紫禁城(Die verbotene Stadt)

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禁を犯して衣装集め

「紫微垣」という天帝の住処として、人間が立ち入ることを禁じられた「紫禁城」。しかし皇帝の力は弱まり、結婚式用の衣装が盗まれてしまった。宦官を使って部屋を移動し、衣装をたくさん集めよう。1992年、ドイツ年間ゲーム大賞候補作品。

宦官は帽子と服が色分けされており、各自のボードで密かにプロットしておく(設定としては賄賂を送ったことになる)。紫禁城内にある8つの部屋の中から、ダイスでランダムに1部屋が指定される。手番になったら、宦官を移動して、指定されて部屋に入ることを目指す。

宦官の移動は、ランドルフの傑作『ハイパーロボット』(1999年)と同じで、行き止まりまでは止まれず、行き止まりのみ方向転換できるというもの。紫禁城ではたくさんの袋小路があり、プロットした宦官を入れるには、それ以外の宦官を袋小路に入れて通路を作っていく。

宦官を1コマ移動するたびに、隣の人がダイスを振り、最高4コマまで移動できる。ダイスは大中小と小さくなるにつれてストップする確率が上がるので、たいていは2〜3コマぐらいで部屋に入れなければならない。

うまく部屋に入ると結婚衣装カードをゲット。宦官は処刑され、新しい部屋がダイスで指定され、新しい宦官をプロットしてゲームを続ける。

途中から、自分がプロットしていない宦官を入れることもできるようになる。誰もダウトしなければ結婚衣装カードをゲットできるが、疑われてウソだった場合、結婚衣装を取られてしまう(ウソじゃなかったら逆に奪えるので、ダウトをかけるのもリスクがある)。

中盤までは結婚衣装カードを1枚ずつ取っていくが、終盤になるとあるだけ全部取れるようになり、また部屋のカードがなくなったらほかの人から奪うこともできるというインフレが起こる。大逆転なるか。

宦官が15人処刑されたらゲーム終了。結婚衣装カードを1枚1点で計算するが、上中下で揃っていれば得点が上がる。

袋小路に大方入れ終わると、あとは1,2手で部屋に入れるようになった。『ハイパーロボット』と違って何回曲がってもよいので、ぐるっと回れば何とか部屋に入れることが多い。終盤に大量の結婚衣装を集めた私の1位。プロットあり、ブラフあり、パズル要素ありと、ランドルフの気合が感じられる作品だった。

Die verbotene Stadt
A.ランドルフ、J.リュッティンガー/ラベンスバーガー(1992年)
2〜4人用/12歳以上/60分
絶版・入手難

コメント(2)

まずこのコンポーネントが大好きです。
明らかに中華文明をモチーフにしているにもかかわらず、狂ったような色づかいの宦官たち、8種類のカラフルな婚礼装束、そしてハイパーロボットに絡み合う直線の描かれた城内、私にとってはまさにステキ謎国籍ゲームです。

TGW和訳では官吏の追放となっていた部分を宦官の処刑としたのもしっくりきます。口封じっぽくて(笑)。実際清朝末期の故宮には皇帝の手足となる宦官が2千人もいたといいますし。

文頭、シビエンが天帝の名前のようにも受け取れる表現がありますが、天の境界を示す言葉で紫禁城の「紫」の由来なんですよね。このゲーム自体は(元以降の)実在の、権謀術策の渦巻いていた紫禁城を下敷きにしているのでしょうけれど。

これまでいくつものゲームを共作してきたランドルフとリュッティンガーは、本当に親交の厚い友人だったんですね。実際ドライマギアはランドルフだらけだし。彼らのデザインには囲碁や将棋など東洋的?な部分で似通ったものがあるように思います。本作はシステムにやや詰め込んだ印象があり、ややリュッティンガー寄りなのでしょうか。

余談ですがリュッティンガーの「ブラックプリンス」は、その後入荷・販売いたしました(すでに品切れです)。

結婚衣裳カードに漢数字が書かれていて、部屋の番号と対応しているのかと思いきや、単なるフレーバーだったという(ドイツ人は漢数字読めませんものね)ところもコンポーネントの売りです。
リュッティンガーとランドルフの共同作品は、この作品と、『トゥイードルダム(1987)』だけなんですね。要素の詰め込みが、気合の入れようを物語ります。
ドライマギア社を降りていたリュッティンガーですが、メビウスおやじさんのツイート(http://twitter.com/#!/mobiusgamesoyaG/status/33713456435838976)によれば復活したみたいで、これからの動きが注目されます。

pgdbのTGW訳は、私が作ったものと譲ってもらって公開しているものの2種類があります。全部ゴシックなのは後者で、読んでも分かりにくい箇所があったので適宜補う必要がありました。

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