新居








新居のカラン・パーク。閑静な住宅街だ。
カランパーク

家を探し始めてから3週間、ようやく新居が決まって住む見込みがついた。これだけ時間をかけられたのは今のアパートがあるからであって、インドに着いたばかりだったらそうのんびりできない。
とはいえ、そのうち2週間は無駄に過ぎた。頼んだ不動産屋が高級アパートしか扱っておらず、希望のエリアに物件を見つけられないでいたのだ。ドゥルゲーシュを介して近くの不動産屋に会ってからは、見つかるまで1週間も経っていない。ミセス・ジェーラムという高級不動産屋は、客に指図はするわ仕事はしないわで、紹介して下さった小島さんに悪いが、感じがよくない。彼女を通して住まいを見つけたK氏も、彼女の客を客とも思わぬ傲慢さには辟易していた。
そこでドゥルゲーシュに助け舟を求めたのだが、彼はバイクで5時間、希望のエリアを探し回ったのだという(彼は大げさなので本当に5時間かは信じがたい)。こういうとき、21歳のドゥルゲーシュは頼りになる。その結果、希望のエリアに店舗をかまえるプラモードという不動産屋を発見。アパートもあっけなく見つかった。
今度の住まいはプネーの東はずれ、ワドガオンシェリ。田舎だが空港まで5キロ、プネー駅までバス30分という便利なところだ。ただプネーの西はずれにある大学や今のアパートからは20キロあり、バスを乗り継いで1時間30分もかかる。これから大学に行ってジャー先生の授業がドタキャンだったら、かなり悔しいだろう。前もって電話してから行こうか。
というわけで東のはずれから西のはずれまで、先生の授業と入居の準備で毎日のように往復3時間移動している。
1日目は見学。この時期は新学期で学生がやってくるため物件は少なかった。でも1件だけ見たアパート(1BHK…ベッドルーム1、ホール、キッチン)が広さも雰囲気もよくて気に入ったのでそこに決める。家具付きで1ヶ月3500ルピー。日本円にして1万円に満たない額である。今住んでいるところよりも1000ルピーも安い。それだけ田舎ということである。ちなみに敷金6、礼金2。K氏に聞いたが敷金をこんな取るのはムンバイやプネーだけらしい。
2日目は手付金を渡し、住む前に準備してもらうものを確認する。ハウスクリーニング、電話線、温水器をお願いした。1日目と2日目はドゥルゲーシュがバイクで送ってくれたので片道40分。ノーヘル2人乗りで80キロも出し、挙句には運転しながら携帯でしゃべり始めるドゥルゲーシュにはらはら。急発進、急ブレーキの乱暴な運転をしながら「怖いかい? 俺の運転は上手いだろ」とか聞いてくる。
3日目は契約。約束の時間をドゥルゲーシュが私に連絡せず、ぎりぎりになってリキシャーで行くことになる。「今行く」といって夕方来たりするのは彼の基本なのである。リキシャーの中で「昨日、ガールフレンドから告白されちゃってさあ」などとのろけるドゥルゲーシュ。彼は妄言壮語なのでまともに聞いていても、聞き流していても疲れてしまう。「困ったらいつでも電話して、すぐ駆けつけるから」と言ってくれるのはありがたいが、今困っているところでそれを言われると「こいつ、何も考えてない」と思ってしまう。こういうとき、21才のドゥルゲーシュはあてにならない。
4日目はドゥルゲーシュ抜き(ほっ)で布団と温水器の注文。布団はサイズを測って、布団屋に行って注文すると、オーダーメイドで作ってくれる。綿を何キロ入れるかとか、生地は何にするかとか、いちいち時間がかかる。その上注文が終わってからはチャイを飲んで世間話。近くを通りかかった知り合いが布団屋に寄ってきて、あーだこーだ言っている。このエリアは外国人がほとんどおらず、珍しいらしい。
これから大家さんと電話線(つながらない)や呼び鈴(ついてない)の交渉や、温水器の取り付け、布団の受け取り、お手伝いさんの手配、そして今の住まいからの荷物移動など。ひとつひとつ時間がかかっているが、新しい不動産屋のプラモードがドゥルゲーシュと比べ物にならないぐらい頼りになるので安心。今週半ばぐらいから住み始められるといいなあ。

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