ベオウルフ・ザ・ムービー(Beowulf the Movie)

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第3ステージに向けて高まる緊張感
タイルとコマを配置して、自分のコマを置いた縦横の列から得点するボードゲーム。『市場のお店』(1994)が元ゲームで、このゲームの作者であるリメイク王・クニツィアがアメリカ版の『キングダム』(2003)を作り、さらに改良を加えてこのゲームが出来上がった。
自分の番にはボードの空いているところに手札からタイルを置くか、コマを置く。タイルはプラスポイントのもの、マイナスポイントのもの、特殊効果があるものがあり、コマは×1〜×4まである。碁盤の目になっているボードが全部埋まったら得点計算で、各コマごとに縦と横の二列にあるタイルの点数を合計し、コマの数字をかけて得点にする。ボードを替えて3ステージ行い、合計点の高い人が勝ち。
×2以上のコマは、合計がプラスになれば嬉しいが、マイナスになれば目も当てられない。当然、ほかの人が×2以上のコマを置いた列には、マイナスタイルがどんどん置かれることになる。タイルを置くにも、コマを置くにも、位置とタイミングが悩ましい。
元になった『市場のお店』はたいへん優れたゲームだが、同じボードで3ゲーム行うので、どんどんシビアになっていく傾向があった。大量得点をさせないようにお互い牽制するためである。攻撃はしやすいが、守るのは難しい。その点『ベオウルフ』は、毎ステージの地形が変わり、またタイル構成も変わることで変化をもたせ、シビアな印象を薄めている。ほかの人の置き方と、引いてくるタイルによって進め方は臨機応変。
縦横の列のプラスタイルを全部消してしまう「欺瞞」や、タイルの位置を交換できる「黄金の像」といった強力なタイルもあるが、その数はほんのわずかで、山札に埋もれたまま出てこないこともある。むしろ、そういうタイルが出てくることを警戒してゲームを進めるところが面白い。
今回は×2以上のコマを第3ステージまで全部温存しておく作戦。はたして第2ステージで大量得点を加えたくさのまさんにマークが集まる。第3ステージではほかの人と相乗りしたり、偶然できた美味しいスポットを押さえたりして追い上げ1位。
遊ぶたび、メンバーが変わるたびにつぶし合う展開と伸ばし合う展開の両方があり、それぞれ考え方が違う。ベオウルフというテーマのイラストはグロテスクで好みでないが、映画が忘れ去られても、このゲームは遊び継がれてほしい。
Beowulf the Movie
R.クニツィア/ファンタジーフライト(2007)
2〜4人用/10歳以上/30分
国内販売;アークライト

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