同居家族みんなが寺族

「寺族」とは、住職の家族のことである。かつては「寺庭婦人」と呼ばれていたが(「寺」の「庭」だけに一年中草むしりをしているイメージだ)、女性に限らないということで改められた。

どこまでを寺族と呼ぶのか、母に頼まれて調べたところ、定義は簡素なものだった。

本宗の宗旨を信奉し、寺院に在住する僧侶以外の者を「寺族」という。(宗憲第32条)

これによれば、うちの7人家族のうち私を除く全員、3歳の次女まで全員が寺族ということになる※(「宗旨を信奉」というのがどこまで当てはまるかだが、次女もちゃんと本尊様の前で礼拝している)。

私は得度をしないと寺族と呼ばれないものと思っていたが、調べてみると得度は任意だった。得度していなくても、寺族集会や寺族研修会に参加できることになる。

寺族は、両大本山貫主又は前貫主に就いて得度を受けることができる。(寺族規程第3条。現在は文面が改められているが、得度は必須となっていない)

実際は、得度すると本庁に登録され、准教師という資格を取れるようになり、准教師を取れば寺族代表として干与者にもなれる。しかしそこまでいかなくても、お寺に関わることができる。身分もある程度までは保障される。

寺族は、本宗の宗旨を信奉し、住職とともに、寺門の興隆、住職の後継者の育成及び檀信徒の教化につとめなければならない。(寺族規程第2条)

住職が死亡したときは、当該寺院は、その寺族を保護する義務を負うものとする。前項の保護の方法は、当該寺院の責任役員及び干与者の協議により、寺院の資産、寺族の在住期間その他の事情を考慮して定める。(第16条)

私以外の全員が寺族だとすれば、この規程により、全員一丸でお寺を守っていかなくてはならない。何かの折に子供たちにも伝えておこうと思う。

※Wikipediaの「寺族」の項目では「曹洞宗では、住職夫人ないしは東堂夫人、示寂住職の未亡人にほぼ限定される」とある。そういう解釈も聞いたことがあるが、そうすると私の母は前住職の娘なので寺族ではなくなってしまう。でも実際は寺族会長などを務めているので、この解釈は誤りではないかと思われる。

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