さくらんぼ

山形は今、さくらんぼの季節だ。上野駅では毎日、新幹線改札を出たところにお店が出ている。佐藤錦(さとうにしき)が有名だが、今日檀家さんのところで味見をしたら紅秀峰(べにしゅうほう)のほうがずっと甘い。贈答品が多いこの季節、食べ過ぎて下痢にならないよう気をつけたい。
今日の午前中の先住忌は鐘を一発多く叩いてしまったが、無事滞りなく終わった。拈香法語の後、大ケイ三声の一発目をどこで入れるか迷ったのが敗因。進前焼香低頭時で正解だったが、それから行道開始前の進前では小ケイだけでよいのに、第一ケイ子までおまけで入れてしまった。修行中ならゲンコツは免れないが、今日は口頭注意。教えてもらえるだけまだ幸せか。
食事を終えて帰ると福岡のあるお寺の副住職という方から電話がある。ホームページを読んで、私が今の日本仏教の堕落ぶりをちょっと書いていたので電話したとのこと。
話によると、先日仏教会で台湾に研修旅行した際、ゴルフをしていた人がいて、それはどうかと会長に言ったらいさめられたそうで、これをどう思うかというこれまた微妙な質問だった。ゴルフに疑問をもちつつも自分も飲み屋などには行くので、戒律に背くという批判をするつもりはないけれど、まっとうなことを言ったつもりが反対にいさめられたのが不満だったらしい。
お坊さんが海外でゴルフをするのは、戒律というより社会通念上どうか、一般の檀家さん信者さんがそれを聞いてどう思うかというところで考えたほうがよいと答え、僧侶はどうしても他人に厳しく自分に甘くなってしまうから、この機会に反省のきっかけができたのはよかったのではないかとまとめてみたが、答えになったかどうか。近くに愚痴を言い合える同じ年代の僧侶がいたら、これしきのことでわざわざ山形まで電話をかけてこなくてもよくなるのにと思った。
でもホームページを開いていると、こうした新しい出会いがあるから楽しい。
先日山形市内の会社からセールス。「簡易ホームページを製作している会社ですけれどご住職様はホームページをお作りでしょうか。」「はい。」「……えっと、それでは定期的に更新もされていらっしゃいますね。」「ええ、まあ。」「それでは失礼しました。」ホームページをもっているお寺は数えるほどしかない。

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