『「学力」の経済学』

この頃の講演の元ネタです。著者は慶應の先生。
どこかの誰かの子育て成功例を真似してもうまくいく保証はないというのは、妻とよく話していることでした。でもそれだと、何を指針にしたらいいか分からなくなってしまいます。そこで参照したいのが科学的根拠(エビデンス)。主にアメリカで行われた実験から得られた結論で、身も蓋もないものも多いですが、とても参考になります。

なるほどと思ったところを抜き出してみました。
・成績の悪い子に、自尊心を高めるようなメッセージを送るともっと成績が下がる(根拠のない自信をつけてしまうため)ので、能力ではなく努力を褒める
・テレビやゲームは1日1時間程度なら影響はない。2時間を超えると飛躍的に大きくなる
・人的資本の収益率(学習・しつけ・体力づくり)が大人になってどれくらい効果があるか)は、早ければ早いほど高い。お金も時間も幼児期に最大限かけておくべき
・ペリー幼稚園プログラム。低所得のアフリカ系米国人3~4歳を抽選で選んで専門家の少人数教育と家庭訪問を受けさせ、40年間にわたって選ばれなかった人たちと比べたところ、持ち家率・所得が高く、生活保護受給率・逮捕率が低かった→ひどい実験!
・マシュマロ実験。保育園で15分間マシュマロを食べるのを我慢できた子は、高校の成績がよかった
・「ウソをつかない」「ルールを守る」「他人に親切にする」「勉強する」という4つのしつけを親から教わった人は、1つも教わらなかった人と比べて平均年収に86万年の差があった
・夏休みの宿題を休みの終わりの方にしていた人ほど、喫煙・ギャンブル・飲酒の習慣があり、借金・肥満の割合も高い→私は反例でした
・全国学力テストの順位は、家庭の資源(親の年収・学歴・家族構成)と相関関係にあり、学校教育の成果としてはほとんど意味がない→身も蓋もない!
・少人数学級は15人くらいまで減らさない限り、費用対効果が低い→県の33プランとかに当てはまる!
・平等主義(生まれながらにして能力に差はないという考え)は、成功しないのは努力しないせいだという発想を生み、思いやりの欠ける子をつくる
・成果主義や教員研修は教師の質を高めない。教員免許をなくして能力の高い人や他の職業で活躍してきた人を登用するのが効果的

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