『踊るマハーバーラタ 愚かで愛しい物語』

膨大な量の叙事詩マハーバーラタから抜粋。兄の留守中に兄嫁の浮気を監視するよう頼まれた弟が、恥も外聞も捨てて兄嫁の膣の中に小さくなって隠れ、インドラ神の誘惑を退けたという話(ピプラのお話)や、賭博に狂って国を追われた王様を王妃が救った話(ナラ王物語)など。
マハーバーラタの和訳はいくつか出版されているが、翻訳の精度と読みやすさを両立する難しさを感じる。上村氏の原典訳は精度は高いが必ずしも読みやすいとは言えず(そもそも原文が読みにくい構成なので)、山際氏の和訳は精度は低く誤りもあるが脚色されていて読みやすい。難しいところ。
おそらくサンスクリット原典ではなく、英訳かヒンディー訳から訳したものと思われる。Vaayuをバーユ(馬油じゃないんだから)、Vedaantaをヴェダンタと表記したり、インド六派哲学の総称と説明したりするなど正確さに欠ける。

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