ボードゲーム十大ニュース2014

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今年もあと半月となったところで、今年の主なニュースをまとめた。記事のアクセス数やツイートをもとにリストアップし、管理人の独断でランキング。
当サイトでは国内外のボードゲームニュースを取り上げているが、今年は海外のニュースを紹介する余裕がないくらい、国内ニュースが充実していた。日本語版は毎週のようにリリースされ、ゲームマーケットの参加者は増え続け、ボードゲームフリーマーケットが全国各地で開催されている。これらは常態化しているので、十大ニュースには挙げていない。
2015年はボードゲーム界がどんな1年になるだろうか。相変わらずボードゲームを楽しみ続けられることを祈る。
1.カルカソンヌ世界大会、日本代表初優勝URL
10月19日、ドイツ・エッセンにて第9回カルカソンヌ世界選手権が開催され、日本代表の望月隆史氏が優勝した。日本代表は4回目の参加にして初めて栄冠をつかんだ。会場ではカルカソンヌのデザインをあしらった着物姿のメビウスママさんをはじめ、多くの日本人が応援に駆け付けた。望月氏は来年、第10回のカルカソンヌ世界選手権ではディフェンディング・チャンピオンとして参加することになる。
2.カナイセイジ氏ドイツゲーム賞授賞式の壇上へURL
10月15日、ドイツ・エッセンでドイツゲーム賞授賞式が行われ、『ラブレター』で4位を受賞したカナイセイジ氏が登壇、トロフィーを受け取った。以前にも日本人作品の受賞はあったが、日本人が登壇するのは史上初。『ラブレター』は今年、ドイツ年間ゲーム大賞推薦リスト、アラカルトカードゲーム賞2位とドイツ三賞に入賞するという好成績を収め、日本人デザイナーの活躍を世界に印象づけた。
3.日本カタン協会、「非紳士的な行為」について警告URL
8月24日に行われた『カタンの開拓者たち』日本選手権ファイナルの直前に、「非紳士的行為」に関するコメントが発表され、話題となった。このコメントの中で挙げられたのは、遅延行為、見学者の助言、対戦相手の挑発・侮辱、コンビ打ちの4点。これにビジネス勧誘を加えて、日本選手権で行われないよう、日本カタン協会は大会主催のジーピー社に申し入れた。日本選手権は大きな混乱もなく開催され、優勝した松本吉高氏は世界選手権でも準優勝という優秀な成績を収めている。
4.昭和天皇実録にクロキノールURL
9月9日に宮内庁で公開された『昭和天皇実録』で、昭和天皇が学習院初等科入学前後、「クロックノール」を遊ばれていたことが分かり、検証の結果おはじきゲームの『クロキノール(Crokinole)』である可能性が高いことが分かった。宮内庁は当初「分からない」としていたが、公開直後にボードゲーム愛好者から『クロキノール』のことではないかという指摘が寄せられ、この時代に輸入されていることも判明。新聞などでも多く取り上げられている。
5.チケットトゥライド世界選手権で不正行為、優勝返上URL
9月27日にパリで行われた第2回チケットトゥライド世界選手権の決勝で不正行為があったことが判明し、オランダ代表が優勝を返上した。大会後、インターネットで決勝のライブ中継を見たファンから、決勝で不正行為が行われたという情報が寄せられ、精査・照会した結果、優勝したE.パウエルセン氏がこれを認め、トロフィーを返却した。繰り上げでアメリカ代表が優勝となっている。この大会には日本代表の村田大輔氏も参加している。
6.アスモデグループ拡大、DoW、FFG社を合併URL1URL2
フランスのボードゲーム出版社アスモデは、8月に同じフランスのデイズ・オブ・ワンダー社を、11月にはアメリカのファンタジーフライト社を合併した。デイズ・オブ・ワンダー社は『スモールワールド』以降近年ヒット作に恵まれず、ファンタジーフライト社はヨーロッパでの販路が限られていたことから、合併に至ったとみられる。アスモデ社はフランス語圏の出版社を取りまとめて世界中に展開しており、ますます力をつけることになる。
7.ゲームストア・バネスト15周年、オリジナル作品出版スタートURL
名古屋のボードゲーム専門店ゲームストア・バネストは11月16日のゲームマーケット2014秋にて、ネット通販のジョイゲームズと共同製作した新作ボードゲーム『GLOBETROTTER:世界を巡る旅行者』を発売した。ゲームストア・バネストは今年でオープン15周年を迎え、従来のボードゲーム輸入に加えて、初めてオリジナル作品の製作に臨んだもの。成果は上々で、早くも第2弾が予定されている。
8.クラウドファンディングで国産作品次々と
今年はクラウドファンディングが日本にも定着した年となった。『オカシノビ』『ビバニク』『オトーリバース』(アルハラシステムズ)、『こびと人狼』プラスチック版(Phandprap)、『三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい』(komakiss)、『Gods’ Gambit』(ANALOG GAMES)、『The Majority – Complete Edition』(Ninja Star Games)など国産作品が資金集めに成功。またゲームマーケットで発表された『スタンプグラフィティ』や『MAYOR』はクラウドファンディング形式で予約を受け付け、成功を収めた。2015年には、ボードゲーム専門のクラウドファンディングサービスも開始される。
9.ゲームマーケットでポストカードゲーム製作広がるURL
11月16日に開かれたゲームマーケット2014秋で、多数のサークルが「ポストカードゲーム」を頒布した。絵はがきの形態で提供されるゲームで、十式ゲームワークスの呼びかけに応じて製作された。たいへん安価なだけでなく、ポストカードに収まるミニマリズムが求められるので、デザイナーにとってもやりがいのある仕事だったようだ。発表されたのは40タイトルにものぼった。
10.ドイツ年間ゲーム大賞、エキスパート賞、ノミネートまで全て日本語版に
今年はドイツ年間ゲーム大賞・ノミネート、エキスパート大賞・ノミネートの合計6タイトル(『キャメルアップ』『宝石の煌き』『コンセプト』『イスタンブール』『コンコルディア』『ロココの仕立屋』)が、全て日本語版になった。エキスパート大賞が制定されて4年目になるが、全て日本語版になるのは今年が初めて。これまでは2012年の4タイトルが最高だった。マーケット規模の成長を示すものだが、タイトルによって売れる・売れないの差が開いており、大ロット製作の日本語版は、売れ残るリスクも抱えることになる。実際、発売後間もない日本語版がセールになるケースも増えている。
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