受益者負担と公共負担

月曜、火曜は来客もなくのんびり過ごす。長男の風邪はくず湯をきっかけにどんどん回復している。
火曜日は、前から頼まれていた地区の墓地の名簿を作成。名簿はお寺ではなく地区で管理しているものだが、もう20〜30年も更新されておらず、当主の名前がだいぶ変わっているため調査に協力した。過去帳データベースを使えばちょちょいのちょい。
このたび、地区の墓地で管理組合を結成する動きになっている。これまで地区の墓地は、年5万円程度の地区の予算で管理されてきた。ところが、同じ地区内にある2つの寺院の境内にお墓を移転する人が増えるにつれ、区民全体のコンセンサスが取りづらくなり、当事者だけで組織を作る動きが出たのである。
組織を作るにはまず会員を特定させなければならない。新しい名簿は当主名の更新だけでなく、すでに寺院境内にお墓を移転した人、地区外に転出した人を調べて、地区の墓地に現在もお墓を持っている人を確定させるために必要なのだ。さらには、空いている墓所を新しい人に与えることで荒れた墓所をなくす狙いもある。
名簿ができて夕方に区長さん宅に届けると、副区長さんと地区長会長さんも集まっていた。こちらがふと思い立った日に、たまたま墓地管理の件で協議することになっていたとは、偶然にしては面白い。きっと地区のご先祖様方も後押ししているのだろうという話をした。組織案では、私には顧問の職が与えられていた(エラソー)。
今回の墓地管理組合の結成で議論になっているのは、やはり地区の関与だった。区民の全員が地区の墓地を利用している訳ではない以上、地区が全面的に出るのは難しい。かといって地区の墓地である以上、環境や景観を守るために地区と切り離すわけにもいかない。
要するに受益者負担と公共負担のバランス取りの問題なのだ。小泉内閣が小さい政府を掲げて以来、教育や福祉などさまざまな分野で問題になっていることである。
私は、住環境の整備という名分に加えて、地区の支援がなくなったら新規の人が減ったり、寺院境内への移転が加速したりするという理由で地区の支援は必要だと述べた。洞松寺の境内に移ってもらえば永代使用料が入るので嬉しいことは嬉しいが、その分地区の墓地が過疎化するのは困る(そもそも洞松寺の墓地はもうスペースがほとんどなく、これ以上申し込まれたら造成工事をしなければいけないのもたいへん)。
今度の地区の総会に向けてさらに協議を続けることになっているそうだが、どういう結論になるか興味深い。区民が納得のいく落下点を見つけてほしいものである。
その後、大般若の参拝客を増やす方法とか、寄付額を戒名の位階で変えるべきかとか、ざっくばらんに話し合って貴重な意見を頂くことができた。副区長さんと地区長会長さんはお寺の総代も務めている重要人物で話も弾む。
そんなこんなで3時間もみっちり喋って帰宅。長男を風呂に入れて寝たが、明日の朝まで作らなければいけない原稿があったので2時に起きて作り終えた。そんなことをしているうちに長男が起床。もう一眠りしようか。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.