『指導必携』では、「拍中、ツヤの大きさがまちまちにならないよう特に注意を要する」と書かれています。原則としてツヤは等間隔で唱えることになっていますが、実はツヤを等間隔で唱えると等間隔では聞こえません。人間の耳が錯覚を起こすためです。

梅花の「得よせぬ」の「え」です。ラ3拍の最後1拍にツヤを入れてソに移るパターンは梅花、渓声に見られ、ツヤの聞かせどころです。以前私は等間隔に唱えようとしていたとき、先生が「せわしい感じがする」とおっしゃいました。そこで間隔を以下のように修正してみました。
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つまり4つあるアタリの間隔を1:1:1:1ではなく、1.2:1.1:0.9:0.8ぐらいにしてみたのです。はじめは大きめに、次第に小さめに。前が伸びた分だけ後でつめるので、総体で長さは変わりません。ややイロに近くなりますが、4つのアタリ自体は同じ強さなので、聞き間違うことはありません。等間隔でしかもゆったりしたツヤに聞こえると思います。

正法御和讃の「片頬笑み」の「み」です。このパターンは御和讃、御詠歌問わず最も多用されます。つまりこれを制すればお唱えもずいぶんとさまになる訳ですが、実際これがとても難しいのです。ソとミに入る音頭アヤのためにラソミがどうしても間延びしてしまい、結果として最初のツヤが忙しくなりがちです。2・1・1ではなく1・1・1に聞こえることもしばしばあります。
実はツヤには下向音を出して元の音に戻すのに少しだけ時間がかかっているということを見落としてはなりません。2つ目のアタリからラに移るまでの間、ソがしっかりと聞こえるようにするためには、2つ目のアタリを若干早めにもってくる必要があります。もちろん、開きすぎていてもいけません。1回目のアタリは拍頭にあって動かせませんから、2つ目のアタリをどういうふうに入れるかが全てのポイントです。ここでのアタリの間隔は先ほどの話で行けば1.1:0.9くらいでしょうが、あえて1:1にしておくと、ラに変わったときゆったりと等間隔に聞こえると思います。
間隔を数字で表現してみましたが、実際には何度も繰り返しお唱えして、唱えていても聞いていても納得のできるポイントを探るのが大事でしょう。