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ローリング・ジャパン(Rolling Japan)

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日本全国で辻褄合わせ

ローリング・ジャパン

ダイスの出目を日本地図に書き込んでいって、できるだけ多くのマスを埋めるゲーム。「隣接するマスの数字は±1以内」というシンプルかつ厳しいルールによって、あちら立てればこちら立たずで悶絶する。OKAZU Brandが2014年秋のシュピールとゲームマーケットで発表した作品。

各自1枚ずつ日本地図が描かれた専用の用紙と、ペンをもってスタート。袋から2個サイコロを引き、それを振って、出目を用紙に記入する。青いダイスだったら北海道・東北、赤いダイスだったら関東......白いダイスだったら九州というように、日本地図は6つのエリアに分かれ、それぞれダイスの色に対応している。

記入が終わったらまた2個引いて振る。そしてまた2個。6個振ったら1ラウンド終了で、ダイスは全て袋に戻される。1個だけ振られないダイスがあるところがニクイ演出である。8ラウンド行い、記入できなかったところにバツ印をつけて、そのバツ印の少ない人が勝ち。

「隣接するマスの数字は±1以内」というルールによって、記入できるマスがどんどん限られてくる。例えば「1」など書いてしまったら、その隣接するマスは全て「1」か「2」しか記入できない。だから「1」や「6」はできるだけ隅っこの方に。「ここは2で、ここは3だと全部埋まる」などと目論むが、もちろんそんなにうまくダイスが出てくれるとは限らない。

苦しいときに助けになるポイントの1つ目は紫ダイス。これはどの色としても使えるジョーカーである。そして2つ目は色チェンジ。ゲーム中に3回だけ、都合の悪い出目をほかの色のエリアに書くことができる。ダイスは運だが、この2つの特性をどのタイミングでどこに使うかによって差がつく。

時間が短いので2ゲーム続けてプレイ。1ゲーム目はあちこち矛盾だらけだったので、2ゲーム目は矛盾しないように埋めていったが、そうすると待ちが狭くなり、終盤でどうしようもなくなってしまった。書けるマスがある限り書かなければいけないという制約はあるものの、1つマスを犠牲にして周囲のマスを活かすという戦略もあり、手軽そうで奥の深いゲームである。ほかのプレイヤーとの絡みはないが、袋からダイスを引くときや振るときに「青の3でお願いします!」とか口々に言い合って楽しめる。

Rolling Japan
林尚志/OKAZU Brand(2014)
1~8人用/8歳以上/15分
Role & Roll Station:Rolling Japan

履歴書(CV)

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波瀾万丈の人生ゲーム

履歴書

タイトルは「カリキュラム・ヴィタイ(curriculum vitae)」の略で、履歴書の意味で世界共通で使われている言葉だ。経歴の欄に書き込まれるであろう学歴、職歴、それに資格、趣味、家族などをこのゲームで決めていこう。ダイスの出目でカードを集めるポーランドの人生ゲームだ。

場に5枚のカード(はじめは青年期)が並べられてスタート。自分の番にはダイスを4個振り、出た目の組み合わせで取れるカードを取る。カードにも目が付いており、その目は次回以降にダイスに加えられ、よりカードが取りやすくなる。こうしてカードの効果を累積させて、どんどん難しいカードに挑戦していく。

出目は十字マーク(健康)、電球マーク(知識)、男女マーク(人間関係)、ドルマーク(お金)、ニコニコマーク(幸運)、ションボリマーク(不運)の6つで、例えば「献血」というカードなら健康2つを支払って手に入れ、人間関係1つが付いてくる。老年期に登場する「孫」は、幸運2つ、人間関係、お金が必要になるが、幸運と人間関係と健康をもたらしてくれる。このように、それぞれの目の意味がカードに関連しており、単に出目を揃えるゲームではない。

振り直しは2回までできるが、不運の目が3つ出るとカードを1枚捨てなければならない。不運を別の目に変えるカードもあるが、たくさんのお金などと引き換えに、不運が最初から付いてくるものも。

簡単なカードの多い青年期から、壮年期、老年期までプレイして終了。カードの目の数や、カードの種類別ボーナスなどを加えて得点の多い人が勝ち。

4人プレイで60分。ダイス目の割り当てに結構悩むのでダイスゲームにしては長めのプレイ時間である。優勝したのはだーゆさんで、序盤は就職できなかったが、結婚したあたりから運気が急激に上昇し、大量カードゲットで突き放した。序盤から親の会社に就職してお金だけはあった神尾さんは資産を築き、ぽちょむきんすたーさんはアスリートから科学者に転身し、私はCEOになって世界一周と、みんな派手な人生を送っていた。就職難や華麗なる転身、趣味への傾倒など、会話が盛り上がるゲームである。

CV
F.ミルンスキ/グランナ(2013年)
2~4人用/10歳以上/60分
ゲームストア・バネスト:CV:履歴書
テンデイズゲームズ:CV:シーブイ
グループSNEとcosaicから日本語版が発売予定

ドイツゲーム賞2014に『ロシアンレールロード』

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ボードゲームメッセ「シュピール」を主催するフリードヘルム・メルツ社(ドイツ)は15日、25回目となる今年のドイツゲーム賞(Deutscher Spiele Preis)を発表した。愛好者の投票により、『ロシアンレールロード(Russian Railroads)』が1位に選ばれた。

ドイツゲーム賞は、前年の秋から当年の春までに発売された新作を対象として、はがき、インターネット、用紙による投票で選ばれている。5タイトルまで記入する方式で、たいていは5タイトル以上新作をプレイしている愛好者が投票するため、毎年フリーク向けの作品が選ばれる傾向にある。昨年は『テラミスティカ』、一昨年は『世界の七不思議』が受賞した。

今年1位に輝いた『ロシアンレールロード』は、シベリア、サンクトペテルブルク、キエフという3つの路線に線路を引き、技術革新をして列車を走らせるゲーム。昨年の『テラミスティカ』同様、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞の推薦リストから選ばれた。日本ではメビウスゲームズが輸入版を取り扱っている。

エキスパートゲーム大賞を受賞した『イスタンブール』は2位、ノミネート作品は『コンコルディア』が3位で『ロココの仕立屋』は8位。ドイツ年間ゲーム大賞の『キャメルアップ』が5位、ノミネート作品は『宝石の煌き』が10位で『コンセプト』は圏外だった。ドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに入った日本発のカードゲーム『ラブレター』が4位。

一緒に投票にかけられるドイツキッズゲーム賞には、撒き散らされた溶岩コマを集める『ファイヤードラゴン』が選ばれた。授賞式は10月15日、ドイツ・エッセンで行われる「シュピール」前夜祭にて行われる。

【ドイツゲーム賞2013】
1位:ロシアンレールロード(Russian Railroads / H.オーレイ、L.オーグラー / ハンス・イム・グリュック)
2位:イスタンブール(Istanbul / R.ドーン / ペガサスシュピーレ)
3位:コンコルディア(Concordia / M.ゲルツ / PD出版)
4位:ラブレター(Love Letter / カナイセイジ / ペガサスシュピーレ)
5位:キャメルアップ(Camel Up / S.ボーゲン / エッガートシュピーレ)
6位:カヴェルナ:洞窟の農夫たち(Caverna - Die Hölenbauern / U.ローゼンベルク / ルックアウト)
7位:ルイス・クラーク探検隊(Lewis & Clark / C.シャボーシ / ルドノート)
8位:ロココの仕立屋(Rokoko / M.クラマー、L.&S.マルツ / エッガートシュピーレ)
9位:グラスロード(Die Glasstraße / U.ローゼンベルク / フォイヤーラントシュピーレ)
10位:宝石の煌き(Splendor / M.アンドレ / スペースカウボーイズ)

【ドイツキッズゲーム賞2014】
ファイヤードラゴン(Feuerdrachen / C.E.ランザヴェッキア / ハバ)

【エッセン金の羽根賞2014】
アブルクセン(Abluxxen / W.クラマー、M.キースリング / ラベンスバーガー)

Deutscher Spiele Preis:Preisträger 2014

レミング(Lemminge)

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インコースは通らせない

レミング

崖に向かって、2匹のレミングをほかより先にゴールさせるレースゲーム。近年注目のデザイナー、S.ブリースデールの作品で、クリエイティブなプレイが楽しめる。

手番にはカードを場に出して、自分のレミングのどちらかを進める。曲がりくねったコースは山地、湖、砂漠など5種類の地形があり、その上を通って近道するには対応するカードを出さなければならない。手札のカードを見て、どちらのレミングを進めるほうが早いかを考える。

面白いところは、場に出されたカードが累積していくところだ。前の人が湖の3のカードを出していたら、そこに湖の2のカードを出せば5マス進める。さらに湖の2のカードを出せば7マスも進める。こうしてビハインドしていてもうまく波に乗れば逆転が可能だ。

ただし、最後に出た数字より大きいカードを出すとそれまでの累積がリセットされ、カード1枚分しか進めなくなる。その代わり、地形タイルを取って好きなところに置ける。こうして地形を変えることによって、自分のレミングを進みやすくしたり、ほかのプレイヤーのレミングを妨害したりするわけだ。トップは当然、いろいろな地形タイルが置かれて進みにくい。「な、何てことをしやがる!」 しかし妨害するために置いたタイルで結局自分が苦労することも。

手札を補充するには、1回休んで山札から6枚まで引く。手札を使いきってから補充というのが一番効率がいいが、手札が少ないと選択肢が減るので、どこで補充するかも考えどころである。

移動力を使って前にいるレミングを押しのけることも可能。ほかのプレイヤーのレミングはアウトコースに押しのけてしまおう。妨害を乗り越えて、2匹を先にゴールさせたプレイヤーの勝ち。

4人プレイで30分ほど。ゲームが始まってみると、考えることの多さに驚く。どちらのレミングを進めるか、地形の険しいインコースを通るか平地のアウトコースを通るか、地形タイルはどこに置くか、手札を補充するかもう1枚出すか。こういった判断を、手札と場札の状況を見て考えなければならない。最初は手札なりに遠回りしてでも進むようにしていたが、インコースとアウトコースを行き来しているのはロスが大きい。地形タイルをうまく自分の前において、インコースを突破する作戦、みんなが通りたいところで止まって、前に押してもらったり回り道させたりする作戦など、いろいろな手が思い浮かぶ。手札運もあるが、苦しいなりにもやりようがあってゲーマー魂を揺すぶられる。気がつけば3ゲーム。終わるたびに「ここの砂漠が効いたね」「このルートが厳しかった」などと感想戦が盛り上がった。

Lemminge
S.ブリースデール/アミーゴ(2014年)
2~5人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズ:レミング

レグロス(Leg Los!)

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レグロス

16枚並んだお題から、どの絵を表現しているか棒と円盤だけで当ててもらうクイズゲーム。作者のロッシは『アルケミスト』や『大勝負』などの作品で知られるが、クイズゲームも同じツォッホ社から『シュナップス』というゲームを発表している。制限時間以内にたくさん当ててもらうところが共通で、いかに情報を手早く出していくかがカギだ。

ボードの1~16番にランダムにタイルを並べたらスタート。親は番号タイルを引き、そこで指示されたお題を棒と円盤を並べて表現する。ほかの人はこれだと思ったお題を回答。正解が出たら次のお題に移る。こうして砂時計が終わるまで、できるだけたくさんのお題を当ててもらうことを目指す。

ポイントは2つあって、まず親は使用済みの棒と円盤が使えないところ。1つのお題にたくさんの棒と円盤を使ってしまうと、それ以降のお題で困ってしまう。要は16のお題が識別できればいいだけなので、目玉だったら円盤1つ、ピサの斜塔だったら棒2本など、できるだけミニマルに。

もう1つはほかのプレイヤーの回答権がお題1つにつき1回しかないこと。早い者勝ちなので、親が紛らわしい置き方をすると全員が一斉に間違って回答権を失ってしまう。また親でない場合は、お題ボードを見て、紛らわしいお題が出される可能性も想定しておいたほうがよいだろう。

とはいえ、ぽんぽん正解して得点するほうが効率がいいので、思いついたものをすぐ答えたほうがよい。ポイントは、お題ボードのほうをよく見ておくことだ。

6人プレイで30分ほど。最初は棒と円盤を見つめていたが、それだけで分かるはずがなかった。お題ボードをずっと見ておいて、親が最初の1個か2個を置いた時点で答える作戦に変更。これでリズムよく正解して挽回し1位。

ツォッホにしてはコンポーネントやイラストが大人しいが、「なんでそれだけで分かるの?」「もう棒がねーよ!」とかわいわいと盛り上がれる作品。

Leg Los!
C.ロッシ/ツォッホ(2014年)
3~6人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズ:レグロス

リヒャルト・リッターシュラーク(Richard Ritterschlag)

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そう簡単に活躍させない

リヒャルト・リッターシュラーク

騎士見習いのリッターシュラーク君が、お姫様を助けたりドラゴンを倒したりするクエストをこなして一人前になることを目指すタイル配置ゲーム。2014年のドイツ年間キッズゲーム大賞にノミネートされた。

騎士のクエストはドラゴンを退治する、お姫様を助ける、盗賊を捕まえる、宝を見つける、大男を降参させる、魔女を狩るの6つ。このうちプレイ人数によって4~6枚のクエストタイルをもつ。

手番には三角形のタイルを引いて、絵柄が合うように配置する。このとき、色のついたマスが揃えば、手持ちから同じ色のタイルを置くことができる。手持ちのタイルを全て置ききった人の勝ち。

番上にいるコマはお助けキャラのラートロスさん。このタイルに隣接してタイルを置くともう一手番できる。

絵柄が合えば置ける、合わなければ置けないというだけなので、小さな子供向けかと思ったが、大人が遊べばタイルの配置の仕方がえぐい。自分のときに合わなければ、ほかの人が合わせられないように厳しい置き方をする。『カルカソンヌ』の都市をめぐる攻防のようだ。

そういったわけで手番には1枚置けるかどうかという攻防が続いていたが何と、劣勢だったkarokuさんが最後の最後で一挙に2枚置いて逆転勝利。ドラマチックな幕切れだったので満足。

Richard Ritterschlag
J.ツィルム/ハバ(2013年)
1-4人用/5歳以上/10分
国内未発売

ロココの仕立屋(Rokoko)

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美しい衣装を着てもらう

ロココの仕立屋

フランス・ルイ15世の治世に、上流階級のために布を仕入れて豪華な衣装を製作するボードゲーム。華やかな宮廷の裏側で行われている地道な作業に焦点を当てた、変わったテーマの作品である。2014年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされている。

手番には、手札から従業員カードを1枚出してアクションを行う。場に並んでいる布地・糸・レースを仕入れ、同じく場に並んでいる衣装を作って宮廷に出すのが基本。衣装によって製作費と必要な材料が異なるので、資金や材料が足りなくならないように計画しなければならない。作ろうと思っていた衣装を、前の人に取られてしまうこともあるので、ほかの人がどの材料を集めているかも注意しておく。このセットコレクションがゲームの中心である。

面白いのは、従業員カードによってできないアクションがあったり、追加のアクションがあったりするところだ。大きく分けて親方、助手、見習いの3種類がおり、高級な衣装を作ったり、新しい職人をリクルートしたりするのは親方にしかできない。一方、見習いは材料を2回仕入れられる。さらに、これまでの職人を「破棄」し、リクルートした職人と入れ替えることによって、より強力なアクションができるという、デッキ構築の要素もある。職人はリクルートしたラウンドから使うことができ(アクションが1回増える)、後のラウンドになるほど強力な職人が登場するので、職人のアップデートは必須だ。

さて、衣装を送り込んだ宮廷では、エリアマジョリティーの陣取りが行われる。衣装は誰が提供したのか、コマの色で分かるようになっている。宮廷はいくつかの部屋に分かれており、ゲーム終了時に部屋ごとに最多の衣装を提供したプレイヤーにはボーナスが入る。また、屋上には花火が見える特等席があり、ここを買っておくと自分の作った衣装を貴族たちが見に行ってくれる。屋上でも最多ボーナスがあるので、どんどん衣装を送り込もう。ほかにも、お金を出して雇っておくと得点になる音楽家や、収入を増やす噴水、各色の衣装を揃えると得点になる彫像などがあり、お金の使いどころにも悩む。

お金は毎ラウンドはじめに入ってくるが、カツカツである。衣装を作ったとき、宮廷に出さずに売却することで臨時収入を得ることができるが、そうすると得点源を失ってしまう。収入をもたらす職人もいるので、こつこつと稼いでおきたい。

7ラウンドでゲーム終了で、得点の多い人が勝ち。

プレイ時間が公称より長くなりがちという噂だったが、今回のセッションは4人で90分くらいに収まった。プレイ感もそれほど重くなく、年間エキスパートゲーム大賞がターゲットである、ゲーマーズゲームの入口に位置するものといえるだろう。ただ、選択肢が多いので長考になりがちだというのは分かる。

衣装をどんどん作って宮廷に出し、特典のあるマスに置いて回していく作戦だったが、そのようなマスが埋まると、材料も足りなくなって窮地に追い込まれた。職人のリクルートが遅れたために、効率的に衣装を作れない。花火席にも絡むことができず、下の階の陣取りで勝つのが精一杯だった。序盤は材料を集め、どんな衣装にも対応できるように職人を整えたcarlさんが1位。衣装を次々と売却してお金を貯めこみつつ、職人をどんどんアップグレードしていたbashiさんが脅威だったが、得点に結びつけるタイミングを逸したようだ。

テーマの面白さに加えて、セットコレクション、デッキ構築、エリアマジョリティーと盛りだくさんのシステムで遊びごたえのある作品。次はもっとうまくやれそうという感覚が残るのがよい。

Rokoko
M.クラマー、S.マルツ、L.マルツ/エッガート・ペガサスシュピーレ(2013年)
2~5人用/12歳以上/60~120分

理想の納豆(Ideal Natto)

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たまごと、キムチ

理想の納豆

自分の好みのトッピングを入れてかき混ぜ、美味しい納豆を作るカードゲーム。ボードゲームイベント「盤博」メンバーが、ゲームマーケット2014春に発表した。全国納豆協同組合連合会の公認を得ており、納豆パックのようなパッケージに入っている。

はじめに配られるのが「好みカード」。のり、たまご、ねぎ、大根おろし、めんたいこ、キムチから理想のトッピングが決められる。このトッピングが入った納豆を探し求めるのだ。

手番には、プレイヤー人数分の場に手札から「まぜるカード」と「トッピングカード」を置いていき、そろそろいいかなと思ったところで1列全部を取って抜けるというコロレット方式。先に抜けると、まぜる回数が足りないくて失敗するかもしれず、でも欲張っていつまでも粘っていると、好みでないトッピングを付けられたり、まぜるカードが多すぎて失敗することがある。

「トッピングカード」には、「好みカード」の6種類のほかに、しょうゆとからしがあり、その列の点数が上がる。これを出していると、その列がほしいんだろうと思われてしまい、余計なトッピングをたくさん付けられてしまうから要注意。さりげなく得点を伸ばしていこう。

全員がカードを引き取ったら1ラウンド終了。各自、理想のトッピングを発表し、合っていれば得点、違っていれば失点になる。しかし、「まぜるカード」の数字の合計が10~15回でなければ、その納豆は不成立ということで0点になってしまう。まぜるカードの内容は0~5。ほかの人が狙っていそうな列は、0や5を付けて不成立を誘うのがよい。2ラウンドの合計で勝敗を競う。

「キムチと大根おろし、意外と合うんじゃない?」「そんなにトッピング入れたら納豆じゃなくなるぞ」「まぜる回数それでOK?」「そんなにしょうゆを入れて、納豆が浮かぶくらいじゃないの?」などなど、納豆談義で盛り上がる、納豆好きのための作品だ。総務省の家計調査によると、昨年の納豆消費ランキングは1位が水戸市、2位が山形市、3位が仙台市、4位が福島市だっという。南東北で人気高し。

理想の納豆
KUA/盤博(2014年)
3~5人用/8歳以上/30分

ラコタ(Lakota)

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うっかりを誘う

ラコタ

丸い盤の上に棒を置いていって、手持ちの棒を早くなくすことを目指すボードゲーム。ポルトガルのメーカーから2004年に発売された『タッソ(Tasso)』のドイツ語版で、作者はフランス人。驚くほどシンプルなゲームだが、観察力と、手先の器用さの両方が問われる。

手番には、手持ちの棒を1本、寝かせて置くだけ。盤からはみだしてもよいが、立てたり、ほかの棒に触れたりしてはいけない。

2本の棒の上に橋を渡すように置くと、続けてもう1本置ける。これによってほかの人より棒を減らすのだ。もちろん、ほかの人には簡単にそうさせないよう、うかつに棒を近づけて置かないようにする。しかし、棒が盤上に広がるにつれて、どうしても近いところが出てきてしまう。自分の番にチャンスが訪れるかどうか。「うーん、この距離なら上に置けそうだけど・・・。」観察力が大事である。

きわどいときには、棒が崩れたり、動いたりしてしまうこともある。そうなると落ちた棒のほかに、右どなりから1本受け取らなければならない。棒が入り組んでくる後半は、狭いところにうまく棒を落とし込めるかという手先の器用さが問われる。

4人で10分ほど。「うっかりゲーム」と聞いていたが、確かにうっかり2本のすき間を近づけてしまって次の人がラッキーという展開が多かった。みんな慎重にプレイしたせいか崩れることは1回もなし。私のうっかりに乗じてKさんの勝利。距離が広くて無理そうなところでもどんどん置いていく攻めの姿勢がもっとあったほうがよいかもしれない。『ジェンガ』のようなスリルではなく、置く場所をじっくり考えるところを楽しむゲームである。

Lakota
P.プルー作/コスモス(2012年)
2~4人用/8歳以上/30分
ショップ検索:ラコタ

リトルデビル(Little Devils)

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目立ったら悪魔のえじき

リトルデビル

カードをできるだけ取らないようにするチキンレースゲーム。『ニムト』のように取ったカードの悪魔マークが、失点になる。頼むから、悪魔がいっぱいのそのカード、自分のところに来ませんように!

全員が1枚ずつ出して、負けた人が全部取るという流れだが、誰が負けるかに工夫がある。そのカギは2番目に出されたカードだ。この数が最初に出されたカードの数より大きいと、ほかのみんなも大きいカードを出さなければならない。そして負けるのは、一番大きいカードを出した人だ。だから、最初のカードを上回るぎりぎりのところを出したいが、そんなに都合よく手札はない。

2番目に出されたカードが最初より小さければその逆。みんなも小さいカードを出して、一番小さいカードを出した人が負ける。どちらの場合も、最初の数より大きい(小さい)カードがない人がいたら、その人の負けとなる。

一番大きい数字は54である。最初の人が49を出して、次の人が52とか出したらもうたいへん。条件に合うのは50、51、53、54しかない。これらのカードがなくて負けそうな人はいるのか、それともみんな50以上のカードを出して頑張るのか。その狭い範囲のカードを出して「もってるのか!」といわれるのが気持ちいい。

手札はどんどんなくなっていくので、後半になるほど選択肢がなくなって苦しい。そうならないために、数字の小さいカードと大きいカードを、うまくさばけるかがカギだ。手札がなくなったら取ったカードの悪魔マークを記録。これを累積して、誰かが規定点に達したところでゲーム終了となる。

子どもたちも交えて20分くらい。数字の大きいカードを出したらいいのか、小さいカードを出したらいいのかが毎回のように変わる中で、カードを出す順番を考えるのはなかなか考えさせる。とはいえ手札運も大きく、Kさんが無傷の勝利。みんな目立たないようにもぐりこんでカードを出し、数字が目立ってしまった人が全部取らされるところが、悪魔に狙われている感じが出ていると思う。地獄の業火を想起させるイラストもマッチしている。

Little Devils
M.フェルトケッター/ホワイトゴブリンゲームズ+アークライト(2012年)
3~6人用/8歳以上/15分

ロシアンレールロード(Russian Railroads)

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より遠く、より新しく

ロシアンレールロード

ゲーマーの信頼厚きハンス・イム・グリュック社(ドイツ)では、ここ数年で一番の重量級作品だという。鉄道というテーマも相まってゲーマーの注目度は高く、シュピールのスカウトアクションで1位になった。緻密な戦略性と多彩な得点パターン、ワーカープレイスメント特有の「人足りない!」「先に置かれた!」という悩ましさは、今のゲーマーの快楽ポイントを見事についてくる。

シベリア鉄道、豪華なサンクトペテルブルク線、新しいキエフ線の3つの路線に線路を引き、列車を走らせるゲーム。鉄道だけでなく、技術革新にも力を入れて、毎ラウンド入る得点を増やしていく。

ゲームの骨はワーカープレイスメントである。いろいろあるアクションスペースに、手持ちの労働者コマを置いてそのアクションを行う。前に誰かが選んだアクションは行えない。これを手持ちの労働者がなくなるまで続ける。

アクションスペースは26もあるが、大きく分けて線路敷設、列車配置、技術革新、技術者の獲得の4種類である。大きく分けて、路線を伸ばす戦略と技術革新を進める戦略があるので、別々に見ていこう。

路線を伸ばすには、線路を敷設して、そこに列車を配置することになる。線路敷設は、マイボードの3路線にある線路コマを進めることで行う。線路はただ伸ばすだけでなく、黒、灰色、茶色、象牙色、白という5種類があり、より良質の線路を延ばすことで得点が増えるようになっている。ただし、灰色は黒が通った後、茶色は灰色が通った後・・・というように、高級な線路は後から敷かなければならない。しかし1回のアクションで進められるのは1つのコマを1マスか2マスだけ。地道な作業が求められる。さらに、線路を伸ばした後にその長さを満たす列車を配置する必要がある。最初は1マスしか進めない手動式の車が1台だけ。シベリア鉄道は13マスもあり、終点までたどり着けるかは微妙なところだ。遅々として進まないのは共産主義への皮肉だろうか?

技術革新は、マイボードにある技術度のコマを進める。途中から、工場を作らないと技術度が上がらないようになっていて、しかも工場は列車タイルを裏返して使うものだから、鉄道と両立しにくい。しかし工場を作れば、得点などのさまざまな恩恵が受けられる上に、さらに技術革新を進めれば毎ラウンド高得点が入ってくるので魅力的である。

もちろんこの2つはどちらかだけでは勝てず、両方をうまく伸ばしていくのが一番強い。というのも、どちらも進めた先々でボーナスカードなどの特典がついてくるからだ。「?」と書かれたところまで列車が走るか、技術革新が進めば、何枚かあるチップから1つを選んで、強力な恩恵を受けられる。これで自分の弱点になっている要素を補強したり、戦略をスピードアップしたりできる。

技術者は、流動的なアクションスペースである。強い効果があるが、誰かが入手すると、その人だけが使えるようになる。さらにこの技術者の数によって得点が入ってくるので疎かにできない。

ゲームは7ラウンドあり、毎ラウンド最後に、マイボードの状況によって得点を入れる。第1ラウンドは5点とか6点とかいっていたのが、最終ラウンドは100点前後の得点が入ってくる成長ぶりが気持ちいい。ゲーム最後にボーナスを得て、得点の多い人が勝ち。

4人プレイで2時間。序盤は技術革新に特化したcarlさんが早々と得点をマックスにしてダブルスコア近いリード。逆転が難しいのではないかと思われたが、線路をほとんど伸ばさなかったのが後に響いた。鴉さんが工場をうまく使って路線を急速に延伸。点数の伸びがやや鈍ったcarlさんを抜いて1位となった。私は技術者でトップになったものの、序盤に技術革新を怠ったため成長が遅れ3位。

ほしいアクションをほかの人に取られることも想定して、限られたアクションでできるベストは何だろうかと考えるのはかなり頭を使う。列車が移動するわけではないので鉄道ゲーム感は薄いが、その分シビアなマネージメントにしびれた。

Russian Railroads
H.オーレイ、L.オグラー作/ハンス・イム・グリュック(2013年)
2~4人用/12歳以上/120分
メビウスゲームズ:ロシアンレールロード

ランペイジ:怪獣征服(Rampage)

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大胆に、そして繊細に

ランペイジ:怪獣征服

怪獣たちが街を破壊して建物や人を食べるボードゲーム。人気のフランス人デザイナーによる遊び心あふれる作品である。制作発表から発売までに長い時間を要しただけあって、素晴らしいコンポーネントである。

建物は床タイルとミープル(人型のコマ)を重ねて作り、中央にサッカースタジアムがあるこの街。怪獣たちが四隅から破壊を始めるのだ。ギャース!

自分の番に怪獣でできることは2アクション。基本的に次の4つを組み合わせる。いずれもほどよい力加減が大切で、強すぎても弱すぎてもいけない。

    移動:怪獣の足コマをおはじきし、移動先に怪獣を乗せる。勢い余って盤外に出てしまうと牙を取られる
    車:怪獣の頭の上に車コマを乗せておはじきし、建物に当てる
    踏みつぶす:隣接する建物の上から怪獣を落下させる
    ビーム:怪獣の上にあごを乗せて建物に強く息を吹きかける。勢いが強すぎてミープルが盤外に飛び出ると、逆襲されて牙を失うこともある

破壊によってミープルがなくなった床タイルや、地面に落ちたミープルを怪獣は食べ、これが最後に得点になる。牙が減ると、一度に食べられる数が減るので注意したい。

床タイルが全部なくなったらゲーム終了。ミープルは6種類1セットで10点、床タイルは1枚1点、ほかの怪獣を倒したりして奪った牙が1つ2点、そして各自が持っているキャラクターカードの条件に沿ってボーナス点(金髪とヒーローのセットで得点など)となる。

各怪獣はパワーカードでいつも使える特殊能力と、必殺技カードで1回きりの特殊能力(使うまで非公開)があり、これを効果的に使ったり、使わせないように邪魔したりしなければならない。

ケルンから来たドイツ人たちと45分ほど。私のパワーカードはカンフー(車がなくても足コマを飛ばせる)だったが、足コマは車と比べると威力が弱い。序盤は近くの建物を踏みつぶしてから、まだ残っているところを目指した。右どなりの怪獣がビーム好きで、ひたすら息を吹きかけては建物を破壊する。ところが自分のエリアに落ちなくて、向かい側の怪獣が喜ぶばかり。結局、その怪獣はバレリーナ(1アクションで2回移動できる)を駆使してみーぷるを食べまくり、ダントツで1位。私は最後に必殺技で怪獣を投げ飛ばしたが、ミープルがあまり残っていなかった。

怪獣の位置に応じたアクション選択は考えどころだが、やりたい放題やって、盤上がどんどんメチャクチャになっていくのを楽しむゲームである。壊れ方が激しいほど、歓声(悲鳴?)が上がった。

Rampage
A.ボザ&L.モーブロン/ルポ・プロドゥクシオン(2013年)
2~4人用/10歳以上/45分
ホビージャパンから発売予定

ルーム25(Room 25)

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リアル脱出ゲーム

ルーム25

未来のリアル脱出ゲーム番組「ルーム25」の出演者となり、生き延びて脱出するというフランスの協力ゲーム。危険な罠を潜り抜け、出口を見つけて、施設から脱出することはできるか? ひそかに裏切り者もいるよ!

25枚のタイルを並べて、全員中央の「セントラルルーム」からスタート。残り24枚は伏せられている。手番にできる行動は確認(となりの部屋が何かこっそり見る)、移動(となりの部屋に移動する)、押し出し(同じ部屋にいるほかの人をとなりの部屋に移動させる)、操作(自分のいる部屋を縦か横にスライドさせる)のいずれか。行動の選択は全員同時に行う(プロット方式)ので、スピーディであると共に思わぬハプニングが起こる。

部屋の多くは何も起こらない「空き部屋」だが、入っただけで即死の「即死部屋」、すみやかに脱出しないと死亡する「水責め部屋」、別の場所にワープできる「移動部屋」などさまざま用意されており、うかつに入ることができない。確認と情報共有が大切である。規定ターン内に出口タイルの「ルーム25」を見つけ出し、そこに集合して、「操作」で外に出せば勝利。

全員一丸となって脱出する協力モード、2チームで先に脱出することを競うチームモードなどがあるが、オススメは裏切り者のいる疑惑モード。4人の場合1人、5~6人の場合2人が「ガード」となって、脱出を妨害する。しかも最初は正体を明かさず、ひそかにゲームを不利な方向に進める。脱出を成功させるだけでなく、裏切り者をあぶりだして妨害を食い止めなければならない。

6人プレイで裏切り者2名。最初の確認で「即死部屋」を発見した私は、そうでないところに、くさのまさんをいきなり押し出してみる。移動は1ターンに1回しかできないため、押し出しで表のタイルを増やす作戦である。「危ないっすよ!」「大丈夫ですって。」これによってみんなから裏切り者疑惑をかけられてしまった。「もう1人いるはずだけどなあ」「私じゃないです!」そんなやりとりをしながら徐々に明かされていく部屋。「ルーム25」は早めに見つかり、みんなが集合してくる。ここでガードであることを明かしたのは、くさのまさんだった。そしてもうひとりは鴉さん。2人の連携でサガエさんが遠くに飛ばされ、脱出できない状況に。しかしそれ以上の被害を食い止めるため、ガードも外に押し出された。最終ターンは、1人残しても脱出成功となるため、サガエさんを置き去りにして勝利。「さようなら~!」プレイ時間は約40分。

アクションがシンプルで、複雑な特殊能力もなく、部屋の説明はプレイヤーボードに書いてある(多言語版は日本語のボードが付属)。プレイ時間も短めで、ゲーマーが軽く遊びたいときだけでなく、普段遊ばない人に出すのもよさそう。ドラマチックな展開が楽しめる。

Room 25
F.ルーゼ作/マタゴー(2013年)
1~6人用/13歳以上/30分

リベルタリア(Libertalia)

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船上のどんでん返し

『アウグストゥス』のP.モーリが昨年、フランスの出版社から発表した海賊ゲーム。バラエティ豊かな海賊船の乗組員たちが、戦利品をめぐって奇想天外の争いを繰り広げる。

全員同じ構成の船員カードを受け取り、船に戦利品チップが並んだらゲームスタート。1日目の船員カードを選んで、一斉にオープンする。

戦利品チップは、強い船員カードを出した人から選べる。1枚で価値のある金銀財宝、3枚集めれば高い価値をもつ宝の地図、となりのプレイヤーの船員を倒せるサーベル。よいものばかりではない。自分の船員がやられるスペイン士官、マイナスになってしまう呪いのマスクもある。スペイン士官や呪いがたくさんある日は、弱い船員カードを出さないほうがよい。

リベルタリア

さて、船員は全てさまざまな特殊能力をもっている。出してすぐ発動するもの、使い終わってから継続的に使えるもの、ラウンドの最後に得点になるもの。強いけれどもラウンドの最後にマイナスになってしまう船員は、ほかの船員の能力で「消す」といったことが必要になり、出す順番もよく考えなければならない。

1日目が終わったら、使った船員をねぐらに置いて、2日目の船員を出す。こうして5日目まで終わったら1ラウンド終了。戦利品チップを精算し、最後のボーナスを受け取って、次のラウンドに入る。次のラウンドは新たな船員カードが配られる。3ラウンドで得点の最も多い人が勝ち。

船員カードの構成は全員同じなので、バッティングしやすい。バッティングしても、優先順位が書いてあるので、その通りに並べればよい。強いカードや、効果の特殊なカードをどこで出してくるかの読み合いが面白い。「おっと、ここで出して来ましたか・・・」

5人プレイ。2ラウンド目まではカードが噛み合わなかったり、効果が薄かったりしてあまり儲からなかったが、3ラウンド目でうまく奴隷(ねぐらにいる自分より強い船員だけ収入)を活かすことができ、さらに宝の地図を無事に集められて逆転1位。読み通りにいかないことが多い分、狙いが決まったときは気持ちいい。カードの効果を読むのはちょっとたいへんだが、みんなの構成が同じなのでスムーズに進行する。

Libertalia
P,モーリ/マラブンタ(2012年)
2~6人用/14歳以上/45分
ショップ検索:リベルタリア

ル・アーブル:内陸港(Le Havre: Der Binnenhafen)

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建物のご利用は計画的に

『アグリコラ』に続いて、『ル・アーブル』も2人用になった。フランスの港町を舞台に建物を作るゲーム。プレイ時間は短いが、『ル・アーブル』で醍醐味だった建物コンボや、他人の建物の借用が心ゆくまで楽しめる。

自分が持つのは資源の管理を行う倉庫と、アクションリングがついた建物置き場。どちらもシンプルながら、これまでのローゼンベルクの粋を集めた作りとなっている。無駄を削ったスマートな設計だ。

倉庫で管理する資源は食料となる魚、小麦と、建材となる木材とレンガ。いくつ持っているかはチップではなく、座標で表す。資源コマが右に1マス進むと、その資源が1つ増えたことになり、上に1マス上がると3つ増えたことになる。支払うはその逆。資源がいくつあるかは、縦横の数字を合計すれば分かるようになっている。

手番にできることは、建物を1つ建てるか、すでに建っている建物を1つ使うかのどちらかである。建物の効果はほとんど資源かお金を増やすもので、例えば「木材店」なら木材が増える。どのように増えるか、建物タイルに矢印で指示されているので分かりやすい。

ゲームが始まってから気付いたことだが、資源コマを左上に増やす建物が結構多い。つまりその資源が2増えるわけだが、資源コマが左端まで進むと、それ以上増やせなくなる。そのため、その資源コマを右に進める建物も使っておかなければならない。必然的にコンボを組むことになるという、実によくできた作りなのである。建物は、ラウンドごとに新しいのが出てきて、後になるほど効果が強く、コストが高いが、資源コマを右に進める序盤の建物を疎かにすると後が苦しい。

内陸港:倉庫

さて建設した建物は、アクションリングの0のところに置く。そして毎ラウンド最後にアクションリングが回ってその建物の使用回数が増える仕組みになっている。次のラウンドには1手番で2回、2ラウンド待てば3回、3ラウンド待てば4回使えることになる。例えば「木材店」を3ラウンド待って使えば、木材コマが右に4マス進む。使い終わった建物は再び0のところへ。

このため、寝かしてから一気に使いたいところだが、そうもいかないのが借用ルール。相手に1フラン支払うと、相手の建物を使えてしまうのである。楽しみに寝かせていた高価な建物を先に使われて悔しいこともしばしば。

このリングは、『祈り、働け』で用いられた収穫リングを応用したものだが、建物の使用回数を表すものにするとは思いもよらなかった。

内陸港

12ラウンドでゲーム終了。どのラウンドにどの建物が出てくるかは一覧になっているので、終盤の高価な建物を作るために、前のラウンドから準備をしておくことができる。

サガエさんと対戦。私は食料、サガエさんは建材と力を入れる資源が湧かれた。2人とも「農地」を建てなかったのが響いて、資源が思うように増やせない。後半に「造船所」など資産価値の高い建物を取りに行った私に対し、資産価値は高くないが資源を増やす建物を取ったサガエさんの資源がマックス状態に。この資源を資産にできる建物でサガエさんの勝利。私の方は使い切れなかった建物を強制売却されて交替してしまった。

建物が増え、選択肢が増えていくのは楽しい。この建物を使おうか、それともこちらを先に使っておかないと借用されてしまうかな、いっそ相手のあの建物を今使ったら・・・・・・などとあれこれ選択に悩み、没頭して楽しめる作品である。

Le Havre: Der Binnenhafen
U.ローゼンベルク/ルックアウトゲームズ(2012年)
2人用/10歳以上/30分

ロストレガシー(Lost Legacy)

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遺産は奴の手にあった・・・はず

カードをプレイして効果を使い、「失われた遺産」を探索するゲーム。日本ボードゲーム大賞を授賞した『ラブレター』の後継作として、ゲームマーケット2013春で発売された。今回のゲームマーケットで一番長い列ができたのは、このゲームを発売したワンドローと、制作したカナイ製作所だったように思う。ゲームマーケット後も、専門店で大人気となっている。

1枚だけの手札が織りなす思わぬドラマはそのままに、「失われた遺産」カードが最後にどこにあるか当てるフェイズが加わり、推理(またはギャンブル)の要素が加わった。

自分の番には山札から1枚を引き、1枚を出してその効果を使う。効果には、ほかの人の手札と交換したり、遺跡(場札)を見たり、指名した相手を(条件に合えば)脱落させたりするものがある。1枚なので、逃げ場なし。「今指名されたら脱落してしまう」「あのカードを引いてきたら終わりだ」というように、脱落は紙一重だ。このスリルがたまらない。

ロストレガシー

山札がなくなったら、脱落していない人の手札を公開し、強い(数字の若い)順に「失われた遺産」カードがどこ(誰かの手札か、場札)にあるかを当てる。当てれば勝利。この最後のフェイズのために、強いカードを手札に残すだけでなく、失われた遺産(中くらいの強さである)の位置も考えながらプレイしなくてはならない。どこにあるか分かっているのに無念の脱落ということもしばしば。

4人でプレイ。このゲームには基本セット16枚と、拡張セット16枚があり、ひとまず基本セットで3ゲームほどプレイした。アグレッシブなプレイで脱落者が続出し、どうしても山札がなくなる前にゲームが終わってしまう。そこで4ゲーム目は拡張セットに総入れ替え。手札からプレイできない上に、2枚捨てると脱落してしまう「負傷」でぎりぎりの状況に追い込まれる。脱落しても復活できる「聖女」を狙い、「死霊術師」で捨て札を山札に戻す。しかしその努力の甲斐もなく、2枚目の「負傷」を出して負けた。生き残った中で、見事「失われた遺産」を当てたのは長女。ドラマチックな展開が楽しめた。

「失われた遺産」を当てるフェイズが加わったことで、『ラブレター』のようなゲームの切れ味はなくなったが、その分考える要素が増えている。基本セットと拡張セットを組み合わせて遊ぶこともでき、好みによってじっくりにも、スピーディーにもできるところもよい。

Lost Legacy
カナイセイジ/カナイ製作所(2013年)
2~4人用/10歳以上/10分
ショップ検索:ロストレガシー

ラブレター(Love Letter)

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お姫様持ってたら負けた

封筒に入った16枚のカードと4枚のチップ。500円で販売された国産カードゲームが、2012年の日本ボードゲーム大賞に選ばれた。昨年の春のゲームマーケットで発表され、秋にはアメリカのAEG社が英語版を発売。複雑化する新作の中で、これだけシンプルなゲームに人気が集まるのはすごいことである。

ゲームの目的は、小さな王国に住むお姫様か、その側近に恋文を渡すこと。最後に最もランクの高いカードをもっている人が勝つが、お互いの正体が分からない。

ラブレター

カードは1の兵士から8の姫まで8種類あり、各自1枚ずつもってスタートする。自分の番には、山札から1枚引いて、1枚をプレイ。カードには次のような効果があり、強いカードほど脱落するリスクが高い。

  1. 兵士:ほかの1人の手札が何かを言って、当たっていたら脱落させる(強いカードほど推理されやすいので、脱落の危険がある):5枚
  2. 道化:ほかの1人の手札を見る(偵察に):2枚
  3. 騎士:ほかの1人と手札の強さを比べ、弱いほうが脱落する(自分が脱落することも):2枚
  4. 僧侶:1周の間、カードの効果を受けない(強いカードを守ろう):2枚
  5. 魔術師:自分かほかの1人の手札を捨てて引き直す(自分の弱いカード、他人の強いカードを交換しよう):2枚
  6. 将軍:ほかの1人と手札を交換する(お互い正体が分かってしまうので注意):1枚
  7. 大臣:効果なし。ただし山札から5以上のカードを引くと脱落してしまう:1枚
  8. 姫:プレイできない。魔術師などで強制的に出させられたら脱落してしまう:1枚

最後は強いカードをもっている人が勝つわけだから、2枚のうち弱いほうをプレイして、強いほうを手札に残すのが基本となる。弱いカードはお互いの正体を絞りこませる効果があり、推理の面白さがある。とはいえ引き運もあって盛り上がりどころも十分。

ゲームは山札がなくなるか、1人以外全員が脱落したら終了。前者は残っている人が手札を公開して、一番強かった人の勝利。後者は生き残った人の勝利。1ゲームが数分で終わるので、チップを使って先に2~3勝という選択ルールを用いてもよい。

手札が1枚といえば『クク』があるが、ギャンブルではなく推理の要素を加え、複数のカードが織りなすさまざまな展開が楽しめる傑作。

Love Letter
カナイセイジ/カナイ製作所(2012年)
2~4人用/5分
ゲームストア・バネスト:ラブレター

秦(Qin)

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狭すぎず、広すぎず

古代中国の荒地に陣地を広げるボードゲーム。3月に初来日するR.クニツィアが昨秋発表した作品で、ファンが彼に期待するシンプルで独特の切れ味をたっぷり感じさせる。

手番には3枚の手札から1枚を盤上に置くだけ。タイルは赤・青・黄の3色あり、同じ色を2マス以上つなげると「郡」、5マス以上で「県」になり、自分の仏塔コマ(この時代、仏教は伝わっていなかったどころか、まだお釈迦様も生まれていなかったような気がするが)を置ける。郡には1つ、県には2つ。

さらに、自分の郡や県につながった「村」(灰色の中立マス)にも仏塔を置くことができる。手持ちの仏塔を最初に全て置ききった人が勝ち。

秦

ゲームをダイナミックにするのが「郡」と「村」の乗っ取りだ。タイルを置いて同じ色の領地がつながったとき、マス数が狭いほうは、付属していた村とともに飲み込まれる。飲み込まれたほうの仏塔は持ち主に返されるので、大きく出遅れるだろう(トップ叩きにはもってこいである)。

一番早いのは2マスの「郡」をあちこちに作って仏塔を置いていく作戦。「県」にするともう乗っ取られないので、ある程度の広さも必要である。しかし、2マスくらいの「郡」はあっという間に乗っ取られる。取ったそばから取られる事態になるだろう。

だからといって乗っ取りを防ぐために自分の陣地を広げていると、仏塔は置けない。「県」はいくら広くても仏塔が2つしか置けないからである。「県」が「郡」を乗っ取るのは、そこに付属する「村」を取るためにすぎない。狭すぎず、広すぎず、その加減は周囲の状況次第。非常に奥が深い。

さらにボードは障害物がない平原と、障害物(池)だらけの湿原の両面になっている。それぞれ戦略が変わり、別ゲームのような面白さがある。プレイ時間が短いので、両面を続けて遊んでもよいだろう。

3人プレイで両面遊んで1時間弱。湿原の面は、障害物のおかげで乗っ取られにくいので、小さい「郡」が乱立した。狭いエリアに逃げこんで小さい郡に稼ぎ1位。平原の面はうってかわって、どこからでも乗っ取られるので、枕を高くして寝られない。大国化するサガエさんの隙間に、別の色の小さい郡を挟み込んで(別の色なので乗っ取られない)また1位。どちらも終盤は激しいマークにあったが、逃げ切れるタイルを引く運もあった。くさのまさんは、ほかの2人と争いを避けて新天地に進出していく作戦だったが、乗っ取りがない分だけ出遅れていた(他人と絡んだほうがメリットが大きいというのは、クニツィア作品の特徴である)。

考えればきりがないと思いきや、手札が3枚しかないのでできることは限られる。戦略性のほどよさが心地よく、これまでの数多くのクニツィア作品と比べてもトップクラスに入ると思う。

Qin
R.クニツィア/エッガートシュピーレ(2012年)
2~4人用/8歳以上/20~30分

ロードキルラリー(Road Kill Rally)

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  R-18指定のデスレース

『デス・レース2000年(Death Race 2000)』というアメリカのカルト映画がある。舞台は独裁国家アメリカ連邦。国民に大人気の「デス・レース」が今年も開催された。シルベスタ・スタローンが演じるレーサー「マシンガンジョー」が工事現場の作業員を轢き殺し、「レース中に一般市民を轢き殺せば年齢、性別に応じてポイントが加算される」というルールが説明される。レーサーたちが次々と市民を轢き殺しながらレースを繰り広げる中、レースに異議を唱える反政府組織の計画が着々と進んでいく。

2008年にはリメイク作品『デス・レース』も作られた。民営化された刑務所で、囚人たちが自由を求めて、武装カーによる過激なレースを繰り広げる映画だ。

この映画をもとにしてイギリスで『カーマゲドン(Carmagedon)』というコンピュータゲームが作られたが、日本での販売は暴力表現規制によって成人指定となっている。アメリカで制作されたこのボードゲームも、同じ内容であるが、少数販売ということや、残酷な表現がないことせいか、特に規制はされていない模様だ。確かに、通行人コマは血を出したりしないけれども、想像が膨らんでかえって残酷に思える。

舞台は2040年。2028年の核戦争で世界経済は荒廃し、アメリカ政府はエンターテイメント殺人を合法化する。その中で作られたテレビ番組で人気を集めたのが「ロードキルラリー」。世界中に人気が広まり、30億人の聴衆が見守る中、今年もクレイジーなレースの幕が切って落とされる。

ロードキルラリー

自分の番にはまず自動車のスピードを設定する。スピードを上げてトップに躍り出たいところだが、カーブに突っ込むとクラッシュしやすくなる。コースタイルは先頭の車が前のコースタイルに入ったときに追加されるので、先は読めない。急ブレーキ、急加速するとカードを消費してしまう。スピードを設定したら移動。このときに通行人をはねれば得点になる。ただし通行人は強靭で、ダイスを振ってヒットを2つ以上出さないと倒せない(デザイナーの良心か、人間じゃないと思いたい)。武器を装備していれば振るダイスの数を増やせる。

移動が終わったら、武器の射程圏内にいるほかの車や通行人を攻撃できる。車にダメージを与えられた場合も得点。防御するカードを出せば、ダメージは軽減できる。

カーブで曲がりきれなかったり、ダメージが蓄積したりするとクラッシュ。減点となって、スピード0から再スタート。手痛いが、トップを狙うには一か八かに賭けなければいけないときもあるだろう。

コースタイルは渋滞で片道通行だったり、火事で視界が悪くなっていたりと1枚1枚特徴がある。通るだけでダメージを受けるポイントもあるので、トップに固執していると危険である。

3位まで入った時点でゲーム終了。1位100点、2位50点、3位30点、通行人は大人が20点、子供が30点、老人が50点。攻撃成功は1回10点、クラッシュは1回-20点で、合計の多い人が勝ち。

5人プレイで2時間弱。トップを走らず、トップが取りこぼした通行人で稼いだcarlさんが1位。地味に攻撃を重ねたくさのまさんが2位。鴉さんは果敢にスピードを上げてはクラッシュしまくていたが、トップから陥落してからは散々だった私が(よかったのか悪かったのか)最下位。そういう設定だからと割りきってプレイしたが、激しい罪悪感を感じる場面もあったのは事実である。決してお薦めはしない。

Road Kill Rally
D.A.ジョージ/ズィーマンゲームズ(2010年)
3~6人用/12歳以上/60分

ラリー・ファリー(Rally Fally)

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ドイツには「オーバーシュヴェービッシェ・マグネットシュピーレ(Oberschwäbische Magnetspiele)」という磁石専門のボードゲーム出版社がある。流通が弱く、国内で知られているのは『ベッポ』ぐらいだが、ドイツ教育ゲーム賞を受賞するなど注目されるキッズゲーム出版社だ。流通についてもフッフ・フレンズと提携し改善しつつある(エッセンのボードゲームメッセでは見本のみの展示)。

この作品は、今年のドイツ教育ゲーム賞で3歳以上部門に選ばれたものだが、少なく見積もっても5歳以上くらいでないと遊べないと思われる。その代わり、大人だけで遊んでも楽しめる。空飛ぶじゅうたんに乗ってアイテムを集めて回るゲーム。

各自、プレイヤーボードにアイテムを集める順番が指示されている。手番には5枚の手札から1枚を選び、空飛ぶじゅうたんに乗ったお兄さんを移動する。アイテムのところまでたどり着いたら次のアイテムへ。こうして5つのアイテムを最初に集めたプレイヤーの勝ちだ。

ポイントは、ボードが斜めになっているところと、いくつかのマスに磁石が埋め込んであるところ。磁石のあるマスに止まれば落ちないが、磁石がないマスではズズーッと滑り落ちる。エアポケットみたいな感じ。下りならば有利だが、上りだと不利だ。

さらに大人は、移動中にほかの空飛ぶじゅうたんを押しのける。押しのけられてズズーッと。「こら、何をする!」

5枚のカードは使い切らないと手札に戻ってこない仕組みで、アイテムに止まれるカードがないために遠回りしてしまうことも。そうならないように、カードを出す順番も考えなくてはならないが、磁石の有無までは前提にできない。なかなかの大人ゲームなのである。

侍さん、畑さんと3人プレイ。全員揃ってリーチとなったが、侍さんが一手早くゴール。最後の悪あがきで侍さんのじゅうたんを押しのけてみたが、かえって進んで有利になってしまった。そんな邪魔し合いがあるので、大人だけで遊んでも楽しい。

Rally Fally
P.シャッカート/オーバーシュヴェービッシェ・マグネットシュピーレ―フッフ・フレンズ(2012年)
2〜4人用/3歳以上/20分
国内未発売

レミングマフィア(Lemming Mafia)

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レミング飛び込む水の音

集団で海に飛び込んで自殺するという伝説があったレミング。実際は集団移住で川を渡ることがあり、何体かが溺れて死んでしまうためそう考えられたらしい。このゲームではレミングがマフィアとなり、海に向かって逃亡する。途中で捕まったレミングは足にコンクリートを付けられて海に沈められる。運良く助かったレミングも、結局は海に飛び込んで死ぬという、なんともブラックなゲームである。コスモス社が手がけているドイツのコミック『笑うところではないでしょう(Nichtlustig)』のひとつ。

レミングマフィア

あらかじめプレイヤーには秘密の目標カードが配られる。「○○色のマフィアは○○色より先に飛び込む」「3匹以上がコンクリ詰めで死ぬ」など。ゲーム終了時に達成できていれば得点、できなければ失点となるので、これを見てレミングの進め方を決める。

手番にはレミングダイスを2つ振り、出た色のどちらかのレミングを進める。コースは何マスかで一区切りになっており、一つ先の一区切りのうち、空いていればどのマスに移動してもよい。マスによって、コンクリートを足に取り付けられたり、取り外したり、1〜6のサイコロを振って一気に逃亡を企てたり(移動先にほかのレミングがいると即コンクリート)。

コンクリートが3つ取り付けられると、どんなにトップを走っていてもその時点で脱落。最下位になってしまう。それぞれの思惑が絡み合うので、トップを走っているレミングが危ない。

コースの途中で、1位を予想することができる。そのマスにレミングが止まるたびに、自分のカードから1枚、裏にして出し、重ねていく。最後に面白いことに、1位だったレミングのカードを後で出しているほど、得点が高い。1枚目で出すと1点だが、6枚目で出せば6点。でも様子見をして出さないでいると、1位のレミングのカードを出しそびれて0点になってしまうかもしれない。

全部のレミングがコンクリ詰めで脱落するか、ゴールまで行って海に飛び込んだらゲーム終了。1位予想の得点と、目標カードを達成したかどうかによる得点で、勝敗を競う。

人数が多いほど、ままならなさが増す。お互いに潰し合うのは漁夫の利を招くので、ほかの人がどのレミングをよく動かしているか観察して、自分と利害が一致しそうな人を探したい。最後まで生き残るレミングは2匹くらいしかいない。1匹脱落するたびに、あちこちで悲鳴が上がって盛り上がった。

Lemming Mafia
M.リーネック/コスモス(2009年)
3〜6人用/8歳以上/20分
イエローサブマリン:レミングマフィア

乱世の豪商(Merchants in Turbulent Ages)

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0.1mmの攻防

ゲームマーケットでは時折、目をみはるようなオリジナルアイデアに遭遇する。毎回ゲーム名がブース名になっている佐伯拓也氏のこの作品は、『落水邸物語』(2005年)もそうだったが、「いったいどのようにしてこんなアイデアを思いつくのだろう?」とつくづく感心する。

コマを置いたままで、ゲームボードが差し替えられるのである。透明アクリル板の下にボードを差し込むので、コマに触れずに盤面が変わる。感動的なシステムだ。

乱世の豪商

ボード上には一〜五の国があり、それぞれで商人の数を競う。一斉にカードを出して、数字の多い順に自分の商人コマを置く。これを何ラウンドか繰り返したら、国ごとに商人の数が多い順に得点。コマの数が多いほど得点が高いので、適度に競り合って皆が置き、その中で頭ひとつ抜けるのが理想だ。

商人コマは、ほかのコマや国の境界線に触れてはいけない。そのため慎重なプレイが必要で、わざわざピンセットまで付いている理由もすぐに分かる。この部分は指先の器用さが問われるアクションゲーム。緊張して指がプルプル震える。

得点計算が終わると、ゲームボードが次の時代に変わる。ボードを差し込むと国の位置ががらりと変わり、このとき国の外や境界線にあるコマは除去されてしまう。何という乱世ぶり。でも次の時代のボードはわきに置いてあるので、2つのボードを見比べて生き残れるようにコマの位置を決めることができる。「もうちょっと右かな?」とか。

商人コマには大中小と大きさが違うが、小さいほうが小さいスペースにも置きやすいというだけで平等に数える。ただし大のコマは国の中央にある城に置くことができ、同数タイで勝つという特権が得られる。大コマは置き場所がなくなる前に早めに置きたい。

3人プレイで45分ほど。実際のところ、コマは大部分が除去されてしまうがcarlさんの目視が冴えていて、いつも1,2個多く残った。しかしpsy+さんと狙いが重なってコマが生きなかった上に痛恨のミス(小さいスペースにぎりぎり置こうとして失敗)。その間に私がボーナスを確実におさえて1位。

3人プレイと4人プレイではマップが異なる。除去されすぎては前のラウンドからのつながりがなくなってしまうし、残りすぎては次のラウンドに置き直す分がなくなってしまう。ほどほどに除去されるバランスのよさも光っていた。

乱世の豪商
佐伯拓也/(自主出版)
3〜4人用/12歳以上/60〜75分

ローマの執政官(Console Romano)

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俺様が法律だ!

執政官は、共和制ローマにおいて内政と軍事の両方を司る最高職だった。ローマの将来は彼の手に委ねられている。任期中に、自分が有利になるように、そしてほかの人が得をしないように配慮する駆け引きのゲーム。

カワサキファクトリーが今年のゲームマーケットに出展した国産同人ゲームで、『シチリアの殖民』『カルタゴの貿易商』とともに地中海シリーズに位置づけられるという。完成度の高さはもちろんのこと、オリジナリティの高さにも驚く。こういったゲームを最初から日本語で遊べるのはつくづく幸せなことだと思う。

ローマの執政官

毎ラウンドはじめに執政官を選出する。スタートプレイヤーから順番に意志を表明して、最初になりたいと言った人が執政官となる。執政官は給料をもらえる上、ほかのプレイヤーを自分の手のひらの上で踊らせる優位感を味わえるので、たいていはパスしない。

執政官になった人は、法案(アクション)カードを3枚もって、その中から1枚出す。ほかの人は、そのアクションを行いたければ○を、行いたくなければ×を選ぶ。○×を一斉に公開して、○の人だけがそのアクションを実行。

このようにして、執政官は5枚(+ランダムに1枚)の法案を選んで出し、それぞれアクションするかどうかを選ぶ。ほかの人は2回ずつしかアクションできず、しかも同じ種類のアクションカードは2枚目のほうが効果が高いので、どこで○を出すか非常に悩む。

しかし執政官も、皆が悩むのをニヤニヤして見ていればいいというわけではない。執政官もアクションできるが、それは全員×を出したときに限るというのがポイント。皆がまんべんなく○を出してしまうと、どのアクションもできないまま終わりかねない。最初に餌をまいて、後から効果の高いものをまんまとせしめるか、皆に出方を伺わせてさっさとアクションしてしまうか。ほかの人がどのアクションを求めているか、状況をよく読まないといけない。

アクションは5種類あって、それぞれやりかたは異なるが市民コマをローマ七丘に配置したり、資源(お金)を手に入れたりする。少しずつ得点になるものもあるが、大得点のチャンスは何といっても戦争。毎ラウンドいくつかずつ「戦度」が上がり、限界に達すると勃発する。

戦争では、ローマ七丘に配置した自分の市民コマの数だけ資源を払えればその数だけ得点になる。市民コマを配置すればするほど得点も大きくなるが、資源が足りないと少ししか得点できない。資源が尽きたときに戦争が起こった日には大きなビハインドになってしまう。備えあれば憂いなし。

もう一つの大得点チャンスはラウンドの最後にある街道建設。ここでは資源を支払えば得点が入るが、支払う資源の数がどんどん増えていく。ここでバーンと払ってしまっていいのか、それとも戦争に備えて貯めておくべきか? あちら立てればこちら立たずのカツカツになる苦しさは『アグリコラ』や『ルアーブル』を彷彿とさせる。

10ラウンドの後に戦争を1回行って終了。3人プレイで60分ほど。執政官をやるのは気持ちよくて、パスした人は誰もいない。様子見の人が多かったので、執政官が先にアクションを行うという展開が多かった。1位は資源を無駄遣いせず、安定して戦争に貢献したcarlさん。私は予期せぬ戦争で得点チャンスを1回失ったのが響いて最下位だったが、 みんなを悩ませる法案を次々と出せて満足である。

Console Romano
川崎晋/カワサキファクトリー(2012年)
3〜4人用/10歳以上/60〜75分
カワサキファクトリー:ローマの執政官

落書きプラネット(Scribble Planet)

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ありえない星座

昔の人は想像力が豊かだったと思う。台形みたいなのがてんびん座で、「人」の字みたいなのがかに座である。言われてみないと、いや言われてみても分からない。

『落書きプラネット』は、そんな想像力をはたらかせて、点でものを表現し、当ててもらうお絵描きゲーム。今年のゲームマーケット大阪と浅草で発売された同人ゲームである。最初は全く分からなかった点の集合に、線が引かれるにつれて答えが見えてくる感覚が独特で面白い。

落書きプラネット

最初に親が「海の生き物」「山にあるもの」「文房具」「デパ地下にあるもの」など、このラウンドのテーマを発表する。全員、そのテーマに沿って自分の描くものを考え、ブラックライトペンで記入する。サイコロを振って、点をいくつ打てるか決まったらお絵描きスタート。

全員が終わったら、それぞれの絵を公開。早い者勝ちで何を描いたか当てる。当てた人は常に2点だが、描いた人はいきなり1人目で当てられてしまうと0点、2人目は2点、3人目は3点……という得点構成。だから分かりやすい絵ではいけない。ABBさんは「海の生き物」でイカ座、「山にあるもの」でどんぐり座を即答されて無得点となってしまった。

誰も答えない状態で10数えたら、まだ当てられていない絵について線をちょっと引く。そしてまた解答タイム。それでも当てられなければ線を足して3回目の解答タイム。最後に全部引いて完成させ、最後の解答タイムとなる。線を1〜2本足しただけで印象がガラリと変わるから不思議だ。それゆえに、すぐ当てられてしまわないようにもしなければならない。

完成してから、誰にも当ててもらえなければ−1点。解答は、ブラックライトを当てると浮かび上がるようになっている。誰にも当てられなかった謎の星座が明らかになる瞬間がやばい。

「文房具」でdjさんが作ったホッチキスの針座、「空想上のもの」で鴉さんが作ったタイムマシン座などを当てつつ、「文房具」で修正テープ、「空想上のもの」で龍をほどよく当ててもらって1位。でも画伯tomokさんが「デパ地下にあるもの」で作った萩の月※座は、「文房具」で角丸くん座を当てたdjさんにすら当てられなかった。

※萩の月:仙台名物のお菓子。丸いスポンジの中にカスタードクリームが入っていて美味しい。tomokさんの絵は箱入りだったので「ようかん」「お中元」「お歳暮」などと間違われた。

落書きプラネット
新澤大樹/倦怠期(2012年)
3〜6人用/10歳以上/15〜30分

ロバの橋(Eselsbrücke)

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そこが思い出せない!

『神経衰弱』などの記憶ゲームは、ゲーマーにはあまりウケない。得手不得手の差が激しいのはもちろんだが、勝敗がゲーム経験に全く関係ないからではないだろうか。ボードゲームをそれほどやりこんでいない人でも、やりこんでいる人に素で勝てる。そういう意味で記憶ゲームは、運ゲームと同じく初心者向けと言えるだろう。

今回のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート3作品の中で、誰も予想しなかった『ロバの橋』も、記憶という要素を全面に出したゲームである。3枚から5枚のタイルが何だったかを、ストーリーを作って記憶し、何ラウンドか後に当てなければならない。

タイトルの「ロバの橋」はドイツ語で覚えにくいものを覚えるための手がかりという意味。水を怖がるロバは、小さな水溜まりでもわざわざ橋をかけたほうがよい。そのものを覚えたほうが簡単そうでも、わざわざ語呂合わせなどを考えて覚えたほうが長く覚えられるものだ。ドイツでは、いったんイニシャルにして、それに別の単語を当てて覚えていく。例えばギターの線EADGHEを、「Eine Alte Dame Geht Heute Essen(1人の老婦人が今日食事に行く)」というように(日本でも、年号の暗記などはそうである。「生稲(1917)晃子がロシア革命」とか)。

ロバの橋

自分の番になったらタイルを3枚引いて、その3枚でストーリーを作ってみんなに聞かせる。覚えてもらいやすくするには、筋の通った話にしたいところだが、引いてくるタイルは「ケーキ」「恐竜」「牢屋」のように脈絡がないものばかり。筋が通らなければ、インパクト重視でいこう。聞かせたら、3枚のタイルは伏せておく。

全員がそれぞれ3枚ずつ引いて話をしたら第1ラウンド終了。第2ラウンドもまた3枚引いて、ストーリーを作ってみんなに聞かせ、タイルを覚えてもらう。

第1ラウンドのタイルを思い出すのは、第3ラウンドになってから。しかも第3ラウンドは、4枚引いてストーリーを作った後に、第1ラウンドのタイルを当ててもらわなければならない。はるか過去のように思えるんですけど!

タイルを時計回りに1枚ずつ配り、受け取った人はそのタイルを手がかりにして、残りのタイルを当てる。当たれば得点、間違えば失点。ストーリーを作った人は、誰も間違わず当ててもらえたら得点。

同様に第4ラウンドに第2ラウンドのタイルを思い出す(第2版では、第5ラウンドがなくなった)。ここでも、そのラウンドに新しいタイルが追加されるので混乱するのは必至。1枚でも当たればいいほうで、全滅なんてことも多い。当たったら常に1点だが、間違ったときの失点がどんどん大きくなるので、みんながほとんど0点のまま終盤を迎える。

第5、第6ラウンドは、新しいタイルの追加は行わず、それぞれ第3、第4ラウンドのタイルを思い出す。混乱はしないが、枚数が4枚、5枚となっていて凶悪である。写真のタイルで私が作ったストーリーは、「つくばで竜巻が起こってゴミがぶちまけられ、つくばの国王が責任を感じて王冠を脱いでクラゲパーマにした」である(全部当ててもらえた)。

記憶を片隅から呼び起こすのに、こんなにエネルギーが必要なものかと思い知る。ストーリーを思い出せても、タイル名までたどりつけないことも多い。うんうん唸って5人で1時間。最初は思い出せなかったのが、何かのはずみでひらめくと無性に嬉しい。「あったあった!」「それそれ!」「うわーオチのところが思い出せない……」プレイしている当人たちは気が抜けなくて苦しかったが、隣卓からは大いに盛り上がっていて楽しそうだったという。

Eselsbrücke
S.ドラ、R.z.リンデ/シュミット(2011年)
3〜12(2人1チームで6チーム)人用/8歳以上/30〜45分
ショップ検索:ロバの橋

ルーンエイジ(Rune Age)

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戦死者続出でデッキ危機

ファンタジーボードゲーム『ルーンバウンド』の世界で4つの部族が戦いを繰り広げるデッキ構築ゲーム。昨年アークライトが日本語版を発売した。カード枚数が多くて価格が高くなりがちなデッキ構築ゲームでは、3150円という値段はお買い得である。しかもシナリオが4つ入っていて、ゲームの目的からして全く異なるので、4つのゲームを買うようなものでお得感いっぱいだ。

どのシナリオにも共通するのは、手番に手札の貨幣カードや部隊カードなどで新しいカードを獲得し、共通の敵やほかのプレイヤーと戦闘するということ。全員の手番が終わって一周すると、イベントカードをめくって、敵が出てきたり、次のラウンドにしばりが生じたりする。戦争がメインなので、デッキ構築ゲームなのに展開はかなり派手である。デッキもめまぐるしく変わる。

ルーンエイジ

カードの入手方法は3つ。貨幣カードで部隊カードを買い、部隊カードで都市カードを攻め落とし、都市カードで作戦カードを支配するのが基本である。1手番の入手枚数に『ドミニオン』のような制限はないので、高いものを1枚手に入れても、安いものを何枚か手に入れてもよい。そこは戦略次第。部隊カードは部族ごと、作戦カードはシナリオごとに異なるので、組み合わせを考えて購入したい。

4つのシナリオは、ドラゴンロード(戦闘力がやたら大きい)を最初に倒した人が勝ち、お互い殴りあって生き残った人が勝ち、協力して何ラウンドか全員生き残ったら勝ち、お金を貯めて記念碑を最初に買った人が勝ちの4つ。ゲームの方向性はシナリオによって全く変わる。

部隊カードや作戦カードは、新たにカードを入手するだけでなく、ほかのプレイヤー、イベントで出現する敵、シナリオの目的になっている敵を倒すのにも用いる。ポイントは、カードの効果によって投入した部隊などが破壊されてしまうところ。破壊されると、場札に戻り、また入手し直さなければならない。これによって、強制的にデッキが圧縮されていくことになる。

今回は生き残ったら勝ちというシナリオ「ルーンウォーズ」を選んだ。お互いに部隊カードや作戦カードを出して戦力を合計し、上回った分だけ相手にダメージを与えられる。このダメージが累積して20になると脱落というシナリオである。毎手番、戦争のたびに相当な軍隊がいなくなるので、デッキが5枚だけなどという事態も(笑)。

最初に部族の特殊能力でダメージを受けていた鴉さんが脱落し、残ったぽちょむきんすたーさんと私の一騎打ち。捨て札からすぐ復活してくる「蘇った軍団」と、作戦カード「ドラゴン」の圧倒的な力で私のデッキはほとんどなくなって終了。プレイ時間は60分超。長さを感じさせないエキサイティングなセッションだった。

デッキの回り方もシナリオによって変わりそうなので、ほかのシナリオもプレイしてみたい。

Rune Age
C.コニーツカ/ファンタジーフライト+アークライト(2011年)
1-4人用/13歳以上/60分
アークライトゲームズ:ルーンエイジ

リサイクル:危機の時代(Recicle: Tempos de Crise)

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資金0からのリサイクル事業

連日、お金カツカツのマネージメントゲームを紹介している。お金カツカツでマゾヒスティックに苦しめられるM.ワレスの作品人気のもあってか、魅力を感じるゲーマーが多いようだ。実生活がカツカツでならば、わざわざゲームでまで追体験しなくてもいいだろうにと思うのは私だけだろうか。

とはいえ私も、可処分所得はほとんどないし、家のローンもたっぷり残っている身ではあるが、この手のゲームも楽しい。子供の頃、遠足のおやつ代300円と言われて、その中で少しでもお釣りがないようにしようとあれでもないこれでもないとお菓子を選んだときの感覚が蘇る(借金したわけではないが)。

『リサイクル(Lixo?)』といえば昨秋にポルトガルで発売された手軽なカードゲームだが、同じポルトガル語圏のブラジルから、別の『リサイクル(Recicle)』が一昨年発売されている。ゴミを買い集めて工場でリサイクルするこのゲームのカツカツぶりは、凶悪といっていい。ゲームの大半は借金生活で、終盤に何とか黒字になるかどうかである。

リサイクル

各ラウンド、はじめは作業員を移動してアクションを選ぶ。資源ゴミを集める(紙、ガラス、プラ、UHT、金属、生ゴミの6種類)、ゴミを工場に運搬する、アクションカード(ラウンド中に特殊効果を得る)の獲得など。作業員はとなりの空きマスにしか移動できないので、どのアクションでもできるわけではない。

集めるところまでは無料だが、運搬するところからお金がかかる。これがいきなり高い。工場に運ばず、倉庫に売れば収入になるが微々たるもの。それどころか、必要に応じて倉庫から買い付けることもある。工場までもってこないとリサイクルできないので、借金してでも運ぶ。

リサイクルするには、資源ゴミの種類に応じた設備が必要だ。設備は手番中に好きなものを買えるが、どれもおしなべて高い。しかし設備がないとリサイクルできないので、また借金。金属専用とか紙専用とか、特定の組み合わせでとかいろいろあるので、ほかの人とかぶらない設備を選びたい。

リサイクルすると、お金と勝利点が入る。これを元手に次のラウンドに資源を購入して、設備投資して、さらに儲けたいところだが……利益などはあっという間に使い果たしてしまって、借金が返せる見込みはしばらく立たない。

というのも、所持金トラックは下がるとき(=借金するとき)のマス数より、上がるとき(=収入)のマス数が多いのである。5ドルの借金を返して0に戻すには、7ドル支払わなくてはならない。しかも初期資金は0。最初から借金が決まっているのである。

工場がどんどん稼働して一気に収入や得点が入る状態になるまで、相当時間がかかるが、できるだけ早く達成しなければならない。収入を増やす「デザイナー」を雇ったkarokuさんが中盤くらいから設備がうまく回ってきて1位。ふうかさんは設備を必要としない生ゴミで手堅く稼いで2位。私は最初から回収が高くつく金属ゴミを扱ったため効率が悪く最下位。

借金は、ゲームの中だけにしたいものである。ご利用は計画的に。

Recicle: Tempos de Crise
L.M.コエリョ/ガラパゴス・ジョゴス(2010年)
2〜4人用/14歳以上/120分
今日もプレイミス:【ゲーム紹介】リサイクル:危機の時代(Recicle: Tempos de Crise)
ふうかのボードゲーム日記:リサイクル:危機の時代

リサイクル(Lixo?)

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ごみ処理法の理想

リサイクル

競りでごみをリサイクルするカードゲーム。『ヴィンテージ』をリリースしたポルトガルのメサ・ボードゲームズから発売された。タイトルはポルトガル語で「ごみ」の意味。

毎ラウンド、コンテナカードが1枚めくられる。コンテナはプラスチック+金属(黄色)、古紙(青)、ガラス(緑)、電池(赤)、燃えるゴミ(灰色)の5色。これを、手札のゴミカードで競る。コンテナカードに対応する色のゴミカードしか出せないが、1枚で2色かねるゴミカードもある。好きな枚数だけ自分の前に出して競り、一番多く出した人がリサイクル成功。ゴミカードを捨ててコンテナカードを手に入れる。

競りの特色は3点。1つは競り負けたとき、リサイクル失敗となって出していたゴミカードが全て失点になってしまうこと。2つ目は、パスをしてもまた復帰できること。3つ目は、終了時に残った手札も全て失点になること。この3つのルールで、お互いの顔色を伺いあう心理戦とブラフのゲームになる。

出すからにはいっぱい出して勝ちたい。でもほかの人がもっと出しそうなら早めに降りて次のチャンスにかけたい。あの人は手札が結構あるけど、赤は何枚くらいあるんだろう? さっき赤の競りをしたときは最初から降りてたな……。

枚数が少ないと思ったら早めに降りるのも手だ。何人かが激しく競り合ってたくさんカードを出してくれれば、次に同じ色が出たとき確実に競り落とせるだろう。ただし同じことを考えている人がいなければの話。本当に持っていないのか、持っていないふりをしているのか、よく見極めなければならない。

ゲームを盛り上げるのが山札に何枚か入っているストップカード。これが山札から出たときだけ、全員手札を5枚ずつ補充する。それ以外に補充はない。自分だけ手札が多くて競り落とすチャンスだと思っていたら、ストップカードが出て補充されてしまうことも。

ゴミ問題を考える教育ゲームだというが、教育ゲームに特有のゲームとしてのつまらなさは全くないどころか、近年稀に見る競りゲームの傑作の域に達している。

Lixo?
G.ドーレイ/メサボードゲームズ(2011年)
2〜6人用/6歳上/20分
テンデイズゲームズより発売予定
テンデイズラジオ:第40回「エッセンお土産話スペシャル」

ラック・オブ・ザ・ドロー(Luck of the Draw)

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奇抜な絵で運試し

ラック・オブ・ザ・ドロー

与えられたお題に奇抜な柄を描いて、後から発表される審査基準で1位を目指すお絵描きゲーム。審査基準が後から発表されるというのがポイントで、どんな風に描いたらいいか分からず、とにかくインパクトを狙ってヘンな絵が続出する。アメリカのゲームライト社から発売された。

最初に「時計」「万里の長城」「幸福」などのお題が与えられ、各自絵を描く。描き終わったら、誰が描いたか分からないように混ぜて並べる。ここでいよいよ、審査基準発表。「最もロールシャッハテストっぽい」「最も悲しい」などの審査基準が発表される。

この基準を見て、自分の主観で投票する。最多投票が得点。同じ絵に対して複数の審査基準で投票を行うので、うまくいけば1枚の絵で何点も取れるかもしれない。こうして規定点を集めた人が勝つ。

はじめは写実的に書いていたみんなも、やがてデフォルメしてインパクトをもたせたほうが投票してもらいやすいことに気づく。しかし実直に可笑しい絵を描くtomokさんを超えることはできなかった。不思議と、どんな審査基準にも選ばれ圧倒的な勝利。『イラスト募集中』以上に、絵の上手い下手は本当に関係ない。

Luck of the Draw
D.スコット/ゲームライト(2006年)
4〜8人用/10歳以上/30分
ゲームストアバネスト:ラック・オブ・ザ・ドロー 絵画の成果

レオナルドの謎(The Enigma of Leonardo)

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いいスケッチを流すな

レオナルドの発明品スケッチを縦横に揃えて、チップを集めるロシアのカードゲーム。ロシアのライトゲームズ社は、初出店となる今年のエッセン国際ゲーム祭に4タイトルを用意しているが、そのうちの1つである(残りの3タイトル『エボリューション:種の起源』『十字軍の王国』『ポーション作りの練習』については当サイトですでに紹介済み)。いずれもイラストが非常に美しく、またゲームは社名の通りライトながらひねりがある。


それぞれ自分の前に十字型にカードを並べてスタート。自分の番には、4枚のいずれかに手札を出して、スケッチを揃えることを目指す。イラストが揃えばチップがもらえ、規定枚数のチップを集めれば勝ち。同じチップは1回しかもらえないので、だんだん上がりにくくなる。

ポイントは、手札を出したとき、前に置かれてあったカードは左どなりの人の同じ位置に移るというところ。絶好のカードが渡らないように注意するだけでなく、揃いにくくなるよう、全く違うスケッチを出したい。

もっとも、妨害のつもりが絶好のカードを渡してしまうことも。私からナイスなカードが流れてきたtomokさんが一挙に2パターン揃える快挙で1位。1枚のカードにはスケッチが2パターンあるので、どちらかは揃えられることが多い。手札次第だが、そのチャンスを見逃さないのがポイントのようだ。

The Enigma of Leonardo
S.マーチン作、ライトゲームズ(2007年)
2〜4人用、8歳以上、40分
RightGames: Potion-Making
ゲームストアバネスト:レオナルドの謎

ラープを倒せ(Schlag den Raab)

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盛り上げどころを心得て

ラープを倒せ

シュテファン・ラープというタレントに視聴者がさまざまなゲームで対戦するドイツのテレビ番組をもとにしたボードゲーム。昨年のドイツで一番売れた(20万セット)ボードゲームである。30以上のミニゲームが入っており、その中から何ゲームかをルーレットで選んで交替しながら1対1の対戦を行う。

今回遊んだのは5ゲーム。「卵落とし」はゴム製の卵を胸の高さから落として、跳ね返ったのを拾い、7回で何回拾えるかを競う。卵はなかなかまっすぐ弾まないのでイレギュラーにどれくらい対応できるかが勝負。くさのまさんの勝利。

続いては「どっちが近いかクイズ」。ゲームに入っているクイズを読みあげて、2人がメモ用紙に回答し、より近いほうが勝ちで4ポイント先取。「人類の最高身長記録は何センチ」「月にあるゴルフボールの数」「アフリカの国数」などが出て、勘が冴えたくさのまさん連勝。

3ゲーム目は「記憶並べ替え」。25枚のタイルを3分間で覚えて、見ないで再現するという記憶ゲーム。覚えている最中に後ろで卵落としの練習をしている人がいたが、めげずに15ポイントで私の勝利。

4ゲーム目は「カタパルト」。シーソーで旗を飛ばして、箱に入った得点の合計を競う。最後まで劣勢だった神尾さんが、最終で最高得点をマークし勝利。

5ゲーム目は「ゲート」。4つのゲートにおはじきでコマを入れて、合計を競う。全部のゲートに入れるとボーナスがあるのがポイントで、入ったコマの数が少なかったものの、このボーナスで神尾さんが1点差の勝利。「さすがテレビ番組の盛り上げどころを心得ている」と好評だった。

これでもまだほんの一部にすぎない。さらに今年になって続編も出ている。規定ゲーム数をみっちり遊ぶよりも、人数が集まるまでの間などにちょこちょこと遊んでいきたい。

Schlag den Raab
M.キープス/ラベンスバーガー(2010年)
2〜6人用/12歳以上/45〜90分
国内未発売

ろくでなし(Fiesling)

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え、私なんですか?

性格カードの置き方をもとに、プレイヤー間の誰だ問題になっているか予想するドイツのコミュニケーションゲーム。『ディクシット』以来、プレイヤーに楽しみ方を任せるゲームがドイツでも広がっているが、参加者そのものをお題にするダイレクトさは極限まできたという感じである。

出題者は2人一組となって、プレイヤーチップを1枚引く。プレイヤーチップには参加者の番号が書いてあり、今回のお題となる。出題者自身がお題になることもある。

出題者は性格カードを引く。「神経質」「お人好し」「しつこい」などの性格が書かれており、お題のプレイヤーにどれくらい当てはまるかを5段階で評価する。それから、もう1人の出題者が、その評価を変えることができる。順番交替して、もう1枚性格カードを置いたら1回目の予想タイム。

ほかのプレイヤーは、2枚の性格カードの位置を見て、誰がお題になっているか予想する。予想したらまた2枚の性格カードを出して2回目の予想タイム。そしてまた2枚の性格カードを出して3回目の予想タイム。1、2回目から予想を変更しなくてもよい。そしていよいよ答えを発表する。「えっ、この人だったの?」「やっぱりそうだと思った!」

1回目の予想で当てたら3点、2回目は2点、3回目は1点。出題者は過半数に当ててもらえれば3点。出題者を1人ずらして次のラウンドを行い、1周したら得点を競う。

出題者2人の評価がずれているところが大きなヒントになる。「上品」がマックスから一気に下がったのでもしやと思ったら私だった。実は下ネタが嫌いじゃないということがばれていた。もしかしたら自分がお題ではないかと、じわじわ分かってくるのはスリルがある。

失礼な性格カードもどんどん出てくるので、気心のしれた仲間同士で遊びたい。とはいえ、初対面で遊んでも、第一印象でビッドして、実際はどうかを答え合わせの後に本人が修正すると、自己紹介タイムのようになって楽しい。

Fiesling
C.ウェーバー/フッフ&フレンズ(2011年)
3〜8人用/10歳以上/20〜30分
国内未発売

リオグランデ(Rio Grande)

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相乗りしたら流された

アメリカ・コロラド州にある川リオ・グランデは、ゲームメーカーの名前にもなっているが、これはオーストリア製。同時進行で川が何本も伸びていく。そこに自分の橋をかけて、川の長さで得点するカードゲーム。

自分の番には5枚の手札から川カードを出して、川を伸ばす。川は全員共通で最高6本まで増やすことができ、模様が合えばどの川にカードを置いてもよい。そして、出したカードの上に自分の橋を置くことができる。『カルカソンヌ』のような分かりやすいゲーム進行。何枚だしてもいいので展開がダイナミックだ。

ポイントは1手番に1枚だけ出せるスペシャルカード。川の価値を上げる湖、橋を入れ替えるカーブ、川を途中で切って上流を捨ててしまう行き止まり、川の得点計算を起こす河口の4種類がある。カーブと行き止まりは攻撃的なお邪魔カードで、独占して川を育てていると狙われやすい。妨害される前に得点計算しておくか、もう少し育てておくか、あるいはほかの人の橋がある川に相乗りするか。

相乗りするにしても、得点計算は、自分の橋から下流のカード枚数×1点のため、あまりに後から相乗りしてもうまみがないどころか、先に橋をおいている人が得してしまう。相乗りするなら早めにしたいが、その分、川が台無しにされるおそれも高まる。

私は独自路線で相乗りせずコツコツ育てる作戦。ふうかさんはおいしそうな川を見つけて橋を置きカーブで上流の橋と入れ替える作戦である。どちらも実は効率がよくなくて、karokuさんが臨機応変に相乗りしたり、独自に伸ばしたりと得点を重ねる。長い川を独占していたが、お邪魔カードを置く場所がない巧さで大量得点し、勝利。

「今、行き止まりカードを持っていたら…」「次に得点計算を起こされたら…」などとスペシャルカードを前提として、プレイヤー間の駆け引きが熱いゲームである。

Rio Grande
M.コメルシ(Michele Comerci)/ピアトニク(2009年)
2〜5人用/10歳以上/45分
ゲームフィールド:リオグランデ
ふうかのボードゲーム日記:リオグランデ

ライクワイズ(Likewise!)

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ニアミス連発

『フラッシュ』という手軽なコミュニケーションゲームがある。お題から連想するものを8つ書いて、同じ答えを書いた人の分だけ得点になるというもので、紙と鉛筆さえあれば楽しめるものだ。このゲームは、そのお題を、形容詞+名詞のカードでランダムに生成してひねりのきいたものにする。

形容詞カードと名詞カードを1枚ずつ引いて並べる。例えば「奇妙な」「アクセサリー」というようなお題ができる。制限時間内に、お題から連想される答えを1つずつ書いて一斉公開。最多数だった人たちに得点が入る。

形容詞が入ることで回答が絞られるかに見えて、その形容詞の捉え方に微妙な差があるために回答がずれるのが楽しい。「奇妙な」「アクセサリー」では「ピアス」「へそピアス」「舌ピアス」などの回答が出るなどニアミスが続き、7人中2人が一致すれば多数派という状況だった。確実に誰かと回答を合わせた神尾さんの勝利。

Likewise!
作者不明/バッファローゲームズ(Buffalo Games, 2008年)
3〜6人用/12歳以上/35分
国内未発売

ラストコール(Last Call: The Bartender Game)

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ボトル行ったり来たり

ラム・ジン・ウォッカ・ブランデーなど6つのお酒を、客の注文に合わせてバーテンダーのもとへ届け、カクテルを作ってもらうアメリカのゲーム。大きいボトルのコンポーネントが目を引く、判断力のゲームだ。

最初に渡される4枚の注文カードには、2つのお酒でできるシューターから、5つも必要なスペシャリティーまで、いろんなお酒がかいてある。ここに組み合わせのお酒を、バーテンダーに届けなければならない。

テーブル中央には6人のバーテンダーがおり、それぞれいろんなお酒をもっている。バーテンダーの間でお酒をやりとりして、注文カードの組み合わせができたら、カードを捨てられる。

お酒のやり取りの仕方は新しい。ディーラーが山札から1枚ずつカードを引いて、そのバーテンダーのところに並べていく。このカードが並んだバーテンダー同士でのみ、ボトルの移動ができる。カードを1枚並べるたび、誰でも「オーダー!」ということができ、先に言った人が好きなボトルを移動する。移動した人が次のディーラー。

ボトルの移動は1回に1つしかできない上に、移動するとディーラーとなって1回休みになってしまう。ほかの人は全く別の注文カードを狙っているので、思い通りに揃えるのは容易でない。どんどん移り変わる場を見て、どの注文カードを狙うのが早いか判断することが求められる。

余分なボトルがあっても、ペナルティの氷を受け取れば注文カードをクリアできるので、それで手を早く進めてもよい。誰かが最後の注文カードを達成したとき(ラストコール)、ほかの人は残った注文カードの達成に必要な手数だけ、ペナルティの氷を受け取る。氷の一番少ない人が勝ち。先に上がっても、氷をたくさん取っていれば勝てないかもしれない。

コンポーネント買いしてきたふうかさんたちとプレイ。ほかの人の注文に便乗したり、偶然できあがったりしてノーミスでラストコール。ほかの人は注文カードがだいぶ残っており、ごっそり氷をもらうかに見えたがそうでもなかった。ペナルティ含みで早上がりしても案外勝てるのかもしれない。テンポはいいが、コンポーネントの見かけだけでない奥深さがあるゲームだった。

Last Call: The Bartender Game
K.グールド/ワッツァルポーグ(2010年)
2〜6人用/12歳以上/30分
ゲームストアバネスト:ラストコール
ふうかのボードゲーム日記:ラストコール

レジスタンス(The Resistance)

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この中に裏切り者がいる!

政府打倒を目論むレジスタンス軍が活動を始めた矢先、なぜかミッションが失敗するという危機に直面した。どうやらこの中に裏切り者がいるようだ。一体誰が?!……レジシンタンスに紛れ込んだ政府のスパイたちが妨害に成功するか、正体がばれてレジスタンスの勝利に終わるかを争う、人狼系の推理ゲーム。

はじめに役割カードがランダムに配られる。8人プレイの場合、レジスタンスは5人でスパイは3人。全員下を向いて、スパイだけお互いを確認したらスタート。

スタートプレイヤーは、全員(自分も含めて)の中から3人を、最初のミッションのメンバーに選ぶ。最初は手がかりがないのでランダムに。そしてこのメンバーでよいかを全員で投票する。可決されたら、そのメンバーにミッションカードを渡して、協力するか妨害するかを密かに選ばせる。否決されたら、スタートプレイヤーが交替してメンバー選びからやり直し。

ミッションでは、レジスタンスは絶対協力を選ばなければならない。一方、裏切り者のスパイは、どちらを選んでもよい。メンバーが選んだミッションカードを混ぜてオープンし、1枚でも妨害がいたらミッションは失敗する。

スタートプレイヤーを交替し、またメンバー選びから。これを繰り返して、ミッションが3回成功すればレジスタンス側の勝ち、その前に3回失敗すればスパイの勝ちとなる。

レジスタンス側としては、スパイが入らないような人選を心がけ、失敗したミッションから、スパイを絞り込んでいく。一方、スパイとしては、闇雲に妨害を出していると簡単に特定されてしまうので、選ばれたメンバーを見て、適宜カモフラージュしながら、ここぞというときに妨害したい。基本ルールではスパイがいくらか有利で、その分必死になるレジスタンスを手玉に取る楽しみがある。

推理のポイントは投票にあって、誰がミッションに選ばれたとき、誰が反対したかという情報がポイントになる。スパイであれば、レジスタンスオンリーのミッションを傍観しているはずがないからだ。しかし、その裏をかいて、1回はわざと成功させてカモフラージュしている可能性も考えなければならない。話術に重きをおく『人狼』よりも根拠を重ねやすい分、頭を使う。

発展ルールでは投票パターンを変えたり、正体をいきなり見せたりするなど、ハプニングを増やすこともできる。

軽く始めたところあまりに面白くて3回連続。スパイが途中から妨害に転じると、レジスタンスの中にも疑心暗鬼が生まれてくるのが面白い。ガチンコの推理ゲームに見えて、中には直感で動いている人や誰がの描いたシナリオに乗りたくない人などがいるせいで黙々としたゲームにはならず、ゲーム中の会話も楽しむことができた。最後のミッションは結果が見えていることが多いが、それでもゲーム中に脱落者が出ないのもいい。人数が少なめでも遊べる人狼系としておすすめ。

The Resistance
D.エスクリッジ/インディ・ボード&カード(2009年)
5〜10人用/13歳以上/30分
国内未発売

ルナ(Luna)

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集え、ルナさまのもとへ

7つの島と中央の神殿をめぐって月の神官の祭に参加し、名声ポイントを集めるゲーム。ローゼンベルクの収穫3部作の1つ『洛陽の門にて』を昨年発売したホールゲームズの第2弾で、フリーク向けで評判の良いS.フェルトを起用した。

基本的な目標は、月の神官ルナがいる島で最多数を取ることと、7つの島に祭壇をできるだけたくさん建設することと、中央の神殿で儀式を行うことの3つ。いずれも周到な用意が必要となる。

システムは「ワーカームーブメント」と名付けられているが、ダイナミックなアクションポイント制である。島の上にいる自分のコマでアクションを行い、アクションに使ったコマは島のわきに降りる。コマはだんだんと島の上からなくなっていき、一定数パスをしたらラウンド終了。たくさんアクションしようと思っても、ほかの人が次々パスをするとすぐ終わってしまうので、ほかの動向をよく見ておこう。

アクションは13種類。島のチップを取る、コマを増やす、祭壇を作る、別の島に移動する、神殿に入る、神殿の中で儀式を始める、評議員を昇格する、パスするなど。はじめはその数の多さに戸惑うが、サマリーシートに図解入りで説明されており、得点への道筋が見えてくると迷わない。

1つ目の目標、月の神官ルナは毎ラウンド、7つの島をぐるぐる回る。彼女がいる島で最多数を取るには、前のラウンドからコマを集めておかなくてはならない。しかも、島のわきにいるコマは含まないため、別のアクションができない。ほかの人と競争になるときついが、得点が大きいので報われる。

一方、背教者も7つの島を回っており、この島にいると失点になってしまう。背教者のいる島から脱出できるかもポイントだ。

2つ目の目標である祭壇を作るには、まず祭壇の島でチップを取り、ルナや背教者と同じく7つの島を回っている親方のいる島でコマを使う必要がある。これだけの条件を揃えて毎ラウンド1つずつ作っていくのは相当難しいが、これまた得点が大きい。

3つ目の目標である中央の神殿へは、7つの島から神殿の周りの小道に行き、小道から神殿に入るという2段階が必要である。マークが同じ島からしかいけない上に、早い者勝ちで、しかも神殿の中では後から来たコマに追い出されることもあるので油断できない。

このように、どの目標も複数のアクションの積み重ねが必要で、限られたコマをうまくやりくりする必要がある。ラウンド数が少ないので時間は長くないが、毎回やりたいことはたくさんあるのにコマの足りなさに悩まされるゲームだ。

序盤から神殿狙い。後から追い出されまくったが、あらゆる手を尽くして祭壇をほぼ毎ラウンド建設。幸いルナの得点が期せずして転がりこんで1位。3人プレイだったので手を広げられたが、4人だったらもう少し得点を絞らなければならないだろう。悩みどころいっぱいの重量級ドイツゲームは数が少なくなっているので、こういうゲームがリリースされ続けているのは嬉しい。

Luna
S.フェルト/ホールゲームズ(2010年)
1〜4人用/12歳以上/プレイヤー人数×25分
ホビージャパンから発売予定

ラングフィンガー(Langfinger)

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ゴールドフィンガー

道具を集めて金庫を破り、盗品を換金するゲーム。2009年から流行中のワーカープレイスメントを、たった20〜30分で遊べるようにした作品として評判になった(ワーカープレイスメントゲームは、『ケイラス』や『アグリコラ』のように、2時間超のゲームが少なくない)。

デザイナーはゴルトシーバー社で作品を発表し続けていたコンビ。2005年から今年まで8タイトル発表しているものの、どれも今ひとつといったところで(『ヴェネツィアの柱』がドイツ年間ゲーム大賞推薦リスト、『お金は匂わない』がアラカルトカードゲーム賞4位のみ)、日本にもほとんど入ってきていない。ところがゴルトシーバー社以外で発表したこの作品と『ネズミのパティシエ(コスモス)』は評判がよく、各メーカーの編集者の差を歴然と物語る。

手番には各自3つのコマを順番に1つずつ、ボード上の5箇所に置く。そして1箇所ずつ、自分のコマを置いた人がコマを置いた順にカードを手に入れたり、交換したり、点数に変えたりする。

まずは道具の入手。ハンマー、カギ、ペンチなどがあり、金庫・ショーケースによって必要な道具が違う。また、プレイヤーごとに特殊能力として道具を1つ、毎回無料で使うことができる。いろいろな金庫・ショーケースに対応するために各種揃えておきたいが、もちろん道具を集めることが目的ではない。

金品を盗む場所は2箇所。ここにあるカードに指示された道具カードの組み合わせを捨てることで、そのカードを手に入れられる。すぐに現金(得点)になる金庫と、換金所でお金にしなければならないショーケースがある。

盗む場所2箇所の間に挟まるかたちで、道具カードを交換できる場がある。ここでは何枚捨てて何枚山札から引くかを、コマを置いて決める。次の盗みに備えたい。

そして最後に換金所。ここにもカードがあり、指定された盗品しか換金できない。また換金レートが高い品物もある。たくさん盗品を持っていても、換金しないと宝の持ち腐れである。

序盤から積極的に交換・換金をして先行したが、品物を貯めこんだほかの人がどんどん追い上げてくる。ワンチャンス、一か八かで道具交換したものの、望んだ道具が手に入らず足踏み。その間にPsy+さんが逆転して優勝。

コマを置いても、順番が遅いと欲しいカードが手に入るか分からない。カードの組み合わせと、他の人がほしそうなものをよく考えて、コマを置く優先順位を考える。ワーカープレイスメントの醍醐味が短時間で楽しめるよいゲームである。

Langfinger
C.フィオーレ、K.ハッペル/ペガサスシュピーレ(2009年)
2〜5人用/8歳以上/20分
Amazon.co.jp:ラングフィンガー

ロビンフント(Robin Hund)

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これ持ってましたー

犬の盗賊を集めてお宝をゲットする記憶ゲーム。手番には2枚の場札から1枚を取る。紋章がないカードは自分の手札に入れ、5種類揃ったらお宝カードを1枚もらえる。紋章があるカードは誰かに渡し、相手が持っていなければ、その相手の手札の枚数分だけ犬コマを進めて、1周したらお宝カードを1枚もらえる。

カードを渡したとき、相手が持っていると何もできない。だから相手が何を持っているか覚えておいて、まだ手に入れていないと思われるものを渡さなければならない。ところが、カードは揃うたびに捨てるのでどんどん移り変わっていく。うろ覚えで渡して残念!持ってましたーという場面が多い。

規定枚数の宝カードを取るか、宝カードの中に描いてあるお宝が規定数に達したら勝利。記憶が弱かったが、いい宝カードを引いて勝利できた。

Robin Hund
E.ヴァイス/ハバ(2010年)
2〜5人用/6歳以上/15分

ラッタス(Rattus)

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人口が増えるほど危険

『オレゴン』を作ったノルウェーのデザイナーコンビが、オランダのメーカーから出版したゲーム。ヨーロッパ中にペストが広がった14世紀を描く。全人口の3分の1が犠牲になったというが、このゲームでも本当にどんどん死ぬ。そんな中で、自分の民族をどれだけ生き残らせるかという、ブラックなテーマのゲームである。

手番はキューブを好きな国に置き、疫病コマを好きなところに移動するだけ。疫病コマのあるマスにネズミチップがあれば、周囲の国に蔓延したことになって新たなネズミチップが置かれる。

また手番の最初には、役職カードを取ることができる。自分のキューブを安全圏に移動できる国王、疫病コマを2エリア移動できる騎士、キューブを避難できる商人、ネズミチップを移動できる修道士、キューブを余計に置ける農夫、ネズミチップを見て交換できる魔女の6種類。どれもほしい能力だが、取り過ぎるとたいへんなことに。

キューブもネズミチップもあるところに疫病コマが来ると、被害が発生する。ネズミチップをめくり、限界値をチェック。そこに書かれてる数字以上のコマがある場合、指定されたキューブが取り除かれる。

指定されたキューブというのは、特定の役職をもっているプレイヤーや、その国で最多のプレイヤー、あるいは全員である。ネズミチップによって異なり、めくってみるまで何が出るか分からない。でも役職カードを取れば取るほどリスクが高まるのは必至で、取りすぎに注意というのはこのためである。全滅なんてこともしばしば。

これを繰り返して、ストックのネズミチップがなくなったら最終ラウンドで終了。盤上に自分のキューブが一番多い人の勝ち。

配置できるキューブの数は、ネズミチップの数と同数である。したがってネズミチップの多いところにみんな置くと、どっさり集まる。そこに疫病コマが来た日にはもう目も当てられない。そんな危険は冒さずに、ネズミチップの少ないところにコツコツ置いたほうがよいかもしれない。

多産多死か少産少死かという選択に、誰と相乗りするかというのも考えどころ。疫病コマは自由に動かせるので、キューブが多い人を直接攻撃できる。しにくくするには、同じ国に相乗りするのが有効だ。でも特殊能力で裏切られるかもしれない。

このように疫病コマの移動先をめぐってプレイヤーの駆け引きが面白いゲームである。シンプルなシステムで、時間も60分以内と短い。

みんな均等に削り合い、最後まで行方が分からない状況だったが、最後にスペインで全滅する事件があり、康さんが1個差で勝利。最後のネズミチップが何かによって勝敗が変わる状況だった。

Rattus
A.ベルク、H.ベルク/ホワイトゴブリンゲームズ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/45分
テンデイズゲームズ:ラッタス
ゲームストアバネスト:ドブネズミ

洛陽の門にて(Vor den Toren von Loyang)

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たくさん植えれば楽よう

時は紀元前後、漢の都だった洛陽を舞台に、農家となって野菜を栽培して売るゲーム。スカウトアクション6位、ボードゲームアンケート14位、プフェファークーヘル9位。日本語版が今月ようやく発売される見通しとなった。ゲーム内容はこちら

今回は高級野菜に走るみんなを尻目に、私は一番安い麦と、次に安いカボチャをひたすら栽培し配達し続けた。収入は低いが、ほかの人と競合しないので序盤はよかったように思う。何が出るか分からないが一気にカードを増やせるパック買いを、助手の「官吏」で無料にできたのも奏功した。しかし、あまりに麦とカボチャにこだわりすぎ、後半は失速。高級野菜である豆やニラを栽培し始めるのが遅く、収入が伸び悩んでしまった。

最初からニラで攻め続けた鴉さんは、白菜をほしがるお客さんばかりがやってきて大弱り。その間に序盤は畑を増やし、多品種栽培でどんなお客にも対応できるようにしていたくさのまさんが終盤に大儲けして1位。

時間は初プレイで3時間。カードドラフトで駆け引きが多いのと、8種類のアクションを好きな組み合わせ・好きな順でできるというのが手間取った(時間短縮のため、アクションフェイズは2人ずつ同時プレイという工夫はある)。とはいえ、『アグリコラ』でも『ルアーブル』でも思ったことだが、時間の長さを感じず、熱中していたらいつの間にか時間が経っていたという印象だ。

このゲームの面白いところを3つ挙げるとすれば、独特のカードドラフト、野菜を増やす楽しみ、僅差の得点状況があるだろう。

このゲームでは、追加の畑、野菜を交換する市場、収入源となるお客様、特殊効果を持つ助手が全部混ぜこぜにやってくる。各ラウンド4枚の手札をもち、1枚を場に出してパスするか、場札から1枚と手札から1枚を取って自分のボードに並べる。手札にほしいカードが2枚あっても、1枚は場に出して、誰も取らなかったときのみ取らなければならない。ほしいカードがなければ、ぎりぎりまでパスして、絶好の場札が出るのを待つ。ここで生まれる駆け引きは実に濃密。『ボーナンザ』のローゼンベルクらしいカード処理である。

洛陽の門にて野菜はお客さんに売るか、畑に植えることができる。お客さんは毎ラウンド配達できないと機嫌が悪くなり、罰金を払わされるので、何とか調達しなければならない。でも工夫して1コでも余らせ、畑に植えると、畑にはドバーンと野菜が増え、以降毎ラウンド1個ずつ収穫できるようになる。『アグリコラ』の野菜や麦のような栽培の楽しみである。

得点は毎ラウンド、お金で買うのだが、5から6のマスに行くには6文、11から12のマスに行くには12文というように、進めば進むほど多額のお金が必要になってくる。そのため毎ラウンド1マスか2マス買えれば御の字で、なかなか進まない。最後はだいたい同じマスで、所持金の勝負になる。ちょっとヘマしてもリカバリーでき、誰もゲームから置いていかれないのがいい。

助手は22枚あり、コンボも効くので研究したくなりそう。ゲーム中の操作が多いのが玉に瑕だが、それに十分見合ったゲーム愉しみが得られるだろう。『アグリコラ』や『ルアーブル』とは違う系統の収穫ゲームである。

洛陽の門にて
Vor den Toren von Loyang
At the Gates of Loyang
U.ローゼンベルク/ハルゲームズ
1〜4人用/10歳以上/100分
ホビージャパンより日本語版が今月発売予定

洛陽の門にて

ルーピノ(Loopino)

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カーリングカードゲーム?

小箱に入った60枚のカードでバラエティとウィットに富んだゲームを作り続けているアドルング社の中で、ひときわ異彩を放つゲーム。カードを投げて、ターゲットからの近さを競うというアクションゲームである。冬季オリンピックで流行ったカーリングを髣髴とさせる。

スタートプレイヤーがターゲットカードをテーブルに置いたらゲームスタート。予め決めておいたリリースポイントから順番に1枚ずつカードを「投げる」。フリスビーのように回転させてもよし、テーブルの上を滑らせてもよし、上から放り投げてもよし。

全員が6枚全部のカードを投げ終わったら、どのカードがターゲットから近かったかを調べる。カードには四隅に+マークがついていて、この+マーク同士の近さを測る。親切なことに長さを図る目盛りまで付いていて、ミリ単位で決着がつく。

カードには1〜6の数字があって、一番近かったカードの数を見て、その枚数だけ近い順に得点が入る。4だったら、4枚が得点対象。そして得点は、カードの数字×今空いている(ほかのカードに覆われていない)+マーク。

カードの順番は自由だが、数字の小さい順に出すとよいだろう。そうすれば大きい数字のカードがほかのカードに覆われたり、はね飛ばされたりする可能性が減る。また1枚投げるごとに腕が上がってくるかもしれない。相手のカードを覆いつつ、ターゲットカードのすぐそばに入れられたら最高だ。

とはいえ、テーブルから落ちたり、裏返ったりすることもしばしば。今回はさらに、ターゲットのはるか手前で止まったカードに、ほかのカードもひっかかって吹き溜まりのようになっていた。6のカードで最高点をマークしたtomokさんが優勝。

真剣にやったからといって上手にできるわけではないが、投げ方を工夫したり、角度をつけたりと皆さん研究熱心なのがかえって笑えた。

Loopino
K.アドルング/アドルング・シュピーレ(1997年)
2〜10人用/6歳以上/10分
プレイスペース広島:ルーピノ

ラインズ・オブ・アクション(LOA)

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身動きが取れなくなる前に

自分のコマを全て、縦横斜めに隣接するように寄せ集める2人用アブストラクトゲーム。S.サクソンの『ゲーム大全(A Gamut of Games、1969年)』にルールが収録され、その後製品化された。ドイツでは1988年にヘクサゲームズから発売され、ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされている。

はじめはボードの外周に、向かい合わせになるように自分のコマを並べる。手番にはコマを1個、好きな方向に移動する。移動は縦横斜めの8方向で、移動数は「その列にあるコマの総数(自分のコマも含む)」。相手のコマを飛び越えては移動できないから、近寄れば近寄るほど身動きが取れなくなる。

相手のコマのマスにちょうど入れるならば、そのコマを取ってゲームから除外することができる。ところがこれが自分にとって必ずしも有利になるとは限らないのがミソ。というのも、ゲームの目的は自分のコマを全て隣接させることだから、相手のコマが取られて少なくなればなるほど集めやすくさせてしまうからである。できるだけ取らないように、そして相手を分断しつつ、自分のコマを集める。

くさのまさんと一戦。同じエリアに固めていったくさのまさんに対し、私はあちこちから満遍なく近づける作戦。でもこれはあまり得策ではなかった。先に中央に集めたコマに、後からアクセスするが難しく、手をこまねいているうちにくさのまさんに一気に上がられた。

製品は絶版だが、8×8の升目と2色12個のコマがあれば遊べる。またオンライン版もいくつか公開されているので興味を持った方はお試しください。シンプルなのに奥深い展開が楽しめます。

LOA
C.ソーシエ/ヘクサゲームズ(1988年)
2人用/10歳以上/15分
(絶版・入手難)

・オンラインプレイ:LOA FlashT45OL

ルプスブルク(Lupusburg)

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村人の思惑も絡み合い

タブラの狼(汝は人狼なりや?)』は傑作コミュニケーションゲームだが、9人以上でないと遊べない。仙台・遊友会のように毎回恒例になっているところは少なく、遊びたいけど遊べないという人も多いのではないだろうか。そんな望みを叶えてくれるのがこの作品。4人いれば遊ぶことができる。

まず、ゲームマスターはいない。合図をする人はいるが、狼の犠牲になる村人は、テーブル中央にある狼の指タイルで指される。目を閉じている間に、テーブルに円形に並んだ村人カードのどこかを指しているのだ。この静かな仕掛けが恐怖感を出していてなかなかよい。

それから、各プレイヤーは2人の村人を担当する。6人で遊ぶなら12人の村人が登場するというわけだ。村人が住んでいる家は金庫ありとなしのどちらかで、人狼は必ず金庫なしの家に住んでいる。これが推理の手がかりになる。

家に金庫があるかどうかを調べるのは「泥棒」という職業だ。皆が目を閉じている間、狼が指す前に、泥棒はどこかの金庫をそっと見る。ここで得られた情報が、村人の相談で生かされることになる。このゲームでは、人狼と泥棒のほかは普通の村人しかいない。

そしてリンチは2段階選抜で、相談の後でチップを1枚ずつ置いて投票し、上位2位を決選投票にかける。誰がどこに投票したのかも、推理のヒントになるだろう。ほかに、親は誰かの村人を1枚見せてもらえる。これで少しずつ情報が絞られていく。なお、このゲームに脱落はない。村人を2人とも殺されても、人狼を予想し、投票に参加できる。

このような変更点のほかに、新たな要素も付け加えられている。それは、人狼が退治されて村人が勝ったとき、プレイヤーごとに与えられる勝利点である。どちらも村人のプレイヤーは、人狼探しと同時に、自分の勝利点を上げる努力をしておかなくてはならない。

1つは、どのプレイヤーが人狼をもっているかという予想。先にすればするほど得点が高い。でも手がかりが少ないから外れる可能性もある。もう1つは、ゲームの最初に配られる秘密の得点条件。中には村人が死ねば死ぬほど得点が高いというのもあって、人狼の味方になりたい村人も出てくる。これらの勝利点が絡むことで、人狼の割り出しも一筋縄ではいかない。

6人でプレイ。人狼はたった1匹である。今回の人狼は残虐で、容赦なく2人目の村人も殺してしまう。泥棒だった私は2人まで絞り込んだが、明言すると殺されてしまうのと、勝利点に走ったりしたことで人狼退治が遅れてしまう。予想チップの置き方でぽちょむきんすたーさんだと気付いたときには手遅れだった。人狼勝利。実はくさのまさんが最初に人狼を見つけ、口封じに殺されていたのだが、気付くことができなかった。

『タブラの狼』を少人数でも遊べるようにしたというだけでなく、勝利点という要素を加えることで、人狼の推理以外にさまざまな思惑が絡み合んで面白い。目を開けたら狼の指タイルがこちらを向いていたときのショックといったら、『タブラの狼』でも味わえないスリルがある。

Lupusburg
D.ジョルジオ/dVゲームズ(2008年)
4〜8人以上/8歳以上/20分
ゲームストアバネスト:ルプスブルク
プレイスペース広島:ルプスブルク
ルプスブルク

レガッタ(Regatta)

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気まぐれな風を味方に

レガッタ

ころころ変わる風向きにうまく乗って、ヨットで湖を一周するレースゲーム。1989年のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品だが、オリジナルはアメリカの3Mゲームズから1967年に発売された40年以上前の作品である。

ヨットは縦横斜めの8方向に進む。最初にダイスを振って、風向きと進むステップ数を決定。風向きは中央の円盤で表し、現在どの方向に進もうとすれば、1ステップで何マス進めるかが示されている。真向かい風だと1マスも進めないが、斜め後ろからの追い風だと3マスも進める。

そして順番にヨットの移動。方向変換は、ステップごとに45度ずつ変えられる。進みたくなくても強制的に流されてしまうので、真向かい風の方向に変えて進まないという手もある。ほかのヨットを押しのけては進めないから、細いコースでは先にいいポジションを取っておきたい。

それから斜めの移動がしやすくなるカードと、ゲーム中に2回だけスパートをかけられるカードがある。1マスを争う場面もあるので、このカードをうまく使うことが重要だ。

6人で一斉にスタート。2つのブイを回って帰ってくるのだが、スタート位置の関係でくさのまさんと鴉さんは反時計回り、残り4人は時計回りのルートとなった。写真は逆方向に進むグループがすれ違っているところ。

ダイスの目の中に「風向きを左右好きな方向に変えられる」というのがあるため、4人のグループのほうに有利な風向きになりがちだったが、4人だと混雑していいコースが取れない。風下にいると進めるステップが減るというルールも地味に効く。そのためゴール前は2人グループトップの鴉さんと、4人グループトップの神尾さんがデッドヒートを繰り広げることになった。でも直線コースを快調に進んできた神尾さんがわずかの差で優勝。

風向きはダイスでどんどん変わるため、戦略よりも戦術が求められる。「ぐわぁ、向かい風になってしまった!」「やった、追い風だ〜」などと風向きに一喜一憂しながらワイワイ楽しんだ。

Regatta
F.ティボー/クレー(1989年)
2〜6人用/10歳以上/60分
絶版・入手難

ロボットマスター(Robot Master)

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5×5列のクニツィアジレンマ

今年はドイツゲーム賞に全く入らなかったクニツィア。すでに4年前のインタビューで「全ての人々に合うものを作ることは決してできません。」と述べているが、マニアや批評家に背を向けてでも一般の愛好者を増やす意志は現在も貫かれているようだ。

フランスのカクテルゲームズから発売されたこのカードゲームも、きわめてシンプルに作られており、一般の愛好者をターゲットにしていることが分かる。2人または2チームで、カードを5×5に並べ、縦の列VS横の列で得点を競う。それだけなのに(それだけだから)、クニツィアジレンマがたっぷり味わえる。

自分の番には手札から1枚、場に置く。前のカードに隣接していればどこに置いてもよい。そして手札は補充しない。だんだん選択肢が減ってきて悩ましくなるという寸法だ。25枚全部並んだら得点計算。縦横別に1列ずつ計算する。

1列5枚のうち、同じ数字が2枚あれば数字×10倍、3枚あれば数字に関わらず100点。それ以外は額面どおりの点数である。自分の列は揃うように、そして同時に相手の列は揃わないように置く難しさ。3枚揃えないと全く得点にならない0点のカードが攻防の鍵になるだろう。

2チームの場合は対面で座り、持ち札について相談してはいけない。置き方によって以心伝心、でもどんどんカードが少なくなってきて、泣く泣く利敵行為も。勝負の行方は、最後の1枚まで分からない。

Robot Master
R.クニツィア/カクテルゲームズ(2009)
2〜4人用/15歳以上

リニア(Linja)

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すれ違いの渋滞

黒猫と同じメーカーということで輸入された2人用ゲーム。シュテフェンシュピーレというメーカーは、作者シュテフェン・ミュールホイザーが自身の作品を発表する個人会社である。作者はグラフィックデザイナーだったそうで、コンポーネントが洗練されていて美しい。

細長い箱を開けると、竹棒と赤黒のコマが入っていて目を引く。竹棒を並べてマスを作り、1コマに1つずつ、赤黒のコマを並べてスタート。

ゲームは『バックギャモン』のように相手のコマとすれ違って進むが、進む数はダイスではなく、コマ数で決まる。まず自分のコマを1マスだけ進め、そのマスにいる赤黒のコマの数を数える。その数だけ、自分のコマをさらに進める。

全部のコマがすれ違ったら終了で、ゴールにたどり着いたコマを5点、その手前のマスを遠い順に4点、3点、2点、1点と数える。この合計が高い方の勝ち。

たくさん進むためには、たくさんコマがいるマスに入ればよいわけだが、1マスにいられるコマは6個までという制限がある。6個目になれば一番多く進めるだけでなく、相手がそのマスに入るのをブロックできる。6個目になれるかどうかが勝敗を分けるだろう。

先の先まで読む完全アブストラクトゲームだが、勝利条件はなくて得点勝負であることから、気楽に遊ぶこともできる。収束性もすこぶるよい。

Linja
S.ミュールホイザー/シュテフェンシュピーレ(2003)
2人用/8歳以上/10分

ラムセスのピラミッド(Ramses Pyramid)

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ミイラが降ってくる!

レゴブロックが今年、一挙に10タイトルものボードゲームを発売した。エッセン国際ゲーム祭でも巨大ブースが登場し、おもちゃ屋でも大きなスペースを作って販売中。そのうち2タイトル、『ミノタウロス(Minotaurus)』とこの作品に、作者としてR.クニツィアがクレジットされており、ゲームとしてのバラエティを持たせている。ボードゲーム界の注目度も高く、『ラムセスのピラミッド』は、今年のニュルンベルク国際玩具見本市でトイ・イノベーション賞を受賞、オーストリアゲーム大賞にも輝いた。

次々と襲い掛かるミイラをかわしてピラミッドの頂点に上り詰めるこのゲーム。オーソドックスながらクニツィアらしいジレンマも仕掛けられている。

ダイスを振って、自分の探検家コマを進める。ピラミッドの周囲を一周してからいざピラミッドへ。ピラミッドの各段には色のついた水晶コマがついており、その色の水晶を出さないと進めない。ピラミッドを一周するうちに水晶を集めるのだが、持っていれば
無条件で通れる水晶と、ふたを開けて合っていれば通れる水晶の2種類があり、後者は場所が変わるのでどこに何色があるかよく覚えておかなければならない。

ダイスでミイラの目が出たら、ピラミッドの頂上からミイラが降りてくる。これに当たればスタートからやり直し。ミイラは数対あり、当然のことながらライバルのところに落とす。ミイラのいない斜面へサイドチェンジするなどして、水晶を当てて一気に進みたい。

ダイスはほかにピラミッド回転の目がある。レゴブロックで作られたピラミッドには板がついていて、スムーズに各段を取り外すことができる。ミイラを除けたと思ったら、ピラミッドが回転してまたミイラが目の前に!

家族で組み立てて、家族でプレイ。息子が水晶をしっかり集めて、ミイラが来そうな斜面は避けて、一気に上ってゴール。子供がいるのでスピーディに終わったが、大人ならもっと足を引っ張り合うだろう。ピラミッドを開けると、中にちゃんとサソリの宝が入っている。

Ramses Pyramid
R.クニツィア/レゴ(2009年)
2〜4人用/8歳以上/20〜40分

ライスウォーズ(Rice Wars)

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先手を取ったら負け

ポーランド発、日本を舞台にした陣取りゲーム。日本の戦国時代は外国人にとっても魅力的なテーマらしく、昨年1年間でもフランスから『戦時』、ドイツから『徳川』と『武士道』、そしてポーランドのこのゲームと4タイトルも発売されている。日本人の目から見ると地名や登場人物の名称がヘンなのはさておき、ゲームとして、どのようにわが国を描いているのか、興味深いところだ。

箱に「争米」と大きく書かれたこのゲーム。そんな言葉はないわけだが最後に田んぼの広さで勝敗を決める陣取りゲームだ。日本地図でも何でもないボードはたいへんせまく、あっという間に埋まってしまう。そこで2枚取っては1枚取られという一進一退のじりじりとした攻防が醍醐味。攻撃相手は自由に選べるので、トップ目は当然総叩きに逢う。全員が拮抗する中で、最後の最後に1枚だけ上回ることを狙う。

はじめに手持ちの田んぼの分だけ収入が入り、そのお金で農民、足軽、浪人を雇う。田んぼを広げる、戦を仕掛ける、カードを使うといったアクションを1つずつ行い、全員やることがなくなってパスしたらラウンド終了。規定ラウンドが終わったときの田んぼの数で勝敗を決める。

戦を仕掛けるには、足軽か浪人が必要。戦は足軽や浪人を出し合って、さらにカードを出し合い、攻撃力を足す。攻撃で勝てば田んぼを奪えるが、防御で勝っても何も起こらない。使った足軽や浪人はこのラウンド使用済みとなり、お互いカードの補充だけできる。

まともにやりあえば、お互い戦力を消費する。すると弱ったところを第三者に攻められることになる。また、無防備で田んぼを取られても、戦力が残っていれば取り返せる。したがってこのゲーム、先に戦をしかけたほうが不利なのである。パスを2回したらもうこのラウンドでは防御しかできない。ほかのアクションで手番をつぶしつつ、ほかの人が我慢しきれずに戦を始めるのをひたすら待つ。こんなところに洗面器システム※が待っているとは思わなかった。

ラウンドごとに、収入が上がったり、攻撃側の戦力が上がったり、特殊効果をもつ助言者の競りを行ったりする。ちょっとしたスパイスだが、プレイヤー間の均衡を破る要素になるので等閑にできない。

みんなが後手後手に回ろうとして様子をうかがうためゲーム時間が延びる延びる。60〜150分と書いてあったが、ボードが狭くラウンド数が少ない表面ですら200分くらいかかった。田んぼが1枚でも多ければすぐ叩かれるので、最終ラウンドまではほぼ同数。最後の最後に死力を尽くした戦いとなる。戦力が足りなかった侍さんと私は脱落、ふうかさんとkarokuさんの一騎打ちで、ふうかさんが先に力尽きてkarokuさんの勝利。

破壊的な要素がないゲームで、ミスをして後退してもみんなに狙われない分復活できるため、膠着状態が長く続く。中間3ラウンドくらいは戦況が全く動かない。その間も知力を振り絞っているわけでヘトヘトになったが、戦国時代の国取りもこんな風にじりじりとしたものだったのかもしれない。『武士道』は未プレイだが、『戦時』や『徳川』よりもはるかに完成度が高い。

※洗面器システム…水を張った洗面器にどれくらい顔をつけていられるか競うゲームのような、先に音を上げたら負けの我慢比べ。

Rice Wars
M.ザソウスキ、M.スタキラ、W.ザデック/クズーニャ・ギエル(2008)
2〜6人用/60〜150分

レオナルド(Leonardo)

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絵を飾って価値アップ

レオナルド・ダ・ヴィンチが活躍したイタリアの都市を舞台に繰り広げるモノポリー。12面ダイスで移動し、止まったマスが誰かのものならばお金を払い、誰のものでもなければ権利書を買う。誰かが止まったときにもらえるお金は購入価格の半額だが、絵を買えば買うほど値上げできる。

イベントマスは何種類かあってちょっと面白い。プレイヤーは予め教皇派と皇帝派のどちらかに分かれており、アクシデントカードを引くとどちらかの派にお金が入る。市場では止まったプレイヤーが元締めとなって賭けを行い、ほかの皆が外れれば収入になる。同じマスに入ったら戦士カードでお金を奪う。

『モノポリー』と同様、街区が揃えば収入が2倍になり、交渉で交換することもできる。また最後は全員が破産するまで続ける。でも時間の都合上、この2つのルールは採用しなかった。お金がカツカツで、かつ借金はできないのであっという間に破産。絵を並べたちくたさんが1位。

絵は1枚1枚レプリカになっており、作者とタイトルが記されている。ボードも中世の雰囲気が出ていて、コマが直線的ではなく円形に回っていくのがよい。オーソドックスなルールで、ダヴィンチの時代に浸るというところに重きが置かれているのかもしれない。

Leonardo
M.ドナドーニ/egシュピーレ(1988年)
2〜6人用/10歳以上/90分

リズム&ボール(Rythme & Boulet)

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パンパンドンでポーズ

ピース、拳銃、考える人、吸血鬼(の手)、親指立ててグー、0点、胸に手を当ててキャー……各自カードでサインやポーズが指示される。これをリズムに合わせ、間違わないで行うリアルタイムアクションゲーム。

2回ひざをたたいて、まず自分のポーズ、また2回ひざをたたいて、ほかの誰かのポーズ。今度はそのポーズの人が2回ひざをたたいて、自分のポーズ、そして2回ひざをたたいてまた誰かのポーズ。こんな風にプレイヤー間をぐるぐる回る。

自分の番でない人は、手をたたく。パンパンピース、パンパン0点、パンパン0点、パンパン胸に手を当ててキャー、パンパン胸に手を当ててキャー……テンポは自然にアップし、それとともに緊張感が高まる。さて間違うのは誰か?

担当のポーズが変わるので、もう以前のポーズを取ってしまったり、中途半端なポーズを取ってしまったりと大笑い。でも笑いながら、ほっとしていたりして。

カードを1枚だけ配ればいいので、多人数で飲みながら遊ぶのもよさそうだ。

Rythme & Boulet
G.エクタン作/カクテルゲームズ(2008年)
4〜12人用/8歳以上/30分
リズム&ボール>

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