日本舞踊を習う

2年に1度行われる、宮城・山形・福島の合同御詠歌講習会。夜の懇親会では、各県別に出し物を披露することになっている。前回は腹踊り、前々回はパラパラだったが、今回は日本舞踊となった。
直江兼続の踊りがあるというので、天地人がみんなの記憶に残っているうちにしようと話は簡単にまとまった。ところがその踊り、かなり本格的なもので、米沢で一番という高名なお師匠さんが教えにいらっしゃった。普通、素人はお習いできないような方なのだが、お寺の奥さんの口利きで教えていただくことになったという。
はじめはお辞儀の仕方と、扇子の開閉から。あまりに本格的で、みんな引きまくるが、真剣な先生を目の前にしてもう引き返せない。1回目は、ちんぷんかんぷんのまま終わった。中腰の姿勢が多く足が筋肉痛になるほど。
2回目は、先生のお宅に代表が行ってお習いし、ビデオに録画してきた。3回目はそのビデオを見て自主練習。そして迎えた4回目。3時間みっちりお習いし、「足は斜め!」「扇子の持ち方が逆!」と叱られながらようやく、滞らないで一通り踊ることができるようになった。
踊りの世界も奥が深い。指先のかたち、回転するときの足の運び、扇子の持ち方など、やればやるほど課題が増える。でも先生によれば一番大事なのは視線なのだとか。全員が同じ方向を見ているときに、ひとりだけ別方向を見ると浮く。これは皆で行う法要にも言えることかもしれない。
和服姿の先生のお手本は、まるで日本人形が踊っているようで見とれる。この道は言葉ではない。何年もかけて少しずつ芸を盗んでいくんだろうなと、未知の世界に思いを馳せた。

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