『すごい「議論」力!』

アメリカのカリスマ弁護士が書いたものをビジネススクールの先生が和訳したものだが、全然すごくない。この本で説かれていることを一言で言えば、「理詰めよりも謙虚に相手の立場を慮って」ということ。それしかできないから議論が苦手という日本人が多いのに。
訳者も後書きでこのことに気づいているようだ。
確かに、今までの日本は、あえて角立てて意見を戦わせるよりも、「俺とお前」に代表される、阿吽の呼吸、「お互いの気持ちを慮る」ことが重要視されてきた。(202ページ)
目的の達成のためにおべっか使いや、自分にだけ有利な表現などの詭弁も紹介されている。説得では不可欠なことかもしれないが、あまり褒められたものではない。
一番なるほどと思ったのは「意見と人格を一体化させない」という項。「○○さんの意見」と言わずに「Aという意見」ということで、人格否定と取られないようにするという、インテルの社長さんの話だ。でもこれは訳者解説で出てくる話。トホホ。

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