アンジェレイド(Ungerade)

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裏を書いて陥れる
Ungerade
ペアをめくって得点するカードゲーム……と聞いて、私は神経衰弱(メモリー)のバリアントだと思っていた。しかし遊んでみると、記憶の要素は少なく、それよりも読み合いとブラフのゲームだった。タイトルはドイツ語の奇数(ウンゲラーデ)から。
手番には場札を1枚めくって、その後で手札から1枚、伏せて場に出す。めくったときに、ペアがなければそのまま裏返さずに表にしておき、同じ数字のペアが出ればゲットできる。
ほかの人が出したカードをめくってもよいところがこのゲームのポイントその1。最初から置かれている場札と違って、ほかの人が伏せて出したカードは、すでに表になっているカードと同じ数字である可能性が高い。1周の間、そうやって出したカードがめくられなければ、自分でめくって悠々とペアを確保できる。しかし、出す方もそれが分かっているから、わざと別のカードにするかもしれない。
プレイヤーが出したカードは、手元に並べておくので、「この時点では6があったから、6を出していたかも」「ここで5が取られてなくなったので、布石として5を置いたかも」という推理ができる。「これ、6でしょう?(ニヤリ)」「えっ、違いますよ」「いいや、6に違いない、ほら!」「……1でした−!」1のカードを仕込んで、6を狙うほかのプレイヤーがめくってくれたときの快感ったらない。
数字は1〜6まであるが、点数が高いほど枚数が少なくペアが揃いづらいのがポイントのその2。手札にある数字の大きいカードをどのタイミングで出すかも悩ましい。そしてタイトルが示すとおり、どの数字も枚数は奇数であるところがポイントその3。終盤は、1枚だけ残るカードをめくらないよう、競争が激しい。「その4のカード、狙ってたのに〜!」
ポーカーフェイスで読ませなかったcarlさんが1位。1をめくってくれたと喜びすぎると、ほかのカードに6があるんじゃないかと怪しまれるなど、『ドメモ』のように、ほかの人の言動やちょっとした仕草もヒントになる。「ゲーム会の最初に毎回やってもいい」とくさのまさん。単純なルールが推理やブラフを生み出す、絶妙なゲームである。
Ungerade
杉岡一樹/青い街(2011年)
2〜5人用/8歳以上/20分
青い街:Ungerade

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