ゲームサイトを考える集い(6)国産ゲームのレビュー

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ドイツのボードゲーム市場に出品される世界のゲームは年間500タイトルを数えるまでになったが、実は昨年発売された国産ボード・カードゲームの総数も50を超えた。キャラクターに完全に依存しているもの*1や双六に毛が生えただけのようなもの*2、海外作品の日本語版*3も少なくないが、意欲的な作品も見られるようになってきた。


ところが、新作の国産ゲームのレビューや評価を見られることは意外に少ない。場合によっては「2ちゃんねる」でちょっと書かれている程度ということもある。そこで多くが輸入品に傾倒しているボードゲーム愛好者にとって、国産ゲームの情報に目を向ける機会を増やすことが必要になってきている。国産ゲームのレビューが少ないのはなぜか、そしてそれはどうすれば増えるのか。


一番の原因は、国産ゲームを遊ぶ人が、質の上で輸入品を選ぶボードゲーム愛好者ではなくて、ウェブに現れない無数の一般人たちだという構造的なものであろう。『おばけ屋敷ゲーム』や『どこでもドラえもん日本旅行ゲーム』などはボードゲーム愛好者にはほとんど話題にのぼらなかったけれども、『カタン』や『カルカソンヌ』などと比べ物にならないビッグセールスを記録している。明らかに、遊んでいる人が別なのだ。愛好者でなければ、わざわざ遊んだゲームのレビューや評価を書くことは少ない。


次に、多くのゲームサイトでテーマ設定が「輸入ゲームの紹介」になっており、仮に管理人が遊んでも熱意を込めて紹介するには至らないということが考えられる。国産ゲームは言わずもがな、紹介しなくてもみんな知っているだろうという安心感が、結局誰も知らないという結果を生み出しているのではないだろうか。


3つ目は、上記の2つと密接に関連するがボードゲーム愛好者の中にある「所詮国産なんて大したことがないだろう」という先入見。日本人には昔から舶来物を特にありがたがる習性があり、特にヨーロッパのメルヘン、ドイツの品質、木のぬくもりなどというとはじめから好意的になる。それはそれでかまわないのだが、代わりに国産がその内容に関わらず不当に貶められてはいないだろうか。『アルゴ(ダビンチコード)』がドイツで評価されて始めて目を向けたという愛好者も少なからずいただろう。


そこでレビューを増やすための方策だが、まずは愛好者が遊ばなければならない。「考える会」では、サイト管理者同士がゲームを貸し借りして、1回でもいいから遊んでみるという提案をした。ちょっと遊んでみたいけれど、買いたいというほどではないというのが正直なところ。だったら借りて遊んでみようというわけだ。それが難しければ、サークルのラインナップに国産ゲームがあったら、はじめからバカにしないで遊んでみるという現実的な案も考えられる。意外な発見があるかもしれない。


次に遊んだらレビューや評価をどこかに書くこと。愛好者の目から見たレビューは、むしろメジャーな輸入品の紹介より情報的な価値が高い。見たい人も多いだろう。できれば「2ちゃんねる」でなく、自分のサイトかplay:gameデータベースに。


そしてレビューを書く上では、国産という点をまず高く評価したい。輸入品と比べれば劣る点はいくらでも見つかるだろう。それを並べ立てて面白くないと書くことは簡単だ。しかしそのゲームは、輸入品がこれだけ入ってきている日本で、メーカーが野心に燃えて発売したものなのだ。同じ要素でも、国産品にそれがあることが大きなプラスになる。提灯記事を書くのでは決してない。メーカーの意気込みを鼓舞し、次につながっていくようなレビューを。


発売されるゲームが玉石混交なのは、日本もドイツも変わらない。愛好者同士で情報を共有しながら「玉」に焦点をあて高く評価することが、そのゲームのメジャー度を上げ、メーカーに製作の指針を与え、より優れた国産ゲームが増えて、国産ゲームの発展にもつながっていくと思う。


これからは国産ゲームの時代だ!




*1:キャラクターをのせること自体はかまわない。『ミッキー&フレンズ5リンクス』のような好作もある。キャラクターを通してボードゲームに親しんでもらうという考え方もあるだろうが、ゲームとしての機能がお粗末なものはもはやゲームではなく、単なるキャラクター商品と呼ばざるを得ない。


*2:双六がボードゲームの基本であることはその通りだが、世界標準のクオリティという観点から言えば、その先に何かがほしい。


*3:質の高いゲームが刺激になるという点では評価できるし、現在高い人気を集めているのは事実だが、そろそろ日本でも独自に発展し始めてもいい時期ではないかと思う。


コメント(2)

国産のアナログゲームはターゲット層を子供にしているので、そもそも問題が違います。「お誕生日パーティ」が子供ゲームなのにも関わらず、大人が「つまらないゲーム」と酷評するようなもので、国産の子供向けゲームをキャラクターが入っているとか、ルールが単純だとかの理由で大人が「つまらない」と言うのは見当違いに思えます。質の高いゲームとは、ルールが複雑になる大人向けのボードゲームになるのではないでしょうか?日本にはそもそもアナログゲームのターゲート層を大人にしているメーカーが無いように思えます。

面白い子どもゲームの条件は、大人も本気で楽しめるという点にあります。もっともフリークを満足させるのは至難の業ですし、メーカーもそこまで考えてはいられないでしょうけれど。フリークを自認する人たちの間で国産ボードゲームを評価するならば、一般の大人という視点を意識的にもつことが大事でしょう。そうすれば、結構善戦するゲームもありそうです。

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