インド哲学のシンポジウム

東京大学で行われたシンポジウム「インドの大地が育んだ世界認識の枠組み」を聴講。因果、普遍と実体、言葉と存在、神と世界という4つのトピックについて、まずインド哲学の研究者が発表し、それに西洋哲学の研究者がコメントして討論するという、興味深い内容だった。

写真は因果論について。インド哲学で言われる世界の創造や因果応報について、西洋哲学の先生から何%でそうなるのか、100%だというならばどうしてそうと言えるのかという疑問が提示されたところである。インド哲学でも可能性の概念はあるが、100%でなければ正しいとはいえない。最終的には聖典を根拠にするが、現代では説得力をもたないといわれても仕方あるまい。

インド哲学が根本聖典の墨守に腐心してきたのに対し、西洋哲学は批判を通してアップグレードしてきたので、分かりやすさが格段に違う。宗教的文脈の強いインド哲学を西洋哲学の概念で切り取ってしまわず、同時に「知的骨董」にしてしまわない努力をどのようにしてできるのか、なかなか難しい問題だと思う。

インド哲学シンポ

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