『「昔はよかった」病』

パオロ・マッツァリーノ著。この人の本を読んでいると、「混迷の現代において…」「最近の若い子は…」といった発言が眉唾に聞こえてくるようになります。

・空き巣も振り込め詐欺もここ10年ぐらいで急激に減少しているのに、報道は減らないため治安が悪化していると誤解されている
・高齢者人口はこの20年で2倍に増えたが、高齢犯罪者は7倍に激増している。高齢者は善人という世間のイメージに疑問符
・熱中症は明治からあった。昭和初期には、気温27度で小学生15名が倒れた記事がある。気合や鍛錬は関係ない
・年寄りを敬う儒教精神は江戸時代も戦前も根付いておらず、人情や絆も強くなかった。地域の絆を強めれば犯罪や自殺は減らせるというのは全く根拠がない

何事も、古き世のみぞ慕はしき。今様は、無下にいやしくこそなりゆくめれ。(吉田兼好)

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