持ち越しとなる。こうして船の得点の合計が先に10点以上になった人の勝ち。

カードの強さに結構な開きがあって、序盤2ラウンドを圧倒的な強さでくさのまさんが制する。3ラウンド目に逆転のチャンスがあったが、下位同士で競り合ったためそのまま逃げ切られた。『サッカラ』と同様、序盤のカードの引き運で抜け出したプレイヤーを止めにくい印象があるが、カード配分によってカバーできることもあり好評だった。

Pyramidion
Y.ジェルヴェーズ/ホワイトゴブリンゲームズ(2012年)
2~4人用/10歳以上/60分
アークライト:ピラミディオン

フラッシュポイント(Flash Point: Fire Rescue)

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今燃えようとしている火がそこに

2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロでは、消防士やレスキュー隊の果敢な救助活動が注目された。彼らの活動は死と隣り合わせで、実際に命を落としたニューヨーク市の消防士は343人にのぼる。事件から10年後、同じアメリカで発売されたこの協力ゲームは、火事で家の中に取り残された10人の命を知恵と勇気で救助する。建物が崩壊するのが先か、7人以上救助するのが先か?

消防士たちが到着したときには、すでに家の中に炎が広がっている。順番にアクションポイントを使って、家の中に入り、炎を消し止め、要救助者を屋外に運び出す。でも決して容易な仕事ではない。

まず要救助者が、家の中のどこにいるか、はじめは分からない。「?」マーカーのところにいくと、2:1の確率で要救助者が登場するが、誤警報のこともある。せっかく家の奥まで入ったのに、そこには誰もいなかったなんてことも。消防士のアクションポイントは限られているので、無駄な動きは敗北につながるだろう。「オレはこっちから入って、奥を探索する。援護の消火活動を頼む!」「了解!」チームワークが大事だ。

そして1人手番が終わるたびに炎が拡大する。待ったなし。サイコロで決めた座標にまずは煙マーカーを置き、すでに煙マーカーがあれば炎マーカーに変える。すでに炎マーカーだったら、このゲームのタイトルにもなっている「フラッシュポイント(引火点)」だ。爆発して周囲四方向が延焼し、壁が壊れる。周囲にも炎マーカーがあると、恐怖のショックウェーブ。その直線上で離れているところにも延焼や壁の損壊をもたらす。さらに、炎マーカーに隣接する煙マーカーが全部炎に変わるフラッシュオーバー。連鎖反応で炎が広がっていくのは恐ろしい。

フラッシュポイント

消防士が炎に包まれると、ノックダウンして救急車に運ばれ、そこから再起を図る。しかし要救助者が炎に包まれれば、残念ながら手遅れとなってしまう。無事に救助できれば、次の「?」マーカーをサイコロで決めた座標に補充して次の人の手番となる。

経験者向けゲームでは、最初から相当火の手が広がっており、爆発も何度か起こっている。また、引火するといきなり爆発する危険物が屋内にあり、連鎖で炎が広がる高温点マーカーも登場する。しかも要救助者を屋外に運び出すだけでなく、救急車に乗せなければならない。難易度は3段階だが、新入隊員レベルでも十分厳しい。

一方、消防士のほうもグレードアップしている。まず強力な放水銃を備えた消防車。消防士が自ら乗り込まなければならないが、うまく使えば一挙に炎を消し止められる。おそらく1人は、消防車の運転手専属になるだろう。さらに、各プレイヤーは特殊技能をもった専門家を担当する。「?」マーカーをめくって要救助者がいるかどうかを確認できる赤外線走査員、要救助者が自力歩行できるように治療する救急救命士、消火用のアクションポイントが多いCAFS隊員、放水銃を1回の手番に2回動かせる操作技師など8種類。どれを選ぶかから、ゲームは始まっている。

新入隊員レベルでプレイ。tomokさんの消防車が活躍し、6人目までは何とか救出し終わる。ところが7人目がまもなくというところで、相次ぐ爆発のため壁が予想以上に壊れており、建物が崩壊して敗北。リベンジを誓うのであった。

協力ゲーム、連鎖反応、各プレイヤーの特殊能力など、いたるところに『パンデミック』(2008年)の影響が見られるが、カードが一切なく、ランダム要素がサイコロで決められていることと、テーマが身近であることで、より分かりやすく、感情移入がしやすい作品である。

Flash Point: Fire Rescue
K.ランジング/インディー・ボード&カード(2011年)―ホビージャパン(2012年)
2~6人用/10歳以上/45分

フェイム・アス(Fame Us)

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ああ、あの人ね!

「お金持ち」「図々しい」「テレビに出る」などのカードを1枚ずつ増やしながら、その全てに合致する有名人を考えるコミュニケーション系ゲーム有名人を考えるゲーム。『こんなもの、どんなもの(Ein solches Ding)』と同じルールだが、人を当てるというところが特徴となっている。

自分の番には手札から場に1枚出すか、パスして1枚引くか、前の人にチャレンジするか。しばらくは「ああ、あの人ね!」とかいいながら1枚ずつ出していくが、枚数が増えるにつれて「そんな人いたかな・・・・・・?」という疑問が起こってくる。迷ったときは砂時計を使って、落ちるまでに決めなければならない。

「そんな人いねーよ!」と思ったらチャレンジ。前の人は、それまでに出たカード全てに当てはまる人を言わなければならない。言えればチャレンジした人がペナルティー、言えないか、言えても全員の投票で却下されれば前の人のペナルティーとなる(山札からカードを引かされる)。

例えば「失恋したことがある」「テレビに出る」「タイムトラベラー」あたりはドラえもんとか、バック・トゥ・ザ・フューチャーのマーティーなどが考えられるが、その中に誰かが「実在する」とか出した途端、チャレンジするかどうかが難しくなる。最終的には投票で決まるので、こじつける方法も。

勝敗は『キャット&チョコレート』式で、予めチームカードが配られており、ゲーム終了時に残った手札の合計が少ないチームが勝つ。やみくもに反対できないようにしたルールだ。

フェイム・アス

写真は「苗字がない」「刑務所に行くべき」というところでざわざわ。でも一応いそうだということで進んだが、チャレンジされたhataさんがジョジョのキャラクターを言い、「そいつは苗字があるよ」ということで否決されていた。ディーヴァスチームの勝利。

カードを出すたびに、「あの人は違う」「この人は微妙か」などとみんながコメントすると楽しい(「この人は当てはまる」とは決していわないのがポイント)。思いつかなくても、みんなのコメントがヒントになって、出すカードが見つかることもあるし、思いつかないのに適当に出してみたら次の人がスルーすることもある。このブラフの要素もまた楽しい。

Fame Us
C.エルミア/アスモデ(2011年)
4~8人用/10歳以上/15分
国内未発売

武士道(Bushido)

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主君のために命をかけて

戦国時代末期、将軍足利家は弱体化し、天皇が新しい将軍を任命しようとしていた。12ヶ月にわたる戦いで名誉ポイントを競う。毎月のように起こる戦争で手柄を立てよう。ベルリンの出版社が発表した日本ゲーム。拡張「他人(Tanin)」も出ている。

最初はランダムに自分の陣地が決められる。田畑・お寺・街といった裕福な地形から始められることもあれば、山岳地帯ばかりなんてことも。スタート時から国力がイーブンでないとは、ドイツのゲームにしては珍しい。

武士道
六角形タイルの領地。名誉ポイント、米(=もてる兵の数)、刀(=引けるタイル数)が決まる

手番プレイヤーが「大名」となって、キャラクターカードを全員に分配する。ここがゲームの面白いところ。「侍」を受け取ったプレイヤーは、手番プレイヤーに代わって敵陣を攻め、「武士」を受け取ったプレイヤーはその敵陣を守る。自分の陣営を使って敵陣を攻撃するのが他人という代理戦争システムが変わっている。ほかに「先生」は影響タイルによって局面を変化できるほか、侍が戦に負けたときに罰を提案する。「旗本」は浪人を各地に配置して、謀反を起こさせることができる。

「侍」に任命された人は腕の見せどころ。他人の代理だからといって手を抜いてはいけない。戦に勝利すれば、侍ポイントが入り、これを茶会で使うと名誉ポイントに変換できる。逆に負ければ先生の指示で切腹させられ、せっかく貯めた侍ポイントを失ってしまうことも。

大名が戦地を決めたら、「侍」役のプレイヤーと「武士」役のプレイヤーはまず手持ちの刀チップを出す。これが基本戦力。さらに兵法チップを出して、基本戦力を変化させる。兵法チップは基本的に「一騎打ち」、「戦」、「伏兵」の3種類でじゃんけんのようになっている。勝てば基本戦力が2倍だが、引き分けだった場合は組み合わせによって両者の損害が異なる。ダメージ分の兵を減らして、攻撃側が残れば占領。

それぞれの土地にも名誉ポイントがあり、占領のたびに名誉ポイントは増減する。この部分は誰かが増えた分だけ誰かが減るというゼロサムだが、戦勝のたびに入る侍ポイントの分だけ、全体に底上げされていくようになっている。先に50名誉ポイントを集めるか、12ラウンドで最も名誉ポイントの多い人の勝ち。

3人プレイで2時間ほど。最初の土地がよかった私が快調にポイントを稼いで先行したが、要だったお寺をnagaさんに奪われる。最初は山地ばかりだったnagaさんはこれで一気にトップ。しかしその結果付け狙われることになり、代わって神尾さんがトップに踊り出た。このように目まぐるしく変わるのは、トップは「武士」(防御)に任命されやすくなり、自分の土地を守るのに戦力を費やし続けるためである。しかし神尾さんは見事追撃をかわして最終ラウンドに50名誉ポイントに到達し1位。

代理戦争のシステムが、主君のために命を投げ打って戦う侍の姿をよく表していてよい。あと「先生」というキャラクターも味わいがある。「先生、お願いします!」「今日は芸者の日じゃから戦はお休み!」「えー?!」・・・何の先生?

Bushido
M.ニーツァー、O.ヴォルフ/ゲームヘッズ(2008年)
3~5人用/12歳以上/90分
ゲームストアバネスト:ブシドー

ブリっとでるワン(Doggie Doo)

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おならと共に出てきますよ

イヌにごはんを上げてウンチを集めるゲーム。2年前にオランダで発売され、日本語版が先月、タカラトミー社から発売されて全国の玩具店、おもちゃコーナーで入手できるようになった。今冬のクリスマスプレゼントで当サイトのイチオシ。

まずはゴハンから。スライム状のエサを、お皿にすくってワンちゃんの口に入れる。骨をくわえさせたら準備OK。

順番にサイコロを振って、出た目によりワンちゃんの首輪につながっているポンプを押す回数が指定される。ポンプを押すたびワンちゃんはブー!、ブー!、ブー! おならの音に激しく脱力する。

おならの音はだんだん高くなっていき、クライマックスでおしりからウンチが勢いよくブリッ! 出てきたウンチはスコップですくってゲット。また新しいエサを食べさせよう。ウンチを先に3つ集めたら勝ち。

ブリっとでるワン
もう少しで出そうなところで手番が終わるとくやしい

サイコロは、ポンプを押すだけでなく、✕(何もしないで手番終了)とスコップ(スコップ交換)がある。これがちょっとしたアクセントになっていて、勝利目前でひっくり返されることも。

子供たちと遊んだが、みんなゲラゲラ大笑い。後日、子供の友達が遊びに来たときに子供たちだけでも遊んでいた。その後大人だけのゲーム会の時も出したが、これまたオオウケ。全年齢で楽しめることが分かった。いつウンチが出てくるか分からない中で、ウンチが出るのを心待ちにしてポンプを押すシチュエーションがたまらなくおかしい。

Doggie Doo
B.ルンド/ゴライアス(2010年)・タカラトミー(2012年)
2~4人/4歳以上/20分

ブラフーンズ(Bluffoons)

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ブラフゲームのデパート

ドイツのボードゲームメッセで見つけてきたイギリスのボードゲーム。出版社はパンツ・オン・ファイヤーゲームズ。英語で、子供の野次"Liar Liar Pants On Fire(ウソつき、ウソつき、パンツ火がつき)"から取っている。メッセのブースでは、下から光と風が当てて火に模した布(スーパーによくあるアレ)の上にパンツを下げて目立っていた。

そのパンツ・オン・ファイヤーゲームズが今年発表した作品がこの『ブラフーンズ』だ。5つのブラフゲームを制して、最初にゴールに着くことを目指すという、まさにウソつきゲーム。


コインを何枚握ってる?

手番プレイヤーのコマが止まっているマスのゲームを行い、勝者がコマを進める。ゲームのカテゴリーはコイン、カード、ダイス、ジレンマ、じゃんけんの5種類だ。

  1. コイン:各自コインを0~2枚握り、プレイヤー全体で何枚握られているかを予想する。ほかの人の予想から、多めに握っているか少なめに握っているかを予想するが、あべこべを言っている人がいるかもしれない。
  2. カード:1~15の数字が書かれたカードを混ぜて1枚ずつ配り、順番に1からカウントアップ。配られたカードより大きな数字を言っていると思ったらチャレンジする。平気な顔で数字を上げるチキンレースが楽しい。
  3. ダイス:4つのダイスを振って出た役を宣言。次の人はチャレンジするか、パスするか、レイズして振り直す。役はワンペア、ツーペア、スリーカード、フォーカードの4つしかないのでレイズは難しいが、その分、奇跡的に高い役が出たときの興奮は異常。
  4. ジレンマ:有名な囚人のジレンマを実体験。1人を指名し。自分とその人が「協力」か「裏切り」かのカードを同時に出す。2人とも協力なら1マスずつ進め、2人とも裏切りなら3マスずつ戻る。片方が協力で片方が裏切りなら裏切りを出したほうが3マス進める。
  5. じゃんけん:最初に何を出すか宣言してからじゃんけんする。当然うそをついてもよい。「グーを出します」「じゃあ私はパーを出しますよ」「じゃんけん、ポン!」

さらに、1対1で戦うデュエル、カードやダイスを見ないで宣言しなければならない「ブラインド」があって変化に富む。ブラインドのカードかダイスで勝つとブラフーンカードがもらえ、じゃんけんをやり直すなどの特殊能力が得られる。

じゃんけんの読みが冴えて私が最初にリーチをかけたが、その得意としていたじゃんけんで塚本さんに負けてからはずるずる後退。ゴール前での一進一退の攻防を制した塚本さんがウソつき王者となった。

Bluffoons
R.マックラッキー、S.M.ウォーカー/パンツ・オン・ファイヤーゲームズ(2012年)
3~6人用/8歳以上/45分
国内未発売

氷河わたり(Schollenhüpfen)

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ずれていく氷河

動く氷河の上で魚を集める記憶ゲーム。『ラリー・ファリー(Rally Fally)』と共に、磁石専門のボードゲーム出版社の製品として注目していたものだ。ドイツ教育ゲーム賞2010受賞(3歳以上部門)。木製の氷河の裏には穴があって、そこに磁石が埋め込まれている。そこに金属製のアザラシチップや魚チップがぴたりとくっついて、氷河を持ち上げても落ちないようになっている。

氷河わたり
魚の入った氷河はどれだったか・・・

手番にはカードを引き、その指示に従って氷河を差し込む、自分の色のシロクマを移動する、移動先の氷河をめくるといったアクションができる。氷河をめくって魚がいれば見事ゲット。このときには、磁石のついた棒でくっつけて穴から取り出す。こういう細かい仕掛けが嬉しい。このときアザラシが出ると、前にとった魚を1匹奪われる。

氷河は大小さまざまなかたちをしており、わきから差し込むと全体的にずれる。このさまが流氷を見るかのようで美しいが、覚えていた並び方が変わるので混乱する。その結果、もう魚をとった氷河をまためくってしまったり、アザラシが出たり。反対から落ちた氷河はそのままにしておいて、また次の機会に差し込むことになる。

もうひとつのお楽しみがイヌイット。これが出ると、イヌイットを移動して、その下にいる魚の数をみんなで当てる(上級ルール)。当たれば魚をゲットできるというものだ。これまた覚えていたつもりでもなかなか当たらない。

誰かが合計10匹の魚を捕まえたら勝ち。リーチになるとつい油断してアザラシをめくってしまい、接戦になったのがエキサイティングで楽しかった。

Schollenhüpfen
M.グートマイヤー、H.マスホルダー/オーバーシュヴェービッシェ・マグネットシュピーレ(2010年)
2~4人用/5歳以上/20分
国内未発売

ピラニア(Piranhas)

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ひたすら弱肉強食

ゲーム中のジレンマが売りのR.クニツィアだが、じっくり考える暇を与えないリアルタイムゲーム(手番がなく、全員同時にプレイする早い者勝ちゲーム)は意外に多い。ほしいところでカードをノックする『イッツマイン』、ピットにひねりを加えた『ウィードル』、キッズゲームの『フロッテ・フロッセ』など。

今年発売されたこのゲームもリアルタイムゲームで、パターンを素早く認識して自分のカードを一番になくすことを目指す。パターンを見つけるのはわりと簡単だが、焦るとうまくいかないのがなかなかもどかしい。

川の中は弱肉強食の世界。小さい魚は、大きい魚に食べられる。でも、食べるのは同じ色の魚だけ。唯一ピラニアが、違う色の魚を食べる。しかしピラニアは同じ色の魚を食べなくて……

ピラニア

カードを分けて各プレイヤーの前に重ね、場に1枚出してスタート。カードには3種類の魚が大中小さまざまなパターンで描かれている。場のカードと、自分の前にあるカードを見比べて、食べられる魚(同じ色で、かつ大きい)があれば、その色を言って重ねる。今度はそのカードと、自分の前にあるカードを見比べて、また食べられる魚があれば出せる。手番はなく、見つけた人から早い者勝ち。「白!」「青!」「赤!」「あっ先に出されたー!」場のカードはめまぐるしく変わる。

ピラニアは、3種類いずれでもない色のものだけ出せる。魚が赤・青・黄のカードだったら、白か茶色のピラニア。自分の前にピラニアがあったら、頭を切り替えなければならない。

食べられる魚・ピラニアがなく、場に出せないこともある。そのときはわきに置いて保留。自分の山札が切れた後に出すことができる。本当は置けるのに、気づかなくて保留ということも許されるから、ちょっと考えて分からなかったら送ってしまうのがよい。

自分の前のカードを全部なくした人の勝ち。間違いを指摘されるとペナルティーがあるが、自分のカードに夢中でなかなか指摘できない。それでも、この手のゲームは他人の足を引っ張ったりしようとせず、ひたすら自分のことに集中することがポイントで、そのほうがコツをつかむのが早まる。3人プレイで1戦目は勝てなかったが、2戦目で連続プレイがうまく決まって1位。『ワードバスケット』もそうだが、自分でどんどん出すことで、ほかの人にいかに考える暇を与えないかが勝負のようだ。

Piranhas
R.クニツィア作/コスモス(2012年)
2〜4人用/8歳以上/20分
ふうかのボードゲーム日記:ピラニア

ハンブルクの倉庫街(Speicherstadt Hamburg)

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貢ぎすぎて金がなくなる

ゲームマーケットで発表される国産新作は、近年コンポーネントの質の向上が著しい。切り取り式の名刺カードに家庭用プリンタで印刷して、チャック付き小袋に入れたものなどはあまり見かけなくなり、萬印堂仕様がスタンダードになってきた。

そのような中で、ミシン目の切り取り式でぺらぺらのカードで構成されたこの作品が、ドイツで販売されていると聞いて感慨深いものがあった。コンポーネントの質によって、コンポーネントのみの5ユーロ版、箱入りの7.50ユーロ版、チップとコマが豪華になった9.90ユーロ版の3種類がある。カードはいずれもミシン目の切り取り式だ。

作者は『モニュメント』『盲目のニワトリ』のS.リストハウス。ハンブルクの倉庫街を舞台に、商品を仕入れ、議員に贈り物をして勝利点を稼いだり、高く売って次の商品を仕入れる元手にしたりする。手持ちの商品をどこまで贈り物にし、どこまで売るかという分配が悩ましく、タイトルにもなっている倉庫を使って次のラウンドに持ち越すところがカギとなっている。

ハンブルクの倉庫街

毎ラウンドテーブルに並ぶ商品を、手番順に仕入れる。商品は2枚組になっており、裏になっている商品がついているものと、倉庫がついているものがある。裏になっている商品は、定価より安く買える可能性があってお楽しみ。倉庫は、次のラウンドに持ち越せる商品を増やす。商品を買い過ぎて倉庫がないと腐ってしまうし、倉庫があっても商品がなければ無用の長物である。悩ましい選択だ。

仕入れが終わったら、手札を裏にして、議員にプレゼントするもの、市場に売りに出すもの、倉庫に入れるものにシークレットに分配する。そして議員へのプレゼントからオープン。

議員のプレゼントは、商品によって価値が毎ラウンド変わり、価値の合計が多い人から順に勝利点を得る。ここに出し惜しみしては決して勝つことができないが、かといって全力投球していると資金がなくなる。理想は他の人を少しだけ上回って1位を取るくらい。でもそれができれば苦労はしない。次のラウンドの価値も見えているので、勝てそうになければ倉庫に保管して次のラウンドに備えてもいい。

次に市場に売りに出した商品をオープン。商品ごとに全体で何枚出ているかを調べ、少なければ少ないほど高く売れる。ほかの人が議員へのプレゼントに力を入れているときに、市場にたくさん出せば大儲けできるだろう。でもそう思っている人が何人もいて、おまけに商品までかぶってしまい残念な結果になることも。

議員と市場に出せる商品は、1ラウンドにつき合計3種類までというキツイ縛りがある。倉庫には1つにつき1枚しか商品を入れられない。倉庫がないのに、いろいろな商品をもっていると泣く泣く捨てる羽目になるだろう。そう思って倉庫をたくさん買ったら、仕入れの商品が同じ種類になって倉庫の出番がないのも悲しい。

ゲームは5ラウンド。最後に倉庫に残した商品と、所持金に勝利点が与えられ、合計点で勝敗を決める。

議員へのプレゼントをけちって貯金に励んだが、後半になっても勝利点が伸びず最下位。順調だったkarokuさんが1度、商品を出し間違えるという大失敗を犯し、僅差でふうかさんが1位。最初はカードが切りにくいとか言っていたのに、お買い物の楽しさ、分配の駆け引きにすっかり魅せられてみんなハマってしまった。

きっとデザイナーがどこかの出版社に売り込んで、採用されなかったから自費出版したものと思われるが、それがこの水準ということに、ドイツゲームの底力を見た思いがする。

Speicherstadt Hamburg
S.リストハウス/オスティアシュピーレ(2012年)
2〜5人用/10歳以上/45分
国内未発売(Spielmaterialで販売

ひいて・よって・見っけ!(Kuck Ruck Zuck!)

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その写真を撮ったのは?

今年のドイツ年間キッズゲーム大賞には、ノミネート3タイトルと推薦リスト9タイトルのうち、メーカー別に見ると複数入選したのはコスモス社とドライマギア社だけだった。セレクタ社がエントリーしなくなった今、キッズゲーム一筋を貫いてきたハバ社から『キャプテンリノ』しか入らなかったのは寂しい。

その一方で、ふうかさんがハバ社の新作に注目しているという。デザイン的には子供向けだが、内容は大人「も」楽しめるどころか、大人のほうがもっと楽しめるものが多いのだという。すごろくやさんが、ハバ社の作品を積極的に紹介しているのも、内容の充実ぶりに目をつけてのことであろう。

『ひいて・よって・見っけ!』はフランスの奇才R.フラガによるもので、フラガが得意とする同時プレイのパターン認識ゲームである。めくったカードに載っている写真の遠近から、どの動物が撮影したものかを探す。

ひいて・よって・見っけ!

カードには2つの動物が大・小で描かれている。遠近法で、大の動物が手前、小の動物が奥ということを表している。山札からカードをめくったら全員同時スタート。ボードに並んだ動物のポジションから、この2匹の動物の手前にいる動物をいち早く探し、その動物名を言う。当たったら自分の山札を1枚減らすことができ、早くなくしたら勝ち。

ときおり、2つの動物の手前が盤外になることがある。そういう写真は飼育員が撮ったということ。その場合は、対応する辺にいる飼育員コマをいち早くつかむ。取った人が自分の山札を減らせる。

上級ルールでは、斜めの並びが出てくる。混乱すること間違いなしで、より高い集中力が問われるだろう。もちろん、気後れしていては勝てない。

初級ルールから本気モードの大人4人。「ゾウ!」言うタイミングがほとんど一緒で誰が早かったか分からず、じゃんけんで決めたこともあった。飼育員コマを取るときは接触で爪が割れるほどのスピード。初級ルールは1位を取ったが集中力が続かず、上級ルールはふうかさんの勝利。

同時プレイのパターン認識ゲームは、アブストラクトゲームと同様、かつて私の苦手ジャンルだった。120%の処理能力が要求されると、脳みそがフリーズしてしまうのである。しかし数をこなすうちに、実は集中力のほうが大切だと気づくようになった。コツをつかむと、反射的に動けるようになるのが快感である。ゲーム愛好者には敬遠する方も多いようだが、チャレンジしてみてほしい。

Kuck Ruck Zuck!
R.フラガ/ハバ(2012年)
2〜6人用/6歳以上/10〜15分
高円寺0分すごろくや:ひいて・よって・見っけ!

ハーメルン(Hameln)

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出し渋ったんじゃない、金がないんだ

先月、TBSテレビ『世界ふしぎ発見』の「ドイツメルヘンミステリー おとぎ話の真実」という回を興味深く見た。ネズミ退治をした男が街の子供を連れ去ってしまう『ハーメルンの笛吹き男』は、民間伝承に基づくメルヘンで、気候変動や十字軍などの史実的な要素もあるらしい。

彩色されたフィギュアが美しいフラゴーゲームズ(スコットランド)がエッセン国際ゲーム祭で発表したこの作品には、ふてぶてしいネズミと、何を考えているかわからない笛吹き、そしてネコが登場する。子供を作って結婚させ、一族を増やして儲けるゲーム。もちろん、ネズミが邪魔をする。

ハーメルン

建物には夫婦のコマがある。自分の番になったら、自分の色の夫か妻をはたらかせる。夫なら生産でパン、チーズ、ビール、肉が手に入り、妻なら子供が生まれる。

面白いのは、同じ建物にいる配偶者も同時に活動するところ。配偶者は常に他のプレイヤーのコマである。自分が生産すれば誰かが子供をもうけ、自分が子供を設ければ誰かが生産することになる。夫婦とは血の繋がっていないものだが、力を合わせて生活している感じがあっていい。

子供が生まれるとき、袋からキューブを引いて、青なら男、ピンクなら女ということになる。実世界と同様、どちらかに偏ることも。「うちの一族、男しか生まれねー」

生まれた子供は教会に置かれているが、ほかのプレイヤーの異性と組み合わせて、新しい建物に所帯をもつことができる。ただし、新しい建物に入るには資金が必要で、それは男性側が払わなければならない。「一生ついていきますって、金出すのオレ?」

新居を構えた夫婦は、新たに生産と子作りを行い、こうして一族が盤面に増えていくことになる。しかし、その幸せも長くは続かないのであった。

夫婦が活動するたびに、建物の周りにはネズミコマが置かれ、建物の周りがネズミで全部うめつくされると、王様ネズミがやってくる。そうなった建物は、ネズミがいなくなるまで使えなくなってしまう。ネコを買って追い払えるのは1匹だけ。隣の建物のネズミも影響するので、3回使えれば御の字である。

そこでいよいよ笛吹き男の登場となる。街は4つの区画に分けられ、一番多くお金を積んだところに笛吹き男がやってくる。王様ネズミが一定数置かれてラウンドが終わると、その区画だけネズミを前除去してくれる。これがないと、次のラウンドは身動きが取れないから献金も必死。

ついでに笛吹き男は、教会にいる子供たちも連れ去ってしまう。そうされたくなかったらお金を払うことだ。もっとも手持ちのお金が残っていればの話だが……。

ラウンドが終わりに近づくと、商品を売って献金を積み増したり、さっさと子供たちを結婚させたりと慌ただしくなる。ラウンドが終わるタイミングによっては、ネズミは除去できないわ、子供は連れ去られるわと最悪の状態に。終わり間際の駆け引きが熱い。

3ラウンドでゲーム終了。所持金、ゲーム中に購入した影響力、ゲーム中には全く役に立たないネズミ捕りなどが得点になり、合計点の多い人が勝ち。連れ去られた子供はマイナス点となる。

皆と満遍なく縁組したくさのまさんが、見事な利害関係で1位。笛吹き男は子供を大量につれていくわけではないので、そのインパクトよりも結婚と出産がリアルで面白かった。

Hameln
ラモントブラザーズ/フラゴーゲームズ(2006年)
3〜5人用/12歳以上/60分
絶版・入手難

ハイク(Hyke)

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和風ディクシット

『スタンプス』『アダムとイブ』と話題作を制作しているドロッセルマイヤーズ(東京・中野)が今年のゲームマーケットから発売した多人数コミュニケーションゲーム。五七五の句でお題を当てるという、国産ならではのゲーム内容となっている。

Hyke

はじめに配られるのがお題用紙数枚。ここに好きなお題と名前を書き、折り曲げて箱に入れる。混ぜてから引き、そのお題で一句。「このメンツ ぼくもあなたも 伊達じゃない」(くさのまさん・答え:メガネ(ドラッグすると見られます))

ほかの人も同時進行で句を作っているが、誰かが「ハイク!」といって手をあげたら一旦中断して句を詠み、お題を当てる。順番は関係なく、思いついた順。お題はいったい何だろう?と頭をひねる。

いきなり1人目が当てると、当てた人に1点。句を作った人は0点。2人目が当てると、当てた人・句を作った人・お題を作った人みんなに2点。3人目も以下同様。一番いいのは最後の人が当てた場合で、8人で遊んでいれば8点にもなる。したがって、あからさまな句でも、意味不明な句でもいけない。メンバーを見て、どこまでぼかすか考えるのは句心を大いに刺激される。

当て終わったらまたそれぞれの句を読む。句を発表した人も、次のお題カードを引いてまた読む。どんどん作って、どんどん詠もう。

お題カードがなくなったらゲーム終了。最後に完成した句を並べて、気に入った句に投票する。これも得点になり、合計得点の多い人が勝ち。

学生の頃、メモ用紙を折り曲げながら、一つ前の上の句だけを見て下の句をつなげていくというゲームを飲み会で遊んだことがあった。この経験が生きたのかすらすらと句が出てくる。大事なのは、形式とか季語とか考えないこと。それでもなかなか句ができなくてお地蔵さんになってしまう人もいた(自分で作れなくても、当てまくれば勝つチャンスはある)。

「あたたかい あなたのムラに いまもなお」(答え:原子力)は残念ながら当ててもらえなかったが、「五月晴れ 憎い涙の 業平橋」(答え:東京タワー)を当ててもらえたのが気持ちいい。大量得点もできて1位。djさんが詠んだ「あいうおお テルマオロマオ サザオさん」(答え:笑顔)が笑いのツボに入って、その後の仕事中に吹き出しそうになったのは内緒である。

Hyke
渡辺範明/ドロッセルマイヤーズ(2012年)
4〜8人用/8歳以上/20〜30分
ドロッセルマイヤーズ:Hyke

ベガス(Vegas)

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どのテーブルに行くか悩む

2012年度のドイツのゲームシーンを、年間ゲーム大賞広報のT.フェルバー氏は「ダイスの年(Das Jahr des Würfels)」と振り返る。その多くは『ボーナンザダイス』『ズーロレットダイス』『頭脳絶好調(インジーニアス)ダイス』など有名タイトルのダイスゲーム版だったが、その中から審査員が今年の代表作としてノミネートしたのがこの『ベガス』である。

注目のドイツ人デザイナーR.ドーン(『アルカディアの建設』『ダイヤモンドクラブ』)が、これまた注目のブランド「アレア」から発表した作品だが、同じダイスゲームだったアレアブランドの『ラムと名誉』(2006年)とは比べ物にならないほどシンプルにして、「これは本当にアレア?」と思うほどの軽いゲームとなった。『ロイヤルターフ』よりもさらに軽い。

サイコロで1〜6の目に対応する6つのカジノテーブルで、一番多くサイコロを置いて賞金を獲得するゲーム。毎ラウンド、はじめに各テーブルに賞金が配られる。賞金カードを山札からめくっていって、5万ドル以上になるまで。9万ドル1枚のテーブルや、2万ドル、2万ドル、3万ドルといったテーブルができる。もちろん高額のテーブルほど競争率が高い。

手番には8つのサイコロを一度に振って、目を1つ選び、その目が出たサイコロを全部、対応するテーブルに置く。1周したら残っているサイコロを振って、また目を1つ選び、その目が出たサイコロを全部置く……の繰り返し。

高額のテーブルにたくさん置きたいけれど、そう都合よく出てはくれない。しかも競争率が上がれば、たくさん置いても賞金がもらえないかもしれない。ほかの人がどこにどれくらい置いているかを見ながら、よく考えて選びたい。

一度にサイコロをたくさん置いて手番が先に終わる人もいるが、結局全員、8つのサイコロをどこかに置くことになる。置き終わったらお楽しみ、賞金の分配。

賞金に預かるには、単独で1位にならなければならない。同数タイの場合は、次点に権利が移る『ハゲタカのえじき』方式。賞金が2枚、3枚ある場合は、同様に単独で2位、3位の人がもらえる。出したくない目が出て、誰ももらえないことも(それはそれで、ほかの人の権利をつぶすので有効だが)。4ラウンドの合計で賞金総額の多い人が勝ち。

5人プレイで30分。第1ラウンド、高額賞金をめぐって鴉さんと一騎打ち。結局8つ全部を同じ目にするという快挙で私がゲットした。しかしこのような一極集中は得策ではない。その間に満遍なく取ったABBさんが1位。鴉さんはことごとく邪魔されて最下位に沈んでいた(トップ叩きはできるが、それも運次第なので誤爆もありうる)。1個か2個ずつ置いて様子を伺っていく戦法と、一気に置いてほかの人に諦めさせる戦法があるようだ。ダイスゲームだが、サイコロの目の選択が悩ましく、また遊びたくなる魅力(ギャンブル中毒?)がある。サイコロいっぱいをジャラーッと振るのも気持ちいい。

Vegas
R.ドーン/アレア(2012年)
2〜5人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズより発売予定

ひつじがいっぴき(Ein Schaf)

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目が覚めるカウントアップ

昨日紹介した『街コロ』と並んで発表されたグランディングの新作。こちらはかわいいイラストの子供向けカードゲームだというが、なかなかどうして、大人が遊べば考えどころがある。

ひつじがいっぴき

手札のカードには羊が1〜4匹描かれている。お父さん、お母さん、お姉さん、弟のようだ。無性に可愛いイラストを手がけているのは、ポケモンやカルドセプトのキャラクターを手がけた原田みどり氏である。ゲームとは直接関係ないが、3つのストーリーに沿って描かれており、ゲームが終わってから並べてみるのも楽しい。

最初の人は「ひつじがいっぴき」といって、羊が1匹だけ書かれたカードを出す。次の人は「ひつじがにひき」といって、羊が2匹描かれたカードを出す。次の次の人は「ひつじがさんびき」といって…これを繰り返して手札をなくしたら上がり。

「ひつじがななひき」といって2匹+2匹+3匹というように何枚でも組み合わせて出すことができる。このため一気になくせるチャンスもあるが、どう組み合わせても出せないときは山札から1枚引かなければならない。何匹で自分の番が回ってくるか予想できるので、上がる気満々でいたら前の人がパスして出せなくなったり、その逆に出せないつもりでいたのが出せたり。

先が読めるので、大人ならば、順調に次の手番が回ってきたときに出せるかどうかを考えて出すカードを選ぶことも可能。もちろん、パスもあるのでうまくいくとは限らないが、狙い通りに上がれたときは気持ちいい。

1匹のカードはリセットに使うことができる。何匹のときでも1匹に戻ってやりなおし。リセットするか、ほかのカードに足して出すかというちょっとした選択がある。

上がると、お宝カードをもらえる。カードにはお宝が1〜3個描いてあり、5個以上手に入れれば勝ち。5個ちょうどでないと上がれない(6個以上になるときは返さなければならない)というバリアントがあり、より長く楽しめるだろう。

4人プレイ・バリアント入りで30分ほど。1ラウンドは2〜3分だが、均等に上がるので10ラウンド以上になった。全員お宝4個でリーチとなり、あと1個がなかなか引けない中、私が引いて勝利。意外に長引いたが、テンポがよくて、慣れるとさらにテンポが上がるので軽快に楽しめた。

ひつじがいっぴき
菅沼正夫/原田みどり(イラスト)/グランディング(2012年)
2〜5人用/5歳以上/5分
グランディング:ひつじがいっぴき

フォルトゥナ(Fortuna)

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すべての道はローマに通ず

野心あふれるローマ人農夫が、影響力を高めつつカエサルの宮殿をめざすゲーム。デザイナーは『大聖堂』『キューバ』のM.リーネックとS.シュタドラーで、メーカーはオランダのザ・ゲームマスター社。メーカーの要請によるものだろうか、『大聖堂』『キューバ』と比べると運の要素高め・時間短めでミドル級に作られている。

ローマに向かって各プレイヤーの道が伸びており一番乗りを目指して進む。誰かがカエサルの宮殿にたどり着いたときゲームが終わり、ボーナスを加えて進んだ数を競うが、ローマ市内に入っていない人は、いくらボーナスがあっても脱落となる。ローマの道を進むには農産物などを皇帝に献上しなければならない。

皇帝に献上する農産物などを手に入れるため、アクションを行う。その選択方法がユニークだ。アクションは、自分の前に並んだ3枚のアクションカードのいずれかを選ぶ。実行したアクションカードは、ほかの人の前にあるアクションカードと交換。こうして入れ替えた3枚が、次のラウンドの選択肢となる。次に自分が必要となるアクションを予想して選んでおかなくてはならない。

アクションは水・麦・ワインを作る、売る、軍隊や女官を増やす、建物を建てるなど12種類。1回目にお金を払えば2回目から収入をもたらす「結婚」、ローマの道を進んだ上でスタートプレイヤーと取れる「フォルトゥナ」が重要だ。

スタートプレイヤーがなぜ重要かというと、まずアクションカードの交換で、すでに選ばれたカードは取れないというのが一点。スタートプレイヤーならば、どのカードでも選べる。もう一点は、アクションの後に行われる皇帝への献上も先にできるということだ。

場には1〜6の寵愛カードが並んでおり、サイコロを振って出た目以下のカードを1枚選んで、そのカードに書かれたもの(水・麦・ワイン・軍隊など)献上することになる。すでに献上されたカードは使用不可。そして出た目で献上できないと税金を取られ、お金がないとローマの道を戻る羽目になる。スタートプレイヤーならば、出た目が悪くてもなんとか対応できるだろう。

ここに来てサイコロが用いられ、出目が悪いとひどい目にあうというのは、ストラテジーゲームでは珍しい作りだ。出目の悪さは、献上するものを各種取り揃えておくことや、手番順で先を取ることである程度回避できるものの、どうしようもないこともある。皇帝は気まぐれなのだ。

スタートプレイヤーは「フォルトゥナ」で取れるが、それ以降は所持金の順。結婚したり、軍隊や女官を揃えるのにお金がかかってカツカツなのに、使い過ぎると手番が下がって何も献上できなくなる。皇帝の気まぐれとはまた違ったシビアさがある。

エッセン国際ゲーム祭のフッフ&フレンズブースで4人プレイ。序盤から積極的に「フォルトゥナ」を取りに行ったふうかさんが着々と進むのを、建物を有効活用した神尾さんが追う展開。はじめは資源を蓄えてとか思っていたが、ふうかさんがどんどん進んでいくので、一か八かの献上を余儀なくされる。結局、karokuさんと私は市内に入れず脱落。神尾さんがトップで並んだがお金の差でふうかさんが勝利した。

効果は低いが着実な農産物と、効果は高いが一か八かの女官との間で、どれに注力するかで進め方がだいぶ変わるようだ。うまく噛み合ったアクション選択で運を引き寄せるゲームである。

Fortuna
M.リーネック、S.シュタドラー/ザ・ゲームマスター(2011年)
2〜4人用/10歳以上/60分
ショップ検索:フォルトゥナ

ビッグバン(Urknall: The Big Bang)

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天の配列に陣取り

エッセン国際ゲーム祭で、デモプレイを一目で気に入った作品。星を表すガラスのコマを握って、テーブルの上から落とす。テーブルに散らばる星を「これがビッグバンです」…これだけでインパクト絶大である。しかし、その後に始まるゲームがアブストラクトだとは想像もつかなかった。ビッグバンでできた星雲間を宇宙飛行士を旅させて、エリアマジョリティーを取る。

ビッグバン

自分の番にはまずサイコロを振る。これは手番の最後に、星雲が合併するか分割するかが決まる。これも状況を一変させるが、その前に、星に自分の所有マーカーを置く。

自分の所有マーカーを置くには、宇宙飛行士を別の星雲に移動して、移動先で空いている星に置く。移動元と移動先は同じ色の星がなければならない。後半は移動先がどんどん限られてくるので、よく吟味して選びたい。

ゲーム終了時に、この所有マーカーの状況によって得点を競う。その星雲にその色が1つしかなければ、その星雲の残りの星の数だけ得点。その色が2つあれば2点。3つ以上あれば、最も多く置いている人がその数だけ得点する。例えば、

青 緑 緑 赤 赤 赤
A  B  C  B  D  D 

という状況であれば、Aさんは青が1色しかないので、残りの星で5点。これが一番美味しい。緑は2つなので、BさんとCさんは2点ずつ、そして赤は3個でDさんがトップなので3点。どの星雲に行き、どの星に置くか考える。

そして場に流動性をもたらすのが、ダイスによる星雲の合併と分離。ダイス目が、最も小さい星雲2つの星の合計以上ならば合併(例えば1と2の星雲があって、3以上出れば合併)。最も小さい星雲が1つか2つで、それ以下のダイス目がでれば分離。たいていどちらかは起きる。

宇宙飛行士が居なければどの星雲を合併/分離するかは自由。これもまた考えさせられる。大得点だと思っていたところが分離されたり、その反対に大得点の星雲が合併で生まれたりと劇的だ。

大得点になる星雲はすぐに崩され、最後まで誰が勝っているか分からない状況だ。最後は1点2点の積み重ねとなり、1点差でtomokさんの勝利。見た目とは裏腹に、一手一手にものすごく頭を使うゲームだった。

Urknall: The Big Bang
A.ヘニング/ミュッケシュピーレ(2011年)
2〜4人用/8歳以上/20分
国内未発売

ファークル・フレンジー(Farkle Frenzy)

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生き残ればずっとオレのターン!

『ファークル』はダイスゲームである。6つのサイコロを振って、そのうちいくつかを残す。そこでやめて得点を受け取ってもよいし、さらに続けてもよい。6つのサイコロが全部得点にできると、さらに全部を振り直すことができる。しかしサイコロを振った結果、得点が増やせないとバーストして0点。単独で得点になるのは1(100点)と5(50点)で、あとはトリオ(同じ目が3つ)で得点になる。基本はこれだけ(ほかに得点方法があるバージョンも)で、紙とサイコロさえあれば遊べるものである。『グリード』もこの仲間だ。

このゲームでは、非常に目を引くロケット型のタワーが登場する。一番上にはダイスが入ったカプセル。これを押して、ポンと浮かび上がると全員に共通の目が決まる。そうしたらスタート。

ファークル・フレンジー

全員手持ちのサイコロを振って、残すものをタワーに乗せる。それ以外のサイコロを振り直し。途中離脱して得点する人は、得点を記録して抜ける。

得点を記録して抜けたり、得点が重ねられずバーストしたりした人は残っている人のプレイを見ていることになる。みんながバーストするか降りた後に、みんなに注目されながらサイコロを振り続けるのが気持ちいい。一方、残りの人は当然「まだまだ行けますよ!」「余裕ですよ!」と無茶に励ます。口車に乗って、確率の低い目をバーストする破目になる。

サイコロ6つ全部で得点できて2周目に入る「ファークルフレンジー」を2度達成した私が勝利。負けが込むほど強気のダイスロールを余儀なくされて沈む鴉さんが楽しかった。

Farkle Frenzy
作者不明/パッチプロダクツ(2011年)
2〜4人用/8歳以上/20分
国内未発売

ハイキング(Hike)

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丘を越え行こうよ〜一寸先は闇だけどな!

この頃8人まで遊べるゲームに目がない。多人数で遊ぶ機会が多いというのもあるが、パーティーゲームはどういう要素を備えていると盛り上がるのか、興味をもっているためである。このゲームはサンフランシスコのメーカーによるもので、テンデイズゲームズの店頭で入手した。

森や山を歩きまわり、鳥や虫を鑑賞してカードをなくすウノ系のゲーム。カードを出せないときは山札から引くのではなくて、即脱落というルールが緊張感を高める。

ハイキング

スートは鳥、虫、湖、稲妻、山頂、山道、森の7つ。湖なら鳥か虫か山道、鳥なら鳥か森か湖というように、次に出せるカードの種類が指示されている。同じスートを出せるわけでないところがポイント。指示された3種類のいずれも手札になかったら、手札を公開して脱落する。

誰かがカードを全てなくすか、全員脱落したらラウンド終了。手元のカードが最も少ない人(たいていは最後まで残った人)が勝者となり、先に脱落した人が公開しているカード枚数だけ得点となる。早々に脱落する人がいると場の得点が上がるが、反対にみんなが粘って、しかも手元のカードが最も少ない人が複数いると分け合うので得点が少ない。

どんなスートでも対応できるよう、プレイするカードを選ぶのがポイントだが、10枚あるスペシャルカードを使うポイントも重要。「干ばつ(Drought)」が出たら全員手札から湖を出し、出せない人は脱落。最後まで絶対出せない「ゴミくず(Litter)」や、全員から虫を出させる「うんこ(Poop)」、手札を回収してシャッフルする「地震(Earthquake)」など、戦略的に使えば逆転が可能だ。

自宅ゲーム会で7人プレイ。なぜか「Lake!」「Bird!」「Tree!」「トゥ、Tree?…Wind!」「Sun!」などと英語でプレイするうちのメンバーたち。妙にテンションが上がる。carlさんが流れをたぐり寄せて勝利。楽しいハイキングなのに、カードを出せない瞬間終わりというのがドキドキして楽しかった。

Hike
J.モンターグ、C.ラモス、D.シラー/ムースタッチゲームズ(2011年)
3〜8人/7歳以上/30分
テンデイズゲームズでは、まだ一般取り扱いされていない商品です。欲しい方はリクエストしてみて下さい。

ハリガリ・リング/リング・ディング(RinglDing)

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よく見ると違っていたり

昨日発表された日本ボードゲーム大賞で、初めての人に薦めたい「ゆうもあ賞」のノミネート作品に選ばれたアクションゲーム。見ただけで何をするゲームかが分かり、夢中になれる。邦題に「ハリガリ」が付いている通り、同じ作者によるスピード勝負のゲームだ。

ベルを中央に置いて、その周りにカラフルなリングをばらまいておく。カードをめくって、絵の通りにリングを指にはめて、できたと思ったらベルをチン! 正解していればカードをもらえる。これをたくさん集めるのが目標だ。

リングは指1本にはめるとは限らず、何本にも渡してはめることも。また互い違いにはめるのもあって、見た目以上に難しい。ちなみに手の甲と裏を返せば、どちらの利き手でも遊べる。上級ルールはカードをちら見して裏返し、記憶を頼りにリングをはめるというもの。かなり難しい。

子供たちだけでプレイ。この手のゲームの特徴として、得意不得意はかなり出る。同じ人が連続して作ると場が白けてしまうので、できた人は1回お休みというルールにしてみた。結局その人が戻ってくるとまた取れるのだが、あまり得意でない人にもチャンスが回ってくるのでいいみたいだ。

大人だけでプレイするときは、そんな手加減はしない。でもめいめいがごつい手に小さいリングをはめ込んでいる姿は何だか笑えるものである。tomokさんがコツをつかんだようで、目にも止まらぬ早技で1位。

1位になった人を見ていると、器用さよりも集中力が勝敗を分けるようだ。私は焦ったり、気後れしたりしてなかなかカードが取れなかったが、カードを取れたときは無我の境地になっているような気がした。

RinglDing
H.シャフィール/アミーゴ(2011年)
2〜6人用/4歳以上/10分
ゲームショップ検索:ハリガリ・リング

ピクショナリーマン(Electronic Pictionary Man)

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3Dお絵描きゲーム

お絵描きゲームの名作として名高い『ピクショナリー』シリーズが3Dになった。プラスチック製の人形に直接絵を描いて、その人形を動かし、お題を当ててもらう。人形のほかに丸と四角のコマが入っていて、これにも絵を描いて一緒に使ってよい。見ているだけで楽しいゲームである。

ピクショナリーマン

さてこのお題は何だろうか。正解は「続きを読む」からどうぞ。

もうひとつ、このゲームのセールスポイントは「エレクトロニック」。人形の足の裏にスイッチと液晶盤がついており、ここにお題が表示される。ボタンを1回押すとカテゴリー(人物、タイトル、アクション、職業、その他)が出て、もう1回押すとお題が表示されると共に、タイマーのカウントダウンが始まる。全自動。これはすごい。

何ラウンドかに1度、チャレンジがある。カテゴリーと時間が発表され、その中でいくつお題を当てられるかビッドする。ビッドの一番多いチームがチャレンジして、ビッドした数だけ当てられれば得点2倍というチャンスだ。これも、ビッド数だけ小さいボタンを押して設定できるようになっている。

アメリカのゲームなので、TV番組名や有名人が全く分からないことがあるが、分からないときにもいろいろ組み合わせて遊ぶことができた。15点先取でtomok画伯と私のチームが勝利。くさのまさんは映画、tomokさんは洋楽というようにそれぞれ得意とするジャンルがあっても、伝わるかどうかは相手次第。分かるか分からないかぎりぎりのラインで通じたときは嬉しい。

お題は2000以上内蔵されており、1ゲーム中に同じお題が出る可能性はほとんどない。

Electronic Pictionary Man
T.ケニー/マテル(2008年)
2チーム/14歳以上
国内未発売
Amazon.com: Electronic Pictionary Man Game

ぽんこつペイント(Ponkotsu Paint)

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クリエイティブなお絵描きゲーム

ゲームマーケット大阪まで半月を切り、新作の国産・同人ゲーム情報が出てきた。ゲームマーケットでは毎回、たくさんの国産・同人ゲームが販売されており、その多くが小部数の限定販売のため、これを目当てに参加する人も少なくない。

『ぽんこつペイント』は、昨年春のゲームマーケットで販売されたお絵描きゲームだ。人気投票では票数こそ少なかったものの、高い評価を得ている。私の周囲では、近年稀に見る傑作として頻繁に遊ばれている。一般発売してほしいくらいだ。お絵描きゲームの多くは、画力や絵心が勝敗につながらないよう工夫されているが、このゲームは特に、画力よりも工夫がものをいう。

親以外が同梱されているお題を見て、砂時計が落ちるまでに絵を描く。そのときのシンプルにしてクレバーなルールが、直線と円(楕円は不可)しか描いてはいけないというもの。丸みを帯びたものほど描くのが難しく、意欲がわいてくる。

描き終わったら、画数を数えて、少ない人から親に見せる。当ててもらえたら+2点、外れたら親ともども−1点で次の人(ローカルルール)。画数をできるだけ抑えて、直感的に分かってもらえるぎりぎりのラインを探らなければならない。

写真の絵は何か分かるだろうか。結局このお題は最後まで親が当てられなかった(答えは「続きを見る」からどうぞ)。

昨年の夏、かゆかゆさんが描いていたのを思い出し、ボードのフレームを使って構図を工夫してみたところ、少ない画数で当ててもらえて1位。フレームはそれ自体で0画の長方形。これを利用しない手はない。

構図の工夫、無駄なものをどこまで削れるかという見極め、直線と円の組み合わせ方など、豊かな発想力が求められるクリエイティブなゲームである。ほかの人の絵でも、見事に描き表されていると拍手を送りたくなる(だからといって、親が当てられるとは限らないが)。

Ponkotsu Paint
ちかすず(近場の鈴木さん)作/ぽんこつファーム(2011年)
4人〜/10〜30分
作者のホームページ

フォルミカ(Formica)

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捕まえられるか五分五分

磁石を使ったボードゲームは多い。くっつくという性質を利用したもの(『ベッポ』『カヤナック』『オバケだぞ〜』)が多いが、反発する性質を使ったもの(『おしゃれパーティー』)も少しある。このゲームでも、くっつくか反発するかは、合わせてみてのお楽しみである。

このゲームのオリジナルはイギリスで1987年に発売された『アンティシペーション(Anticipation)』。やがてデンマーク、ドイツ、オーストリア、ノルウェー、ハンガリーで発売。90年にデンマークのゲーム賞を受賞、91年にはドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされている。ドイツ語版を扱った日独の共同会社バンダイ・フキはこのゲームの発売から5年間ほどしか存在しなかったが、その間に『さまよえるオランダ人(Der Fliegende Holländer)』など10タイトルほどをリリースした。

アリの一族が、ほかのアリを捕まえて巣に連れ帰り、7匹集めて女王アリを作るゲーム。サイコロを2つ振ってアリを移動し、同じマスに止まったアリの上に重ねてくっつけば連れ帰れる。

アリのコマには磁石が内蔵されているが、どちらの極が上かはくっつけてみないと分からない。反発すると、逆にそのアリに捕まってしまう(裏返しにして、下にくっつける)。ほかのアリを巣まで連れ帰る(ちょうどのマスで止まる)と、裏の模様を見て、女王アリのマスに並べる。

女王アリは7種類のアリのコマでできあがり、その7種類を最初に全部集めた人が勝ち。先行して何匹か集めている人は、集めるべき残りの種類が限られ、上がりにくくなる。一方、後れをとっても一度に集められるので逆転可能だ。

連れ帰った自分のアリは再利用でき、いらない絵柄のほかのアリは中央の牢屋に入れる。中央の牢屋にたまったアリは、そこまで行けば一度にまた連れ帰ることができるのだ。

重なっているアリでも、くっつきさえすればたった1匹で捕まえられる。一度にたくさん連れ帰れば、後れても逆転できるだろう。こうしてみんなが狙うアリのタワーはどんどん高くなる。「返り討ちにしてくれるわ!」誰が最後に連れ帰れるかで盛り上がった。

ゾロ目が出ると、バリケードを置くことができる。これでタワーになっているアリを封鎖し、その間に自分の巣から刺客を送るという方法もある。バリケードを解除して、見事逃げ帰るまでドキドキしっぱなし。

序盤は1〜2匹で安全に連れ帰る展開。だが中盤になると、アリのタワーがどんどん高くなっていく。1つ目のタワーは、全く取れていなかった私が獲得してみんなに追いつく。そのまま2つ目のタワーも取って一気に逆転といきたかったところだが、遠くから取りに来た鴉さんが執念で持ち帰り優勝。最後のアリのタワーは見ていて圧巻だった。

Formica
M.ローリガン、S.レイ/バンダイ・フキ(1987年)
2〜4人用、8歳以上、60分
絶版・入手難

ハワイ(Hawaii)

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ハワイ人は食わねど高楊枝

ハワイと日本の結びつきは観光にとどまらない。明治時代からハワイへの移住が始まり、日系人は14%ほどにもなる。日本の寺院や神社もあり、仏教徒も少なくない。また高見山、曙、小錦、武蔵丸などのハワイ出身力士は日本中を湧かせてきた。

ハワイ州にはハワイ島のほかに、100以上の島がある。このゲームでは各自自分の島をもち、果物を栽培したり神殿を建てたりして、豊かな村を築く。南国の明るい雰囲気とは裏腹に、常に計算してめいっぱいはたらかなくてはならないシビアなゲームだ。

メーカーはドイツのハンス・イム・グリュック社。ファミリーゲームに流れるドイツゲームメーカーの中で、頑なにフリーク向けの作品を作り続けている。ブタに乗ったハンスのロゴの信頼は厚い。そのハンス社が、世界中の愛好者が集うエッセン国際ゲーム祭に合わせて用意した作品。スカウトアクションでは5位に入った。デザイナーのデーグルはアメリカ人で、これが初の作品。新人デザイナーを発掘してくるのも、ハンスの得意技だ。

毎ラウンド、足コマを使って中央の島を移動し、貝コマを使ってタイルを購入して、自分の島に並べていく。遠い場所ほど足が多く必要で、後から買うほどは高い。足コマも貝コマも限られた中で、効率のよい発展を目指すには、買う順序を考えて先手を取る必要がある。移動できる足はあるのに貝がないとか、購入できる貝はあるのにもう移動できないのはしょっちゅう。

タイルは、特殊能力になるものと得点になるものに分けられる。遠くに行くにも足コマ1つでいける神殿や、足コマにも貝コマにも使えるフルーツコマがもらえる果樹園、遠方の島に行ってボーナスを手に入れられる船などは序盤に買いたいところ。一方、もっているタイルによってボーナスが入る建物や、得点化できる島の領域を広げるお面などは徐々に手に入れておきたい。額面の倍払えば、裏返して強力なタイルにすることもできる。

もうやれることがないと思ったら、ホームへ。先に戻れば次のラウンドの手番が先になったり、追加の買い物ポイントをもらえたりする。

さて全員がホームに戻ったところでラウンドボーナス。規定以上の買い物ポイントを集めた人だけが、買い物ポイント順にもらえる。この点数が非常に大きいので、決して逃したくないところ……だが。

買い物ポイントを集めるのに必要な足コマと貝コマは、ラウンドの最初に補充される。これが、ラウンドごとにどんどん減らされるのだ。しかし、ラウンドボーナスを得るために必要な買い物ポイントは逆にどんどん上がっていく。金はないのに、たくさん買わないと得点できないって、何このマゾゲー。

もちろん、フルーツコマや、買い物ポイントの規定を下げるタイルなど、この対策も用意されている。しかしそれもお金を払って買い続けないといけないわけで、実に厳しい。毎ラウンド終盤になると、「あと○ポイントでクリアできるから、あっちでこれを買って、先にホームに帰ればOKだな。いや、でもこれを買われたらどうしよう……」とソロバンを弾かなくてはならない。最後は点数の多い人が勝ち。

初手で移動が楽になるタイルを取ったのが奏功して、節約した足コマで航海につぎ込むことができた。果樹園を一切取らなかったため貝コマのほうは足りず、終盤は本当に苦しかったが、強力なタイルで大量得点して何とか逃げ切った。果物を集めに行ったstさんは終盤追い上げたが及ばず、神尾さんは航海に力を入れすぎてラウンドボーナスを2回も落としてしまった。

緻密な計算の必要があるアクションに頭から湯気が出そうだが、その分終わった後の充実感がものすごい。これぞハンスの実力なのだと感じた。

Hawaii
G.デーグル作/ハンス・イム・グリュック(2011年)
2〜5人用/10歳以上/75分
メビウスゲームズ:ハワイ

バンコクの運河(Bangkok Klongs)

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おとなりさん、サワディーカー

去年大規模な洪水に巻き込まれたバンコクは海抜2mくらいしかなく、市内を流れるチャオプラヤー川や運河の水運も盛んである。周辺には水上マーケットがあり、観光スポットにもなっている。船がお店になっており、おみやげから軽食までさまざまな買い物が楽しめる。

ボートがひしめきあい、賑やかに商売する様子が、このゲームでも伝わってくる。ボートがほとんど移動できない中で、自分の船をいい場所に配置して高得点を狙う。

バンコクの運河

新鋭のドイツメーカーdlpゲームズが発売したこの作品は、ベルギーのジョーカー賞を受賞している。『アグリコラ』のK.フレンツが手がけたイラストが美しく、またゲーム内容も船の位置取りと、得点計算のタイミングをじっくり考えさせられる。

自分の番には、手持ちの4枚の船から1枚をボード上に配置し、その船に自分の商人コマを置く。船はすでに置かれている船に接して置かなければならないが、桟橋で囲まれた1区画には3つしか置くことができない。来る得点計算で、自分が高得点できるパターンを多く用意しておくのだ。

ときどきパラソルのついた船があり、これを置くとボード端のパラソルが進む。パラソルがいくつか進むごとに得点計算。パラソルを進めた人は得点がもらえるが、だからといってむやみにパラソルを進めると自分の体勢が整う前に得点計算に突入してしまう。どこでパラソルの船を出すかも考えどころだ。

得点計算はゲーム中に3回しかない。順番に4つの船が固まっているところを指定し、そこにある船のバスケットの数×自分の商人コマの数で得点。このとき4つの船にほかの人の船が混じっていると、その人にも得点が入るところが面白い。共存共栄、Win-Winの関係をいろいろなところに作っておけば便乗できるだろう。

得点計算が終わったところからは、自分の船を1つ取り除いて手元に置く。船を1つ取り除くことで、そのとなりの4つ1組が崩れれば得点計算ができなくなる。取り除いて得点計算を阻止したほうがいいのか、残して別の得点計算に絡んだほうが得なのか、よく考えたい。また、手元に置いた船は、積んである商品によってゲーム終了時にボーナスが入る。

そのようなわけで得点計算の順序が勝敗を分ける。先手が有利なのはいうまでもない。2回目までの得点計算は、パラソルを進めた人が先だが、最後の得点計算は得点の低い人が先。トップで最終決算を迎えると、確実に叩かれる……いや、叩かれました。

2回の得点計算で2位以下に20点以上の差をつけてトップ。逃げ切れるかと思ったが、それまでに自分の商人コマを戻しすぎたこともあって最終決算は0点。船のボーナスも振るわず、一気に3位に下がってしまった。最後にぶっちぎりで優勝したのは、あちこちに一見無駄そうな商人コマをばらまいていたtomokさん。

直接攻撃色が強くトップを追い落とすゲームだが、「得点計算をさせない」というかたちの攻撃なのですさまない。それよりもどこに船を置けばより安全に、より高得点ができるかというパズル思考のウェイトが高い。じっくり考えて、混み混みの船の中に最良の一手が見つかったときのうれしさ。水上マーケットでお宝をゲットしたらこんな気分なのだろうか。

Bangkok Klongs
M.シュレーゲル/dlpゲームズ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/60分
ボードゲームフリーク:バンコクの運河

バズル(Buzzle)

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単語をビジュアルにイメージ

今でこそほとんどないものの、過去のドイツ年間ゲーム大賞には、ワードゲームがノミネートされることがあった(『クイビックス(1981)』『ヤーゴ(1985)』『ワードウィッツ(1996)』)。このワードゲームも『カタンの開拓者たち』が大賞を射止めた1995年にノミネートされ、ドイツゲーム賞では7位に選ばれている。

一般にアルファベットのワードゲームを日本人が遊ぶのは困難が伴う。学生時代、仲間で『スクラブル』を遊んだことがあるが、DO→DOES→DOESNTとか中学生レベルのゲームにがっかりした覚えがある。しかし中には、ボキャブラリーがそれほど豊富でなくても遊べるものがある。このゲームも、5文字の単語さえ浮かべば遊ぶことができる。

バズル

最初に各自、5文字の単語を考えてメモしておく。これを当てて得点するのが『バズル』の目標だ。アルファベットの一文字一文字が、4種類のパーツを組み合わせて作るパズルになっている。

自分の番には、ほかの誰かの何文字目でもいいのでパーツを置く。そのパーツを使うならイエスで1点。さらにパーツを置くことができる。パーツを使わなければノーで手番終了。使わないと言われたパーツはその文字の手前において、次のヒントになる。

Aは長い棒2本と短い棒1本。Bは長い棒1本と小さいU字2本というように、組み合わせが決まっている。「長い棒2本置いたらA、H、M、N、V、Wのいずれか」というように絞り込んで予想する。一文字だけでなく、「ここが子音なら次は母音しかないはず」とか「この文字で終わる英語はなさそう」という推理も必要だ。

相手の単語が分かったら、いつでもチャレンジできる。当たれば、あと何画でその単語が出来上がるか数えて、その数だけ得点。外れれば失点。

5文字の単語を考えるのはさほど難しくないが、当てるのは予想外に難しい。分かったときにはあと1画か2画だけということがほとんどだった。推理以上に、直感が求められるようだ。写真の答えは左側(私)がWHITE、妻(右)がSWEET。私の勘が悪すぎて、タイルの置き方がほとんど当てずっぽう。妻も最初は悩んでいたが、先にコツをつかんだ。タイルを正しく置けるようになって勝利。今回も英語力のなさを痛感したが、少しは鍛えられたかな。

Buzzle
B.エバリー、J.キットレッジ、P.オロツカ/フランニョス出版(1994年)
2〜4人用/10歳以上/30分
国内未発売

パックス(PAX)

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敵に塩を送るな

紀元前1世紀、剣闘士スパルタクスは奴隷の反乱を起こし、共和制ローマを脅かした。これが「スパルタクスの反乱」である。2年間にわたる戦乱の末、反乱軍は鎮圧され、三頭政治によって平和が訪れた。

このカードゲームでは、その反乱軍となってローマと戦うゲームである。全員ローマ軍に鎮圧されてしまうか、ローマ軍を打ち破って一番の手柄を立てるか。敵はほかのプレイヤーだけではない。

パックス

影響力を競うカードは富、艦隊、軍隊、宗教、元老院、土地、陰謀の7分野。まず自分の番にはカードを3回引き、そのうち1回を手札に、1回を市場に、1回を山札に戻す。順番は自由。もっといいカードが来るかなと思って手札に入れないと、それ以上いいカードが来なくてガッカリとか。市場に出したカードも後で入手できるが、お金がかかる。

次に手札から自分の前にカードを出す。各種類1枚目は無料、2枚目は1金、3枚目は2金……と影響力をマスにつれて出しづらくなっていく。収入は毎回少ししか入らないので、市場で買い物などしているとすぐ何も出せなくなる。

自分の前に出したカードは、それぞれ効果をもたらしてくれる。「宗教」はカードを多く引くことができ、「元老院」は収入を増やし、「富」は市場から買うコストを減らす。「土地」か「陰謀」がないと「艦隊」「軍隊」を出せないという縛りある。「陰謀」はこのほかに、最後にローマが勝ったときに反乱軍の裏切り者として勝利するチャンスをもたらす。

ラウンドの最後に、市場の中から何枚かがローマ軍にいく。市場のカードを買わないとローマ軍を強化してしまうし、買えばお金がなくなってしまうしで苦しい。ローマ軍はこのほかに、はじめから裏向きにもっているカードもあって、強さは計り知れない。山札がなくなったらゲーム終了。いよいよローマ軍の全貌が明らかになる。

7つの分野で半分以上、ローマ軍を上回るプレイヤーがいなかった場合、ローマ軍の勝利(=「陰謀」でトップのプレイヤーの勝利)。誰か1人でも上回っていれば、自分の前に出しているカードや所持金で得点を競う。

「宗教」などの特殊効果を先に攻める私とkarokuさんに対し、ふうかさんは序盤から戦力を強化する作戦。資金的に苦しい中でも、無理をして攻める。「土地」の多くがはじめからローマ軍がもっていて、入手難になっていることに気づいたらしい。それに気づかず後回しにしたら、ほしいときに出てこなくて軍隊も艦隊も増やせなくなってしまった。結局反乱軍が勝ち、多くの分野でローマ軍を上回ったふうかさんの勝ち。

「ローマの艦隊が強くなりすぎてるけど、誰か勝てる?」「オレはもう無理、頼む」「こっちも無理そう」「じゃあ頑張るよ」みたいな協力があって苦しくも楽しかった。反乱軍が勝ちそうだと分かるとすぐ、反目が始まるのだが。

PAX
B.アイゼンシュタイン/アイロンゲームズ(2011年)
1〜4人用/10歳以上/30分
テンデイズゲームズ:パックス

ビッグアイデア(The Big Idea)

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日常から大発明

「新しいアイデアは、既存の組み合わせでしかない(J.W.ヤング)」という。組み合わせられるものは、全く関係なければ意味不明だし、近すぎればありきたりとなる。絶妙なアイデアとはどんな組み合わせなのか、このゲームが教えてくれる。

『ビッグ・アイデア』は、それこそアイデア勝負でコンポーネントにお金をかけないメーカー、チーパス社(アメリカ)が2000年に発売したカードゲームである。今年、ファンフォージ社(フランス)がこれを豪華にリメイクし、アークライトが日本語版を発売した。ルールはフランスのメーカーらしく、徹底的にシンプルにしてパーティーゲーム用に仕立てたが、面白いと思ったアイデアに投資できるオリジナルのルールも、『ゲームリンク』11号に掲載されている。

「禅+クリップ」など、形容詞カード3枚と、名詞カード3枚が配られ、これを何枚でも自由に組み合わせて新製品を作る。そして順番に、自分が組み合わせた新製品をプレゼン。「このクリップは、坐禅のときにまぶたや耳にはさんで使います。最初は痛いですが、だんだん気持ちよくなってきます」

全員のプレゼンが終わった後、秘密投票を行う。いいね!と思ったものにメダル、残りはダミーの投票カードを置く。オープンして、得票数の最も少ない人が「挫折ポイント」。規定ラウンド行って、挫折ポイントの最も少ない人が勝つ。

最多投票を目指すのではなく、1票でももらえればまず安全なわけだが、だからといって無難な感じのアイデアを出せば誰からも投票してもらえない。最多投票を目指すのと同じようにインパクトのあるアイデアを考えなければならない。

tomokさんの「エキゾチック・エロティック・パラダイス」で大笑い。「何それ、行ってみて〜!」私は「フローズン+氷」がヒットした。「この氷はたいへん冷たく、ぬるいジュースなどに入れるととても美味しくなります」「ただの氷やんけ!」

プレゼンの話術が勝負かと思ったが、組み合わせの段階でもう勝敗がつくようなこともある。最少の2枚だけでインパクトのある商品を作るか、何枚も組み合わせてストーリーリッチな商品を作るかといったセンスも問われて脳が刺激される。

The Big Idea
J.アーネスト/チーパスゲームズ(2000年)―ファンフォージ+アークライト(2011年)
3〜6人用/8歳以上/25分
ビッグアイデア

ハンティングフィーバー(Jagdfieber)

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狩りの食物連鎖

エッセン国際ゲーム祭で、面白いブースがあった。各種カードスリーブを扱うスワンパナシア(台湾)と、ドイツのメーカーが連結して出展していたのである。ゲームマーケットでも見かける、あの白鳥の帽子のとなりで展示されていたのがこのカードゲームだった。ドイツゲームらしい、地味ながら美しいイラストのパッケージに、テキストのないカード。近年のエッセンで、こういったゲームはあまり見かけなくなった。

スワンパナシア社はこの会社の輸入代理店である。今秋のゲームマーケットでこのゲームの英語・広東語版を販売しており、くさのまさんが買ってきたという。

スマイリング・モンスターゲームズは2010年、ドイツのアーヘンで3人のボードゲーム愛好者が立ち上げた。初心者向けに独創的でありきたりでないゲームを作ることを目標としている。このカードゲームのテーマは狩り。ハンターはオオカミを狩り、オオカミはウサギを狩り、ウサギはニンジンを狩る中で、いかに狩られないようにして狩るかを競う。

ハンティングフィーバー

全員の手札は同じで、1枚ずつ出して一斉に公開する。ハンター、オオカミ、ウサギの順にチェックして、ハンターに狩られなかったオオカミがウサギを取り、オオカミに食べられなかったウサギがニンジンを食べ、ウサギに食べられなかったニンジンは自分で収穫できるという仕組み。

ハンターのオオカミを狩る前に、誰かが禁猟日カード(ハートのマーク)を出していたら、ハンターを出した人は貴重なハンターを失うだけでなく、ペナルティーで失点になってしまう。ペナルティーがあったら、禁猟日カードを出した人は得点。このため、いきなりハンターを出すのは危険である。

禁猟日カードがなければハンターは時計回りに一番近いオオカミを狩って得点にする。ハンターがいないか、狩られずに生き残ったオオカミはウサギを狩って得点に。同様に、オオカミがいないか、狩られずに生き残ったウサギはニンジンを得点にする。食物連鎖のようだ。

オオカミを狩ったハンターは手札に戻ってまた狩りに出られるが、ウサギを食べたオオカミと、ニンジンを食べたウサギは1ラウンドの間、満腹となって場に残る(その後で自分の得点になる)。次のラウンドには確実に狙われるだろう。これが次のラウンドに出すカードの手がかりとなる。

獲物がなかったオオカミやウサギも手札に戻る。このため狩りができないと手札が減らない。誰かの手札がなくなると1日の終了で、手札は全て失点。だからどんどん狩りを成功させないといけない。

最初は何を出したらよいか分からず様子見だったが、狩りに成功したオオカミやウサギが場に残ると、狙い目が分かってきた。ニンジンがたくさん出された次のラウンドは、ウサギを出す人が多いだろうから、オオカミでいこうかなとか、いや誰かがオオカミを出すんならハンターかなとか、読み合いが楽しい。裏の裏をかいて自滅する人が続出する中、確実に狩りを成功させたtomokさんの1位。

Jagdfieber
S.ツラティンティス/スマイリングモンスターゲームズ(2011年)
3〜5人用/8歳以上/30分
Smiling Monster Games:Jagdfieber

箱の中へ(Ab in die Tonne)

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箱の中へゴミはみ出さないように

いろいろな形のゴミタイルをゴミ箱の上から落として、はみ出さないようにするオランダのゲーム。『バティーク』に似ているが、1人1人ボードが異なり、5人まで遊べるのが特徴。またタイルのかたちがバリエーションに富んでおり、はみ出したら負けではなく、はみ出した程度による失点をできるだけ少なくすることを目指す。

全員がもっているゴミ15個の内容は同じ。つぶれたサッカーボールとか、細長いスタンドとか、どのゴミもエキセントリックな形状をしている。

スタートプレイヤーが1つゴミを指定し、全員同じゴミを投入する。ゴミは線の上からストン。狙って落としても、途中で回転したり、位置がずれたりすることもある。次の人が次のゴミを指定して、また全員同じゴミを投入、というように全員同じ順番でゴミ箱に入れる。とがっているところを噛みあわせて、かさを上げないようにしたい。

ゴミ箱には目盛がついていて、15個落とした後にどこまではみ出しているかを見る。はみ出した分だけ失点。これが第1ラウンドである。

第2ラウンドは、ゴミ箱についているチューインガムを隠すようにゴミを落とす。最後に隠れていないチューインガム1個につき−2点。第3ラウンドは一転して、チューインガムが見えるように落とし、隠れていなければ1個につき2点になる。チューインガムにばかり集中していると、かさが上がってしまってテトリスのゲームオーバー状態のようになりかねない。

第1、第2ラウンドは拮抗していたが、第3ラウンドでチューインガムを避けてうまく入れられた私が勝利。うまく詰められなかったものの、5歳の長男も一緒に遊べた。ゴミを1つ入れるたびに「あー変なとこに引っかかった!」「よし、カンチャンずっぽり」など歓声が上がる。チューインガムのルールでは、ゴミを入れる順番や角度など、意外に考えることがあって唸らされた。

Ab in die Tonne
C.v.モーセル/クワリ(2011年)
2〜5人用/5歳以上/20分
ゲームストアバネスト:箱の中へ
ふうかのボードゲーム日記:箱の中へ

パンティーレイダー(Panty Raider)

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準備万端、レディーゴー!

パンティーレイダー

以前、当サイトで「ボードゲームのタブー破り」というエントリーを書いたとき、こんなゲームもあるよと教えてもらったのがこの作品。一般には販売しておらず、アメリカの版元から個人輸入するしかない。

女子寮に忍び込んで下着を盗んでくるという、変態カードゲームである。最初に5枚、男子寮に持ち帰った人が勝者となる。しかし相手はそう簡単に盗ませてくれない。

フェイズ1は装備。双眼鏡やつけひげ、トレンチコートやニンジャスーツを自分の前に出して攻撃力を上げる。また師匠を雇って特殊能力を身につけることもできる。師匠は「アベレージ・ジョー」「ナイスガイ」「スカートチェイサー」などダメな感じの大人たち。でもこのゲームでは欠かせない、頼もしい先生だ。

フェイズ2は女子寮。アイテムカードを補充するか、潜入を決行するか、手番プレイヤーが決める。潜入する場合、単独か相棒と組むか選ぶ。ここで強いアイテムを装備していれば、指名してもらいやすいだろう。そしていよいよカードをめくって女の子の登場。いよいよ泥棒が始まる。

ここで全員、いたずらカードを出してアイテムを追加したり、ハプニングを起こしたりできる。自分が潜入していなければ、女の子の守備力を上げたり、人気者を入れ替えたりして邪魔してもよい。そしてダイスロール。

泥棒の成否は、プレイヤーの攻撃力(アイテム含む)+ダイスと、女の子の守備力やハプニングカードの比較で決まる。この後でリロールできるカードもあるが、最終的に攻撃力が勝れば泥棒は成功。手に入れた下着は、単独なら独り占め、相棒がいれば山分けする。

フェイズ3は男子寮。今回潜入しなかった人はカードを補充し、盗んだ下着を裏返して確保する。下着には3種類あり、ビキニを確保すれば1枚、Tバックなら2枚追加で補充できるが、トランクスは補充できない。また確保した下着は経験値となって、攻撃力が上がる。確保していないと、ほかの人にトレードされることがあるので気をつけたい。

手番プレイヤーを交替してフェイズ1から。フェイズ3で、最初に5枚の下着を確保した人が勝者となる。

序盤に調子よく集めて最初にリーチしたのは私だったが、カードをろくに補充しなかった上に、ダイスの目がとことんダメでことごとく失敗に終わってしまう。急いては事を仕損じる、である。

ゲヘヘそのうち周りもどんどんリーチしてくると、激しい妨害合戦が繰り広げられたが、潜入をしばらく我慢して大量のカードを溜め込んだ鴉さんが勝利。鴉さんの師匠は「アベレージ・ジョー」。ダイスが1,2,6だった場合振り直せるという特殊能力で、結構強い。

テーマが良かったのかひどかったのか分からないが、競争しつつ変な連帯感が生まれて、非常に白熱したゲームが楽しめた。

Panty Raider
S.グリーンフィールド/マインドスーン(2010年)
2〜6人用/13歳以上/45分
mindsoon game design:Panty Raider

ハムスター大相撲(Sumo Ham Slam)

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ハッケヨイ、のこった、のこった!

まんまるのハムスター力士を育てて横綱を目指すアクションゲーム。磁石を使った意外性のある動きと育成の要素があって、見たまんまのゲームではない。

自分の番にはダイスを振って、「ちゃんこ」「稽古」「取組」を選ぶ。「ちゃんこ」だったら、自分のハムスターの口におもりとなるペレットをポトン。重くなれば安定性が増し、それだけ強くなる。「稽古」は土俵上に敵のハムスターを立たせ、どすこーい!と押して倒せればペレットを食べられる。上手に倒すだけでなく、ここでハムスターの操作方法をマスターしておきたい。

そして「取組」が正念場。大関(ディフェンディング・チャンピオン。自分が大関なら任意の力士)を相手に2本先取の相撲をとる。両力士を盤上において、下から磁石のついた棒で操る仕組み。重い力士は起き上がりこぼしの要領でなかなか倒れない。だから強い。

取組で通算5回勝つと勝利。重ければ勝つというわけでないのが相撲の醍醐味。あまりちゃんこを食べていなかったくさのまさんが、引き落としなどの高度な技を繰り出して勝利。このゲームの奥の深さを知る。でも練習しすぎたら、相手をしてくれる人がいなくなって、世界を目指すしかなくなるかな。

Sumo Ham Slam
M.J.ルッター/ゲームライト(2010年)
2〜4人用/8歳以上/15分
ショップ検索:ハムスター大相撲

ピクトマニア(Pictomania)

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紛らわしいお題を描き分ける

リストの中から指定された絵を書いて、ほかの人に当ててもらうお絵描きゲーム。『スルー・ザ・エイジ』『ギャラクシートラッカー』のデザイナーが手がけたパーティーゲームである。時間をかけないで伝わる絵を描く画力が求められる。

全員に見えるように6枚のお題カードが並べられる。写真は難易度最高のレベル4。例えばこんなお題。これを描き分けなければならないのだ。
1-与える 2-差し出す 3-取る 4-約束する 5-感謝する 6-誓う 7-尋ねる
1-それ 2-彼女 3-私 4-彼ら 5-君 6-彼 7-我々
1-友達 2-彼氏 3-夫 4-知人 5-ライバル 6-元夫 7-敵

次に、マークと数字カードが1枚ずつ配られ、どのカードの何番を描くか決まる。一斉にお絵描きスタート。同じカードのほかの番号と混同されないよう気をつけて描く。

描き終わった人から、ほかの人の絵を見て、何番のカードを描いたかカードを出して予想する。先に出したほうが、当たったときの得点が高いので、早く描き終わって予想タイムに移りたいところだ。最後に答え合わせをして先に当てた順に得点が入る。

急ぎすぎてほかの人の絵を外し過ぎたり、誰にも当ててもらえないと失点になる。このラウンドに一番多く外れた人(「ブラックシープ」)が、先に終わった人が取れるボーナスタイルをもっていると失点。また当ててもらえなかった分も失点となる。ボーナスタイルは諸刃の剣。

自分と同じ番号・同じマークを取った人がいないのが大きなヒント。消去法でこれを除いて予想できるが、それでも難易度が高いお題は難しい。

レベル1から始めて1つずつ上げていってみた。最初は当てるのも当ててもらうのも調子よかったが、次第に当てるほうが厳しくなってくる。ふうかさんが最後に描いた犬みたいなのが『ネバーエンディング・ストーリー』のファルコンだと分からず痛恨のミス(「ストーリー」が正解で、私は「ポエム」と回答)。それでも私の「スケッチ」(写真)を当ててもらえたのと、序盤の貯金で何とか1位。

答え合わせで外れた人が「それはないよー!」「ああ、そういうことだったのね」などと盛り上がるのが楽しかった。

Pictomania
V.フヴァキル作/チェコゲーム出版+ペガサスシュピーレ、2011年
3〜6人用、9歳以上、25分
ホビージャパン・オンラインショップ:ピクトマニア
ピクトマニア

パニックステーション(Panic Station)

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人知れず寄生するエイリアンの恐怖

パニックステーション

寄生エイリアンが蔓延する宇宙船内で、エイリアンの巣を焼却することを目指す協力ゲーム。エイリアンに寄生された裏切り者が次々と増えていくが、誰が裏切り者なのか分からない恐怖を味わう。

各自、自分のキャラクターとアンドロイドを1体ずつもってスタート。手番には体力に応じたアクションポイントを使って、宇宙船内を探索し、アイテムを手に入れ、湧いてくるエイリアンを倒していく。

探索では、部屋カードを1枚引いて中央の部屋につなげる。新しい部屋にプレイヤーコマを移動したら、部屋の中を調査してアイテムカードを引く。アイテムにはエイリアンを攻撃する銃弾や手榴弾やコンバットナイフ、ダメージを軽減する防弾チョッキ、扉が閉まっているところを通るカードキー、そしてエイリアン殲滅に重要なガソリン缶などがある。

エイリアンは、アイテムカードの山札から「エイリアン警報」が出るか、調査済みの部屋でさらに調査を行うと出現する。4面ダイスを振って方向を決め、隣の部屋に出現。毎ラウンド1回、全てのエイリアンは4面ダイスの方向に移動し、同じ部屋にいるとダメージを食らう。体力がなくなると脱落になるので、協力して倒したいところ。しかし裏切り者の影が忍び寄る……。

アイテムカードの山札の上のほうに1枚だけ、宿主カードが入っており、これを引いた人は裏切り者として、ひそかに人間殲滅を始めることになる。ヒッヒッヒ。

宿主になったプレイヤーは、ひそかに感染を拡大させる。ここで重要なのが、プレイヤーが同じ部屋で出くわしたら、必ずアイテムを交換しなければならないというルール。同時に裏にしてカードを渡すが、このとき宿主は、アイテムに見せかけて「感染カード」を渡せる。相手はガソリン缶を渡せば感染しないが、それ以外のアイテムだと感染してしまう。第2号誕生。

感染してしまったプレイヤーは、さらにアイテム交換で感染を広げていく。最初は1人しかいなかったエイリアン人間が、プレイヤーの半数、そして全員と増えていくのである。この恐怖が疑心暗鬼を生み出す。敵だと思えば、エイリアンだけでなくキャラクターも撃ってよい。しかしそれは味方かもしれない。途中、全員のウィルススキャンが行われるが、そこでは感染者の人数しか分からない。恐怖はどんどん高まっていく。

全員がエイリアンになってしまったら、脱落した人と、最後に感染した人以外の勝利。その前にガソリン缶を3枚集めて、エイリアンの巣で焼却できれば、人間側の勝利となる。人間側の最後の1人になって巣を焼却できればヒーロー。まるで映画みたいな展開である。

ベルギーのデザイナーがオランダのメーカーから出版した作品。エッセン国際ゲーム祭では、100部しか販売されないというニュースが流れ、大行列ができていた(私も並んで買った1人)。初版のルールで遊んでみたが、宿主は1人感染させられれば御の字という状態。その後ルールが2回改訂されていたことを知った(下記)。宿主が非常に不利だったのが解消されているようなので再挑戦したい。

Panic Station
D.オースロー/ホワイトゴブリンゲームズ(2011年)
4〜6人用/10歳以上/40分
国内未発売

東フリースの羊追い(Ostfriesisches Schafe-Schubsen)

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進まなくてもダメ、進みすぎてもダメ

ドイツのボードゲームサイトH@LL9000が、公開10周年を記念してエッセン国際ゲーム祭に出展した作品。500部限定で製作された。現地で買って現地でプレイ。

手札のカードは0〜9の10枚。ここから3枚まで選んで、最大3桁の数字を作り一斉に公開。この数字だけ自分の羊が進むことになる。ボードは一列10マスになっており、たとえば「76」と出したら右に7つ、上に6つ進めばよい。使ったカードは残り3枚になるまで手札に戻ってこない。

時計回りに羊を進めた後、今回一番進まなかった羊はペナルティとして浮き輪を失う。このほか、間違って池に止まったときも(後からきた羊に押し出されることも)浮き輪を失い、手持ちの浮き輪がなくなった羊は脱落してしまう。一方、一番進んだ羊には、後から進む数を調整できるボーナスタイルをプレゼント。

飛ばしすぎてもいけない。コースは2枚のボードからなり、後方のボードは、最後の羊が出ていったときにスライドする。進む先のボードがないと即脱落。ほどほどに、ときには賭けに出て進む必要がある。

ゲームは、残り2匹だけになったときに、より後ろにいるほうが勝ち。突然訪れる終盤に備えて、スピード調整をしておかなくてはならない。今回は、karokuさんが一気にダッシュをかけたときにふうかさんがまさかの牛歩。ボードがスライドせずにkarokuさんは盤外へ。私もそこそこ進んでいたため、ふうかさんが後になって勝利。

karokuさんが盤外に出なければ、ふうかさんが浮き輪を失うという賭けだった。ほどほどに進むのは難しく、ほかの人のカード使用状況を踏まえた読み合いが楽しい。

Ostfriesisches Schafe-Schubsen
F.ガルトナー、H.P.シュトール、U.ヴァインカウフ/H@LL9000
3〜8人用/10歳以上/30〜45分
限定販売品(500部)
羊追い

ポーション作りの練習(Potion-Making: Practice)

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目指せタリスマン

ドラゴンの牙やマンドレークの根っこなどの材料から、ポーションやタリスマンを作るロシアのカードゲーム。多彩な材料をいかにさばけるかがカギとなる。

手札からカードを出し、指示された材料が場札にあればポーションができる。ポーションができなければ、場札に1枚出して1点。ポーションができれば、難易度に応じて得点できる。

このようにしてできたポーションと、ほかのポーションをかけ合わせてさらに上級のポーションを作れれば得点が高い。このとき、自分が前に作ったポーションのほかに、ほかの人のポーションを拝借できる。得点は半分になるが、さらに上を目指すなら早めに作っておきたいところだ。

こうしてできあがる最上級のポーションはタリスマンとエリクシール。ここまで到達するのは容易ではない。

私の手札には最初からタリスマンがあったので、これを作っていく作戦。できあがることはできあがったが、なかなか自前では調達できず、ほかの人のポーションを拝借することが多くて得点が伸びない。その間に簡単なポーションをたくさん作ったくさのまさんが終始リードし、最後に高得点の薬を作って勝利。

材料が多すぎて思うように作れないのがもどかしく、その分できあがったときの喜びが大きい。

Potion-Making: Practice
S.マーチン作、ライトゲームズ(2005年)
2〜6人用、8歳以上、30分
RightGames: Potion-Making
ゲームストアバネスト:調薬の試験

フラワーパワー(Flower Power)

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蜂たちのゲーム理論

フラワーパワー

「囚人のジレンマ」の原理を使って、蜂たちが花を集めつつゴールを目指すボードゲーム。木の箱に木のボード、手作り感いっぱいのイラストにぬくもりがある。

自分の番になったら、ほかのプレイヤーを1人指名。全員が太陽と星の2枚のカードを持っており、どちらかを同時に出す。組み合わせは4通り。星と星なら2マスずつ進めるが、自分が星で相手が太陽なら自分は進めず、相手は3マス。その逆も同様。太陽と太陽ならどちらも1マスずつ進める。お互い星を出せればWin-Winの関係だが、相手が裏切って太陽を出し、進めなくなるかもしれない。

カードの選択と進む数
自分/相手太陽
2/20/3
太陽3/01/1

この「囚人のジレンマ」を利用したゲームに、ランドルフの『ジレンマ(Dilemma)』がある。お互いにどちらを出したらいいか分からなさ過ぎてつかみどころのないゲームだった。しかしこのゲームでは、相手のコマの状況により、何マス進みたいか(進みたくないか)が分かり、それによって星と太陽のどちらを出しそうか読める。ただたくさん進めばいいのではない。

途中には花のマスと蜘蛛のマスがあり、花のマスに止まれば花カードがもらえ、蜘蛛のマスでは奪われる。ゲームの目標は、この花カードを6枚集めることなので、ときにはゆっくり進んで花カードを集めていかなければならない。

さらに、花カードは、蜂の順位予想が当たらないともらえない。各レースの最初に、自分の蜂が何位に入るかを予想し、当たっていればその鉢が集めた花カードを確保できる。たくさん集めても、はずれれば没収。6枚確保して初めて、勝利となる。

このルールによって、「この蜂は、蜘蛛のマスには入りたくないはずだから、ここで星は出さないだろう」「この蜂は、トップを狙っているようだから、星を出してくるかな」などの予想ができる。もちろん、そう見せかけて裏切ることもあり、駆け引きが熱い。

三隅さんと2人で対戦。2〜3人プレイでは、1人2コマずつ担当する。第1、第2レースは花より順位を優先する目論見が当たって快調だったが、次第に読まれるようになって第3、第4レースを落とし負け。「あれを出してくれますよね?」「もちろんですとも」「それならこちらを出しますよ」「えっ、そういうならこっちかな」などと、毎回毎回カードを出す前に腹の探り合いがあって楽しかった。

Flower Power
O.イーゲルハウト/グリュックスリッターシュピーレ(1998)
2〜6人用/10歳以上/45分
絶版・入手難

ヒットorミス(Hit or Miss)

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普通じゃない答えが普通になる不思議

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紙と鉛筆さえあれば遊べる多人数ゲームに『フラッシュ』というのがある。お題から連想する答えを書いて、同じ答えを書いた人の数だけ得点になるというもので、メンバーの趣味や発想を知るのにうってつけである。

これに一捻り加えたのが『ヒットorミス』。自分の書いた答えを披露して採点するとき、ひとりひとりダイスを振って、「ヒット」が出れば言った答えを書いた人数、「ミス」が出れば言った答えを書かなかった人数が得点になる。どの答えを言うかは、ダイスを振ってから選べる。

このルールでは、答えの書き方からして異なる。『フラッシュ』ではみんなが思いつきそうな答えを考えるが、『ヒットorミス』では、ミス用のマイナーな答えを考えておかなくてはならない(もちろん、お題に合致していないとNG)。砂時計が落ちるまでに、両方の答えを書くのはたいへん。

「空にあるもの」では「月」や「星」が多数派になるかに見えたが、宇宙にあるものは含まない派が結構いて意外と得点が伸びなかったり、「忘れやすいもの」では「かさ」や「さいふ」と並んで「理性」なんていう答えが出てきたり。マイナー狙いの発想もまた楽しい。

「これくらい誰でも書いているだろう」と思ったものが誰も書いていなかったり、逆に「これは誰も書いていないだろう」と思ったものがみんな書いていたりと、自分の予想と現実とのギャップが面白い。1位は、ヒットで確実に得点したcarlさん。ミスは割と得点しやすいので、ヒットでどれくらい当てられるかが勝負になるようだ。

Hit or Miss
G.J.ドナー、B.S.スペンス、M.S.スティア/ゲームライト(2006)
3〜8人用/10歳以上/30分
Amazon.com: Hit or Miss Game

フラミンゴの輪投げゲーム(Ring-O Flamingo)

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浮き輪がくるくる回転

浮き輪をとばしてフラミンゴの首にかける輪投げゲーム。落ち着いて狙っても、入りそうで入らない。

専用の発射台に浮き輪をセットし、しならせてとばす仕組み。浮き輪はくるくる回転してとんでいく。フラミンゴの首にかかれば得点、ワニにかかると失点。

全員同時プレイだが、急いで飛ばさなくてもよい。ゆっくり狙いを定めて、角度など考えながら発射したいところだ。ただし、それぞれのフラミンゴの首に最初にかかれば2点。2つ目以降は1点なので、早くかけようとついつい焦ってしまう。これが罠なのである。

とはいえ、じっくり狙っても、わずかな加減で浮き輪はとんでもない方向にとんでいく。ほかの人の発射台までとんでいって邪魔したり。

人数分遊んで合計点を競うことになっているが、毎ラウンド3つもかかれば御の字で、なかなか上達しなかった。世界大会を見てみたいものである。

Ring-O Flamingo
H.シャフィール、Y.カウフマンほか/ゲームライト(2009年)
2〜4人用/6歳以上/10分
プレイスペース広島:フラミンゴの輪投げゲーム
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ホテルサモア(Hotel Samoa)

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客に向かって早く帰れとは何だ

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日本語版の売り上げは、メーカーやデザイナーの知名度に左右されることが多い。その点アークライトが手がける作品は知名度があまり高くないものが多いが、遊んでみるとなるほど目利きが選んでいるなと納得できる。この作品も「一応買った」くらいだったが、シンプルなシステムと奥の深さ、シチュエーションの可笑しさで想像以上に面白かった。

ノルウェー(作者の故郷)、イギリス、ドイツ、日本の4カ国から毎ラウンド、サモア島に観光客がやってくる。また、プール、スウィートルーム、エキストラルームなどの設備が1つだけ用意される。この観光客と、設備を1回の入札で手に入れる。

入札カードは、設備の値付けと観光客の宿泊料が両方書かれており、設備が高くなるほど宿泊料も上がる。一斉に公開して、設備を買えるのは一番高い値を付けた人、観光客を呼べるのは一番安い宿泊料を提示した人。設備投資には金がかかり、観光客では儲からないという苦しさ。

しかも、ホテルには6部屋しかないのに、観光客は宿泊料を前払いして、次にその国の飛行機が来るまで居座り続ける。追い出すには、設備の中に出てくる追い出しタイルを使うか、1ラウンドパスしなければならない。従業員をわざとサボらせて、観光客にお帰りいただくという設定に笑う。

観光客には、2倍の宿泊料を払ってくれるお金持ち、1部屋に2人泊まってくれる恋人、プールがあると追加で払ってくれる水泳客など、いろんなタイプがいる。空き部屋と設備の投資状況を見て、できるだけ安い額で競り落したい。

ほかのホテルを見て競り値をつけるのは重要だ。「あのホテルは満室だから、今回は降りるな」「水泳客が多いから、プールがあるあのホテルは安値を付けてくるかな」相手の入札を読んで、設備を安く手に入れたり、観光客を高く泊めたりできれば愉快だ。満室のホテルが多いと宿泊料が上がるのがよくできていると思う。

ゲーム中に2ラウンド、観光シーズンで観光客が2倍になる。その前に設備を整えて、部屋を空けておくのがポイントだと思ったが、裏をかいて、その直後の満室状況で好き放題の宿泊料をつけるのも手だ。そんな心理戦も楽しい。

ぽちょむきんすたーさんが着実に利益を積み上げて1位。くさのまさんは、最初に高額を付けたエキストラルームが今ひとつ稼働せず元を取れなかった。私はスイートルームの回転を早くしようとする余り、ほかの部屋をないがしろにしてしまった。

設備と観光客のどちらを取るかというジレンマ、観光客が帰って部屋が空くタイミングの先読み、お互いのホテルの状況を見て足元を見た金額を付ける心理戦。「早く帰れー」などとホテルにあるまじきことをつぶやく背徳も手伝って、長く遊びたいゲームである。

Hotel Samoa
K.A.オストビー/ホワイトゴブリン―アークライト(2011年)
3〜6人用/10歳以上/45分
Amazon.co.jp:ホテルサモア 日本語版

ヘイ、ウェイター!(Hey Waiter!)

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並べてから一気にさばく

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自分の前にある料理を効率よく捌き、お客様に運ぶゲーム。料理の上にのせるカバーのコンポーネントはアクションゲームかと思わせるが、中身はパズルチックなゲームだ。

チーム戦で、自分たちの前に積んである料理をすべてさばくことをめざす。手番にはカードを2枚出して、その2枚の組み合わせでアクションが決まる仕組み。緑ならば、全員が指定された料理をさばき、赤はカバーをかけて妨害する。青は積んである料理を分割し、白はバスボーイを使って自分だけ料理をさばける。

青カードで料理の山を分割して、1回の緑カードで一気にさばくのがセオリー。そのとき、相手チームも一緒にさばいてしまわないように、料理の種類を選ばないといけない。一方、相手チームが緑を出したときには相乗りできるよう、相手チームに合わせた料理も出しておくとよい。料理の選択がカギである。

3人の場合は2対1。1人2役になったkarokuさんはなかなかいいカードが来なくて苦戦する中、ふうかさん&私ペアが勝った。

Hey Waiter!
A.ラボ(Anthony Rubbo)/R&Rゲームズ(2010)
2〜4人用/13歳以上/30分
国内未発売

ブロッカーズ(Blockers!)

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もう置くところない!

自分の色のタイルの「島」ができるだけ少なくなるよう、つなげて配置するゲーム。もとは2007年にアメリカのゲームショップ「ファナゲン」が発売した『アップタウン』で、今年になってドイツ語・英語・中国語版が相次いで発売され、ドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに入った。新版ではタイルがずれないようにボードがエンボス加工されている。

順番に各自、自分の色タイルを1枚置く。タイルは数字・アルファベット・模様がついており、対応する行・列・エリアに置かなければならない。ただし1枚だけ「ブロッカーズ」と書かれたタイルがあり、どこに置いてもよい。

ボードは思いのほか狭く、中盤から置くところがどんどんなくなっていく。そこで、空いているマスだけでなく、ほかの人のタイルを除去して置いてもよい。その場合は、相手の「島」(タイルのひと続き)を分断してはいけないというルールがある。除去したタイルはゲームの最後に失点になるが、それによって自分の「島」をつなぐ足がかりになるならば失点を減らせるだろう。

山札がなくなったら1枚ずつ置いて終了。「島」の数と、除去したほかの人のタイルの数の合計が一番少ない人の勝ち。

序盤はある程度固めておけるが、手札はすぐばらばらに。しかもボードはどんどん埋まっていき、除去せざるを得ない状況になる。相当な洗面器ゲーム※で悶絶しまくった。私は少し離して置いた島を後でつなげる作戦だったが、中央の攻防が激しくてつながらずじまい。ぽちょむきんすたーさん(赤)が1つのマークのエリアを囲い込み、有利に進めて1位。同じアブストラクトゲームの『クゥワークル』と続けて遊んだが、こちらのほうが時間が短くてエキサイティングだと評判だった。

※水を入れた洗面器に顔をつけて最初に顔を上げた人が負けというゲームのようなマゾヒスティックな我慢比べのこと。

Blockers!
K.ヒース/アミーゴ(2011年)
2〜5人用/8歳以上/30分
国内未発売

パンテオン(Pantheon)

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捧げ物も建設も手広く

ハンス社の社長が『サンクトペテルブルグ』『ストーンエイジ』に引き続いて発表した作品。これが社長の特権かというぐらい箱が厚くて驚く。コンポーネントもいろんなタイルやらコマやらぎっしり。

ゲーム内容はこちら。捧げ物をして神タイルをゲットし、その特殊能力でゲームを有利に進めていくという成長要素と、神タイルのほかにいくつかある得点方法による戦略の多様性や、民族カードの出現順序による展開の多様性で、本格的なゲーマーズゲームとなっている。

手番にできることは移動(ボードに足や柱コマを置く)、捧げ物をして神タイルを取る、捧げ物タイルのグレードアップやコマの購入、カードを引くの4つのいずれか。捧げ物が足りなかったり、移動力やお金を貯めたりするので、実際はカードを引く場合が多い。しかしのんびり手札を貯めこんでいると、ほかの人が先に神タイルを落としたり、ボードにコマを置いたりして、ラウンドが終わってしまう。どこまで貯めて、どこで行動に出るかがポイントだ。

今回、私は序盤から足を手に入れて、ボード上に真っ先に広げる作戦。柱の建設を最優先してみたが、その分捧げ物がおろそかになり、神タイルがなかなか手に入れられない。tomokさんも柱を狙っていたため、バッティングして移動コストが上がり、柱もあまり建てられなかった。その間に、鴉さんがどんどん神タイルを落としてやりたい邦題。柱を捨てて、神タイルに特化する作戦で、神タイルの特殊能力のコンボも生きる。

しかし最終得点計算、それまでビハインド気味に見えたくさのまさんが、半神タイルをたくさん集めており、さらに神タイルのボーナスなどももっていて逆転。私は最後に入る柱にかけたが、神タイルで手を抜いた分を挽回できなかった。どれかに特化しても勝てず、バランスよく、効率よく得点に結び付けなければならないゲームである。

後半になると、捧げ物タイルをグレードアップしているおかげで神タイルは瞬殺。あっさりラウンドが終わる。そのため終盤の盛り上がりをやや欠いた感があったが(もう終わり?みたいな)、それだけ中盤に、どの方向に重点を置くかという選択でよく考えなければならないようだ。

Pantheon
M.トゥメルホファー(B.ブルンホファー)/ハンス・イム・グリュック(2011年)
2〜4人用/10歳以上/90分
メビウスゲームズから発売予定

ハゲワシは舞い降りた(Unter Geiern)

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鬼のいぬ間に食事

荒野でハゲワシが食事を取り合うドイツのゲーム。食事に時間がかかっていると、ほかのハゲワシもやってきて横取りされてしまうかもしれない。

裏向きに並んだ砂漠カード。この中に食料が隠されている。自分の番になったら、ハゲワシを移動して、そこにある砂漠カードをめくる。ハズレがほとんどだが、中にはエサとなる動物の死骸が発見される。

エサには、一度の食事で手に入る満腹ポイントが書いてあり、そこにとどまることで毎回少しずつ入るようになっている。大きいエサほど食べるのに手番数がかかるようになっている。

エサが見つかると、上昇気流カードをめくったり、満腹ポイントを消費したりしてほかのハゲワシも集まってくる。ハゲワシが到着すると、カードをめくってチキンレースでデュエル。好きなだけカードをめくって9に近いほうが勝つが、10以上はバーストしてしまう。勝ったらエサを横取り! 負けた方はすごすご退散しなければならない。

エサの数は少なく、探すより横取りに行ったほうが効率がよい。でも決闘に勝てるかどうか、まさにサバイバル。私は序盤で美味しいエサを見つけてパクパク。karokuさんが何度も襲ってきたが死守して勝利。そのころふうかさんは、隅っこのほうで小さいエサをしっかり食べていたが及ばなかった。

食べ物の恨みは恐ろしいというが、食べ物をめぐっての決闘がバースト勝負となると本当に燃えるものだ。カードを折ってハゲワシのコマにするのがカッコいい。

Unter Geiern
M.ニーツァー(Michael Nietzer)/ゲームヘッズ(Gameheads)2010年
2〜6人用/10歳以上/30〜45分
ゲームストアバネスト:ハゲワシは舞い降りた
ふうかのボードゲーム日記:ハゲワシは舞い降りた

ファーストフード(Fast Food)

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しまった、かぶった!

すばやくハンバーガーを押して、具を集めるリアクションゲーム。前に取った具と同じ色の具は取っていけないので、記憶力も求められる。tambourine_dcさんが『ペタマックをつくろう!』というタイトルで紹介し、練馬おやこボードゲームの会などで人気を集めている

『ハリガリ』の要領で、手元の山札から1枚ずつめくって、全体で同じ具があったら素早くハンバーガーを押す。「ブヒ」とかハンバーガーにあるまじき音がするのが笑う。最初に押した人がカードをゲット。その下から出てくるカードで連鎖が起こることもあるので油断できない。

手に入れた具は、自分の袋に入れて隠しておく。ここで直前に取った具と、同じ色の具は取ってはいけないというルールがポイント。覚えているはずが、ほかの人に負けじと急ぐあまりつい取ってしまう。脳と脊髄がばらばらに動いている感じだ。

3人プレイ。次に何が出たら取るか先読みして1位。でも人数が増えたらそんなことを考える余裕はなくなり、より反射神経を研ぎ澄ますことになりそうだ。

Fast Food
M.グットマイヤー、M.マスホルダー/ゴライアス(2009年)
2〜6人用/7歳以上/15分
ボードゲーム通販ドットコム:ファーストフード
練馬おやこボードゲームの会:ルールダウンロード

フロスティ(Frosti)

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震えるし急かされるし

ペンギンの手の上に氷が乗っている。ペンギンは寒くてブルブル。崩れないように上に積み直してあげよう。

ジェンガだが、ペンギンの手の下に電動バイブレーターが入っていて、毎回積んだあとにボタンを押して起動しなければならない。ブイーン。この振動で氷がずれて、どんどん不安定になっていく。

この振動ではみ出してくるのは、重心がかかっていないブロックなので、抜くブロックを見極めるのに役立つだろう。でも安心して抜こうとしたら、途中から重心がかかって危なくなることも。

ただ振動するだけではない。時折クワックワッとペンギンが鳴いて急かす。長考反対キャンペーン。恐る恐る氷を抜いているときにいきなり鳴かれるのでビクリ。緊張感が否が応にも高まる。

ふうかさん、karokuさんとプレイ。1ゲーム目はkarokuさんが振動前に崩してしまったので、2ゲーム目。ふうかさんが見事振動で崩した。インパクトがあまりに強かったので後日再プレイ。メンバーが集まってくるまでの間に遊んだ。

国内で販売されてもイケそうだが、どうだろうか。

Frosti
作者不明/ノリスシュピーレ(2010年)
2人以上/5歳以上/5分

ホテルアムステルダム(Hotel Amsterdam)

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昼の街、夜の街

サモアのホテルが流行っているようだが、アムステルダムも忘れてはいけない。昼間は観光地だった周辺が、夜になると歓楽街に一変。しかも酒だけじゃない。麻薬あり、風俗あり。これで対象年齢8歳以上ってませてるなあ、オランダ人は。

毎手番、ダイスでボートを進め、そこから観光客が上陸する。目標は、自分のホテルの周辺に観光客を合計12人以上集めること。市長と夜警を使って、観光客を誘導する。

ダイスの目だけ市長と夜警を移動すると、移動先の店が閉店(裏返し)する。市長は夜の店を、夜警は昼の店を閉じる。そこにいた観光客は「君たちもう帰りなさい」と言われて、しかたなく別の店に移動。靴屋にいた客は靴屋へ、飲み屋にいた客は飲み屋へ。同じ店がいくつかあるときは、客が少ない店に移動する。

こうして次々と新しい客が到着し、閉店で移動していくうちに、あちこちで集団ができてくる。これを自分のホテルにうまく誘導しよう。

ほかの人と共有したお店をうまく利用して客を集めた鴉さんが1位。昼は靴屋だったのが裏返すと風俗店になったりして笑う。しかも風俗店の窓には行為中の男女が……。何ともドラマのあるゲームである。オランダのメーカーの製品として、アムステルダムの観光宣伝に一役買いそうだ。

Hotel Amsterdam
H.van.トル/ザ・ゲームマスター(2009年)
2〜4人用/8歳以上/45分
プレイスペース広島:ホテルアムステルダム(発売予定)

プーティン食堂(Miss Poutine)

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火花散る厨房

ウェイトレスとコックに分かれて、注文と料理をスピード勝負でこなすフランスの多人数ゲーム。『ピット』のような賑やかさに、ルールの新機軸を加えている。

毎ラウンド、ウェイトレスは2名、残りが全員コックになる。ウェイトレスは注文カード、コックさんは料理カードを受け取り、手元に山札にしておく。一斉にカードをめくって同時プレイ。

ウェイトレスは、注文カードに書かれている料理をコックから集める。コックは、ウェイトレスが集めている料理カードを渡す。こうして手早くカードを受け渡しして、誰かが山札をぜんぶなくしたらラウンド終了。スピード勝負なので、1ラウンド30秒くらいしかかからない。

ポイントとしては、コックが差し出してもウェイトレスは受け取らなくてもよいというところ。コックが勝手に注文カードの上に置いてもいけない。余裕があれば、負けている人から受け取りたいところだが、そこまで余裕があるかどうか。

もうひとつのポイントは、ウェイトレス同士、コック同士で残った山札を数え、それぞれ多い人が掃除係となるところ。特に2人しかいないウェイトレスによるサシの勝負は熱い。ウェイトレスを交替して、次のラウンド。3回掃除係になった人の負け。

料理は、ハンバーガーやホットドッグのほかに「プーチンセット」というものがある。これは、カードを裏返してできるポテトフライに、グレービーソースをかけて作るもので、2枚一緒に渡さなければならない。コックは2枚しかカードをめくっておけないので、適宜ポテトフライにしてカードを循環させよう。

前日の小山遠征が響いたのか、くさのまさんの負け。ウェイトレスの注文に合う料理が出てこなかったり、出てきてもずっとカードを受け取ってもらえなかったりして、もどかしい。料理名が飛び交うテーブルはまるでレストランの厨房さながら。賑やかで楽しいゲームである。

Miss Poutine
O.ラモンターニュ/ル・スコーピオン・マスク(2009年)
4〜8人用/8歳以上/15分
ゲームストアバネスト:プーティン食堂(ドイツ語版)

発明の時代(Era of Inventions)

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自分の発明が世界を変える

ベルの電話機(1876)、ベンツの自動車(1886)、ライト兄弟の飛行機(1903)――これらの発明品は世の中をがらりと変えた。タイプライターから飛行機まで、さまざまなものを発明し、みんなに作ってもらって特許料を手に入れるオランダの経営ゲーム。ワーカープレイスメントとデッキ構築を取り入れ、新しい境地を開いている。

手番には自分のマーカーを6つのアクションスペースに置いて、このラウンドのアクションを決める。それぞれのアクションスペースは先着2名までしか置けないというワーカープレイスメントである。さらに同じアクションスペースに置いた2人の間でも早い者勝ちとなっている。全員が置いてから、手番順に1つずつアクションを行うので、どれを優先させるかよく考えなければならない。また、このほかに取っておきの手番で使う追加アクションマーカーの使いどころも重要。

アクションは工場の建設、工場の稼働、資源の購入、開発歯車(発明に必要なインスピレーション?)の入手、発明品の開発、発明品の生産の6つがある。基本的には、工場を作って資源を生産し、その資源で発明品を生産する路線と、開発歯車を集めて発明品をどんどん開発し、その特許で稼ぐ路線がある。

工場は場札から選び、必要な資源を支払うことで建設できる。中にはお金や開発歯車を生産できる工場も。建設に必要な資源の入手はたいへんだが、ひとたび稼働すれば手持ちの工場全部が動くので、なるべくたくさん建てておきたい。

発明品は9つあり、どれを開発してもよい。ただし開発歯車の多いものは発明が難しい上に、資源もたくさん必要で序盤は生産してもらえない。一方、発明が容易なものは利幅も小さく、ゲームが進むと見向きもされなくなる。展開にあわせて皆がほしがる発明を心がけよう。また、開発するだけでなく特許も取っておくとよい。

面白いのは、発明品が開発されると対応する発明品カードが山札に加わるところだ。生産できる発明品は、この山札をシャッフルして出てくる。自分が発明したものが出てきて、誰かに生産してもらうとウハウハの特許収入。生産してもらえなければ捨て札になって後から再利用となる。デッキ構築を用いた発明品の登場が非常に楽しい。

といったわけで生産は手持ちの資源と相談しながら、どれにするかよく考えなければならない。生産すればお金や得点が入るが、同時にその発明品を開発した人に利益が入るからだ。発明品カードの中には「模造品」というのがあって、これならば特許をとっていないと利益が入らない。「オレが発明したのに!」と言いたくなる憎いルール。

規定ラウンドでゲーム終了。ゲーム中の発明や生産で得られる影響点とボーナスを足して一番多い人が勝ち。

序盤には工場で力をつけ、開発歯車を生産して終盤に難しい発明を次々と成功させた鴉さんが1位。私は工場も発明も中途半端で最下位となった。スタートプレイヤーは最初に木材を購入して工場を建設できるので強いのではないかという感想があったが、BGGのフォーラムを見ると、工場をブロックしたり、開発歯車を取って発明を急いだりといった対抗策で、工場が少なくても勝てるという。追加アクションマーカーも戦略を広げるので、もっと遊んでみたい。そう思うのは、戦略云々よりも、発明品を開発して特許で儲けるのが楽しいというのもあるからだけれども。

Era of Inventions
A.ダーメン/クワインドゲームズ(2010年)
3〜5人用/12歳以上/90分
テンデイズゲームズ:発明の時代

ビール侯爵(Fürstenfeld)

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ビルド&スクラップのタイミング

たった6マスの土地で建物を建て替え、いち早く全部宮殿にするドイツのゲーム。日本にもファンの多い鬼才F.フリーゼが昨秋に発売した新作で、アークライトから日本語版が発売されている。内外での新作評価は決して高くないものの、『ドミニオン』にフリーゼ流の解釈を施し、ドイツゲームらしい拡大生産のゲームに仕上げた作品として注目される。

はじめは清水・大麦・ホップ(ビールの原料)がちょっとだけ生産される畑から始める。生産物を売って、そのお金で手札から建物を建てて、その効果で生産や収入を増やす。最終的には宮殿を建てるが、宮殿は『ドミニオン』の勝利点カードのようなもので、値段が高い上にそれ自体ではお金にならない。できることがどんどん増えてウハウハな前半と、逆に少なくなって苦しい後半の対比が面白い。

清水・大麦・ホップは別々に価格が変動し、皆が同じものを出荷すると値下がりしてしまう。一方、最終目標である宮殿は、皆が建てれば建てるほど値上がりして手が届かなくなっていく。また、次のラウンドの手番は収入の少なかった順なので、儲けすぎると後がつらい。さらに、マイデッキがあって捨て札が循環し、順番は変わらないので、ほしいときにほしいものが手札に来るとは限らない。そんなままならなさがフリーゼ好きにはたまらないわけだが、一番のポイントは建物のコンボである。

建設コストを下げる「建築屋」と収入を上げる「銀行」があれば、早いうちに高い建物を作ることができる。手札を余計に引ける「農業試験場」と、手札を破棄してデッキを圧縮する「ゴミ屋」があれば、ほしい宮殿カードがすぐ手に入れられるだろう。ただしコンボも、建物以上に賞味期限があるので、タイミングがよくないと役に立たない。13種類の建物を上手く使いこなせた人が勝利できる。

4人プレイ。私はお金があればどんどん宮殿に急いだが、案の定収入がなくなって立ち往生してしまった。序盤から圧縮を仕掛けた鴉さんがリーチしたが、お金をいっぱい貯めてから宮殿を建て始めたぽちょむきんすたーさんが逆転勝利。

デッキは最初から最後まで固定で、シャッフルもしないので全くデッキ構築ではない。最終目標の宮殿によってできることが減っていくのが『ドミニオン』で手札が勝利点カードだらけになるのと似ているが、ゲーム自体は全くの別物。デッキの中身は皆同じなので、「うわー、それもう建てたんですか。いいな」などとコメントし合えるのがいい。

Fürstenfeld
F.フリーゼ/2Fシュピーレ・アークライトゲームズ(2010年)
2〜5人用/12歳以上/60分

プライバシー激辛(Privacy - Scharf wie Chili)

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抑圧された自分を解放

性的な趣味、隠したい過去、配偶者への本音―公言がはばかられることを聞いて、イエスと答えた人数を予想するコミュニケーションゲームの第3弾。今度は小箱になり、タイトルのとおり質問が過激になっている。旅行先で開放的な気分になったところで遊ぶ用に作られているのだろう。

「右どなりに座っている人の口に今ここでキスしたい」「自分のペニス/ヴァギナに秘密の名前を付けている」「リビングのテーブルの上でセックスしたことがある」「誰かを犯す/犯される妄想をよくする」……こんな問題が出される。手元からイエス/ノーのチップを裏にして出してこっそり回答。誰が何の回答だったか分からないようにする代わり、正直に答えなければならない。

次に手元のカードで、全体で何人がイエスだったかを予想。回答チップを箱の中でよく混ぜてオープンし、予想が正解だった人、1つ違いだった人に得点が与えられる。1人だけイエス、1人だけノーだった場合は、回答者が特定されるのを防ぐため、1つ違いだった人のみ公開して得点する。

問題のほとんどは下ネタか、配偶者・恋人への本音を問うもの。作者のシュタウペは、ずっとこんな問題を考えているのかと思うと相当の変態である。出題はランダムに決まるのがルールだが、参加者に合わせて傾向を変える必要がありそうだ。今回は未婚の男性がほとんどだったので最初から最後まで下ネタ全開。規定ポイントが多くて後半はだれてしまったので、ポイントを少し少なくしてもよいかもしれない。

Privacy - Scharf wie Chili
R.シュタウペ/アミーゴ(2010年)
5〜12人用/16歳以上/60分
国内未発売

プゥー(Prrrt...)

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おならの犯人は誰か?

密室で起こったおなら事件の犯人をつきとめるフランスのパーティゲーム。昨年のエッセンで先行発売があり、今年から正式発売される予定となっている。ハエを押し付ける『モウ(Mow)』の続編で、箱を開けると早速、「プー」と音がする。

はじめに0〜7の悪臭ポイントが書かれたカードが配られる。この合計が一番多い人(同点の場合は、より臭いカードを持っている人)が犯人ということになる。徐々に公開されるほかの人の悪臭カードから、誰が犯人かを探ろう。でももしかしたら、犯人は自分かもしれない。そうだとしたら、最後まで隠し通すか、早々と白状するか。

スタートプレイヤーから順に、となりの人に「何かくせえぞ、お前が犯人だろ?」(セリフは自由)みたいに尋問していく。しらを切るならば、手札から1枚カードを公開して、次の人を尋問。白状するならば、場札の羞恥カードを受け取って失点となる。

1周して皆がしらを切った場合、羞恥カードが追加される。だから明らかに自分の悪臭ポイントが多いようであれば、早々に白状したほうがダメージが少ない。でもそこは人間の尊厳。自分が犯人だとうすうす気づいていても、しらを切ってしまうものだ。

こうして3周、誰も犯人を名乗り出なかったとき、最後の審判が下される。公開されたカードや言動から、犯人だと思う人を一斉に指さす。悪臭カードを公開して、犯人だと確定した人は場札の羞恥カード(シチュエーションによって増減する)+指さされた分の羞恥カードを受け取る。

しらを切っているうちに状況が変わることもある。悪臭カードには特殊効果があって、悪臭カードを交換したり、押し付けたり、捨てたりできる。悪臭ポイントの強いカードほど効果も強力なので、諦めてはいけない。

尋問は隣の人にしかできず、カードの特殊効果で何とかなることも多いので、ブラフゲームという感じでも、推理ゲームという感じでもない。それでも「やばい、俺かな……」とだんだん焦ってきて、手札を公開するにつれ追い込まれてくる感じは、ほかのゲームでは味わえない独特のプレイ感。エレベーター内、ラブホテル内(ばればれだろうけど)など、シチュエーションに合わせて、皆でクサイクサイ言い合うのは妙に盛り上がる。人数多めでワイワイ遊ぶのがよい。

Prrrt...
B.カタラ、L.モーブラン作/ウリカン(2011年)
3〜7人用/8歳以上/15分
ホビージャパンから限定販売終了、一般販売未定

ハバナ(Havannah)

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ブロックしかねる

空いているマスに交互にコマを1個ずつ置いて、円形(リング)・角から角(ブリッジ)・3つの辺(フォーク、写真の赤)のいずれかのかたちに先につなぐアブストラクトゲーム。1981年、1982年の2年にわたってドイツ年間ゲーム大賞の候補作品となった。

ルールはこれだけで、コマの置き方も自由である。つなげて置いていってもいいし、ばらばらに置いて後からつなげてもよい。ルールブックの大半は、戦略や布石の解説に費やされている。

くさのまさんとプレイ。基本的に、先手番有利である。後手は、先手のコネクションをブロックするようにコマを置くので、なかなか自分のコネクションができない。盤面はヘックスで周囲は6マスあり、完全に封じるのは至難の業なのである。いろいろ工夫してみたが結局、3戦とも先手勝利。

戦略や布石は読まないで遊んだが、後手でも通用する目がきっとあるのだろう。きちんと研究しておかないと呆気なく終わってしまう、ある意味奥の深いゲームである。

Havannah
C.フリーリング/ラベンスバーガー(1981年)
2人用/10歳以上/20分
絶版・入手難

ファンフェア(Funfair)

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遊園地ゲームを満喫

エッガートシュピーレ社(ドイツ)の創立15周年を記念して、昨秋に発売された遊園地をテーマにしたミニゲーム集。F.フリーゼなど10人のゲームデザイナーと、F.フォーヴィンケルなど6人のイラストレーターが参加した。制作料と売上の一部が、子供募金団体に寄付されることになっている。

アトラクションは全部で8つあり、このうち1ゲームでは4つを遊ぶ。アトラクションごとの順位でくじ引きポイントを手に入れ、最後にくじ引きをして勝者を決めるという次第だ。アトラクションは、アクションあり、ブラフあり、バーストあり、記憶ありとバラエティに富んでいる。

今回遊んだのはまず、ブラフゲームのフォーチュンテラーから。カードを渡して予言をし、相手は受け取るか拒否する。全員が拒否すれば自分で引き取らなければならない。回っているのは「ノーベル賞」などのプラスポイントか、「ヘルペス」などのマイナスポイントか?

2つ目はクレーンゲーム(いわゆるUFOキャッチャー)。2人1組となり、1人がジョイスティック、もう1人がアームとなる。ジョイスティック役が指示をして、アーム役が目隠しして箱の中から宝石をつかみ出す。砂時計が落ちる前に、高得点の宝石をつかみたい。指示していないのに、アームが暴走したりして笑えた。

3つ目はバイキング。できるだけ端の方に乗って、愉快ポイントを集めるのが目標だが、その分スタミナが減る恐れがある。死なないように適度に休憩して、あとは一か八かの勝負である。

4つ目はジェットコースター。こちらも2人1組にとなって、まずは制限時間内にコースカードを覚える。右、左、目を手で覆う、バンザイ、下を向いて「わあああ!」と言う……時間が来たら、、腕を組んで搭乗スタート。2人同時に、覚えておいたアクションをしなければならない。見ている方がおかしい。

今回は選ばなかったが、このほかに、制限時間内に絵柄に合わせてダイスを重ねるリング・ザ・ベル、ダイスをできるだけ早く振ってウマを進める競馬、誰かが脱落するまでカードを出すバンパーカート、悲鳴をもとに皆の怖いものを覚えるゴーストトレインがある。

さて、アトラクションが終わるたびに、くじ引きポイントが順位ごとに与えられる。最後に、これが多い人ほどたくさんくじを引くことができる。でもたくさん引けるからといって勝てるとは限らない。当たりはたった1つだけ。順番に1個ずつ引いていく。ドキドキのフィナーレだ。

かゆかゆさんが4ゲーム中3ゲームで1位という圧倒的な強さを見せたが、最後のくじ運に恵まれず、優勝はくじ引きポイントが3位だったnagaさん。ルールには「勝利が目的ではなく、記念作品として、陽気な友達と一緒に楽しい時を過ごすことに焦点が置かれています。モットーは「過程こそゲームの目的」です。誰が最後に勝つかなどということは問題ではありません。」と書かれている通り、(くじ引きも含め)たくさん笑って楽しめたのでよかった。

Funfair
I.ブラント、M.ブラント、P.エッガート、P.E.アラオイ、F.フリーゼ、M.リーネック、M.シュレーゲル、S.シュタドラー、T.シュターペルフェルト、B.シュトルテ/エッガートシュピーレ(2010年)
3〜6人用/8歳以上/30分

フリーズ(Freeze)

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威張ったり、へりくだったり

与えられたシチュエーションで序列を演じる寸劇ゲーム。去年のエッセン国際ゲーム祭で発売された新作で、ドイツゲーム業界で異彩を放ち続けるA.マイヤーの作品である。後で思い出し笑いするほど楽しい。

毎ラウンド4人が俳優として舞台に上がり、残りの人は観客となる。俳優は序列カードを1枚ずつもらい、自分のランクを確認。ランクは1〜4があるが、あるランクがない場合や、同じランクが2枚ある場合もある。ポイントは、お互いのランクを事前に確認できないこと。全てはぶっつけ本番の寸劇の中で、演じながら探らなければならない。

シチュエーションカードで、今回のシチュエーションを決めたら寸劇スタート。俳優は、砂時計が落ちるまでの45秒間に、シチュエーションに合わせた自分のランクを演じる。

砂時計が落ちたら「フリーズ!」。演技を止めて、まずは観客がシチュエーションを当て、次に全員でダイスで決められたランクの俳優を当てる。そのランクだと思う俳優を、みんな一斉に指差す。自分がそのランクだったら自分を、2人いると思えば両方の手で別々に、1人しかいないと思えば一方の手は天井を指差す。

正解すれば得点。また演じた側は、誰かに指さしてもらえれば得点。それ以外は失点となる。俳優を交替して次のラウンドへ。誰かが規定店に達したところで、得点の多い人の勝ち。

最初のシチュエーションは「映画の撮影現場」。スタートした瞬間、「監督!」「監督!」と皆で呼び合うが誰も名乗りでない。「じゃあ俺が監督になろうかな」とかその場で決まる場当たり展開。次は「風呂場」。皆が「お背中をお流ししましょう!」と言い合っている中で、掃除を始める人あり。ここから、ランク4の俳優は掃除を始めるのが流行した。一番笑えたのが「見張り場」。「島は見えたか?」「まだ見つかりません、船長」と言っている間に「ポー」とか言いながら通り過ぎる謎の汽船。いったいどのランクなのか分からない。

ゲームが進むにつれて、ランク4の掃除など、まる分かりの演技は全員が得点してしまうので得ではないことに皆気づく。もうちょっと紛らわしい演技をして、1人だけ当たるくらいにするテクニックが必要みたいだった。

最初は恥ずかしさもあったが、ランク1で全員に威張って指図したり、ランク4で卑屈になったりと、演技する楽しさもだんだん感じられて楽しかった。序列を重んじる日本では、ドイツとはまた違った楽しみ方ができるのではないだろうか。1位は演劇でちょっとした経験があるらしいかゆかゆさん。

Freeze
A.マイヤー&H.P.シュトール/ビーウィッチトシュピーレ(2010年)
5〜10人/10歳以上/20分
アークライト:フリーズ

ぴっぐテン(Pig 10)

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幸運をこの手でつかめ

ドイツで豚は幸運のシンボルである。手札から0〜10のカードを出してカウントアップしていき、ちょうど10にした人が幸運をゲットできるカードゲーム。10にしたら「ピッグテン!」と叫ぼう。

カウントアップといっても、たった10なので、いきなり10を1枚出して「ピッグテン!」でもよい。でもそれで得られるのは1枚だけ。ゲーム終了時にはカード枚数で勝負するのだから、もう少し回していきたい。

面白いのは、カードを出したときに数字を選択できるルール。これによって手札の運だけではなくなる。特に、現在の場の数字と同じ数字を出せば、数字が上げなくてもよいのがポイントだ。7までいったとき、7を出しても14(バーストで前の人がカードをゲット)にはならず、7のままにできる。このため、前の人に取らせまいとみんなが7を出し続けると、場札はプログレッシブ・ジャックポット。そんなときに3を持っていたら!

また、0のカードを出すと、数字を0にリセットできる。そのときにすかさず10を出せたら、一挙にカードがたくさん手に入るだろう。場の数字が変わらないで回っているとき「オレの番まで回れ〜」と心の中で祈る。このドキドキ感がたまらない。

全員イーブンのはずが、なぜか同じ人ばかりカードを取り続けるということが起こる。それが自分の次の人だったりすると妙に悔しい。そんなときはわざとバーストさせて、流れを変えてみたくなる。

2回プレイして、どちらも流れを引き寄せられなかったが、数少ないチャンスをものにできたときは嬉しくて「ピッグテン!」を噛んでしまうほどだった。子供向けのデザインだが、大人も燃える。

Pig 10
A.プヌエリ/ツォッホ出版(2010年)
2〜8人用/6歳以上/15分
メビウスゲームズ:ぴっぐテン

ブラックプリンス(Der schwarze Prinz)

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カードで攻防

フランスの王位継承をめぐって14世紀に始まった百年戦争。イングランドを勝利に導いたエドワード黒太子がこの作品のタイトルになっている。対するはフランス王フィリップ6世。カードを用いるチェスライクなボードゲームである。ドライマギア社を設立したヨハン・リュッティンガーの処女作で、1983年にドイツ年間ゲーム大賞候補作品に選ばれた。

両陣営には4種類のコマがある。いずれも8方向に移動できるが、歩兵は1マス、テントは2マスまで、騎兵は3マスまで、黒太子/フィリップは何マスでも移動できる。テントは防御専用のコマで攻撃はできない。

お互いに1手番ずつコマを移動して、相手のマスに入ったら攻撃である。3枚の手札から1枚を出し、相手が対抗できなければそのコマを盤上から取り除く。攻撃できるカードは弓矢、剣、槍の3種類で、対抗できるカードはそれぞれ盾、鎖帷子、鎧になっている。手札交換もできるが、何を引いてくるか分からないので、防御できるかどうかは運次第。

攻撃に成功すれば引き続き手番を行い、さらに別のコマを攻撃してもよい。防御されると相手の手番になり、同じ場所で反撃されることもある。

テントを集めて縦横に囲めば、相手の王様しか攻撃できなくなる。ただし、相手のテントを一度にばらばらにできるカードもあるので、一時的な守りしかできないだろう。

このほかに、自分の歩兵や騎士を復活させたり、相手の歩兵や騎士をいきなり取り除いたりするカードもある。相手の王様を取るか、歩兵と騎士を全滅させれば勝ち。

くさのまさんと一戦。相手の歩兵や騎士をいきなり取り除くカードが出されて、盤面からコマが減っていく。テントを集めてもカードでばらばらにされてしまう。その上攻撃しても必ず取れるわけではないから、盤上の位置取りはほとんど意味をなさない。しかし、その分戦闘が熱い。終盤は取ったり取られたりの激しい攻防の末、くさのまさんの黒太子を討ち取って終了。

古き良き時代のゲームである。チェスや将棋でも、相手のコマがあるマスに入ったとき、じゃんけんで勝たないと取れないルールだったら、勝つチャンスが均等になるかもしれない。

Der schwarze Prinz
J.リュッティンガー/ノリスシュピーレ(1983年)
2人用/8歳以上/40分
絶版・入手難

フォトパーティー(Photo Party)

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二度笑える写真撮影

デジカメのセルフタイマーを使い、カードの指示で写真を撮るフランスのパーティーゲーム。写真を撮るときも、後で見るときもすごく笑える。

予めフレームの上下左右の端を確認し、試し撮りで1枚パチリ。カードを読んでは、セルフタイマーを入れ撮影する。これを繰り返して12枚撮ったら、デジカメのスクリーンなどで見て採点し、得点の多い人が勝つ。

カードの指示は「フレームの左端と右端にそれぞれ一番近い人が1点」「フレーム外にいったん出て、決められたところまで行き、写真に戻ってこられれば1点」「宙に浮いていれば1点」「右か左を向いて、少数派だったら1点」など。セルフタイマーのため、いつシャッターが降りるか分からないところをうまくゲームにしている。

親子で参加しているサークルのクリスマスパーティーに持ち込んだところ大盛況。大人はおかくてしょうがないが、子どもたちは真剣である。終わってからは、Wii(SDスロットがある)にプロジェクタをつないだスクリーンで写真を大写しにして採点。上の写真は「片足だけ写っていれば1点」で、かなりシュールだった。かしこまって写真を撮るよりもずっと表情がいきいきとしていて、よい思い出になった。

絶妙なポジションで得点できると嬉しい。メンバーに合わせて、オリジナルのアイデアを出して写真を撮ってもよいだろう。

Photo Party
L.エスコフィア、M.タブラン作/カクテルゲームズ(2010年)
6〜15人用/8歳以上/20分
テンデイズゲームズ:フォトパーティー

ブルゴーニュ(Burgund)

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1つのダイスからアクション無限

アレアが来春発売を予定している新作の試作版。作者のフェルトがアレアから発表するのは通算5タイトル目になる。エッセン国際ゲーム祭では、入り口にほど近いラベンスバーガーのブースから隔離され、奥まった9番ホールでひっそりとデモプレイが行われていたにも関わらず、次のゲームに入ろうと並んでいる人がいるのはアレアのブランド力を感じる。

基本はダイスゲーム。ダイスを振って、出目に対応するエリアからタイルを取り、自分のボードの出目に対応するマスにタイルを置く。タイルにはさまざまな特殊能力と得点パターンがあり、自分の戦略にあったタイルを選択することで差をつける。

タイルには、自分の街を広げる六角形のタイルと、勝利点などを得る四角形の商品タイルがある。街タイルは、常に隣接して置かなければならず、置けるカラーも決まっていて、置く順序もよく考えなければならない。

ダイスの目を増減できるチップがあり、また同じ目でもできるアクションが複数用意されているので、運の要素は高くない。むしろ、無数にある選択肢からベターな選択を重ねていくことになる。したがってプレイ時間も長めで、初プレイでは2時間を超える。

編集者S.ブリュック氏直々のインストによりメビウスおやじさんたちとプレイ。1ラウンドだけの参加で、メビウスママさんに代わって頂いたが、考えることがたくさんあって刺激的なゲームだった。

Burgund
S.フェルト/アレア(2011年予定)
2〜4人用/12歳以上/30〜120分

ひつじのショーン:野菜サッカー(Gemüsefußball)

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ドライブシュート!……ムリ

クレイアニメ『ひつじのショーン』によるゲームは2009年から7タイトル作られ、いずれもコスモス社である。有名デザイナーが手がけており、単なるキャラ商品ではない。

『野菜サッカー』は、名作『バンパレナ』のように、ボールの転がる行き先をプロットするゲームだ。小箱ながら、大人でも白熱するアイデアが仕掛けられている。

スタートチップ、壁チップ、得点チップの中から、1枚ずつ取っていく。スタートチップでボールのスタート地点と手番順が決められる(1人1枚)。壁チップは箱を使った斜面の好きな箇所へ差し込み、得点チップは4ヶ所あるボールのゴール地点に置く。

何周もしてチップを全部取るか設置したら、いよいよボールをシュートしよう。チップの順番に、ボールを置いて指で弾き、斜面を転がす。盤外に吹っ飛んだりせず、無事ゴールにたどり着いたら得点チップをゲット。

2番手以降は1箇所、壁チップを移動できる。そしてシュート。前の人が得点チップを取ったゴールにまた入っても、何ももらえない。4番手まで終わったら、チップを全て元に戻して次のラウンドへ。規定ラウンド終了後に、得点チップの多い人が勝つ。

1番手は、目の前に壁が幾重にも立ちふさがり、途中で止まったり、盤外に弾き飛んだりしてまずゴールできない。4番手くらいになると、入りそうな場所はもう得点チップがなくなっている。手番順とともに、おはじきのテクニックが試される。

karokuさんが果敢に1番手を取るも、連続でハズレ。私は手堅く2番手を狙うも、安い穴にしか入らない。その間にふうかさんが高得点をゲットして勝利。終了後、けがわさんと1番手でシュート練習したが、2割くらいの成功率だった。

Shaun der Schaf - Gemüsefußball
ブラント夫妻/コスモス社(2009年)
2〜4人用/5歳以上/20分

パニックズー(Panicozoo)

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当ててください、ZOO、ZOO

ずらりと並んだカード全部に描かれている動物をいち早く探すフランスのゲーム。1枚だけ裏になっていて、正解ならばカードをめくるとその動物が描かれていないという仕組み。

正解するたび裏になっていたカードをもらい、残りからまた1枚裏返して次の動物を探す。

それだけなのに、これまたものすごい集中力が要求される。「この動物じゃないか」と当たりをつけて、カードを探す。動物がいないカードが見つかれば、動物を変えてやり直し。しかもゲームが進めば、前に宣言された動物はもう言えないから覚えておかなければならない。序盤は、ゲームが終わらないのではと心配されたほど。

しかしふうかさんとkarokuさんが好調な上に、途中参加の妻も次々と当てる。どうやら、カードを1枚1枚見ているのではなく、全体的に見回しているらしい。結局追いつけないまま、ふうかさんが僅差で勝利。

実はこれでゲームは半分で、カラー絵とともに影絵バージョンも入っている。もうムリー

Panicozoo
B.ミホー/カクテルゲームズ(2005年)
2〜5人用/8歳以上/15分

バイエルンに死す(Lieber Bairisch Sterben)

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自分が育てた軍隊に苦しめられ

1701年からヨーロッパ全体を巻き込んで起こったスペイン継承戦争。フランスのブルボン家出身のフェリペ5世が即位したことに反対し、オーストリアがイギリス・オランダと共に宣戦布告した。このときバイエルン選帝侯・マクシミリアン2世エマヌエル率いるフランス・バイエルン連合軍と、オーストリア・イギリス連合軍が戦ったブレンハイムの戦い(1704年)がこのゲームのもとになっている。

作者は今年『アラカルト』が年間ゲーム大賞にノミネートされたK.-H.シュミール。その『アラカルト』初版の1年前に発売されたレガシーゲームである。モスキートシュピーレの第1作としても記念すべき作品。しかし28ページというルール分量と、2〜5時間というプレイ時間が災いして、国内ではコレクターズアイテムという位置づけだった(一昨年のゲームマーケットで公開オークションに出ていたと思う)。それをこのたび、ストーンRさんの依頼によりルールを解読。カードを手書きで日本語化してのプレイとなった。

ゲームにはオーストリア皇帝軍、バイエルン選帝侯軍と、農民軍、修道僧軍が登場する。毎ラウンド、これらの軍勢で所定の都市を占領していれば得点になり、その合計で勝敗を競う。面白いのは、どの軍勢を担当するかが、毎ラウンド変わるところだ。昨日自分が育てた軍隊と、今日は戦わなくてはならない。

1ラウンドは15フェイズに分かれている。軍勢チップの獲得、各軍勢のリーダー決定、修道僧の競り、軍勢の順番決定、得点方法の選択、次ラウンド用の軍勢チップの記入、収入、軍隊の強化、給与の支払い、軍隊のリクルート、アクションカードの獲得、軍隊の移動、戦争、得点計算、修道僧の帰還。おおまかに言えば、このラウンドに誰がどの軍勢を担当するか決めて、それぞれ担当する軍勢を増強して、得点になる都市の攻防を繰り広げるという流れだ。

担当する軍勢は入札(毎ラウンド3〜4ポイントを各軍勢に配分する)で決まるが、戦争前に次のラウンドの入札額を決めるところがニクい。ミュンヘンなど、大都市を押さえている軍勢は入札の人気も高まるが、人気のない軍勢を取って増強し、大都市を落とすという手もある。どの軍勢を狙うかがとっても悩ましい。

戦闘方法は単純なダイス勝負ではない。まずコマ数によって基本防御力を計算する。そして3枚の戦略カードから1枚を選んで同時に公開。戦略カードには攻撃方法と防御方法の計算式(コマ数×(6D+1)とか、相手の攻撃力÷2とか)が書いてあり、攻撃力と防御力の差分だけコマが取り除かれるというシステムになっている。どちらも攻撃力が相手の防御力を上回っていると、両者全滅なんてことも。軍勢が劣っていても、いい戦略カードが来れば勝つこともある。また、アクションカードで追加の攻撃力を得ることもできる。

軍勢によって移動力や戦闘方法が異なるのも面白い。例えば農民は1コマの力が弱いが、結集すると基本防御力が急上昇し、戦略カードではなくダイス勝負を選ぶこともできる。

第1ラウンドは最初からミュンヘンを持っている皇帝軍を取りにいった。次のラウンドには康さんが農民軍を育てミュンヘンを落とす。さらに第3ラウンド、農民軍を奪った私が、ストーンRさんの猛攻を凌いで得点。その間に皇帝軍も選帝侯軍がほかで戦った結果、どちらもほとんどいなくなり、康さんがこのまま農民を取り続けることへの警戒感が広がる。そこで選帝侯軍率いるかゆかゆさんが皇帝軍と相打ちになり、両者全滅というドラマチックな幕切れでゲーム終了。皇帝軍と選帝侯軍の両方で稼いだかゆかゆさんと、農民軍の横取りで大量得点した私が同着1位。プレイ時間は3時間半くらい。

都市を落とされないよう絶妙な配置をした結果、次のラウンドでは自分が落とせなくなるというジレンマが悶えた。軍備を増強しすぎてもほかの人に取られたらおしまいなので、ほどほどに強くして、戦争でぎりぎり勝つくらいにするという匙加減の微妙さが必要なのだろう。ただ強くすればいいのではないというところが面白い。

Lieber Bairisch Sterben
K.-H.シュミール/モスキートシュピーレ(1988年)
3〜5人用/15歳以上/2〜5時間
絶版・入手難

パワーキティ(Power Kitty)

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スプレー最強

『パンデミック』『禁断の島』の作者が子供と作ったカードゲーム。ゲームクラフターという自家出版用のメーカーで販売されている。

内容はほとんど『ウノ』。色かマークが合うカードを順番に出す。スキップやドロー4に加えて、スプレーカード以外出せなくなる虫カード、手札から同じ種類のマークを全部捨てられるパワーアニマルカードがあって、『ウノ』よりもっと派手だ。

カードを出せなければ山札から引かなければならない。虫カードが出たが、手札にスプレーカードがあってセーフ。でもパワーアニマルは、1匹くらいしか捨てられなかった。

『ウノ』はもう久しく遊んでいないが、さすが世界80ヶ国でこれまでに1億5000万個が販売されているだけあって、これ自体とても楽しいし、盛り上がる。同じ人が連続でドローやスキップをかけられまくり、「またかよ!」と怒るのを皆で笑ったことはないだろうか。

このゲームはそれに加えて一発逆転の要素を加えており、『ウノ』とは違う面白みもあると思った。

Power Kitty
M.リーコック、C.リーコック/ローカストゲームズ(2009年)
2〜6人用/6歳以上/20分
Game Crafter:Power Kitty

フェイス・トゥ・フェイス(Face to Face)

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誰かに見られてる

目と鼻と口のパーツを並べて手札をなくすことをめざす配置ゲーム。手番には裏になっているタイルを1枚引いて、手持ちから1枚を場に配置する。ルールは簡単で、目と口は接してはいけないことと、接するタイルは同じ色でなければならないこと。誰かが手札をなくしたとき、残りの人がもっているタイルが得点になる。

ゲームが始まってすぐ、お互い邪魔するとゲームが終わらないことに気付く。そこで貴重な鼻タイルを積極的に出したり(出さないとすぐ手詰まりならぬ鼻詰まりになる)、鼻タイルの回りにできるだけ多くのタイルが置けるよう隙間を作ってあげたり。そんな協力プレイで、何とか山札がなくなるまでは行ったものの、結局全員置けなくて終了ー。

タイルは大きさも形もバラバラで、しかも引いてみるまで目か鼻か口か分からないので、戦略の要素はほとんどない。あえて言うなら、わずかな隙間に置ける小さいタイルを積極的に取ることくらいか。

そんな勝ち負けよりも盤面に現れたピカソのような顔、顔、顔のインパクトを楽しむのがよさそう。私は途中で気持ち悪くなってしまったが。ふうかさんは目のタイルを両目に当てて遊んでいたが、ゲーム中、皆おかしくなっていたようだ。

Face to Face
A.ベアード/アンテイムドゲームズ(2009年)
2〜4人用/8歳以上/30分
プレイスペース広島:フェイス・トゥ・フェイス
ふうかのボードゲーム日記:フェイス・トゥ・フェイス

ビジネス(Business)

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これぞクニツィアゲーム

ボードゲーム情報誌『GameLink』の最新号付録は、クニツィアのゲームが3つも付いている。その中の1つ。もとはドイツの情報誌シュピールボックスの付録で、製品化されたことはない。そんな幻のゲームを遊べて幸せである。しかもその内容たるや、クニツィアのエッセンを凝縮したようなジレンマたっぷりのゲームである。近頃のクニツィアはキレがないと思っている方にはぜひ遊んでほしい。

ボードは7つのエリアに分かれ、順番に影響力チップを置く。最後にそれぞれのエリアで
影響力の大きい順に得点があり、合計の多い人が勝ちという、エリアマジョリティのゲーム。

ジレンマたっぷりになるポイントは3つある。1つ目は、同じエリアにチップを何枚置いてもよいこと。1〜5の数字が書かれた影響力チップは各自10枚。どこかにたくさん置けば、ほかのエリアに置く分がなくなる。満遍なく散らしておくか、2〜3箇所に集中しておくか。

2つ目は、1度置いたエリアにはもう置けないというルール。つまり一発ビッドである。当然、後から置くほうが、前の人のビッドを見てから決められるので有利だが、それはみんなが考えていること。チップがなくなるまでパスはできない。さあ、どこから置くか。

3つ目は、盤上を移動する「×2」と「×0」のマーカー。「×2」が最後にあるエリアは得点2倍、「×0」は全員0点となる。このマーカーが動くのは、そのエリアにチップが置かれたときである。このマーカーのコントロールが非常に難しい。

いずれもちょっとしたルールなのだが、3つ一緒になることでものすごい駆け引きとジレンマを生む。他の人は、どのエリアを狙っているのか。自分はどのエリアを取れそうか。終盤はどうしても詰将棋のようになってしまうが、プレイヤーは複数いるので容易には読めない。

今回、あえて中盤から先手を打ってたくさんチップを出してみた。不利なように見えて、ほかのプレイヤーが潰し合うと漁夫の利が転がってくる。結局「×2」と「×0」が同じエリアで終わり、そのボーナスとダメージはなくなったが、それでも中盤まで目立たないようにしていたtomokさんが大量得点して1位。

90年代のドイツゲームは、こんな風にシンプルで悩ましいゲームが多かったように思う。それがいつの間にか、イベントカードや特殊能力カードで複雑になったのも、外国のゲームに押されがちな一因だろう。リメイクでも、このようなゲームをもっと売りだしてほしい。

Business
R.クニツィア/シュピールボックス−アークライト(1993/2010年)
3〜5人用/10歳以上/30分
アマゾン:Game Link Vol.4

ピクショナリーカードゲーム(Pictionary Card Game)

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カードを口にくわえて

お絵描きゲームの傑作『ピクショナリー』が今年カードゲームになった。マテル社なので日本語版が出たらいいなと期待しているが、どうなるだろうか。

ピクショナリーを冠しているが、何と絵は描かない。その代わり、カードを使ったジェスチャーで当ててもらう。2チームに分かれ、お題を確認したらスタート。チームの代表には、同じ内容のカードが与えられ、その中から自由に取ってお題を表現する。カードを並べてもいいし、手に持って何かに見立てたり、空中を移動したりしてもよい。

チームのメンバーは、代表のジェスチャーを見ていち早く当てる。先に当てたチームがポイント。これを何回か繰り返して、ポイントの多いチームが勝つ。

カードは抽象的な図形ばかり。これはまんま『スクイント』であるが、時間制限ではなく早い者勝ちになっていることで、難しいお題にもじっくり取り組めるようになっている。

お題カードは子供向けと大人向けがあって、大人向けのほうは歌手名や映画名などアメリカ文化の理解が必要だが、子供向けなら英語でもだいたいは問題なく遊べる。

難易度が高くてなかなか当ててもらえないこともある。そんなときは手を変えてみてもかえって混乱するばかり。両チームともギブアップというとき、後から答え合わせをして「あー、そういうことか!」と気づくのもおかしい。反対に一瞬で当てて驚かれることもあって、盛り上がった。

Pictionary Card Game
B.ユー/マテル(2010年)
2人以上/7歳以上/20分

ヒントをもうひとつ(VerTIPPT nochmal!)

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ヒントが増えるほど混乱

『ひとつの文でどうぞ』と一緒に出たシュタウペのコミュニケーションゲーム。どちらのゲームも、ミスマッチが誘う笑いというコンセプトがあるようだ。

場には12枚のお題カードが並ぶ。けっこうエッチなものも多く、アダルト向きのようだ。このうち1つを、親が後ろを向いている間に残りの全員でこっそり決める。このお題を、親はヒントをもとに当てなければならない。

ヒントカードには、5つのヒントが書いてある。「正しい」「安全な」「ぴょんぴょん」などの形容詞である。親の左どなりの人から、自分のヒントカードを見て、お題に一番合うものを選ぶ。一応「近い」とか「いいのがない」くらいは言ってもいいが、ヒントを解説してはいけない。だからヒントを出す方も、答えを当てるほうも苦しい。

ヒントを聞いた親は、12枚の中から1つ選ぶ。正解すれば、ヒントを出した人が手札(手元に重ねてある)を減らすことができ、不正解ならば、親の手札が1枚増える。そしてさらに左どなりの人が次のヒント。これを正解するまで続ける。何周かして、手札の一番少ない人が勝ち。

正解しない限り、親の手札はどんどん増えるからプレッシャーが大きい。ところが、ヒントは重ねれば重ねるほど混乱していく。ヒントを出す人の様子を見て、近いヒントだけに集中して絞り込みたい。

私のときの第1ヒントはかゆかゆさんの「うんざり」。直感で答えは「結婚」か「子供」のどちらかだと思ったが、結婚はハズレだった。ところが次から、子供とはかけ離れたヒントが出まくり、混乱して何枚も取ってしまった。一方のヒントを出す方は不発で最下位。

ヒントの選択肢が5つしかないことで、創造性がないゲームかなと思っていたが、遊んでみるとそこが逆に面白さのキーポイントである。ヒントを出す方のもどかしさ、勘の悪い親のおかしさがとても楽しかった。

VerTIPPT nochmal!
R.シュタウペ/ハイデルベルガー出版(2009年)
3〜8人用/14歳以上/20分

ひとつの文でどうぞ(EinSATZ - bitte!)

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ミスマッチなヒントに四苦八苦

『プライバシー』で新たな側面を見せたシュタウペが、昨年2タイトルのコミュニケーションゲームを発売した。そのひとつがこの作品である。穴埋めをした定型文でヒントを出して、みんなに当ててもらうというゲーム。

多人数で遊べるが、何人でも2チームに分かれ、1チームずつゲームを行う。親はお題と定型文カードを引き、定型文カードに言葉を入れてヒントにする。ほかの人はそのヒントを聞いてお題を当てる。

定型文のヒントは、必ずお題に関係していなければならない。「それは大部分……からできています」「それを電気につなぐと……」定型文カードはたいていお題とミスマッチなものだから、ヒントを出すのも一苦労。定型文以外のヒントを出してはいけないため、もどかしくてたまらない。

当たったら、親を交代して次のお題へ。制限時間になったら、相手チームの番になる。何ラウンドか行って、トータルで多く当てたほうのチームが勝ち。砂時計のカウントがあるので、落ち着いて考えていられない。焦って手当たり次第にヒントを出すさまがおかしい。

さりげなくちょっとエッチなお題も入っていて、シュタウペの趣味を感じさせる。

EinSATZ - bitte!
R.シュタウペ/ハイデルベルガー(2009年)
3〜24人用/10歳以上/20分

バズ・イット(Buzz it!)

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慌てたあまりついポロリ

制限時間内に答える山手線ゲーム。カードでお題を発表して、タイマーのスイッチを入れて、親の左隣から時計回りに答える。タイマーが時間切れの爆発音を出したときに手番だった人の負け。

お題はやや対象年齢が高く設定されているようで、より宴会・コンパゲームらしくなっている。「すぐ死にそうな有名人」「初デートの場所といえば」「宝くじが当たったら買うもの」「プレゼントにしたら人間関係が悪くなるもの」など。

作者はクニツィア。どこがクニツィアなのかというと、制限時間がたった5秒(初心者向けは8秒)しかないところだろう。普通のデザイナーなら、20〜30秒くらいにするはずだが、結構難しいお題もあって答えるには非常に短い。

答えにちょっとでも詰まったら即アウトのため、スイッチを入れる前に答えを考えておくことになる。ここでありきたりな答えを考えていると、ほかの人とかぶってしまって答えられなくなる恐れがある。でも他の人が答えなさそうなものだと、却下されるかもしれない(お題に合わないと思ったら、親はタイマーを一時中断して審判する)。ここにジレンマがあると思った。

説明書には、参加者のことを配慮した答えを考えましょうとある。異様に短い制限時間のために、まずい回答(思いっきり下ネタとか)をついポロリと言ってしまって物議をかもすなんてことを、クニツィアは期待しているのかもしれない。

Buzz it!
R.クニツィア、P.シャーニツキー、R.-J.マイアー/アスモデ(2010年)
3〜15人用/7歳以上/30分
テンデイズゲームズから発売予定

ポンテ ヴェッキオ(Ponte Vecchio)

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高くふっかけるべきお

ポンテ・ヴェッキオ

イタリア・フィレンツェにあるヴェッキオ橋には、橋の上に宝飾店が建ち並ぶ。ここにお店を出し、通りかかったお金持ちに立ち寄ってもらって、お金を儲けるゲーム。デザイナー、メーカーともにイタリアである。この橋への思い入れの強さからか、橋もお店も立体の造形である。

さて、始めはみんな1軒ずつしかお店を持っていない。毎ラウンドお店の建設と、金持ちの移動を交互に行う。まず競りをして勝った人が、その分のお金を払って店を建てる。それからカードで入札して、一番安いカードを出した人が、金持ちを移動する。金持ちが止まったところにあるお店は、移動した人が出したカードだけ収入を得る。使ったカードは捨て札にして、また競りで建設、入札で移動。これを橋が店で埋め尽くされるまで繰り返す。

金持ちは前に向かって何マスでも移動できる。全部の店をスキップして端から端へと駆け抜けてしまってもよい。もちろん、移動する人が自分の店の前に止めるわけだ。

この移動にはちょっとしたパターンがあって、橋の3分の1の両端まで来ると、移動した人は向きを変えてもよいというルールがある。向きを変えないと、端のほうにある店はチャンス。でも向きを変えれば、端のほうにある店は立ち寄ってもらえない。こうして中央の店はいつも立ち寄ってもらいやすく、端にいくほど一か八かになる。

それにマスの両側に店を建てられるので、誰と相乗りするかも重要。このように店を建てる場所はよく考えないといけない。

金持ちを移動する権利は、交渉してほかの人に売ることができる。高額な入札をした人は、移動できればその額の収入が入るから、高く買ってくれる。相乗りしているとおこぼれをもらえることも。お店の並びを見て、金持ちがどこに止まりそうか考え、自他共にほどほどに儲かるよう金額を決める。もっとも、裏切って別のお店に止まるかもしれないが。

5人でプレイ。お店の競りが高止まりしていて買うことができないまま終盤へ。その代わりバッティングの読みが冴え、権利を売って収入を得ることができた。対照的にお金を費やしてがんがんお店を建てたますみさん。途中で大金を手にし、それを元手にさらにお店を建てる。相乗りしまくりで、誰が収入を得ても手に入るような状況である。最後にダメ押しの収入でダントツ1位。おこぼればかりの私だったが、お店を建てるのにお金を使わなかった分で2位。

お金がオープンなので、足元を見まくった競りや交渉が濃密である。シンプルな流れだが、お店が1軒増えるたびに考えることも増えて、重量級のゲーム感があった。

Ponte Vecchio
S.アルベルタレッリ/egシュピーレ(1996年)
3〜5人用/12歳以上/90分
(絶版・入手難)

これが本物のヴェッキオ橋(Wikipediaより)。紀元前、エトルリア人の時代からあったと言われる。現在の橋は1345年に再建されたもので、それでももう600年以上経っている。
ポンテ・ヴェッキオ

フレスコ(Fresko)

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寝坊して1日棒にフレスコ

フレスコ

職人となって教会の天井に描かれたフレスコ画を修復し、ビショップの期待に応えるボードゲーム。今年のニュルンベルクで発売されたばかりの新作で、プフェファークーヘルにて『ヴァスコ・ダ・ガマ』などエッセンの人気作を抑えて1番人気となった。デザイナーは新人。

職人はまず、朝何時に起きるかを決める。早起きすれば、市場で顔料を買うにもフレスコ画を修復するにも先手を取れるが、その代わり顔料の値段は高く、職人の機嫌も悪い。寝坊すれば逆に、顔料の値段は安く、職人の機嫌はよくなるが、市場でも教会でもやれることはもうなくなっているかもしれない。

得点の低いプレイヤーから起きる時間を決め、後から選ぶプレイヤーは残った時間から選ぶことになる。いわゆるワーカープレイスメントである。「金はあまりないけど、職人の機嫌がいいな。明日は久しぶりに6時起きするか」「寝坊大好きなので8時起きで」妙にリアルな会話。

アクション選択さて手番順が決まったら、このラウンドのアクションをプロットする。市場での顔料の購入、教会でのフレスコ画修復、顔料を買うお金を稼ぐ肖像画描き、顔料を混ぜて新しい色を作る調合、そして職人の機嫌を直す劇場の5アクションに、5人の職人コマを自由に振り分ける。同じアクションに何人も投入すれば、それだけたくさんアクションができるようになっている。でも、さくさん投入しても手番順によって何もできないこともあるから、起床時間を考慮に入れなければならない。

全員選んだらオープン。顔料の購入から、手番順にアクションを行う。全員のアクションが終わったら、次のラウンドへ。教会のフレスコ画が一定数修復されたらゲーム終了で、その時点で名声の高いプレイヤーが勝利する。

さてフレスコ画の修復の仕方。教会には25枚のタイルが並んでおり、タイルに指定された顔料を使うと取り除ける。取り除いたときにタイルの得点が名声として入る。顔料は赤・青・黄の三原色が基本で、調合すれば別の色が作れる。赤と青で紫、青と黄で緑、赤と黄で橙。さらに、紫と赤で桃色、緑と橙で茶色も作れる(拡張ルール)。調合に手間がかかるタイルほど、修復したときの得点が高い。実際はキューブを交換するだけだが、キューブの色が変わるのは本当に色を混ぜ合わせているようで楽しい。

顔料は市場などで手に入るが、同じ色ばかり集めてしまうと修復も調合もできない。ランダムに手に入る顔料を調整する手腕も試される。いわゆるリソースマネージメントという、ドイツゲームの主軸となるシステムである。

第1ラウンドでみんなが3原色のタイルを修復する中、寝坊して調合を行った。得点が入らないので起床時間の選択は最初である。そしてまた寝坊。そんなことをしているうちに、お金は貯まるわ、職人の機嫌はマックスによくなって追加の職人がやってくるわといいことずくめ。遅起きは三両の得である。それで後手でも得点の高い修復に挑むことができた。ところが、得点が跳ね上がると起床時間の選択は後になる。そのせいで今度は早起きさせられたが(みんないかに早起きしたくないか分かる)、今度はほしい顔料を集めたり、肖像画の特権を取ったりしてリードを守り、最後は怒涛の追い上げをかわして1位。

肖像画ボーナス、修復ボーナス、茶色と桃色の修復という拡張が3つ入っており、今回は最初から全部入れて90分。ルールはその分多くなるが、ゲーム慣れしているメンバーならば全く問題なく遊べる。3つ全部入れなくても、肖像画ボーナスは入れたほうがよさそうだ。

ドイツゲームの主軸であるリソースマネージメントに、近年流行りのワーカープレイスメントを加え、カードテキストを一切なくしてスマートに仕上げている。それでいて顔料を混ぜるという仕事の楽しさからか、既視感がない。ドイツ年間ゲーム大賞を視野に入れてのことだろうか、クイーンゲームズ社は「ファミリーゲーム」というが、フリークが遊ぶにも歯ごたえがあるゲームだった。

Fresko
M.ルスコウスキ、M.ズーセルベック/クイーンゲームズ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/45〜60分
メビウスゲームズより近日発売予定

ひつじのショーン:ウンコアラーム(Köttel-Alarm)

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ウンコクレイアニメ

ひつじのショーンウンコアラーム

先日『ひつじのショーン:ヒツジ集まれ』を遊んだときに、ほかにもいくつかゲームが出ていることを知った。特に注目されたのが私が大好きなデザイナー、シュテファン・ドラの作品であるこのゲーム。早速ドイツアマゾンで個人輸入した。

ゲームは自分のヒツジがまき散らしたウンコを、クマデで片付けるというもの。箱をそのまま使ったボードに、お邪魔キャラの黒ヒツジなどを立て、ウンココマをまき散らす。プンプン匂いが漂ってきそうな牧場の出来上がり。

目標は盤上から自分のウンコを全てなくすこと。手番になったらダイスを振り、自分の色の目が出たら1個取り除く。ほかの人の目が出たら何もせず手番終了。でも腕の見せ所はクマデマークが出たときだ。

左どなりの人がダイスを持って「ウンコアラーム!」を宣言。左どなりの人がダイスを振っている間に、クマデでウンコをかき集め、中央の穴に入れる。クマデマークが出たら再びウンコアラームが出て終了。何気なくすごい光景ですよ?

ウンコを盤外に飛ばしたり、お邪魔キャラを倒したりすると中断して元に戻さなくてはならない。でも、ほかの人のウンコを間違って穴に入れるのはほかの人が喜ぶだけでOK。

誰かがウンコを全部片付けたら1ラウンド終了で、ウンコチップを3枚もらう(あまり嬉しくない……)。ほかの人は残ったウンココマの数に応じてウンコチップを1〜2枚もらえる。2ラウンド繰り返して、ウンコチップの多い人が勝ち。

くさのまさんとサシで勝負。残り個数が少なくなるにつれヒートアップ。くさのまさんが残り1個というところで私が一気に片付けて勝利。思いのほか奮闘した(フンだけに)。

ウンココマは木製で筒状になっているので、よく転がるのがかえって片づけを難しくする。ちょっと乱暴にすればすぐ盤外に飛び出してしまう。となりの人のダイスロールに焦らずに、慎重な手さばきが要求されるゲームである。このテーマ、原作者的にはOKかと思ったら、アニメにも普通にウンコが登場するらしい(ビックリした拍子にウンコをもらすとか)。これは今度DVDを借りてきて見てみないと。

Shaun das Schaf - Köttel-Alarm
S.ドラ作/コスモス(2009年)
2〜4人用/5歳以上/15分
国内未発売

ハンザ・テウトニカ(Hansa Teutonica)(2)

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お互いに手を取にか

ゲーム内容はこちらプフェファークーヘルでは4位と評判は上々で、ドイツゲーム賞でも1位は難しいかもしれないが間違いなく上位に入ってくるだろう。私はこのゲームをとても気に入っていて、昨年のエッセン国際ゲーム祭で発売された新作で5本の指に入ると思う。

序盤は1回のアクションで通商路を完成させることができない。手下を3人置くところで2アクションとか、4人置くところで3アクションしかないからである。そのため半分置きになったところにほかのプレイヤーが1人だけ置いてブロックするという手が横行する。これを追い出すには、相手に手下を1人余計に消費させるだけでなく、自分も追加で1人置けるのでとてもお得なのである。

でも、このために膠着することはない。完成させなければ自分の手下が減り、ほかのところに置けなくなってくるから、放置しておくのは得策でないからである。むしろ、お互いに追い出して手を伸ばしあうほうがよい。

序盤はレベルアップ(特にアクション数)のルートが当然混むが、そこは2ルートあるし、両方埋まっていてもほかにやりたいことはいくらでもある。今回は、くさのまさんがレベルアップはほとんどせずにルートをつなぎまくっており、それに伴って鍵(つながっている都市数分の得点)だけ上げたり、チップも積極的に集めれば十分勝ち目はあった。

確かにアクション数を増やし、ついでルートをつなぐのが王道である。でも皆が同じことを狙えば、それ以外の戦法を取った人に勝ち目が出てくる。そんなクニツィア的なジレンマを感じた。

通商路ブロックを近隣ルートへ広げるチャンスと捉え、またアクション数のレベルアップを経ないでも勝ち目があると考えれば、このゲームには随所に駆け引きがあり、それによって深みは一段と増すように思われる。前回は4人、今回は5人。どちらも概ね好評だった。

Hansa Teutonica
A.シュテーディング/アルゲントゥム出版(2009年)
2〜5人用/12歳以上/60分
ゲームストアバネスト:ハンザ・テウトニカ

ビバ・パンプローナ(Viva Pamplona)

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牛は気まぐれ

北スペインのパンプローナという街で毎年7月に開かれている牛追い祭。闘牛場に牛を運ぶときに、若者たちが度胸試しに牛の前を走ったのがもとで、すでに600年も続けられている。大賞作家のW.クラマーがこのお祭りをもとに作ったボードゲームが『ビバ・パンプローナ(パンプローナに栄光あれ)』である。

ダイスでコマを進めて、カードで牛を進める。カードの中にときどき得点計算が入っており、この時点で牛と同じマスにいるコマは3点、1マス前は2点、2マス前は1点が入る。一方、牛の後ろにいるコマは全て失点。

自分のコマは3つあり、1回の手番で進められるのはそのうち2つだけ。ダイスは運だが、出目を見て、どのコマを進めればよい位置取りができるかは考えどころである。0〜6マスを選択できる矢印の目の使い方もテクニカル。一方の牛は気まぐれで、のんびり歩いていたかと思えば急に猛突進し、微調整して来るのを待っていた人は翻弄されまくる。

ゴールは、『ドラダ』のように後から入ったコマほど得点が高い。しかし、牛がゴールしてしまうとその時点でゲームが終わってしまう。だから終盤は、牛と同じマスにいることよりもゴールを目指したほうが得かもしれない。ほかの人との駆け引きもある。

さらに、同じマスに自分のコマがほかの人より多く集まるとカツアゲできるルールや、牛より後になっても失点しない特別マス、3以上出さないと進めない「トマトの坂」(トマトが坂道にぶちまけられていて、人も牛も転んでしまう)があって、展開に多様性を持たせている。

今回は途中で連続得点計算が起こり、牛の歩みがしばらく止まったので、みんなトマトの坂を利用して足踏みしていた。ここで得点計算が起こればと皮算用するみんな。ところが牛はあっさりとトマトの坂を越えてゴールしてしまった。ゴールできたのはnaoさんの1人だけ。でもそれは1点に過ぎず、途中でカツアゲしまくった神尾さんが1位となった。

トマトの坂でみんなが待っているなら、得点計算が起こっても差はつかない。それならいっそのこと、先回りしてゴールしたほうがよかったかなと思っても後の祭り。でも荒れ狂う牛を前に、こわごわ(あるいは大胆に)近づく雰囲気がよく出ていて楽しかった。

Viva Pamplona
W.クラマー/シュミット(1992年)
2〜6人用/8才以上/45分
絶版・入手難

ブタなかま(Schweinebande)

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トントン拍子には集まらない

同じ種類の家畜タイルを集めて得点を競うゲーム。寡作だが堅実な作品を作り続けているS.ドーラがハンス社から発表するのは『メディナ』以来9年ぶりということで期待していたが、相変わらずプレイヤーの快楽ポイントを見事に押さえたよいゲームだった。

ゲームは4ラウンドあって、毎ラウンドボードに動物を裏にして並べる。手番には好きなところをめくって、気に入ったら自分のコマを置き、イマイチだったらパス。自分のコマを置き終わった人から順番タイルを取って抜ける。めくり運と、ほかの人が集めている動物を見ながらの駆け引きの両方が楽しめる。

さて、全員がコマを置き終わったら動物を全部めくって、順番タイルの若い順に動物を取っていく。1つのコマで取れるのは、そのコマから一方向にある動物のみで、しかもほかのコマが置かれている手前まで。先に抜けたほうが優先して動物を取れるが、後から置かれたコマで邪魔されるかもしれない。ところが後で抜けると自分が取る番にはあらかた取りつくされてしまっている。たくさん取ることよりも、狙って取ることが大切なようだ。

ラウンドの最後に、同じ動物が4枚揃っていたら得点にできる。まだ揃っていない動物は次のラウンドに持ち越せるが、そのためにはエサをあげなければならない。エサタイルを取っておくか、動物を何枚か手放してエサを確保する。

また動物を裏にして並べて次のラウンド。動物は各種枚数に限りがあるから、よく考えて残す動物を決めたい。4ラウンドの後、揃わなかった動物を4枚1組にして、一番低い動物の得点をもらう。あとなぜか、ブタは4枚揃えると得点が2倍になる。

5人でプレイ。盤面は広いように見えて狭く、抜けるのが遅れると1枚ぐらいしか取れなかった。くさのまさんが速攻で置くが、微妙に安いところなので皆が近寄らない。得点の低いタイルをかき集めたくさのまさんがトップ目で迎えた最終ラウンド。エサを温存して4枚目のブタに賭けた私が運よく見つけて逆転勝利。

余談ながら4枚1組で得点にしたり、次ラウンドに持ち越すエサを調達するのに動物を手放すのは、売ってお金にするという設定である。でも、ついつい「じゃあ食べまーす」「これは全部肉にします」とか言ってしまう。中国ではロバ肉を食べるらしいし。レッツ・ポーク!

ほしい動物をめくれるかどうか、自分がコマを置いた列が残るかどうか、運と駆け引きが相俟った、エキサイティングなゲームである。ドーラ大好き。

Schweinebande
S.ドーラ/ハンス・イム・グリュック(2010年)
2〜5人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズから発売予定(店長ブログ:ブタなかま

ブタなかま

ハンザ・テウトニカ(Hansa Teutonica)

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最高レベルでも手遅れ

ハンザ・テウトニカ

中世の北ドイツを舞台に、豪商となって交易能力を上げ、商館を建てて都市をつなぎ、名声を高めるボードゲーム。昨年のエッセン国際ゲーム祭で発売され、フェアプレイ誌のスカウトアクションで9位、ボードゲームアンケートで6位という高い評価を得ている。

盤面には北ドイツの都市が道でつながれている。そして各プレイヤーのパネルには現在の交易能力を示すパラメータ。そしてボードに配置する手下のコマがある。

ゲームはアクションポイント制で、手下のコマを道に置き、道がいっぱいになったらその両脇の都市のどちらかに商館を建てたり、そこに落ちているチップを獲得したり、新しい交易能力を獲得したりする。道にあったコマは全部取り除かれ、また新たに置けるようになる。

商館は、隣接する道がいっぱいになるたびに得点が入るほか、ゲーム終了時にも得点になる。また、商館のネットワークによって、さらに高得点が狙える。このゲームの最も重要な得点源である。

チップは特殊能力になるほか、集めれば集めるほど得点になる。置く場所は前に取った人が決められるので、自分の商館への利益誘導に使うこともできるだろう。

交易能力は5種類あり、それぞれどの都市で上げるか決まっている。商館ネットワークの価値を上げる「鍵」、アクションポイントを増やす「手紙」、商館を建てられる場所を増やす「地位」、手下の移動を増やすほか、上級の手下が手に入る「本」、手下の補充を増やす「巾着袋」がある。どれも疎かにできないし、最高レベルまで上げれば得点にもなるが、能力を上げたときは商館を建てられないので、これにばかりこだわっていては盤面が出遅れてしまう。

面白いのは、手下のコマは盤面のどこにでも自由に配置できるところと(森からひょっこり現れる感じだろうか)、道を全部自分の手下で埋めないといけないところである。カードで置くところが指定されているとか、隣接して置くといったルールはない。このためドイツゲームに典型的なエリア・マジョリティではない新しいプレイ感覚がある。

どこに置いてもいいのだから、誰かが途中まで置いた道に1個だけ置いて邪魔してもよい。その手下を追い出すにはコストがかかり、追い出された人には補償もあるのでお得。膠着したら、移動して一箇所にに集めるという手もある。

もう1つ面白いのは、得点がやや低いところで終了条件になっている点だ。ほかにチップがなくなる、10都市に商館が全部建つという終了条件もあって、どれで終わるかの駆け引きもあるが、最終的に40〜50点いくにもかかわらず、誰かが20点に達したところでゲームが終わるようになっている。

この20点はじわじわと入ってくるが、西端と東端の都市を商館で最初につなぐことで7点が一気に入ってくる。たいていは誰かがつないだらゲームが終わるだろう。しかし、その後にボーナスがあるので、つないだ人が勝つとは限らないところがポイント。

能力アップはそこそこにして商館をつなぐことに全力を傾けると、ボーナスが取れない。しかしボーナスに集中してしまうと、西端と東端の都市がつなぎにくくなる。ボーナスも商館もバランスよく取るか、どちらかを極端にするか悩ましい。

さらに、能力を上げてばかりいると、商館を建てるのが遅れる。しかし能力アップをしなさすぎると、商館を建てるスピードが遅い。商館も能力も同時進行で進めるほかないが、どれくらいの配分をするかも難しいところだ。

序盤に能力控えめでチップを集めた鴉さんが、後半から商館をどんどん建てて有利な態勢に。能力を先に上げた私は、商館を建てるいい場所が残っておらず、チップ頼りとなった。チップが切れて終了。鴉さんが1位。初手でボーナスを取りにいったPsy+さんにわずかの差で3位。tomokさんが2個ぐらい置いてそのままにしておいたのは、全員にその道を使わせないことでダメージを与えるいい作戦だったと思う。

時間はメーカー公称の60分ではとても終わらないどころか2時間コースだったが、レベルアップしてできることが増えるのが楽しい。能力・商館・ボーナスの振り分けや、盤上の要所をめぐる駆け引きも悩ましい。オリジナリティが高く優れたゲームだった。

Hansa Teutonica
A.シュテーディング/アルゲントゥム出版(2009年)
2〜5人用/12歳以上/60分
ゲームストアバネスト:ハンザ・テウトニカ

バイワード(Buy Word)

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長い単語で大儲け

バイワード

アルファベットタイルを安く仕入れて高く売るワードゲーム。故S.サクソンの遺作を出版していたフェイス2フェイス社が『アイムザボス』に続いて発売した作品で、2005年のゲームズマガジン大賞を受賞している。

基本ルールはきわめてシンプルである。ダイスを振って、その枚数だけタイルを袋から引いて買う。前に買ってあったタイルと組み合わせて長い単語を作り、売る。これを繰り返してお金を増やす。以上。

タイルには使用頻度によってドットがついている。買うときも売るときも、値段は枚数ではなく「ドットの2乗」で計算する。ドットが6つあったら36ドル、10あったら100ドルというように。買うときよりも1つでもドットを増やせれば、利益になる。

買うときには、袋から引いた分を全部買わなければならない。ばら売りはしていない。こんなに買っても使えないなと思ったら、買わなくてもよい。毎ラウンド8枚までしか持ち越せないので、無駄な買い物はできない。

でも買うのをけちって流してばかりいると、いつまでも単語はできない。袋のタイルがなくなったらゲーム終了。それまでに長い単語の作成を目指す。

ワイルドカード(ジョーカー)は全員同じ枚数だけ持っていて、1単語に1枚だけ使うことができる。序盤に使い切ってしまうと、後で苦しくなるだろう。

妻と対戦。1回目は原本割れで負けという残念な結果になったのでリベンジで2回目。11ドット121ドルの単語を作り、原本の200ドルを2倍くらいに伸ばして勝利できた。

このルールは基本ルールで、さらにタイルの競りなどのオプションルールがいろいろついている。ワードゲームなので遊ぶ場面は少ないかもしれないが、日本語でできないものだろうか。

Buy Word
S.サクソン/フェイス2フェイスゲームズ(2004年)
1〜4人用/8歳以上/45分

ピラミッドの秘密(Das Geheimnis der Pyramide)

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コブラの頭か足か

ピラミッドを発掘してお宝を集めるボードゲーム。危険を恐れない度胸と、ちょっとした推理力が試される。1990年のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品。2000年にG.バースがラベンスバーガーから出した『ピラミッドの秘密』はピラミッドが複数形だが、こちらは単数形のほう。

4×4マスのピラミッドマスに、はじめタイルをセットする。タイルは6層になっていて、最下層の16枚をセットしたら、次の16枚をセットする。タイルの配置を覚えられないように、一番上までセットしたらボードを何回か回転。そしてゲームスタート。

手番には、好きなだけタイルをめくることができる(吸盤で上のタイルを除去する)。何枚目でも途中でやめることができ、その時点までにめくった宝の分だけ、コインをもらう。ただし蚊やサソリなどのマイナスタイルをめくってしまうとバーストで、それまでにめくった宝を失い、マイナス分だけコインを払う。

ゲーム中に2回だけ、タイルをめくる前にスカラベタイルを出すことができる。するとこの手番の収入は2倍。でもマイナスも2倍なので、1枚めくるたびに緊張する。また、ゲーム中に1回だけ、自分の色のタイルで1マスふたをして、予約することもできる。次に書くように、絶対宝があると分かる場所もあるので、ほかの人に横取りされないように使う。

タイルはランダムに敷かれているが、コブラとオベリスクは絵がつながっている。コブラは尻尾に宝があるが、頭をめくるとバースト。オベリスクは台座にサソリがいることがある。コブラの腹をめくったとき、どっちが宝かは五分五分で、どちらかをめくるには度胸がいる。

最下層は宝がたくさん埋まっているが、1枚だけものすごい形相でにらんでいるファラオタイルがあって、これをめくると−10点になってしまう。これをめくったとき、スカラベでダブルチャンスにしていたtomokさんはあっという間に破産(支払うコインがなくなると、ゲームから脱落する)。まだ1枚目だったのに。

神尾さんがスカラベで大稼ぎして1位。コブラやオベリスクで推理できるが、度胸試しのバーストゲームなので、勢いをつけてガンガンめくるのが楽しい。

Das Geheimnis der Pyramide
S.ローナー、C.ウォルフ作/ジャンボ(1990年)
2〜6人用/8歳以上/30分

パーフェクトアリバイ(Das perfekte Alibi )

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ジャングルに行った目的は散歩です

ブラフパーティ』と同じフランス人のデザイナーが作った多人数ゲーム。20人までプレイ可能ということになっているが、このゲームの主人公は共犯者2人と、裁判長1人で、あとは全員裁判員である。

まずカードには犯行現場の場所が書いてあり、まず1枚引いて実際の犯行現場を決める。しかし実際どこであったかはゲームに関係がない、単なる雰囲気付けに過ぎない。次にもう1枚引いた場所で、共犯者はアリバイ工作をする。

2人は別室に移り、3分間でその場所に関するアリバイ工作をする。「歯医者」だったら、それがどこにあって、何階建てで、行った時間はいつで、どれくらい混んでいて、先生や受付の性別は何でといったことについて口裏を合わせておく。

時間になったら1人目が呼ばれる。もう1人は尋問が聞こえないように別室で待機。そして裁判員から8〜10問くらいの質問を受ける。裁判長は、その場所に関係のない質問や、片方しか知りえない質問をしないようにチェックする。口裏を合わせていないことを聞かれたときに、どう答えるかが見所だ。

続いて2人目が呼ばれ、1人目と同じ尋問を受ける。1人目は同席して、アイコンタクトなどせずに黙って聞いていなければならない。でもその表情がおかしい。ポーカーフェイスをどこまで貫き通せるか。

この尋問の結果を聞いて、裁判長が有罪か無罪かを言い渡す。有罪なら裁判員チームの勝ち、無罪なら共犯者の勝ち。

1回目のアリバイは歯医者。くさのまさんもtomokさんも動画で撮りたいような演技派だったが、混み具合と診察室の広さについて食い違いがあったため有罪。2回目はなんとジャングル。carlさんと私は綿密に打ち合わせをしていったが、ジャングルがあった国名で(口裏合わせでは「南米」としか決めていなかった)、carlさんが「ブラジル」と答えていたにもかかわらず、私が「ブラジル」を言いかけて撤回したのが怪しまれてやはり有罪。

共犯者が、口裏を合わせた通りになるかどうかのスリルを味わえるだけでなく、裁判員にもアリバイを崩すような鋭い質問力が求められ、とても盛り上がった。

Das perfekte Alibi
C.ルメイ、P.ルーセル/ハイデルベルガー(2008年)
5〜20人用/10歳以上/15分

ブラフパーティ(Bluff Party)

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さりげなくするその質問

エッセンの街中のおもちゃ屋で見かけたカードゲーム。プレイ人数が50人までというのにひかれて買ってきた。フランスのコミュニケーションゲームをドイツ語版にしたもので、フランス語版はカクテルゲームズから発売されている。

ランダムに1枚引いたカードには、3つの指示が書かれている。これを制限時間内にできるだけ多くこなすことが目標。ただし指示内容を指摘されたらアウトである。さりげなく、ばれないように。

一晩続けてもよいと書いてあるが、今回は食事時間をプレイ時間とした。食事時間の後に自己紹介タイムとなり、その間に指示を遂行する。そして終わってから皆で検証。今回の指示は次のようなものだった。

かゆかゆさん
20秒間頭をかきむしる 1点―成功
指で机に「8」の字をたくさん書く 2点―成功
歌の練習をする 3点―成功

ぽちょむきんすたーさん
誰かの家族のことを聞く 1点―成功
サソリはどこで手に入るか聞く 2点―失敗
20秒間、しゃべらずに口を開いたままにする 3点―成功

鴉さん
誰かの耳元でささやく 1点―失敗
カードゲームを1つ提案する 2点―失敗
2人にじゃんけんを挑む 3点―失敗

面白いのは、何をやっても指示に従っているように見えてきて疑心暗鬼になるところ。指摘はハズれてもペナルティがないから、見たままとにかくブラフをかけまくる。「今、あごにさわったのブラフ!」「上着を脱いだのはブラフでしょう!」結局見破られた人は1人もいなかったが、それはばれるのを恐れて唐突な行動を起こさなかったためである。上記で失敗したものを見ると、さりげなく出すのが難しいものばかりである。

全部の指示を遂行できたのはかゆかゆさんほか3名。勝敗はさておき、少し難しそうな指示がばれなかったときの喜びは大きい。

Erwischt! (Bluff Party)
C.リメイ/ハイデルベルガー(2006)
4〜50人用/12歳以上/30〜一晩

ひつじのショーン:ヒツジ集まれ(Shaun das Schaf)

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ヒツジを愛でるヒマはない

日本でも放映されたクレイアニメ『ひつじのショーン』。日本にも『ひつじのショーン バランスゲーム』や『ひつじのショーン ボーリングゲーム』などアクションゲームあるが、ドイツで製品化されたゲームはもう少し手が込んでいる。これなんか何気にドーラの作品ですよ?

カードゲームである『ヒツジ集まれ』は直感勝負のパターン認識ゲーム。カードを2枚めくって、たくさん羊がいるところで、白い羊が多いと思うなら「攻撃カード」、黒い羊が多いと思うなら「撤退カード」、同数だと思うなら「様子見カード」を出す。正解者の中で一番早く出した人がポイント。同時ならさらに1枚加えて勝負する。

大人同士でやると、ゼロコンマ数秒の勝負。ちょっとでも気後れしたらもう勝てない。それは分かっていても迷いが生じてしまって最下位。子供だったらもう少し和気藹々と遊べるかな。

Shaun das Schaf - Komme, was Wolle
A.シェーファー/コスモス(2009年)
2〜4人用/6歳以上/5分

ハバナ(Havana)

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先手番か、大効果か

キューバ』の発売から2年、エッガートシュピーレはその簡易版(といってもほとんど別ゲームだが)を発売した。デザイナーはこのところコミュニケーションゲームが多かったシュタウペ。『キューバ』のエッセンスを取り出し、短時間で濃密に遊べるゲームに仕立て上げている。

目標は資材・お金・労働者を集めて規定点分の建物を建てること。建物は中央に並んでおり、端にあるものから建てる。次に必要なものは何かが分かる仕組みだ。

手番は13枚のアクションカードから2枚ずつ使う。それぞれ0〜9番の番号がついており、2枚のカードでできる2桁の数字(番号の小さいほうが10の位、大きいほうが1の位)が小さいほうから先に手番を行うことができる。

できることならば手番は先がよい。お目当ての建物を先に建てられるというだけでなく、先手番のほうがものがたくさん手に入るアクションが多いからだ。でも、効果の大きいカードほど番号が大きく、後手番になりやすい。番号の小さいものと大きいものをうまく組み合わせて、先手を取りたい。

全員がアクションを終えると、手番順に2枚のうち1枚を新しいカードに差し替える。数字の高いカードを残しておきたいし、先手番も取りたいから悩ましい。さらに差し替えたカードは、手札が2枚だけになるか、回復アクションでないと回収できない。手札はどんどん減り、選択肢はなくなる。ここにほかの人の選択を見るという要素があり、悩みどころ満載である。

順調だったくさのまさんが急ブレーキ。後を追うcarlさんもあと一歩というところでストップした。場にお金で建てる建物しかないのに、お金を取るアクションカードも、それを回収するアクションカードも使い切ってしまっていたのが原因である。出遅れていた私は、回復アクションを使っていなかったので、1手番早く手札を回収できることになった。そこで場にたまったお金を一気に取って逆転。

手番数からいうと3人プレイの場合、たった10手番くらいしかない。でもその間に自分は何を建てられるのか、ほかの人が何を建てそうか、どのアクションがベストかをじっくり考えなければならない。たいへん濃密なゲームである。

Havana
R.シュタウペ作/エッガートシュピーレ(2009年)
2〜4人用/10歳以上/45分

バニーバニー・ムースムース(Bunny Bunny Moose Moose)

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やってるほうは必死

『スルーザエイジ』『ギャラクシートラッカー』『スペースアラート』をはじめ、毎年斬新な作品で注目されているチェコゲームズのフヴァキル(綴りは「フヴァティル」だが、エッセンのブースで聞いたら「フヴァキル」だという)。今年のエッセン国際ゲーム祭で発表した新作は、リアルタイムリアクションゲームだった。バニー(ウサギ)とムース(アメリカヘラジカ)の耳や角を手で作って得点するゲーム。

親プレイヤー1人と、残りのプレイヤー全員は対面して座る。親プレイヤーは詩を読みながら、カードを1枚ずつめくって並べる。残りのプレイヤーは並んでいるカードを見ながらポーズを取る。6枚並んだら、1枚目の上に重ねておいて上書きする。これを繰り返すうちに、山札から猟師が出たらポーズをストップして得点計算。

ウサギの真似をするプレイヤーは、指を2本立てて耳にする。耳が立っているか折れているか、耳の付け根が後頭部か側頭部かの違いがあり、さらに左右別々なので8通りのポーズがある。

ヘラジカの真似をするプレイヤーは、手をパーかグーにして角にする。角が上向きか下向きか、広がっているか閉じているかの違いがあり、さらに左右別々なので同じく8通りのポーズがある。

カードにはウサギかヘラジカが描いてあり、例えば「ウサギで右耳が後頭部から立っていれば1点」などのイラストが描いてある。マイナスもあるので、カードをよく見てポーズを決めたい。ウサギとヘラジカの移動は自由である。

さらにウサギ(ヘラジカ)なら○点というカードがあり、舌を出しているか否かで得点するものもある。ウサギ(ヘラジカ)のポーズで舌を出していると、ヘラジカ(ウサギ)になるというルールもあり、たいへんややこしい。カードは一定のリズムで出てくるので、とっさにポーズを変えて対応するには頭をフル回転させなければならない。

ウサギで得点したらウサギコマ、ヘラジカで得点したらヘラジカコマを進める。得点計算が終わったら親を交替。全員2回か3回親をやって、自分のウサギかヘラジカのうち、より進んでいないほうがほかのプレイヤーより進んでいる人が勝つ。バランスよく得点しなければならないわけだ。

ルールには「はじめにこのゲームを遊びたくない人は抜けます」というジョークがあるように、バカになれる人でないと遊べない。恥じらいを捨てて最後まで遊んだ今日のメンバーに拍手。

Bunny Bunny Moose Moose
V.フヴァキル/チェコゲームズ(2009)
3〜6人用/9歳以上/20分

ボーネディクト(Bohnedikt)

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神の奇跡で豆が

ルックアウトゲームズが毎年エッセンで発表している『ボーナンザ』の拡張シリーズも、これで10作目を数える。タイトルはローマ教皇でドイツ出身のベネディクト16世のパロディ。

「教皇豆」と「神の畑」が今回の主軸。通常ルールでは1つの畑には1種類の豆しか植えられなかったのが、途中で種類を変えることができるようになり、高収入をめざす。収穫のときは、一番最後に植えたカードの価格表で収入を得る。20豆をたくさん植えた後に6豆に変えれば、あっという間に最高値で売れる。

「教皇豆」はジョーカーだが、「ビシュホフ」(ビショップとホフをもじったもの)と呼ばれる左側の畑にしか植えられない。それ自体では価値がないが、どの豆の上にでも植えられる上に、その上には別の種類の豆を植えてよいので、価値を上げるのにもってこいだ。

教皇豆にはそれぞれ交換の制限が書かれており、山札からめくられたときはその指示に従う。半分が「補充してから交換できる」などの有利なもの、もう半分が「1対1でしか交換できない」など不利なもので地味に効いている。

「神の畑」と呼ばれる右側の畑には、犠牲豆カードに指示されたカードを集めて植える。犠牲豆カードは手札に1枚入っており、2種類の豆が指示されている。この2種類を、手札や交換で手に入れると、すぐに神の畑に好きな順番で植えることができる。それまで植えていた豆と同じ種類である必要はないから、これも価値を上げるのに役立つ。

序盤から3番目の畑を買ったふうかさんとkarokuさん。でもお互い豆がかぶって活用できない。ストーンRさんと私はその間に教皇豆と積極的な交換で大儲け。だが、終盤に3番目の畑が急速に動き出したkarokuさんが大量収入で逆転1位。

そこそこ集まった18や20の豆が、途中から6や8の豆に切り替えられるのは神の奇跡を描いた物語のようで面白い。

Bohnedikt
U.ローゼンベルク/ルックアウトゲームズ(2009)
2〜5人用/10歳以上/45〜60分

ファクトリーマネージャー(Funkenschlag - Fabrikmanager)

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工場イノベーション

名作として名高い『電力会社』をテーマにした同じ作者のボードゲーム。舞台は電力会社の一工場(太陽光発電パネルを作っているみたい)で、労働者・エネルギーのコストを抑えて効率のよい生産ができるようにイノベーションを進める。

はじめに労働者で手番順の競りをする。手番が早ければ先に工場機械を選べるが、後なら価格の割引がある。競りで労働者をたくさん使うと買える機械の数が減るので、慎重に競りたい。

手番順が決まっても、すぐに機械を買うのではない。まず市場に機械を並べるところからだ。手番順に、手持ちの労働者の数だけボードから機械を取って市場に置く。ボードには機械が種類別・安い順に並んでおり、種類はどれでもいいが値段は安いものから取らなければならない。全員が市場に機械を並べてから、改めて最初の手番から機械の購入を始める。

1周目で選択、2周目で購入というこのルールが秀逸である。手番が早い人は選り取りみどりで購入できるが、選ぶときは安い機械しかない。手番が後だと高い機械を選べるが、それらは全部前手番の人に買われてしまって残りカスしかないかもしれない。ここに強烈なジレンマと駆け引きが生まれる。さらにカツカツな資金事情が輪をかけて熱い。

さて、購入した機械を自分の工場に設置しよう。生産力を上げるもの、保管量を上げるもの、労働者やエネルギーのコストを下げるものがあり、エネルギーコストを差し引いて収入を得る。労働者コストは、下げれば下げるほど次のラウンドで外回りができる労働者が増え、次のラウンドの機械の購入や設置が楽になるだろう。

なお、労働者が足りなければ1ラウンドだけ有効の季節労働者も雇うことができる。でも給料は滅法高いので注意。

5ラウンドでゲームは終了し、所持金で勝負する。最終ラウンドの収入は2倍(減収はほとんどないので、クイズ番組のように前のラウンドまでの成績が無駄になることはない。僅差の逆転可能性が残されるくらいである)。

生産力と保管量は均等に上げていかなければ収入に結びつかず、片方だけ上げた人は置いていかれる。少しのミスが致命的になるデザインにしたと、作者はルールに書いている(厳し〜)。私は早いうちにコストを下げておいたのが奏功して順調に進んだが、最後に無駄に高い機械を買ったために僅差で2位。ふたを開けてみれば1位から最下位までの所持金の差は20エレクトロ(お金の単位)しかなく、1円も笑えないシビアなゲームとなった。

機械の組み合わせや、コストのバランス取りなどで、できることはまだまだありそう。2Fシュピーレはこのところライト路線だったが、久しぶりにやりこみ甲斐のあるゲームを作ったものだ。

Funkenschlag - Fabrikmanager
F.フリーゼ/2Fシュピーレ(2009)
2〜5人用/12歳以上/60分

ボードゲームギークゲーム(The BoardGameGeek Game)

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間違って2つ買っちゃった!

実在のメーカーとなって自社製品を買ってもらうと共に、他社製品をコレクションするという、ボードゲーム好きにはたまらないゲーム。ネタゲームかと思ったら、作者はR&Dゲームズのブリーズで、ダイスを使うのにすごく考えさせるゲームになっている。

まず自社製品をお店に並べるところから。各社小箱(1)から大箱(6)まで6種類あり、裏にして対応するお店に置く。お店では、置いたマスによって値段が異なり、自分で価格設定できるようになっている。

置くゲームの数は自由。出し惜しみして後のラウンドになって品薄のとき大量にさばくこともできる。全員がパスをしたら、いよいよギークたちがお店にやってくる。

各自3つのダイスを振って、出た目のお店に置く。順番にお金を払ってダイスを振りなおしたり、隣のお店に移動したりできる。品薄のお店に殺到しても何も買えないし、コレクションの事情もあるから、別のお店に移ったほうがよいこともある。もっとも、スタートプレイヤーからの回り順や、ほかのプレイヤーの動向を見て買える商品を読まなけれならない。再び全員がパスしたら、お店の商品をオープンして、ギークがゲームを選ぶ。ブラフのブランクタイルがなくなってがっかりすることも。

スタートプレイヤーから1個ずつ、ダイスを商品の上に置く。そして各メーカーは、売れた価格で収入を入れる。ダイスを置いた商品をゲットし、売れ残った商品の価格を1つ下げてラウンド終了。

これを6ラウンド繰り返し、最後にコレクションを公開する。自社製品や、重複して買ったゲームは得点にならない(ゲーマーにはよくあること)。箱のサイズが同じものを揃えると価値が上がる。これまでゲームを売った利益と、コレクションの価値を足して多い人が勝ち。

私はクイーンゲームズで、最初から大箱の『将軍』を投入する。幸いくさのまさんに2個お買い上げ頂いたこともあって大儲け。これは売れすぎだと不買運動が始まる。「クイーンは箱が大きいんだよ!」なんてクレームも。ハンス・イム・グリュックのdjさんが『サンクトペテルブルグ』を早々に投売りして絶版状態に。「サンペテほしい〜」絶版となると欲しくなるものである。結局そのサンペテを1個だけ取っていたくさのまさんが、コレクションをほぼコンプリートして1位。私は不買運動のあおりでどんどん後退し最下位に沈んだ。

ダイスの配置に先読みと駆け引きがあってゲームとしても面白いが、出てくるメーカーもゲームも実在のものだから会話も楽しい。ボードにはさらに、いろんなゲームの箱やイラストがびっしり描かれていて、「これは何のゲーム?」なんて喋っているだけでも至福のひとときだった。

The BoardGameGeek Game
R.ブリーズ/R&Dゲームズ
3〜6人用/8歳以上/60分

ブタ騒動(Schweine Bammel)

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雄ブタ凶悪!

数字に合うカードを出して手札をいち早くなくすゲーム。ウノ系だが、ウノにはないひねりがある。

カードは1〜10があり、色は分かれていない。前の人と同じ数字を出すか、2枚のカードの数字を足すか引くかして前の人と同じ数字になるように出す。手札は少ないほうがいいから、2枚出せるよう、足し算引き算をやってみよう。どうしても出せなければ山札から1枚引く。

カードの中にはスペシャルカードが何種類かある。次の人は同じ数字のカードしか出せなくなる「農夫」、手札の枚数が場札と同じ人に代わりに出してもらう「堆肥」、そして次の人に場札と同じ数だけ引かせる「雄ブタ」である。

「堆肥」は場札が7なら、みんなの手札の枚数を確認して7枚持っている人に出してもらえる(代わりに出す人は何を出してもよい)。この効果も面白いが、「雄ブタ」のほうがはるかに度肝を抜かれた。10が出ているとき、「雄ブタ」を出されると、何と10枚引かなければならないのである。序盤なら復帰可能だが、終盤となるともう脱落同然。これを回避するには「雄ブタ」をもう1枚出すしかないが、それほど多くないから難しいだろう。

序盤にいきなりShokoさんがリーチするも、2枚以下になったら「ブヒ!」と言わなければいけないルールを忘れていてドロー。さらに「雄ブタ」まで押し付けられた。私は「堆肥」を取ったりやったりしているうちに手札が減ってきて、最後の1枚を運よく出せて1位。

手札が減ると、場札に出しにくくなる上に「雄ブタ」を押し付けられる危険も高まるので、ゲームが思いのほか長引いたが、「今度は上がれるかな?」とドキドキしながら手番を迎えられるのがいい。

Schweine Bammel
I.コーン作/ドライマギア(2009年)
2〜6人用/6歳以上/20〜30分
テンデイズゲームズで取り扱い中

ペンギンすべり(Pinguin-Rutsch)

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はじいてすべってドボン

ペンギンをはじいて水際ぎりぎりまですべらせるアクションゲーム。ドイツ語で売られているが会社は香港だった。近くの本屋から買ってきたのを早速遊ぶ。

ペンギンは下に金属のボールが入っており、上手にはじけば遠くまですべる。しかしコースはU地型になっていて真っすぐには進めず、壁にぶつけて反射させなければならない。ビリヤードのような感じだ。なお壁にはゴムが張り巡らされていて、スムーズに方向転換する。

そして最難関はゴール。先に進めば進むほど得点が上がるが、一番奥までいってしまうと海に落ちてアウト。海のぎりぎり一歩手前で止まることができたらヒーローだ。

キャロムの経験を生かしていち早くコツをつかんだつもりだったが、慣れても思うようにすべらせられない。ふうかさんやshokoさんは進み始めるまで時間がかかったが、あとで2連続50点をとるなど急成長をとげた。難易度は高く、長見極めたと思っても手元が狂うところが大人にもやりがいがある。

Pinguin-Rutsch
Trends International(香港)
2〜4人用/4歳以上

ぱくぱく算数(Munch Math)

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ピザは栄養満点

算数の勉強をしながら食生活のバランスもとろうという教育的なゲーム。子供デザイナーコンテスト受賞作品とのこと。

ルールは3つある。ステップ1では食べ物をひとつ決め、ダイスを2つ振って、その数字の和差積商に対応するマスを埋める。先に全部埋められた人が勝ち。ステップ2はダイスでゾロ目が出たとき、相手を妨害したりできる。ステップ3は、たんぱく質・脂肪・繊維・炭水化物の4つのカテゴリーで2つずつマスを埋めることが目標だ。

食べ物によって数字にばらつきがあり、上がりやすいものと上がりにくいものがある。ステップ1は、karokuさんが4×5=20を一発で出して優勝。ステップ2はスキップして、ステップ3はピザ人気。何しろピザは、脂肪(チーズ)・繊維(トマトソース)・炭水化物(生地)を全て含む栄養満点の食べ物だからだ。ただ、繊維だからといってケチャップを飲み続けるのが体によくなさそう。

意外に割り算を思いつかないが、割り算では1〜3にしかならないわけだから、影響はない。6までの数字2つの和差積商でできる最小の数字、最大の数字、どうしてもできない数字の最小などのクイズを出しながら遊ぶともっと勉強になるかもしれない。

Munch Math
M.シュナイダー/ユニバーシティゲームズ(2004)
2〜6人用/7歳以上

ブロンコ・ランチ(Bronco Ranch)

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待ちが狭くなる牧場

マイ牧場に、色を合わせて馬のタイルを並べるゲーム。手番にはまず場札から1枚、タイルをマイ牧場に置き、続いてダイスを振って1〜3枚、袋から引いてマイ牧場に置く。置けなかったら場札に返す。

タイルは四隅に色がついており、隣りと色が合うように置かなければならない。たくさん敷き詰められるにつれて、間に入るタイルの選択肢が狭まるようになっている。

そこで登場するのがアクションカード。ほかの人の牧場から馬が逃げ出したり、自分の牧場に奪ったりすることができる。キャンセルカードもあるが、いずれも使い捨てなので、終盤のとっておきの場面まであまり使わないほうがよいだろう。

誰かの牧場が1マスを除いて埋まったらゲーム終了。白馬や、自分の牧場と同じ色のタイルは得点が高い。

アクションカードは本当に最後の最後まで出なかった。使えば、相手がキャンセルカードを使うことが分かっており、そうなると、2人だけカードが少なくなってしまうからだ。上がりそうな神尾さんを総がかりで止めにいったが止めきれず終了。しかし得点計算をしてみれば白馬が多かった私のトップ。

待ちを広くして上がりやすくするには、どのようにタイルを置いたらいいか。ほかプレイヤーとの絡みは少ないがちょっとしたパズル思考が問われた。

Bronco Ranch
G.トーク/ピアトニク(1997)
2〜6人用/6歳以上/30分

ふくろのネズミ(Knalle Kanalratte)

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まんまと一杯食わされた

タイルに隠れた泥棒ネズミをめぐって、推理とブラフで追いかけっこするゲーム。子供が遊べば素直な推理ゲームになるものを、大人が遊ぶことで高度な心理戦が楽しめる。作者はフランスのR.フラガ。私が大好きなデザイナーの一人だ。

1人が逃げる役で、残り全員が追いかける役だ。まず追いかける役に目をつぶってもらい、逃げる役が16枚のマンホールタイルのうち1つに泥棒ネズミを入れる。追いかける役は目を開けて、好きなタイルに警官ネズミを置いてスタート。

追いかける役は警官ネズミを隣接するマスに移動して、そこにあるタイルをめくる。そこに泥棒ネズミがいたらゲームセットだが、最初から見つかることはまずない。つぎに逃げる役が、隣接するタイルを2枚、裏向きのまま場所交換する。泥棒ネズミが隣のマンホールに移ったというわけだ。そしてまた追いかける役が警官ネズミを移動してタイルをめくる。逃げる役がタイル交換、追いかける役がタイルをめくる……これを繰り返す。

16枚のうち、半分の8枚がめくられたのに泥棒ネズミが捕まらないと、逃げる役の勝ちになる。ただし、そのときに、泥棒ネズミがどこにいるかを一発で明かせなければならない。煙に巻いているうちに自分も分からなくなってしまったらアウトだ。

追いかける側にとっては、逃げる役のタイル交換が推理の手がかりとなる。警官ネズミが近づいてきたら、そこから遠ざかるように移動するはず。でも、実はブラフで、実は近づいていたり、まったく関係のないタイルを交換したりしているのかもしれない。一枚上手なのは、泥棒か警官か?

捕まえるか逃げおおせるかでチーズをもらい、全員が逃げる役をやってチーズの多い人が勝ち。

私はランダムにいろいろなところをタイル交換して混乱させようと思ったが、見事に見透かされていた。一方、追いかけるほうでは全く気配が読めない。逃げるほうも追いかけるほうも読みきったPsy+さんが優勝。実は全く分からないのに「絶対こっちだよ」とか言うのも作戦だったようだ。

人によってタイルの動かし方が違うのが面白い。高度に心理的な駆け引きが楽しめた。

Knalle Kanalratte
R.フラガ/ハバ(2007年)
2〜5用/4歳以上/15分
国内発売:すごろくや

ベオウルフ・ザ・ムービー(Beowulf the Movie)

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第3ステージに向けて高まる緊張感

タイルとコマを配置して、自分のコマを置いた縦横の列から得点するボードゲーム。『市場のお店』(1994)が元ゲームで、このゲームの作者であるリメイク王・クニツィアがアメリカ版の『キングダム』(2003)を作り、さらに改良を加えてこのゲームが出来上がった。

自分の番にはボードの空いているところに手札からタイルを置くか、コマを置く。タイルはプラスポイントのもの、マイナスポイントのもの、特殊効果があるものがあり、コマは×1〜×4まである。碁盤の目になっているボードが全部埋まったら得点計算で、各コマごとに縦と横の二列にあるタイルの点数を合計し、コマの数字をかけて得点にする。ボードを替えて3ステージ行い、合計点の高い人が勝ち。

×2以上のコマは、合計がプラスになれば嬉しいが、マイナスになれば目も当てられない。当然、ほかの人が×2以上のコマを置いた列には、マイナスタイルがどんどん置かれることになる。タイルを置くにも、コマを置くにも、位置とタイミングが悩ましい。

元になった『市場のお店』はたいへん優れたゲームだが、同じボードで3ゲーム行うので、どんどんシビアになっていく傾向があった。大量得点をさせないようにお互い牽制するためである。攻撃はしやすいが、守るのは難しい。その点『ベオウルフ』は、毎ステージの地形が変わり、またタイル構成も変わることで変化をもたせ、シビアな印象を薄めている。ほかの人の置き方と、引いてくるタイルによって進め方は臨機応変。

縦横の列のプラスタイルを全部消してしまう「欺瞞」や、タイルの位置を交換できる「黄金の像」といった強力なタイルもあるが、その数はほんのわずかで、山札に埋もれたまま出てこないこともある。むしろ、そういうタイルが出てくることを警戒してゲームを進めるところが面白い。

今回は×2以上のコマを第3ステージまで全部温存しておく作戦。はたして第2ステージで大量得点を加えたくさのまさんにマークが集まる。第3ステージではほかの人と相乗りしたり、偶然できた美味しいスポットを押さえたりして追い上げ1位。

遊ぶたび、メンバーが変わるたびにつぶし合う展開と伸ばし合う展開の両方があり、それぞれ考え方が違う。ベオウルフというテーマのイラストはグロテスクで好みでないが、映画が忘れ去られても、このゲームは遊び継がれてほしい。

Beowulf the Movie
R.クニツィア/ファンタジーフライト(2007)
2〜4人用/10歳以上/30分
国内販売;アークライト

プラネットスチーム(Planet Steam)

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ひとつの資源すら無駄にできぬ

ゲーム内容はこちら。経験者の利を生かそうと序盤から財産証明書を手に入れたり、工場を連結して大量生産をもくろんだりしたが、3ラウンド目で痛恨の資金ショート。一番安いエネルギー拡張すら買えなくなり、何も生産できない工場が出てしまった。ほかの人も生産力が上がらず、中央の在庫は一気に枯渇。お金もないし資源もないしで、細々とした経営を余儀なくされた。

連結で大量生産体制を作った神尾さんがリードしたかに見えたが、資源が高騰したときに売りすぎたのと、次に生産するエネルギーが足りなくなったのとで後退。コンプレッサーを2つも作って着実で効率的な生産を続けていたぽちょむきんすたーさんが1位。

1つの資源でも無駄にできず、次のラウンド、次の次のラウンドまで見据えて使っていかなければならない。ちょっとした歯車のかけ違いで勝敗が分かれる、高度に戦略的なゲームである。

Planet Steam
H-G.ティーマン作/ルドアート(2008)
2〜5人用、12歳以上、120分

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