日本語熱








私が通っているセンターのそばにある屋外学食.
ここでいつもサンスクリット会話を習っている.
三角カンティーン

 プネーは今日本語ブームの様相を帯びている.大学では1000人を超える学生が日本語を受講し,大学外にも大小さまざまな日本語学校が賑わっている.今住んでいるところの近くにもJapaniccaという学校があった.
 なぜこんなに流行っているかといえば,それは間違いなくお金になるからだ.インドにどんどん進出してくる日本企業,月給1〜2万円が平均というところで賃金水準はとても高い.先のJapaniccaという学校の宣伝にも[Congratulates
our students Sidharth & Kaushik for getting selected by Hitachi Co.
Tokya, Japan]という売り文句が書いてあった.日本語スピーチコンテストもある.インドの各地区大会から,勝ち抜きで全国大会まである.ここプネーは西地区の大会会場になっているらしい.
 私が学ぶサンスクリット学科でも,日本語を勉強している学生が3人いる.私がサンスクリット会話を習っているのヴィナヤクは,その一人だ.11月には試験があるというので,殊の外一生懸命勉強している.テーマにそった日本語スピーチを日本人の前でするという.ヴィナヤクのテーマは「なぜ日本語を学んでいるか」,その女友達のサンバダが選んだテーマは「私の夢」.練習のために何度か聞いた.
 ヴィナヤクによると昔,「Love in Tokyo」というヒンディー映画があったらしい(見てみたい!).その主題歌の「サヨナラ,サヨナラ…」が頭に残っていたという.そしてサンスクリット語を学ぶうちに,サンスクリットの文化が仏教として日本に影響を与えたことを知り,日本語に親近感を持つようになった.そこに友達が「日本語は難しいよ」と言うのでチャレンジ魂に火がついたという.将来は日本人にサンスクリット語を教えたい,できれば日本に行きたいというが,それで食べていけるかどうか.
 サンパダの夢は「みんなを幸せにすること」.なんて純真なんだろうか.私は「いい夢だけれど抽象的で具体性がない」などとコメントして,後から反省した.
 私の夢は何なんだろう,そしてなぜサンスクリット語を学んでいるのだろう? ヴィナヤクがサンスクリット語でそれを書く宿題を私に課したので今考えているところである.

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