梅花流のご詠歌はほとんどが4分の4拍子の曲です。一拍目(譜面○印)で打鉦、2拍目で撞木をつき、3・4拍目(譜面△印)で鳴鈴することによって「チン・トー・リン・リン」というように拍子の感覚を出します。ところが、中には2拍目を抜いて打鉦した次の拍頭で鳴鈴する場合や、4拍目の鳴鈴を抜いて打鉦にうつる場合もあるのです。この変拍子に気づかないでお唱えしていると、途中でずれてしまうので注意が必要です。
この変拍子は主として歌詞に影響されて拍がつまったり伸びたりしているようです。歌詞を味わいながら、どうして変拍子になっているのかを考えてみると面白いかもしれません。
これら鳴鈴のない曲は基本的には4拍子であるものの、打鉦の間隔が頻繁に変わります。例えば渓声は5・5・6・2・2・7というように極めて不規則に始まります。歌詞にあわせて打鉦することになります。
打鉦だけの詠頭部分は3・2・2・4というように不規則に始まり、2行目も鉦が続いたり、鈴が1つだけでまた打鉦したりして、まるでパズルのようです。ただし、3行目以降は特別所作と最後の部分を除いて通常どおりの拍になっているので、変拍子になっている部分だけ注意を集中させることによってお唱えすることができそうです。
「光には」の「に」で鳴鈴がなくなって1拍つまります。次に「人の」の「と」では鳴鈴が1拍早まって3拍子になります。
「有難や」の「た」は鳴鈴することなく2拍子で「や」に移ります。
詠頭で打鉦が連続する間にどこからか拍がずれます。「照らし」に入るまでの拍数は10拍です。
「杉生の深き」の「ふ」は打鉦のみの2拍です。
詠頭は「湧き出ずる」の「ず」で3拍になります。鳴鈴はありません。
詠頭は「うちならす」の「な」「ら」でそれぞれ3拍子になります。鳴鈴はありません。
「わが心かな」の「わが」が2拍で終了します。この前の「いつか澄みくる」も4拍子のままですが特殊な鈴鉦になっているので注意が必要です。