お寺の苦情

お寺のホームページに掲載している「お布施の金額設定」、「もうひとつの戒名問題」を検索してくるのか、ときどき近くのお坊さんの苦情が寄せられる。このたびは北海道から。
メールによると、親族が亡くなって施主を務めたとき、住職から30万円以上の戒名が当然と勧められ、経済的余裕がないというと、25万の戒名で月賦払いを勧められ、何とかねばって15万にしてもらったところ、怒った顔で「葬儀のお布施はきちんと20万もらいますからね」と言われたという。そのほかに49日の本堂使用料も請求されている。過疎が進む地方で寺院の維持が大変なのもよく分かるけれども、経済状態を無視した額を露骨に要求して、どこに慈悲があるのかと。そして、ご本人は、戒名なしで俗名で葬儀をしてほしいそうである。
地元にもお布施の金額をはっきり言う和尚さんがいるが、金額を言うかどうかよりも、信頼関係が築かれているかが大切だ。信頼関係があれば、納得してその金額を出せるだろうし、そうでなければ、金額を言わないこと自体に不満を覚えるかもしれない(ちなみにインド滞在時は”as you like”(お好きな金額でどうぞ)ほど高いものはなかった)。
南直哉氏は著書で僧侶の友人を作ることを勧め、ただしお金の話が先に来ない人という。寺院経営としては一定の額が必要なのも事実であるが、私もできる限りそういう友人となりたい。
これに対して先ほどお送りした返事が以下。この言葉は、相手の心にどれくらい響くだろうか。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.