नेति नेति

अथात आदेशो नेति नेति । न ह्येतस्मादिति नेत्यन्यत् परमस्ति ।(बृ.आ.उ 2.3.6)
金曜日に行われたW.スラーエ・ハレ大学教授の講演のテーマは『ブリハド・アーラニヤカ・ウパニシャッド』(仏陀以前の成立)でヤージュニャヴァルキヤ仙が説く自己(アートマン)の説明「नेति नेति」の解釈について.従来の解釈に異を唱えるもので終わってからも活発な意見が出されていた.
従来の解釈は「そうではない.そうではない.」と否定を繰り返すものが主流である.西洋だけでなく,国内でも「この我はただ『非也・非也』と説き得べきのみ.」(辻直四郎『ウパニシャッド』),「この『非ず,非ず』という〔標示句によって意味される〕アートマンは不可捉である.」(服部正明『古代インドの神秘思想』),「このアートマンは,ただ『そうではない,そうではない』と説かれる.」(前田専学『インド思想史』)というようにこの解釈を取る.
このような解釈をスラーエ教授は後代にシャンカラ(700-750)がइति=एवम्と解釈したものに基づくとし,もともと別の意味があったのではないかという.そしてもともとの意味を考えるにあたって「आदेश」(代用)に基づき,また「इति न」という語順が自然であるとする.「आदेश」は「नेति नेति」全体を包含し,「इति न」は「〜というならば,そうではない」という前主張の否定形式である.こうして「नेति नेति」は二重否定で解釈される.『ブリハド・アーラニヤカ・ウパニシャッド』自体の説明を考え合わせると「(アートマンとは,)そういう在り方をしていないものは他にない」=「全てがそういう在り方をしている」と解釈でき,ほかの大文章「汝はそれである」とも合致する.
この解釈がいまひとつ分かりにくいこともあって,たくさんの先生から意見が寄せられた.「इति न」を先に取ると,1番目の「न」が宙ぶらりんで何を否定しているのか分からない.また「आदेश」が否定の繰り返しがあっても問題ではない.『ブリハド・アーラニヤカ・ウパニシャッド』の説明も,前半と後半を分けて「これ以外はない,ほかに至上のものはない」と否定の繰り返しに読めないこともない.
スラーエ教授は反論に証拠を求め,また分かりやすいことは正しいことにならないと戒められた.文献学の基本的な姿勢である.
それにしてもサンスクリットをローマ字で書くのはどうなんだろう? かつてはワープロの都合で仕方なかった面もあるが,今は技術的に十分可能になっている.連声したままだと分かりにくいならば,分解して表記すればよい.戦後GHQで日本語を総ローマ字化する計画があったそうだが,それに似てどうもインド文化を蔑ろにしているような気がする(第一読みにくくてかなわない).

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