昨日の長井線

私は長井線のヘビーユーザーである。国鉄から第3セクターになり、少子化による高校生減少で苦しい経営を迫られており、赤湯駅で待ち時間が1時間あろうとも、急いでいない限りは極力利用するようにしている。
この頃は観光客の誘致に力を入れており、東京など遠方からはもちろん、中国人の団体客も見かける。車窓から田園と盆地の美しい風景を見られるのがウケているらしい。朝倉さんという車掌が、山形弁全開でガイドをしているのもいい。
昨日も団体客が乗っていて、朝倉さんがガイドしていた。こちらは地元風の2人の子ども連れである。飴玉をもらって赤湯駅を出発。
梨郷駅付近だったろうか、床からガチャガチャと音がして列車が急停止した。床に転がる長男を、朝倉さんが心配してくれたが大丈夫。置石かと思ったら運転士のアナウンスがあった。「ただいま大型動物をはねました。今確認いたしますのでしばらくお待ちください。」
大型動物って何?!
列車の後方に駆け寄る団体客たち。見てきた人の話だとカモシカだという。「頭がすっぽりなくなってるよ。見に行かないほうがいい」なんて言ってるおじさんもいる。車掌は外に出て携帯電話を片手に車両をチェック中。
ところがである。運転士が車両に戻ってまたアナウンスした。「カモシカは自分で起き上がって山のほうに帰っていきました。車両に異常がありませんでしたので出発します。」遠目で首がなかったように見えただけらしい。よかったよかった。
列車は2分後れだったが、団体客にはいい土産話になっただろう。こんな長井線が、そして車掌さんたちが私は好きだ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.