イクメン住職

先月、にわかに「イクメン住職」としてテレビや新聞に取り上げられ、少し戸惑っている。

法人会という、会社の社長さんで組織している団体の女性部で講演したのがきっかけ。この団体は、「やまがたイクメン魅力アップ事業」というものに取り組んでおり、東京から外部講師を呼んでいるが、会員さんのお話によると東京と山形では働き方からしてだいぶ異なる状況であるため、あまり参考にならないという。そこで今度は子育ての話でもということになった。

それからしばらくして、上山の法人会から講演依頼がやってきた。タイトルは「住職で子育て? ~今どきのワークライフバランス~」。趣味のボードゲームが縁で山形大学で夏に講演した『ロジックとコミュニケーション~ボードゲームを通して考える日独の違い~』で取り上げた日本人働き過ぎの話(その時の様子はこちら)をもとに、地元のイクメン事業に参加して集めたお父さんたちの声を反映させるようにした(その時の様子はこちら)。

この講演会に地元テレビ局が取材に来ていて、夕方のニュースで流れた。これがなぜかテレビ局の支局長に好評だったそうで、追加取材の依頼が来た。子供がいるうちにということで朝6時に来て頂いて、3時間の密着取材。これもまた夕方のニュースで少し長い時間放映された。

その日の夜から電話などがかかってきて、いろいろな方から「テレビ見たよ」と声をかけられて何だか恥ずかしい。妻は「檀家減少で奥さんが働きに行かなければならなくなっている」という部分を檀家さんが見て気を悪くするのではないかと心配していた(その話を寺の役員さんにしたら笑っていたが)。

その後、今度は地元新聞社からも取材を受ける。テレビのニュースで見たという。こちらも子供が帰ってからということで夕方に来て頂いて、1時間ほどインタビューと撮影を受けた。子育てを仏教とリンクさせる内容で、翌週の「わいわい子育て」というコーナーに掲載された(その時の記事はこちら)。

新聞の影響はテレビ以上に大きい。恩師や親戚からも電話がかかってきて、「心が温まった」などといったありがたい感想を頂いた。こちらは「お恥ずかしいです」ぐらいしかいえない。

私の妻は茨城に平日単身赴任しており、母が祖母の介護で夜遅かったことからいつの間にか朝ごはんを作って子供を学校に送り出すようになったわけだが、子育ての状況は家庭によって、仕事によって千差万別である。私の子育てなど参考にならないので、状況に応じて協力してやっていくしかないだろうし、実際今のお父さんたちはそうしていると思う。

人がどう呼ぶかはさておき、イクメンは目指してなるものではない。家族のことを思うとやらざるを得なくなり、いつの間にか主体的にやっているといったところが実情だ。

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