食事

ターリー名残惜しさのためであろうか、もうすぐインド生活が終わるというときになってインドの料理が美味しく感じられてきた。ほぼ毎日食べているのがターリーと呼ばれる定食だ。ご飯がつくので「ライスプレート」ともいうが、インド製英語らしい。ヒンディー語ならカーナー(食事)。
 標準的な内容はチャパティ(発酵させないナン)3枚、チャーワル(ご飯)、サブジー(野菜のカレー味煮込)、カリー(日本でカレーと呼ばれるもの)、ダール(豆を煮崩したカレー)、パパッド(せんべい)、アチャール(マンゴーのレモン唐辛子漬け)、生タマネギ、レモン。このほかにラッサム(トマトスープ)、ダヒ(ヨーグルト)、デザートがつくお店もある。たいていはベジタリアン料理だが、その量・辛さ・油っこさでどんなにお腹が空いていても必ず満腹になれる。
 食べる順序はインド人を観察したり、試行錯誤したりしてやっと完成した。チャパティーは焼き立てで出てくるので、最初はさわれないほど熱い。そこでせんべいを食べながら少し冷ます。せいべいは結構塩辛いので全部食べないで、後に取っておく。チャパティーが熱くなくなったら手でちぎって、野菜煮込とカリーの具を交互にはさみながら食べていく。液体の豆カレーはチャパティーではさめないのでパス。チャパティーを食べ終わったところで漬物やレモン汁をかけたタマネギをつまんでいったん休憩。気がきくお店なら、このタイミングでご飯を持ってくる。
 ご飯に残った野菜煮込とカリー、豆カレーとヨーグルトをかけてかき混ぜる。ここで先に残しておいたせんべいも砕いて入れると美味しい。このごちゃ混ぜが深みのある味わいとなるのだ。カリーやトマトスープは激辛なことが多いが、ヨーグルトと混ぜることで辛さも和らぐ。ご飯は手で食べる方が美味しいが、終わってからしっかり手を洗えないので、たいていスプーンで食べている。
 そして最後に残ったタマネギを食べてごちそうさま。ちょっといい店なら店員がレモンを入れたお湯を持ってくる。これは手を洗うためのもので、お湯の中でレモンをつぶし、右手を洗う。ついでに口の周りも洗うと気持ちいい。小さい店でお湯が出てこなければ、コップから飲み水を皿に流しながら手を洗う。
 口の中が辛さでひりひりするようなら、チャイを頼むのもよい。でもたいていは満腹で、何も入らない状態である。最後に出てくるミントは、インド人がいうには消化にいいらしいが、本当かどうかはともかく口の中の食べ残しが取れて歯によさそうだ。
 最近見つけた近くの小さなレストラン「グル・クリパー」は定食(写真)が20ルピー(50円)に、チャイが2ルピー(5円)という安さ。しかもかなり味がいいので結構通っている。

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