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ウィンタースポーツのボードゲーム

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冬季オリンピックが巷で盛り上がっているのを受けて、ウィンタースポーツのボードゲームをまとめてみた。発売時期が、冬季オリンピックと重なっていたりして面白い。

トップカーリング(Top Curling)
メガハウスから販売されていた日本カーリング協会公認のカーリングゲーム。ストーンの下には金属のボールが入っていて、氷の上を滑るように進む。ストーン4個と、ハウス(同心円)のシートが入っており、交互に転がして中央に近いほうが得点という、簡易化されたルールで遊ぶ。2006年(トリノ)。→Amazon.co.jp:トップカーリング

ケイブマンカーリング(Caveman Curling)
こちらはフランスのカーリングゲーム。原始人たちが洞窟で遊んでいるという設定である。ストーンのコマはおはじきで飛ばすが、ストーンを移動させたり、後から飛ばしたりする選択肢があるなど、単なるアクションゲームではない。2010年(バンクーバー)。→Amazon.co,jp:ケイブマンカーリング
ケイブマンカーリング

フィギュアGP(Figure GP)
女子フィギュアスケートをテーマにした韓国のゲーム。ジャンプなどのカードを出してプログラムを作る。ショートプログラムとフリープログラムがあったり、難易度の高いジャンプはダイス判定だったりと本格的な作りだが、一番リアルなのは選手選びで、キム・ヨナ選手や浅田真央選手風のキャラクターが登場する。2010年(バンクーバー)。→Amazon.co.jp:フィギュアGP
フィギュアGP

爆走スノボー(Schussfahrt)
スノーボードのレースを描いたドイツのゲーム。ヒマラヤが舞台で雪男が登場し、雪球をぶつけて転倒させてくる。雪男で転倒させるには、マス目にある数字より大きな数を出さなければならないが、うまくいけばライバルを一気になぎ倒すことも。ゴールすると得点が高いボーダーから狙われる。2001年(ソルトレイクの前年)。
爆走スノボー

パラレルターンパラレルターン(Parallel Turn)
コナミ社が発売したアルペンスキーのカードゲーム。カードを出してコースを滑り降りていくが、転倒などのアクシデントも。1991年(アルベールビルの前年)。

スキージャンプゲームスキージャンプゲーム(Ski Sprung Spiel)
ジャンプの飛距離を競うドイツのゲーム。ダイスでスタートポジションが決まり、イベントカードで風などの影響を受ける。団体戦も可能。箱がそのままジャンプ台になっている。2005年(トリノの前年)。

9月のメビウス便

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(写真と文:石川 久)

 8月のメビウス便がお休みだったため、久々のメビウス頒布会である。
 10月8日に届いたので、早速、三鷹のテンデイズゲームズの店長タナカマさんと「プラトーX」の2人プレイを試してみる。翌9日の高円寺盤友会10月例会でも2つのゲームをプレイする機会を得た。

プラトーX(ウィニングムーブス)10歳以上/2-4人/30分 (6点)

 「プラトーX」はヘンドリック・シモンのデビュー作で、コマを最も高い位置に置くことが目的の多人数アブストラクトゲームである。「プラトー(Plateau)」とは高原や台地を意味する英語。
 手番にできることは、タイル1枚をボードに配置するか、自分のコマを移動するかの2択である。(自分のコマをまだボード上に配置していない場合には、それを配置するというのも、手番の選択肢のひとつになる)
 ゲームボードはプレイ人数によって面が異なる。2人用は6×6=36マス、その裏面が3,4人用の7×7=49マスになっている。
 タイルは、1マス、2マス、3マスの3種類があり、このうち3マスのタイルだけは共通のストックから全プレイヤーが利用できる。このタイルを積み重ねて高さを作り出すのだが、タイルの下には隙間があったり、同じタイルを同じ位置で重ねるような配置は禁止されている。この制約がゲームに深みを与えていて悩ましい。
 コマは一段の高低差がある隣接マスに移動できる。ただし、他のコマがあるマスやフラットに繋がるようなマスには入れない。この条件に従う限りは連続して移動できる。このアイデアも面白い。
 誰かの手番でタイルを置くことができなくなったら、その時点でゲームは終了。コマが同じ高さでタイブレイクした場合、同じ高さで繋がっているマスの多い方が優先して勝利する。それも同じであれば、先にその高さにコマを移動させたプレイヤーが勝つ。

 ゲーム全体としては、2000年のドイツ年間ゲーム大賞(SDJ)を受賞した「トーレス」に似た印象。実は「トーレス」を初めて遊んだとき、建物どうしを繋げることのできないルールを説明し忘れ、この「プラトーX」のようになってしまった苦い経験がある;。私はプレイしたことがないが、国産の2人用アブストラクト「ポジット」にも似ているとか。
 タナカマさんと2人用の狭いマップでまず遊んでみる。最初はそれぞれ自分の山をタイルで築いていく。中盤になると、同じエリアには入れないルールを利用してこの2つの山を合体させてみる。一段ずつ昇れれば一気に移動できるのが、このゲームのダイナミックなところだ。スタート時にはたくさんあったL字型の3マス分のタイルもあっという間になくなってしまう。
 広いマップをコマ2個持ちで遊ぶ2人用のヴァリアントルールもやってみたが、さほどプレイ感に変化はなかった。
 高円寺盤遊会では、4人マックスでプレイ。2人プレイとは違って手番が回ってくるまでに、どういう状態になっているかを読むのは難しい。黄コマのプレイヤーは中盤までコマをボード上に登場していなかったが、終盤にかけ見事に頂点にコマを進めて勝利した。こういう展開もあるから奥が深い。


4人プレイ時の終局状態


立体的なコンポーネントが魅力的

 ボードやタイルの配色がキレイで、短時間で勝負が決まるのも良い。だが、アブストラクトは全般的に、慣れないうちはうっかりミスをしてしまいがちだけに、何度か続けて遊ぶようにしたいものだ。

◎メビウスおやじ「プラトーX」の紹介
http://mobiusoyaji.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/x-90c0.html

◎PlateauX for BoardGameGeek
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/79216/plateau-x


トリックマイスター(アミーゴ)10歳以上/3-5人/45分 (8点)

 「トリックマイスター」は、「電力会社」でお馴染みフリーデマン・フリーゼがデザインしたトリックテイキングゲームである。因にフリーゼの名前のカタカナ表記に、フリー“ド”マンとフリー“デ”マンが散見するが、昨年のエッセン・シュピールで本人確認したところ、フリー“デ”マンが正解だ。(ローマ字でも確認した)
 アークライトから発売している「電力会社・日本語版」のボックスには、カタカナでフリー“ド”マンになっていたりする;。アークライト側もこの間違いには気づいているらしいので、リプリントするときには、是非とも訂正してもらいたいものである。


ボックスアート

 さて、フリーゼは、これまでに「フォッペン」というトリックテイキングゲームの良作を発表しているが、これとはまた違った内容のカードゲームだ。(「フォッペン」は「GameLink vol.5」の付録になっている)
 「トリックマイスター」では、ディールごとに切り札や得点形式などのルールに変更が加えられる。各プレイヤーに配られた3枚のルールカードから、自分の手札を参考に、ルールカードを1枚選んで裏にして出す。これをディーラーが集めてシャッフルして公開する。シャッフルするのは、誰がどのルールを出したかで、手札が読めてしまうからだろう。
 ゲーム中にルールを決めるトリックテイキングは、「ニエット」や「バスシュティッヒ」など、これまでにもいくつか発表されているが、このゲームではルールカードが60枚も用意されていて、基本ルールを覆すようなミゼールや、獲得したトリックが左隣プレイヤーの得点になるような、トリッキーで派手なルールも入っている。いかにもフリーゼらしい。


怪しいアジアンテスイトのイラスト


ルールカード(日本語シールはDtoJ-Pが作成)

 ルールカードにはドイツ語テキストが書かれているが、メビウスでは日本語シールを添付してくれている。またこのゲームは、日本をイメージしたアートワークになっているが、農民はベトナム人のようだし、老師は中国人のようで、無国籍なアジアンテイストだ。特にバックボーンについての記述はルールには書かれていないのが残念である。

・マストフォローのトリックテイキンングです。
・赤、青、黄、緑の4スートで、数字は1から15まであります。
・最初に配った3枚のルールカードのうち、各自が1枚を裏向きに出して、それをディーラーが集めてシャッフルして表向けます。その全てのルールを適用します。
・ルールカードの下に書かれた番号の小さい順に優先し、多く該当かる切り札が強くなります。同じ強さの切り札は、後出が有利となります。
・基本的には取ったトリックは1点ですが、ルールカードによって修正される場合があります。

 こんな感じの説明で、トリックテイキングを知るプレイヤーとは、簡単にゲームが始められる。
 テンデイズゲームズを訪れた伯爵さんも加わって3人で遊んでみる。3人だと各スートから3枚のカードを除外するが、それでも手札枚数が多いのでいろいろと作戦が立てられる。ルールカードを適用するだけなのに、テクニカルに遊べるところが面白い。またディールごとに新たなルールが決められるから、これが刺激になって飽きない。
 高円寺盤遊会では、5人プレイと4人プレイでも遊んでみた。
 どちらもテンポ良く、5人で全員がディーラーをやって、フルラウンド回してみたが45分程度。前のラウンドの強烈なルールの衝撃が、次のラウンドまで尾を引いて、脳内で混乱を起こしてしまうところが可笑しい。このあたり、フリーゼにおちょくられているような錯覚すら覚える。大逆転も可能だし、派手な展開も魅力的である。

 アミーゴは「トリックマイスター」と同時に、トレーディングカードゲームと競売ゲームを融合した「フリーゼマテンテン」のリメイクも発売した。今年はフリーゼの当たり年で、彼がデザインしたゲームがメジャーメーカーからも次々と発表される。

◎Stich-Meister for BoardGameGeek
http://www.boardgamegeek.com/boardgame/81250/stich-meister

ザ・ヴィレッジ(Le Village)

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人狼の夏、日本の夏

『マフィア』というロシアのカードゲームをもとに2001年にアメリカ、イタリア、フランス、ドイツなどで発売された『人狼(米Are you a Werewolf?、伊Lupus in Tabula、英The Werewolves of Miller's Hollow、仏Les Loups-Garous de Thiercelieux、独Die Werwölfe von Düsterwald)』は多人数パーティゲームの傑作として多くのファンを集めている。その中で最も元気なアスモデ社(フランス)から新しい拡張が発売された。

『人狼』は、プレイヤーの中にこっそり紛れ込み、毎晩1人ずつ村人を殺していく人狼を、会話をもとに推理して倒すゲーム。序盤は情報が少なく、運任せになりがちだが、この拡張が解決してくれる。それが「表の職業」。キャラクター(村人か人狼か)は伏せられているが、職業が予め公開される。

2票の権利をもつ人を選出したり、指名した人物を投票に参加できなくしたり、日中に1人殺せたりするなど、職業にはそれぞれ強烈な能力があり、さらにその人物のキャラクターによって、能力の使い道が絡み合う。序盤の推理の材料は揃いすぎるほどになるだろう。

基本と拡張が両方入ったセットで、通常の人狼としても遊ぶことができるほか、同社が2006年に発売した拡張『新月』のイベントカードを加えて遊ぶこともできる。また白狼、放火魔、うわさ魔という3つのキャラクターも追加されており、遊び方はさまざま。

準備の手間もいらず、会話だけで楽しめ、しかも肝の冷える思いまでできる…この夏、8人以上人が集まる機会があれば、基本セットから試してみて、2回目以降で表の職業を加えてみてはいかが。

Le Village
H.マーリー、P.パリエール作/アスモデ(2009年)
8〜30人用/10歳以上/30分
Asmodee editions:Le Village

洛陽の門にて(Vor den Toren von Loyang)

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『アグリコラ』(2007)、『ルアーブル』(2008)と続けざまにヒット作を生み出し、一躍時代の寵児となったローゼンベルクが、また今秋、新しいボードゲーム『洛陽の門にて』を発表する。前作の影響もあってたいへんな注目を浴びており、早速ホビージャパンが日本語版を発売する予定になっている。

ローゼンベルクは、この3タイトルを「収穫三部作」と位置づけているが、制作されたのは『アグリコラ』より前の2005年だという。『アグリコラ』が影響を受けたとされる『ケイラス』よりも前の話だ。したがって『洛陽の門で』は、『ケイラス』の影響を受けていない。著者は、オランダの『アンティクイティ』(スプロッター・スペレン)にインスピレーションを受けて作ったと述べている。そして4年のブランクを経て、新規メーカーであるハルゲームズから発売される。

畑に野菜を植えて収穫し、売った利益で勝利点を買うゲームである。野菜は小麦、カボチャ、カブ、白菜、豆、ニラの6種類があり、後者ほど作りづらく、そして高い。これらのコマを畑に植えると『アグリコラ』のように増え、1ラウンドに1個ずつ収穫できるようになる。

一番のポイントは、収穫した野菜を計画的に高く売るにはどうしたらよいかというところだろう。そこで5種類のカードが登場し、自分の計画にあわせて毎ラウンド2枚ずつ取る。

そのうち収入になるカードは2種類。「顧客」は、毎ラウンド2種類の野菜を配達することで代金をもらえる。代金は高いが、配達できないと満足度が落ち、2回目で罰金を支払わなくてはならないという諸刃の剣。一方、「通行客」は1回だけ3種類配達すれば代金をもらえる。便利だが、顧客より通行客のほうが多いと、「何、楽な商売やってんじゃ」と怒られて代金が減る。顧客と通行客は、いろいろな組み合わせで野菜を買い取るので、自分が植えている野菜のラインナップに近くなるよう、よく吟味して手に入れたい。

収穫で足りない野菜を補うのが「市場」。ここではほしい野菜を交換で手に入れられる。また、作物の種類を増やしたいならば「共同の畑」。『ボーナンザ』の3枚目の畑のような役割をもっている。

そして、最後に20種類ある「助手」。この特殊能力をタイミングよく上手に使いこなせるかが勝敗を分けそうだ。『アグリコラ』と比べると枚数が少ないが、2つの能力の択一など、緻密な使い方ができるようになっている。中にはコンボを決められるものもあって、奥深さは変わっていない。

手番には、これらのカードを使って何アクションでもできる。そしてお金を貯め、ラウンドの最後に勝利点を買う。進めば進むほど高い。それに、全額を勝利点につぎ込んでしまえば、足りない野菜やカードを買うお金が不足する。バランスのよい経営手腕が試されることになる。

ほかにもローゼンベルクらしいカード処理がある。2枚のカードを取るときは、手札から場札に1枚ずつ出していき、場札と手札から1枚ずつ取って降りるという「カード配分」は駆け引きを生む。また、1ラウンドに1回、カードを2枚1組で買って重ねておく「パック買い」は、コンボが組みやすくなる。直感的には分かりにくいところもあるが、それはありきたりでないということだ。

収穫三部作を通して分かることは、ローゼンベルクがカードゲームデザイナーだということ。『アグリコラ』は職業や進歩カード、『ルアーブル』は建物や船カードが、実はゲームの中心であることに気がつく。『洛陽の門にて』は、ワーカープレイスメントのない旧来のシステムだが、カードの組み合わせが毎回新しい展開を生んでいくだろう。乞うご期待。

Vor den Toren von Loyang(At the Gates of Loyang)
U.ローゼンベルク/ハルゲームズ
1〜4人用/10歳以上/100分
日本語版がホビージャパンから発売予定(発売日は未定)

Boardgame Geek:At the Gates of Loyang
H@LL Games:Vor den Toren von Loyang

アグリコラ―泥沼からの出発(Agricola: Die Moorbauern)

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今春に日本語版が発売された『アグリコラ』に、拡張セット『泥沼からの出発』が発売される。日本語版もホビージャパンから同時発売の予定。10月のエッセン国際ゲーム祭でリリースされるが、メーカーから前情報が上がっているので、レビューしてみよう。

ボードゲームの最初にはカードが配られ、指示された通りに自分の農場に泥地タイルと森タイルを並べる。家・牧場・畑を広げるには、まずこのタイルを取り除かなくてはならない。タイルは合計8枚もあり、最初から空いているスペースのほうが少ない。何をするにも、まずタイルを取り除くところから。

特別アクションカードタイルを取り除くのが、特別アクションだ。「泥炭を掘る」、「焼畑」、「木を切り倒す」のアクションでタイルを取り除くことができる。ただ取り除くだけでなく、「焼畑」では森タイルがあった場所に畑ができ、「木を切り倒す」では木材が手に入る。通常のアクションと違って、家族コマは使わないが、いずれにせよ早い者勝ちなのでいつ取りに行くか悩ましい。

「泥炭を掘る」のほか、木材を交換して手に入るのが新たなアイテム「燃料」だ。収穫のたび、通常通り家族に食料を与えるほかに、部屋の数に応じて燃料を支払わなければならない。燃料が足りないと家族は病院行きになってしまい、次のラウンドのアクションが減ってしまう。食料も燃料も心配しなければならなくなって、農業経営はいよいよたいへんだ。

馬特別アクションで、新たな家畜である馬が手に入る。飼い方はほかの家畜と同じだが、1頭につき1点とたいへんお得だ。進歩カードで馬肉にすることもできるが、できるだけ食べないでとっておきたい。

泥地タイル、森タイル、燃料、馬。こうした新アイテムを使いこなすための進歩カードが入ってくる。小さい進歩カードが初心者用と上級者用の2デッキで118枚、大きい進歩カードが14枚あり、また遊ぶたびに新しい展開が待っているだろう。基本セットの職業カードを入れて遊ぶこともできるし、ソリテアルールもある。

泥沼からの出発アグリコラ拡張『泥沼からの出発』、来月発売予定(日本語版は遅れる可能性あり)。

Agricola: Die Moorbauern
U.ローゼンベルク/ルックアウトゲームズ
1〜5人用/12歳以上/プレイヤー人数×30〜45分

Lookout Games:Die Moorbauern

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