サンマルコ(San Marco)

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 ベネチアの市街地で領地争いをするゲーム.「アムレット」「カピトール」と共に今年の年間ゲーム大賞ノミネート,ドイツゲーム賞入賞を果たしたムーン&ヴァイスブルムの作です.

 ゲームはアクションカードをプレイすることによってベネチアの6つの街区に自分の手下を配置し,それぞれの街区で最大多数になることをめざします.得点計算になると最大多数と2位のプレイヤーに点数が与えられます.アクションカードには他プレイヤーの手下を寝返りさせたり,追放したり,途中で得点計算にしたりするカードがあります.また合計10点になるとそのラウンドを脱落してしまうリミットカードもあります.効果的に手下を配置し,できるだけ多くの街区で点数を獲得して,最大点数のプレイヤーが勝ちます.
 ここまでだと,どこかでやったようなルールかもしれません.しかしこのゲームの主要かつ斬新なポイントは,アクションカードとリミットカードの配分にあります.まずアクションカードの分配する人と選ぶ人を決めます.4人の場合,2人組になって1人が分配する人,もう1人が選ぶ人になります.分配する人は山からカードを8枚引いて,任意に2つに分けます.今度はそこから選ぶ人がどちらかを選んで取ります.残りが分配する人のカードになります.従って分配者が不平等な分け方をしてしまうと,悪いほうを自分で取らなければならなくなります.相手の状況,自分の状況,場の状況を見ながら,適切な(決定者から見れば「いやらしい」)配分をすることが必要です.ゲームの大部分は,カードの分配にあると言っても過言ではありません.
 前半はにゃんとろさんの帝国が築かれつつありましたが,残り3人で集中攻撃を加えた結果,後退.混乱の中で頭ひとつ抜けたのは幅広く手下を配置したわんこさんでした.途中の点数経過が表示されているので,誰に追放や裏切りを仕掛けたらいいかは割りとはっきりします.分配する人が予想もしなかったアクションカードプレイで,皆を唸らせるのは気持ちいいものです.とかく他のゲームの要素に似ていると評されるムーンですが,とても斬新で奥が深いと思いました.久しぶりに「やればやるほど面白い」ゲームに出会った気がします.
San Marco
A.R.ムーン&A.ワイスブルム/ラベンスバーガー(2001年)
3~4人用/10歳以上/90分
Sさん:カードプレイによる陣取りゲームなのかな。盤面が美しくて、大変良い雰囲気。でもゲームは結構脳にきますね。引いたカードを二つの山に分けて、相手に選択してもらうアクションはボードゲームでは珍しいのでは?ランダムな要素が強いけど、このアクションの為に面白くなっている。カードのコンボも決められるため、大変悩ましくて結構。ここいら辺はトレーディングカードゲームチックですな。ダントツびりっけつの私が言うのも何ですが、なかなか良いと思います。リミットカードでしたっけ、あの数字のカードは。ちょっと3が多いように思ったんですが、いかがでしょう。康さんとN君の14点談合炸裂は痛かった・・・
康さん:これもよいゲームです。ムーンとバイスブルムのコンビで去年立て続けに3作がリリースされましたが、これが一番よくできています。序盤先行し、終始リードを続けていましたが、マークもされます。追放カードという、ダイス目分の駒を排除できるカードによって、気がつくと盤面の私の勢力はお寒い状態に。3ラウンド目は勢力回復に努めましたが、一歩及ばずN君に逆転負け。

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