日帰りバス旅行

スワルゲート プネー近郊のワイという街へ写本調査に行く。
 ワイはプネーから70km南にある小さな街。ここにプラジュニャー・サンスクリット学校というのがあって近隣の写本を集めている。その数1万2千本。いろいろなものがあるという噂をよく聞いていたので、大学を休んでK夫妻と3人で行ってきた。
 ワイ行きのバスはプネー南部のバスターミナル、スワルゲートから出ている。家から30分リキシャーに乗り、朝9時15分発のバスに乗り込んだ。バス時刻はインターネットで調べられるらしいが、結局窓口で確認しないと本当かどうかはっきりしない。
 バスが動き出すと車掌が料金を集めに来る。ワイまで40ルピー(100円)。常にほとんど満員の乗客だったが、途中の村々で乗り降りするので終点までずっと乗っていたのは少なかった。おじいさんおばあさん、学生、家族連れなどが乗っていてしばし旅情にひたる。
 ゴーゴー音がうるさい割にスピードがあまり出ないバスは、エアコンなど当然のようについておらず窓全開。バス停は10分に1回ぐらいあり、結局70kmを2時間以上かかって到着。ワイはプネーよりもさらに標高の高いところにあり、途中ひとつ山を越えていく。プネーよりもやや涼しい気がした。
 サンスクリット学校はバス停から歩いても行けるようなところにあったが、道が分からないのでリキシャーで行く。こじんまりとした建物で、自力で見つけるのは難しそうだった。早速、ライカルという秘書のおじさんにあいさつをして写本の話を切り出す。
 ところがおじさんの答えは「紹介状が必要」。大学の先生はそういうものは要らないと言っていたし、プネーの中で写本所蔵しているところもすぐにコピーを取らせてもらっていたし、プネーで本屋を営むサプレ氏が連絡しておいてやると言っていたので、この対応は意外だった。しかもプネー市内と違って往復5時間もかかるところである。目の前が真っ暗になった。
ワイ しかしこのまま引き下がるのも情けない。カタログを見せてもらって何があるかチェックし、続いてどういう手続きをするか聞いた。先生の紹介状を送ると、許可証が発行されるとのこと。書類のやり取りは郵送で行うことにし、あと1回だけ来ればよさそうな話になったので納得。いずれにしてももう1回来なければならないような予感はしていたので、諦めもついた。サプレ氏は結局連絡していなかったそうな。あのオヤジめ。
 というわけで用件は1時間ちょっとで終わり、とぼとぼバスターミナルへ。途中に大きなガネーシャ寺院があり、その前の川では洗濯をしたり、子供たちが水浴びをしたりしていた。自分たちが入りたいとは思わないが、プネーの川と比べれば格段に澄んでいる。この寺院と川がこの街の唯一の観光地らしい観光地だ。
 昼食を食べて14時30分のバスに乗る。帰りは3時間かかったが、うだるようなバスの暑さに眠りつつ大汗をかく。座席も狭いのでプネーに着いたら足がおかしい。K氏宅でスイカを食べ、その後レストランでビールを飲んだ。
 目的が達成されなかったというのもあるが、もう1回行くと思うと気が遠くなりそうだ。

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